商標拒絶査定不服審判
2023-017120
メディカ
- 審判番号
- 2023-017120
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-147960
- 請求日
- 2023年10月10日
- 審決日
- 2025年01月28日
- 公報発行日
- 2025年02月28日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】王子ホールディングス株式会社
- 【請求人代理人】弁理士法人三枝国際特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 鈴木 雅也
- 審判官 吉田 聡一
- 審判官 馬場 秀敏
- 分類
- T18 .261-WY (W16) / T18 .262-WY (W16) / T18 .263-WY (W16) / T18 .264-WY (W16)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022-147960拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和4年12月27日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年 5月23日付け:拒絶理由通知書
令和5年 7月 5日 :意見書、手続補正書の提出
令和5年 7月19日付け:拒絶査定
令和5年10月10日 :審判請求書(第1号証ないし第5号証)の提出
2 本願商標
本願商標は、「メディカ」の文字を標準文字で表してなり、第16類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として登録出願され、その後、指定商品については、上記1の手続補正書により、第16類「紙類,滅菌紙,紙製包装用容器,包装紙」に補正されたものである。
3 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第5485958号商標(以下「引用商標」という。)は、「MEDICA」の文字を標準文字で表してなり、平成22年12月3日登録出願、第9類「実験用純水製造装置及びその部品並びに付属品」、第10類「医療用浄水器」及び第11類「水処理器具,水処理装置,水処理用フィルター,水処理用カートリッジ,水処理設備,純水製造装置及びその部品並びに付属品,廃水処理器具,排水処理装置,廃水処理フィルター,廃水処理用カートリッジ,廃水処理装置及びその部品並びに付属品,廃水処理施設,実験廃液用廃水処理装置及びその部品並びに付属品,医療廃液用廃水処理装置及びその部品並びに付属品」を指定商品として、同24年4月13日に設定登録され、その商標権は現に有効に存続しているものである。
4 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、本願商標と引用商標は類似する商標であり、かつ、本願商標の指定商品のうち第16類「滅菌紙」と、引用商標の指定商品のうち第10類「医療用浄水器」は、類似する商品であるから、本願商標は商標法第4条第1項第11号に該当するとしたものである。
5 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は、上記2のとおり、「メディカ」の片仮名文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、一般的な辞書等に載録のないものであり、また特定の意味合いを有するものとして認識されているといった特段の事情も見いだせないものである。
そうすると本願商標は、「メディカ」の称呼が生じ、特定の観念は、生じないものである。
(2)引用商標について
引用商標は、上記3のとおり、「MEDICA」の欧文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、我が国の一般的な辞書等に載録のないものであり、また特定の意味合いを有するものとして認識されているといった特段の事情も見いだせないものである。
そうすると引用商標からは、その構成文字に相応して「メディカ」の称呼が生じ、特定の観念は、生じないものである。
(3)本願商標と引用商標の類否について
本願商標と引用商標の類否について検討すると、両商標はそれぞれ上記(1)及び(2)の構成からなるところ、外観においては、片仮名と欧文字の差異を有するが、これら文字種の相違があるとしても、いずれも格別特徴のない書体で表されていること、かつ、同一の称呼の生じる範囲内で、商標の構成文字の文字種を相互に変換して表記することが一般的に行われていることを考慮すると、文字種が異なることによる本願商標と引用商標の外観の相違は、看者に対し、両商標が別異のものであると認識させるほどの強い印象を与えるものではない。
次に、称呼については、「メディカ」の称呼を共通にするものである。
さらに、観念については、本願商標及び引用商標は、いずれも特定の観念を生じないものであるから、比較することはできない。
そうすると、本願商標と引用商標とは、観念においては比較することができないとしても、「メディカ」の称呼を共通にし、外観における差異についても、称呼の共通性をしのぐほどの顕著な差異として強い印象を与えるとまではいえず、これらを総合して全体的に考察すれば、本願商標と引用商標とは、相紛れるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。
(4)本願商標の指定商品と引用商標の指定商品の類否について
ア 商品の類否判断について
指定商品が類似のものであるかどうかは、商品が、通常、同一営業主により製造又は販売されている等の事情により、それらの商品に同一又は類似の商標を使用する場合には、同一営業主の製造又は販売に係る商品と誤認されるおそれがあると認められる関係があるか否かによって判断すべきである(最高裁昭和36年6月27日第三小法廷判決・民集15巻6号1730頁参照)。
そこで、これを踏まえて、本願商標の指定商品中、第16類「滅菌紙」(以下「本願指定商品」という。)と、引用商標の指定商品中、第10類「医療用浄水器」(以下「引用指定商品」という。)の類否について検討する。
イ 請求人の提出に係る第1号証ないし甲第5号証及び当審の職権による調査によれば、以下のとおりである。
(ア)生産部門、販売部門について
本願指定商品は、主に製紙メーカーで生産、販売されている(第3号証)一方、引用指定商品は、主に医療用浄水器製造メーカーで生産、販売されており(例「株式会社日本トリム」 https://www.nihon-trim.co.jp/product/:職権調査)、両商品は、生産部門、販売部門が異なるものである。
(イ)原材料及び品質について
本願指定商品は、医療現場で、使用前に器具を完全に滅菌するときのパッケージに使われる台紙のことであり、主な素材は紙である(第1号証)。
他方、引用指定商品は、医院又は病院にて専ら用いられる、水を濾過して有害物質を除去する装置(「広辞苑 第七版」岩波書店)であって、浄水を生成するための機器である。よって、両商品は、原材料及び品質も異なるものである。
(ウ)用途について
本願指定商品は、比較的安価なものであり(例「モノタロウ」のウェブサイト https://www.monotaro.com/g/06172820/?t.q=紙%20滅菌:職権調査)、日常的に消耗品として用いられる一方、引用指定商品は、専門的で比較的高価なものであり(例「JACLaS」のウェブサイト https://jaclas.or.jp/Product/index?id=86508:職権調査)、臨床検査における分析や透析治療等に必要な水を生成するために用いられる。よって、両者は用途も異なるものである。
(エ)需要者の範囲について
いずれも、主な需要者は、医療従事者である。
(オ)完成品と部品との関係にあるかについて
本願指定商品は、医療現場で、使用前に器具を完全に滅菌するときのパッケージに使われる台紙あり、他方、引用指定商品は、水を濾過して有害物質を除去する装置であるから、完成品と部品との関係にある商品とはいえない。
ウ 判断
上記イ(ア)ないし(オ)によれば、本願指定商品と引用指定商品は、医療従事者に用いられるという点で需要者を共通にすることがあるとしても、用途が大きく異なり、また、生産部門、販売部門、原材料、品質、いずれも一致するとはいえず、完成品と部品との関係にもないものである。
そうすると、本願指定商品と引用指定商品とは、取引の実情に照らし、これらの商品が、通常、同一営業主により製造又は販売されている等の事情により、それらの商品に同一又は類似の商標を使用する場合には、同一営業主の製造又は販売に係る商品と誤認されるおそれがあると認められる関係があるということはできないから、非類似の商品とみるのが相当である。
(5)まとめ
以上のとおり、本願商標は、引用商標と類似するものであるが、本願指定商品と引用指定商品は類似しないものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当するとはいえない。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
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