商標拒絶査定不服審判
2023-017017
ジェイピイシイスポーツキョーシツ、ジェイピイシイスポーツ、ジェイピイシイ
- 審判番号
- 2023-017017
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-064866
- 請求日
- 2023年10月06日
- 審決日
- 2024年05月20日
- 公報発行日
- 2025年11月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】▲高▼木 宏昌
- 【請求人代理人】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 大島 康浩
- 審判官 小林 裕子
- 審判官 大塚 正俊
- 分類
- T18 .21 -Z (W41)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項6号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第6号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022-64866拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和4年6月7日の登録出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年12月6日付け:拒絶理由通知書
令和5年2月21日:意見書の提出
令和5年7月5日付け:拒絶査定
令和5年10月6日:審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、「JPCスポーツ教室」の文字を普通に用いられる方法で横書きしてなり、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,スポーツの興行の企画・運営又は開催,運動施設の提供,運動用具の貸与」を指定役務として、登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、その構成中に「JPC」の欧文字を有してなるところ、これは、公益財団法人日本障がい者スポーツ協会の内部組織として、1999年8月20日厚生省の認可を受け、発足した組織であって営利を目的としない公益財団法人日本障がい者スポーツ協会の内部組織である日本パラリンピック委員会の略称を表示するものであるから、本願商標は上記公益に関する団体であって営利を目的としないものを表示する著名な標章と類似する。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第6号の趣旨
商標法第4条第1項第6号は、同号に掲げる標章を一私人に独占させることは、同号所定の団体の信用や権威を損ない、国際信義に反することから、これを不登録事由としたものと解される(知財高裁平成29年(行ケ)第10208号、平成30年4月11日判決言渡)。
(2)商標法第4条第1項第6号該当性について
ア 「JPC」の文字が、「公益に関する事業であって営利を目的としないものを表示する標章で著名」であることについて
「JPC」の文字は、財団法人日本障害者スポーツ協会の内部組織として1999年に発足した日本パラリンピック委員会(Japanese Paralympic Committee)の略称である。そして、日本パラリンピック委員会は、パラリンピック競技大会への派遣や選手強化を担当している組織であるところ、パラリンピック競技大会は、2001年以降、正式にオリンピック開催地で開催され、その様子はテレビやインターネット等を通じて全世界に向けて発信され、当該競技大会及びその関連活動等は広く認識されているものである。
そうすると、パラリンピック競技大会の関連活動を行っている組織である、日本パラリンピック委員会(Japanese Paralympic Committee)及びその略称「JPC」は、一般に広く認識されて著名性を有するものである。
したがって、「JPC」は、公益に関する事業であって営利を目的としないものを表示する標章として、本願商標の登録出願前より著名なものであると認められる。
イ 本願商標と「JPC」の標章(以下「引用標章」という場合がある。)の類否について
(ア)判断基準
商標の類否は、同一又は類似の商品又は役務に使用された商標が、その外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して、その商品又は役務に係る取引の実情を踏まえつつ全体的に考察すべきものである(最高裁昭和39年(行ツ)第110号同43年2月27日第三小法廷判決・民集22巻2号399頁参照)。
複数の構成部分を組み合わせた結合商標と解される商標の類否判断に当たり、構成部分を分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものと認められる場合には、商標の構成部分の一部を抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することは、〔1〕その部分が取引者、需要者に対し商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる場合や、〔2〕それ以外の部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じないと認められる場合などを除き、許されないというべきである(最高裁昭和37年(オ)第953号同38年12月5日第一小法廷判決・民集17巻12号1621頁、最高裁平成3年(行ツ)第103号同5年9月10日第二小法廷判決・民集47巻7号5009頁、最高裁平成19年(行ヒ)第223号同20年9月8日第二小法廷判決・裁判集民事228号561頁参照)。
(イ)本願商標の構成中の「JPC」の文字部分を類否判断の対象とすることの可否
本願商標は、「JPCスポーツ教室」の文字を普通に用いられる方法で横書きしてなるものである。
そして、本願商標の構成中「スポーツ」の文字は、「陸上競技・野球・テニス・水泳・ボートレースなどから登山・狩猟などにいたるまで、遊戯・競争・肉体的鍛錬の要素を含む身体運動の総称。」(出典:「広辞苑 第七版」株式会社岩波書店)の意味、「教室」の文字は、「学校で、授業・学習を行う部屋。大学で、専攻領域ごとの研究室。また、教科別の教官の組織。技芸などを教える所。」(出典:「広辞苑 第七版」株式会社岩波書店)の意味をそれぞれ有する語であり、全体としては、「スポーツに関する教室」ほどの意味合いを認識させるにすぎず、本願の指定役務に含まれる「技芸・スポーツ又は知識の教授,語学講座の提供及び語学講座における知識の教授」との関係においては、役務の質(内容)を表示したものとして看取、理解され得るものであることから、役務の出所識別標識として機能しないもの又はその機能が極めて弱いものといえる。
他方、本願商標の構成中、「JPC」の文字は、上記アのとおり、パラリンピック競技大会の関連活動を行っている組織である、日本パラリンピック委員会(Japanese Paralympic Committee)及びその略称として著名な標章である「JPC」とその構成文字を同じくするものであるから、当該部分は、役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものといえる。
そうすると、本願商標の構成中、「JPC」の文字を要部として抽出し、当該構成部分のみを引用標章と比較して商標の類否を判断することも許されるというべきである。
(ウ)本願商標と引用標章の類否
本願商標の要部である「JPC」の文字と引用標章とを対比すると、いずれも「JPC」の文字からなる点で外観が同一であり、また、「ジェイピイシイ」の称呼が生じる点で、称呼が同一である。そして、本願商標の要部及び引用標章は、「パラリンピック競技大会の関連活動を行っている組織である、日本パラリンピック委員会(Japanese Paralympic Committee)及びその略称」という観念も生じる点で、観念が同一である。
したがって、本願商標と引用標章は類似するというべきである。
ウ 小括
以上によれば、本願商標は、公益に関する事業であって営利を目的としないものを表示する標章であって著名な「JPC」と類似の商標である。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第6号に該当する。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第6号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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