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商標拒絶査定不服審判

2023-018529

ミストピンク、ミスト

審判番号
2023-018529
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2022-113364
請求日
2023年11月01日
審決日
2025年07月15日
公報発行日
2025年10月31日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】株式会社ミルク
  • 【請求人代理人】弁理士法人三枝国際特許事務所
審判長/審判官
  • 審判長 大橋 良成
  • 審判官 馬場 秀敏
  • 審判官 吉田 聡一
分類
T18 .13 -Z (W14) / T18 .272-Z (W14)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法3条1項3号商標法4条1項16号
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第3条第1項第3号、商標法第4条第1項第16号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

商願2022-113364拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 1 手続の経緯 本願は、令和4年10月3日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和5年 2月14日付け:拒絶理由通知書 令和5年 3月27日 :意見書の提出 令和5年 7月26日付け:拒絶査定 令和5年11月 1日 :審判請求書の提出 令和7年 1月17日付け:審尋 令和7年 3月 3日 :意見書、手続補正書の提出 2 本願商標 本願商標は、「ミストピンク」の文字を標準文字で表してなり、第14類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として登録出願されたものであって、その後、指定商品については、上記1の手続補正により、第14類「イヤリング,ネックレス,ペンダント,指輪,ブレスレット」と補正されたものである。 3 原査定の拒絶の理由(要旨) 原査定は、「本願商標は、「ミストピンク」の文字を普通に用いられる方法(標準文字)で表してなるところ、その構成中「ミスト」の文字は、色を表す語に冠して、その色にミスト、すなわち靄がかかったような色を指すのに用いられている。また、「ミストピンク」の文字が、指定商品含め、商品取引において、ピンク系の色を表す名称として用いられている実情がある。そうすると、本願商標をその指定商品に使用した場合、これに接する需要者は、「その商品の色がミストピンクであること」、すなわち、本願商標を、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示したものとして認識するというのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、「色がミストピンクである商品」以外の指定商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 4 当審における審尋 当審において、令和7年1月17日付け審尋により、別掲1ないし3に掲げる事実を提示した上で、本願商標が、その指定商品との関係において、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、請求人に対し、意見を求めた。 5 審尋に対する請求人の意見(要旨) イメージや、メッセージ性を重視する業界の特性、および実際の使用状況からすると、「ミストピンク」の文字が、本願の指定商品の取引者、需要者の間において、具体的な色彩を表すものとして親しまれたものとはいい難く、かつ、「ミストピンク」の文字は、一般の国語辞典や上述のJISの慣用色名に掲載されていないことも加味すると、本願商標に接した取引者、需要者をして、直ちに特定の商品の品質(色彩)のみを直接的に想起させるとはいい難く、その意味を超えた一定の観念を想起させる語である。そうすると、本願商標は、これをその指定商品について使用しても、商品の品質(色彩)を表示するものいうことはできず、かつ、商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるものということもできない。 6 当審の判断 (1)本願商標の商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について 本願商標は、「ミストピンク」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「ミスト」の文字は、「霧。霧状のもの。」を、「ピンク」の文字は、「淡紅色。桃色。」をそれぞれ意味する語として知られている(「広辞苑 第七版」岩波書店)から、本願商標は、これらの語を組み合わせてなるものと容易に理解できるものである。 そして、色については、同じ色においても様々な色合いの種類があり、例えば、ピンクについても、サーモンピンクやローズピンクなど、「○○ピンク」の表現で色のニュアンスを特定する様々な色合いが表されている(洋色大辞典 https://www.colordic.org/y)。 