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商標拒絶査定不服審判

2023-019423

ゴマヒトスジ、ヒトスジ

審判番号
2023-019423
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2022-110505
請求日
2023年11月15日
審決日
2024年11月11日
公報発行日
2025年02月28日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】かどや製油株式会社
  • 【請求人代理人】弁理士法人タナベ・パートナーズ国際特許事務所
  • 【請求人代理人】田辺 敏郎
  • 【請求人代理人】田辺 恵
審判長/審判官
  • 審判長 大森 友子
  • 審判官 小俣 克巳
  • 審判官 鯉沼 里果
分類
T18 .16 -Z (W2930)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法3条1項6号
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第3条第1項第6号、商標法第3条第1項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

商願2022-110505拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 1 手続の経緯 本願は、令和4年9月26日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和 5年 1月24日付け:拒絶理由通知 令和 5年 2月27日 :刊行物等提出書 令和 5年 6月 9日 :意見書の提出 令和 5年 8月 9日付け:拒絶査定 令和 5年11月15日 :審判請求書の提出 令和 6年 7月16日付け:審尋 令和 6年 9月 2日 :回答書の提出 2 本願商標 本願商標は、「ごま一筋」の文字を標準文字で表してなり、第29類及び第30類に属する別掲1のとおりの商品を指定商品として登録出願されたものである。 3 原査定の拒絶の理由(要旨) 本願商標は、「ごま一筋」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「ごま」の文字については、「ゴマ科の一年草。果実は円柱状で、中に多数の種子をもつ。エジプトの原産といわれ、黒ゴマ・白ゴマ・金ゴマなどの品種がある。油をとり、また食用にする。うごま。」の意味を有する語として使用され、また、「一筋」の文字については、「ただ一つのことに心を傾けるさま。」の意味を有する語として広く使用されているものである。 そして、本願商標は、人の注意をひくように工夫した宣伝文句といえるものであって、格別要部として把握し得る部分があるとも認め難いことから、その意味合いを看取した需要者は、これをその取り扱いに係る特定の商品について使用する商品識別の標識と認識するというよりは、むしろ、食品の分野において、「ごま一筋」や「胡麻ひとすじ」、「胡麻一筋」、「ゴマ一筋」等の文字が、その商品が「ごまを原料とする商品の製造に長年にわたって専念してきた者が作った、優れた品質」であることを想起させるフレーズとして、ごまを原料とする商品の説明文や、それら商品の製造・販売を行う者の紹介文等に広く使用されている実情があるから、出願人の取り扱っている商品に関し、「ごまを原料とする商品の製造に長年にわたって専念してきた者が作った、優れた品質の商品」であることを端的に表現した宣伝広告の一種と認識し理解するとみるのが相当である。 そうとすると、本願商標は、「ごま一筋」の文字を書してなるにすぎないものであるから、これをその指定商品に使用しても、需要者・取引者は、顧客の吸引、販売促進等のための宣伝広告の一類型を表示したものと理解するにとどまり、何人かの業務に係る商品であることを認識できないものといえる。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。 4 当審における審尋 当審において、上記1の審尋により、別掲2に掲げる事実を記載した上で、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するとの暫定的見解を示し、期間を指定した上で請求人に対し意見を求めた。 5 審尋に対する請求人の回答 (1)審尋において提示された、「ごま一筋」の文字が使用されている事実は、いずれも、記述的な文章の一部の文言として用いられているにすぎず、本願商標が自他商品識別力を有さないことの証左になり得ない。 (2)本願商標は、商標審査基準(商標法第3条第1項第6号)に例示された、識別力のない商標の態様に合致するものではないことから、本願商標が自他商品識別力を有さないという判断は商標法第3条第1項第6号の法の趣旨に反する。 6 当審の判断 (1)本願商標について 本願商標は、「ごま一筋」の文字を標準文字で表してなるところ、本願商標を構成する「ごま」の文字は「ゴマ科の一年草。(中略)油をとり、また食用にする。」を、「一筋」の文字は「ただ一つのことに心を傾けるさま。」を、それぞれ意味する語(出典:いずれも「デジタル大辞泉」)であって、これらの語を結合してなる本願商標は、構成全体として「ごまに心を傾けていること。」といった意味合いを容易に認識、理解させるものである。 そして、本願の指定商品を含む食品の分野において、「ごま一筋」や、これに通じる「胡麻一筋」、「ゴマ一筋」等の文字(以下、「「ごま一筋」等の語」という。)が、「ごまを原料とする商品の製造に長年にわたって専念していること」を表示する、商品の宣伝広告又は企業理念として、商品や商品の製造・販売を行う者の紹介文等に広く使用されている実情が、原審において提示した証左の他、令和5年2月27日付で提出された刊行物等提出書及び別掲2のとおり確認できる。 そうすると、本願商標をその指定商品に使用したときは、これに接する需要者及び取引者は、商品の宣伝広告又は企業理念の一類型として認識するにとどまり、商品の出所を表示する標識又は自他商品の識別標識として認識することはないというべきである。 したがって、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標であり、商標法第3条第1項第6号に該当する。 (2)請求人の主張について ア 請求人は、原審及び審尋において提示した「ごま一筋」等の語の使用例は、いずれも、記述的な文章の一部の文言として用いられているにすぎず、本願商標が自他商品識別力を有さないことの証左になり得ない旨主張している。 しかしながら、原審及び審尋において列挙した使用例は、上記(1)のとおり、「ごま一筋」等の語が商品の宣伝広告又は企業理念として一般に使用されている実情があることを立証するための証左であって、「ごま一筋」等の語が、商標として使用されている事例を挙げたものではない。そして、そのような実情を踏まえれば、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する需要者及び取引者は、自他商品の識別標識としては認識しないものというのが相当である。 イ 請求人は、本願商標は造語商標であって、一般的に使用されている商標ではなく、その表現に特徴があり、同一内容の表現方法には種々バリエーションがあることから、本願商標を原告が独占しても、他の事業者における標識選択の余地を狭めることにはならない旨主張している。 しかしながら、上記(1)のとおり、本願商標は商品の宣伝広告又は企業理念を表示する際に一般に広く使用されている語であるから、何人もその使用を欲するといい得るものであり、特定人による独占使用を認めることを公益上適当としないものであるとともに、自他商品の識別力を欠き、商標としての機能を果たし得ないものと判断するのが相当である。 ウ 請求人は、本願商標は、商標審査基準(商標法第3条第1項第6号)に例示された、識別力のない商標の態様に合致するものではないことから、本願商標が自他商品識別力を有さないという判断は商標法第3条第1項第6号の趣旨に反する旨主張している。 しかしながら、上記(1)のとおり、「ごま一筋」等の語は、本願商標に接する取引者、需要者に宣伝広告又は企業理念の一類型にすぎないものと認識させるため、本願商標は、自他商品の識別力を有さない商標といえ、このような商標は、特定人によるその独占使用を認めるのを公益上適当としないものと判断するのが相当である。 エ 請求人は、過去の登録例及び審決例を挙げ、本願商標もこれらと同様に判断されるべきである旨主張する。 しかしながら、登録出願に係る商標が、商標法第3条第1項各号に該当するものであるか否かの判断は、当該登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品の取引の実情等に基づいて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、本願については上記(1)のとおり判断するものであるから、請求人の挙げた登録例及び審決例があることが、本願商標の判断を左右するものではない。 オ したがって、請求人の主張はいずれも採用することができない。 (3)まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものであるから、登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。

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