商標拒絶査定不服審判
2023-017467
グリーンビレット、ビレット
- 審判番号
- 2023-017467
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-146746
- 請求日
- 2023年10月16日
- 審決日
- 2025年02月13日
- 公報発行日
- 2025年05月30日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】不二サッシ株式会社
- 【請求人代理人】中島 重雄
- 審判長/審判官
- 審判長 大橋 良成
- 審判官 渡邉 潤
- 審判官 渡邉 あおい
- 分類
- T18 .13 -Z (W061040)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022-146746拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和4年12月23日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年 5月18日付け:拒絶理由通知書
令和5年 6月19日 :意見書の提出
令和5年 7月12日付け:拒絶査定
令和5年10月16日 :審判請求書の提出
令和6年 9月12日付け:審尋
第2 本願商標
本願商標は、「グリーンビレット」の片仮名を標準文字で表してなり、第6類、第10類及び第40類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として登録出願されたものである。
第3 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、「本願商標は、「グリーンビレット」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「グリーン」の文字は、自然環境の保護に関する意を表す語として知られているものであり、また、「ビレット」の文字は、「小型の鋼片」等の意味を有する語である。そして、「グリーンスチール」「グリーンアルミニウム」「グリーンマテリアル」のように、金属や素材について、「グリーン〇〇」の文字が、「環境に配慮した○○」といった意味合いで用いられている実情がうかがえるから、本願商標は全体として、「環境に配慮したビレット」程の意味を容易に認識させると言うべきある。さらに、本願の指定商品及び指定役務に関連する分野において、ビレットが取り扱われている実情もうかがえる。そうすると、本願商標を、その指定商品及び指定役務に使用するときは、これに接する需要者・取引者は、当該商品が「環境に配慮したビレット及びそれに関連する商品」であること、及び、当該役務が「環境に配慮したビレットを取り扱う役務」であることを認識するから、本願商標は、商品の品質・役務の質を普通に用いられる方法で表示するにすぎないというのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第4 当審における審尋
当審において、上記第1の審尋により、請求人に対し、別掲1ないし別掲3のとおりの事実を提示した上で、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、これに対する回答を求めたが、請求人は、応答期間において、当該審尋に対する意見を提出していない。
第5 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、「グリーンビレット」の片仮名を標準文字で表してなるところ、その構成中の「グリーン」の文字は、「緑。緑色。」の意味のほか、「自然環境の保護に関する意を表す。」の意味を、「ビレット」の文字は、「製鋼における圧延前の中間製品。小型の鋼片。」(いずれも「広辞苑 第七版」発行者:株式会社岩波書店)の意味を有する語である。
ところで、近時、地球温暖化対策として、CO2の排出量を削減すべき取り組みが積極的に推進されているところ、別掲1のとおり、本願の指定商品を含む鉄鋼業界おいては、製造工程においてCO2排出量を抑えて生産する取り組みが広く行われており、また、別掲2のとおり、そのような工程で生産された商品について、例えば、「グリーンスチール」、「グリーンアルミ」などのように、当該商品の文字の前に「グリーン」の文字を冠して、製造工程におけるCO2排出量を抑え、環境に配慮した商品であることを表す事例が見受けられる。
さらに、別掲3のとおり、製造工程におけるCO2排出量を抑えるなど、環境に配慮したビレッドが生産されている取引の実情が認められる。
そうすると、本願商標構成中の「グリーン」の文字からは、たとえ、複数の意味があるとしても、上記取引の実情等を踏まえると、「自然環境の保護」の意味合いを看取させるものであり、その構成全体として、「CO2排出量が少ない方法で製造して環境に配慮したビレット」ほどの意味合いを認識、理解させるものというべきである。
してみれば、本願商標をその指定商品及び指定役務に使用しても、これに接する取引者・需要者は、当該商品及び役務が、「CO2排出量が少なく環境に配慮したビレットに関する商品及び役務」、「CO2排出量が少なく環境に配慮したビレットを原材料とする商品」であることを理解するにとどまるから、本願商標は、商品の品質、原材料及び役務の質(内容)を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は、「「グリーンビレット」の語が環境に対してどのように配慮されている商品あるいは役務なのか、具体的に特定できるものではなく、何をもってどのように地球環境の保全に貢献するのか、具体的内容が不明瞭なままである。また、我が国において「グリーン」の語は、自然環境の保護に関する意を表す以外にも、「緑色の」「野菜の」「青い/未熟な」「若々しい、活気のある」「初心者用の」「青信号」「芝が短く刈られて細かに整えられた、ゴルフ競技におけるコースの一要素」など、その意味合いが多岐にわたり、本願商標からは様々な意味合いが想起し得るものの、観念が一意に定まることがあり得ないため、特定の観念を想起させ得ない造語商標として取引者・需要者に看取される。」旨主張する。
しかしながら、別掲1のとおり、本願の指定商品を含む鉄鋼業界おいて、製造工程でCO2排出量を抑えるための取り組みが積極的に行われている中、別掲2のとおり、そのような工程で生産された商品について、例えば、「グリーンスチール」、「グリーンアルミ」などのように、当該商品の文字の前に「グリーン」の文字を冠して、製造工程におけるCO2排出量を抑え、環境に配慮した商品であることを表す事例が見受けられること、また、別掲3のとおり、製造工程におけるCO2排出量を抑えるなど、環境に配慮したビレッドが生産されている取引の実情をも考慮すれば、上記1のとおり、本願商標を、その指定商品及び指定役務に使用しても、これに接する取引者・需要者は、当該商品及び役務が、「CO2排出量が少なく環境に配慮したビレットに関する商品及び役務」、「CO2排出量が少なく環境に配慮したビレットを原材料とする商品」であることを具体的に理解するにとどまるものというべきである。
(2)請求人は、過去の登録例を挙げて、本願商標も同様に取り扱われるべきである旨主張している。
しかしながら、請求人の挙げる登録例は、本願商標とは、構成文字や構成態様が異なるものであって、かつ、具体的事案の判断においては、過去の登録例等に拘束されることなく、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と取引の実情に応じて個別的に判断されるべきであるから、これらの事例の存在によって、上記1の認定、判断が左右されるものではない。
(3)請求人の上記主張は、いずれも採用することができず、その他、請求人の主張は、採用するべき事情はない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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