商標拒絶査定不服審判
2023-019004
アイピイオオロームコンサルタント、アイピイオオ、ロームコンサルタント
- 審判番号
- 2023-019004
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-111912
- 請求日
- 2023年11月08日
- 審決日
- 2025年06月23日
- 公報発行日
- 2025年09月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】社会保険労務士法人みらいコンサルティング
- 【請求人代理人】森田 拓生
- 審判長/審判官
- 審判長 大橋 良成
- 審判官 馬場 秀敏
- 審判官 吉田 聡一
- 分類
- T18 .13 -Z (W3841) / T18 .272-Z (W3841)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、商標法第4条第1項第16号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022-111912拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和4年9月28日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年 3月 1日付け:拒絶理由通知書
令和5年 8月 2日付け:拒絶査定
令和5年11月 8日 :審判請求書、手続補正書の提出
令和6年12月 2日付け:審尋
令和7年 1月21日 :回答書の提出
2 本願商標
本願商標は、「IPO労務コンサルタント」の文字を横書きしてなり、第35類、第38類及び第41類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として登録出願されたものであって、その後、指定役務については、上記1の手続補正により、第38類「電子掲示板による通信,インターネット利用のチャットルーム形式による電子掲示板通信」及び第41類「セミナーの企画・運営又は開催,ビジネスの知識及びノウハウの伝授(訓練),国家資格取得講座における教授,会議の手配及び運営,研修会の手配及び管理,書籍の制作,オンラインで提供される電子書籍及び電子定期刊行物の制作,人・企業又は地域間の交流会の企画・運営又は開催」と補正されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定は、「本願商標は、「IPO労務コンサルタント」の文字を普通に用いられる方法で表してなるところ、その構成中の「IPO」の文字は、「(initial public offering)株式公開。」の意味を有し、「労務」の文字は、「労働に関する事務。」の意味を有し、「コンサルタント」の文字は、「一定の事柄について相談・助言・指導を行う専門家。」の意味を有する(いずれも「広辞苑 第七版」岩波書店)から、本願商標は全体として、「IPO(株式公開)に関する労務のコンサルタント」程の意味合いを容易に理解させるものである。そして、本願指定役務を取り扱う業界において、企業のIPO(株式公開)に関する労務の相談・指導が行われており、これを指称する語として「IPO労務コンサルティング」の文字が使用されている実情及び労務に関する相談・指導を行う専門家を指称する語として「労務コンサルタント」の文字が使用されている実情がある。そうすると、本願商標を、その指定役務に使用した場合、これに接する需要者は、「IPO(株式公開)に関する労務のコンサルタントによる役務」又は「IPO(株式公開)に関する労務のコンサルタントに係る役務」であること、すなわち、単に役務の質を普通に用いられる方法で表示したものというのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記文字に照応する役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
4 当審における審尋
当審において、令和6年12月2日付け審尋により、別掲1及び2に掲げる事実を提示した上で、本願商標が、その指定役務との関係において、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、請求人に対し、意見を求めた。
5 審尋に対する請求人の意見(要旨)
たとえIPOをINITIAL PIBLIC OFFERING(審決注:「PIBLIC」の単語中の最初の「I」は「U」と読み替える。以下同じ。)「株式公開労務」と認識したとしても、本願指定役務との関係で、通信や掲示する内容の説明とは無関係であり、あるいは講演会、資格の内容の説明とは無関係である以上、本願指定役務の内容を一般的に表示した文字列からなるとは決して理解されない。指定役務との関係においては、IPO労務コンサルティングの業務に関する使用の実態はなく、この指定役務を取り扱う業界においては決して一般的な表示ではない。
6 当審の判断
(1)本願商標の商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、「IPO労務コンサルタント」の文字を普通に用いられる方法で横書きしてなるところ、その構成中の「IPO」の文字は、「(initial public offering)株式公開。」の意味を、「労務」の文字は、「労働に関する事務。」の意味を、「コンサルタント」の文字は、「一定の事柄について相談・助言・指導を行う専門家。」の意味を有する語である(いずれも、「広辞苑 第七版」岩波書店)。
そして、本願商標の指定役務に関連する分野においては、別掲1の事例からみられるように、IPO(株式公開)のための審査項目に労務体制が含まれており、そのための労務体制の構築や改善のための助言等が労務関係のコンサルティングを行う者により広く提供されている実情が認められ、また、それらに、「IPO労務コンサルタント」や「IPO労務コンサルティング」の文字が用いられている事例も認められる。
そうすると、各語の意味合いと、指定役務に関する取引の実情を踏まえれば、本願商標の「IPO労務コンサルタント」の文字からは、「IPO(株式公開)に関する労務のコンサルタント」ほどの意味合いが容易に理解されるというのが相当である。
さらに、別掲2の事例にみられるように、労務関係のコンサルティングを行う者により、補正後の指定役務に関係する、電子掲示板を通じた役務の提供、セミナー類の提供、書籍や電子書籍の制作が行われていることが確認できる。
以上のことを踏まえると、「IPO労務コンサルタント」の文字からなる本願商標を、補正後の指定役務に使用しても、これらの役務が、労務関係のコンサルティングを行う者により提供されていることも考慮すると、本願商標に接する取引者、需要者は、いまだ、「IPO(株式公開)に関する労務のコンサルタントによる役務」又は「IPO(株式公開)に関する労務のコンサルタントに係る役務」であること、すなわち、単に役務の質(内容)を表していることを想起、理解するにとどまり、自他役務の識別標識としては認識しないものというのが相当である。
したがって、本願商標は、補正後の指定役務との関係において、役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものというべきであり、商標法第3条第1項第3号に該当する。
また、本願商標は、上記意味合いに照応する役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、「たとえIPOをINITIAL PUBLIC OFFERING「株式公開労務」と認識したとしても、本願指定役務との関係で、通信や掲示する内容の説明とは無関係であり、あるいは講演会、資格の内容の説明とは無関係である以上、本願指定役務の内容を一般的に表示した文字列からなるとは決して理解されない。」及び「指定役務との関係においては、IPO労務コンサルティングの業務に関する使用の実態はなく、この指定役務を取り扱う業界においては決して一般的な表示ではない。」旨述べ、本願商標は本願指定役務との関係において、役務の質を普通に用いられる方法で表示したものではない旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が識別力を有するか否かの判断は、当該商標の構成やその指定役務に関する取引の事情を考慮して、当該商標の取引者、需要者によってどのように認識されるかを基準に判断すべきところ、前述のとおり、IPO(株式公開)のための労務体制の構築や改善のための助言等が労務関係のコンサルティングを行う者により広く提供され、それらに「IPO労務コンサルタント」や「IPO労務コンサルティング」の文字が用いられており、また、労務関係のコンサルティングを行う者により、労務に関する電子掲示板を通じた役務の提供、セミナー類の提供、書籍や電子書籍の制作も広く行われている実情が認められることを併せて考慮すると、「IPO労務コンサルタント」の文字からなる本願商標を、補正後の指定役務に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、これを自他役務の識別標識として認識するというよりは、「役務の提供者がIPO(株式公開)に関する労務のコンサルタントであること」又は「役務の内容がIPO(株式公開)に関する労務のコンサルタントに係るものであること」ほどの意味合い、すなわち、単に役務の質(内容)を表していることを想起、理解するにとどまるというべきである。
したがって、請求人のかかる主張は、採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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