商標拒絶査定不服審判
2023-019887
クラウドテンキヨホー、テンキヨホー
- 審判番号
- 2023-019887
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2023-006973
- 請求日
- 2023年11月24日
- 審決日
- 2025年04月01日
- 公報発行日
- 2025年06月27日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社Y2S
- 【請求人代理人】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 大橋 良成
- 審判官 渡邉 あおい
- 審判官 渡邉 潤
- 分類
- T18 .13 -Z (W0942) / T18 .272-Z (W0942)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2023- 6973拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和5年1月13日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年 6月 8日付け:拒絶理由通知書
令和5年 7月 6日 :意見書の提出
令和5年 8月10日付け:拒絶査定
令和5年11月24日 :審判請求書の提出
令和6年12月12日付け:審尋
第2 本願商標
本願商標は、「クラウド天気予報」の文字を標準文字で表してなり、第9類及び第42類に属する別掲1に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として登録出願されたものである。
第3 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、「本願商標は、「クラウド天気予報」の文字を標準文字で表してなるところ、これは、「クラウド」の片仮名と「天気予報」の漢字からなるものである。そして、「クラウド」の片仮名は、本願の指定商品(指定役務)との関係においては、「クラウドコンピューティングの略」を表す語であると理解されるものであり、「天気予報」の文字は、「ある地域の天気の変化を予測し、知らせること。」の意味を有する親しまれた語であるところ、本願の指定商品(指定役務)に係る業界においては、天気予報を内容とする各種アプリケーションソフトウェアが提供されているほか、クラウドコンピューティングを介して天気予報のデータ等が提供されている実情がある。そうすると、本願商標を、その指定商品(指定役務)に使用しても、これに接する取引者、需要者は、当該商品(役務)が、例えば、「クラウドコンピューティング用の天気予報を内容とするアプリケーションソフトウェア(の提供)」である等、クラウドコンピューティングに関する天気予報を内容とする商品(役務)であること、すなわち、商品の品質(役務の質)を表示したものと認識するにすぎないというのが相当である。また、本願商標を、その指定商品(指定役務)中、クラウドコンピューティングに関する天気予報を内容とする商品(役務)以外の商品(役務)に使用するときは、商品の品質(役務の質)の誤認を生じさせるおそれがあるというべきである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第4 当審における審尋
当審において、上記第1の審尋により、請求人に対し、別掲2及び別掲3のとおりの事実を提示した上で、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、これに対する回答を求めたが、請求人は、応答期間において、当該審尋に対する意見を提出していない。
第5 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、「クラウド天気予報」の文字を標準文字で表してなるところ、かかる構成においては、「クラウド」の片仮名と「天気予報」の漢字とで構成されるものと容易に認識されるものである。
そして、本願商標の構成中の「クラウド」の文字は、「(雲の意)それを提供するサーバーなどについて意識することなく、ネットワークを通じて様々な場所から利用可能なコンピューターのリソース。」(「クラウドコンピューティング」の項には「クラウドを使ったコンピューターの利用形態。単にクラウドとも。」との記載がある。)の意味を、「天気予報」の文字は、「当日から3日以内の風・天気・気温等の予報。」(いずれも「広辞苑 第7版」発行者:株式会社岩波書店)の意味を有する語として一般に広く使用されている語である。
また、別掲2のとおり、クラウドを利用した商品やサービスが、本願の指定商品及び指定役務に含まれる「クラウドコンピューティング」のほか、例えば、「クラウドアプリケーション」、「クラウド会議室」などのように、当該クラウドを利用した商品やサービスであることを表す際に、「クラウド」の文字を冠して使用されている事例が見受けられ、さらに、別掲3のとおり、クラウドを利用して気象データ等を収集するなど、実際にクラウドを利用した天気予報の提供が行われている取引の実情が認められる。
そうすると、本願商標の構成文字の語義及び上記取引の実情をも併せ考慮すれば、本願商標は、その構成文字全体から、「クラウド(クラウドコンピューティング)を利用した天気予報」ほどの意味合いを認識、理解させるものであり、これを、その指定商品及び指定役務に使用しても、これに接する取引者・需要者は、当該商品及び役務が「クラウド(クラウドコンピューティング)を利用した天気予報に関する商品及び役務」であることを理解するにとどまるから、本願商標は、商品の品質、役務の質(内容)を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、本願商標を、その指定商品及び指定役務中、「クラウド(クラウドコンピューティング)を利用した天気予報」と関連のない商品及び役務について使用をするときは、商品の品質及び役務の質(内容)の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。
2 請求人の主張について
請求人は、「本願商標は、同じ書体、同じ大きさにより、外観上まとまりよく一体的に表されており、また、その構成全体から生じる「クラウドテンキヨホウ」の称呼も、よどみなく一連に称呼し得るものであるから、取引者、需要者は本願商標の構成文字全体をもって、一体不可分のものとして認識し、把握すると考えられる。また、本願商標は、辞書類に載録された成語とは認められず、特定の意味合いを有する語として一般に知られたものとは認められないものである。さらに、「クラウド」の片仮名には「crowd」もあり、必ずしも「クラウドコンピューティング」の略称である「cloud」を想起させるとは限らず、「天気予報」には天候を予報するという意味のほかに、「あまりあてにならない予想や予言」という意味もあるから、一般需要者が、本願商標から一義的な意味合いを認識するとは限らず、本願商標は自他商品・役務の識別標識として十分に機能し得るものである。」旨主張する。
しかしながら、本願商標は、同じ書体、同じ大きさにより表されているとしても、「クラウド」の片仮名と「天気予報」の漢字とで構成されるものと容易に認識されるものである。
そして、本願商標の構成中の「クラウド」の片仮名は、本願の指定商品及び指定役務であるクラウドコンピューティングに関連する商品及び役務との関係においては、「クラウドコンピューティング」の略称である「cloud」を無理なく認識させる語であるというべきものであることに加え、別掲2のとおり、クラウドを利用した商品やサービスが、当該クラウドを利用した商品やサービスであることを表す際に、「クラウド」の文字を冠して使用されている事例が見受けられ、別掲3のとおり、クラウドを利用して気象データ等を収集するなど、実際にクラウドを利用した天気予報の提供が行われている取引の実情が認められる。
そうすると、上記1のとおり、本願商標は、その構成文字全体から、「クラウド(クラウドコンピューティング)を利用した天気予報」ほどの意味合いを認識、理解させるものであり、これを、その指定商品及び指定役務に使用しても、これに接する取引者・需要者は、当該商品及び役務が「クラウド(クラウドコンピューティング)を利用した天気予報に関する商品及び役務」であることを理解するにとどまるから、本願商標は、商品の品質、役務の質(内容)を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものと判断するのが相当である。
(2)請求人は、過去の登録例を挙げて、本願商標も同様に取り扱われるべきである旨主張している。
しかしながら、請求人の挙げる登録例は、本願商標とは、構成文字や構成態様が異なるものであって、かつ、具体的事案の判断においては、過去の登録例等に拘束されることなく、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と取引の実情に応じて個別的に判断されるべきであるから、これらの事例の存在によって、上記1の認定、判断が左右されるものではない。
(3)請求人の上記主張は、いずれも採用することができず、その他、請求人の主張は、採用するべき事情はない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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