そして、色との関係においては、別掲1のとおり、「ミスト」単独、又は「ミスト○○(色名)」、「○○(色名)ミスト」の形で色名としても用いられており、さらに原審で示した事例に加え、別掲2のとおり、一般需要者が目にする日用品や衣類等のファッション関連分野において、「ミストピンク」の文字が商品の色名として多数用いられていることが確認できる。 加えて、一般に、本願指定商品である身飾品や宝飾品等については、非常に高価なものから比較的安価なものまで存在し、一部の限られた需要者だけではなく、一般の需要者を含め様々な者に購入・使用されているものといえるところ、別掲3のとおり、一般需要者が目にするような商品に「○○(色のニュアンスを特定する表現)ピンク」が色名として用いられていることも確認できる。 さらに、本願指定商品を含むファッション関連分野においては、一般に商品のデザイン性以外にも、色の特徴等が商品購入の際の重要な要素になっていることは、当該特徴として色名が表示されている別掲の各証拠からも十分に裏付けられる。 そうすると、構成文字の語義と使用例、色名が購入時の重要な判断要素として表示されている上記商品取引の実情も踏まえると、「ミストピンク」からなる本願商標をその指定商品に使用した場合、これに接する需要者は、これを自他商品の識別標識として理解するというよりは、「その商品の色がミストピンクという色であること」、すなわち、単に商品の品質を表示したものとして認識するにとどまるというのが相当である。 したがって、本願商標は、前記指定役商品との関係において、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものというべきであり、商標法第3条第1項第3号に該当する。また、前記意味合いに照応する商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。 (2)請求人の主張について ア 請求人は、「2018年から「ミストピンク」をジュエリーコレクション名として現在まで、継続的に約7年間使用しており、Google検索にて、「ミストピンク アクセサリー」を検索したところ、検出される商品のほとんどが、本願人の商品であり、他者の使用はみられない」とした上で、「イメージや、メッセージ性を重視する業界の特性、および実際の使用状況からすると、「ミストピンク」の文字が、本願の指定商品の取引者、需要者の間において、具体的な色彩を表すものとして親しまれたものとはいい難く、かつ、「ミストピンク」の文字は、一般の国語辞典やJISの慣用色名に掲載されていないことも加味すると、本願商標に接した取引者、需要者をして、直ちに特定の商品の品質(色彩)のみを直接的に想起させるとはいい難く、その意味を超えた一定の観念を想起させる語である。そうすると、本願商標は、これをその指定商品について使用しても、商品の品質(色彩)を表示するものいうことはできず、かつ、商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるものということもできない。」旨主張する。 イ しかしながら、商標法第3条第1項第3号該当性を判断するに当たっては、一連一体の語句を構成する各語の意味に加え、取引の実情に照らし、取引者又は需要者によって、当該一連一体の語句が、商品の品質、効能、用途等の特徴を示すものと一般に認識されるものであるかどうかを検討する必要がある(昭和61年最判参照)(知財高裁令和5年(行ケ)第10030号、同年9月7日判決)とされるところ、上記(1)のとおり、その構成文字の語義と、「ミスト」、「ピンク」を含むもの、及び「ミストピンク」が、色名として購入時の重要な判断要素として表示されている補正後の指定商品(宝石や貴金属のほか様々な素材のものも含みうる)及びそれらと需要者を共通にする日用品や衣類を取り扱う分野において多数用いられている上記商品取引の実情も踏まえると、「その商品の色がミストピンクという色であること」程度の意味合いを容易に認識、理解させるものであり、その指定商品に使用するときは、その取引者、需要者をして、商品の品質を表示したものと一般に認識されるというのが相当である。 ウ なお、請求人の使用例についても、「”Mist Pink” Collection リズミカルなラインを、透明感に満ちたミストピンクゴールドで描くコレクション。”ミストピンクゴールド”は、ピンクなのに甘くない、ほんのりと白みを帯びた大人のためのカラー。シルバーやプラチナカラーとの相性も良く、凛とした印象をつくります。」(「ete」のウェブサイト https://www.eteweb.com/etebijoux/topics/2025-01-13-222930)のように、「ミストピンクゴールド」の色名とともに用いられており、「ミストピンク」又は「Mist Pink」が自他商品識別標章として認識され得る態様として用いられているとは言いがたいものである。 エ したがって、請求人の上記主張は、採用することができない。 (3)まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。

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