商標拒絶査定不服審判
2023-016160
クリエイティブサイテキカ、クリエーティブサイテキカ
- 審判番号
- 2023-016160
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-081707
- 請求日
- 2023年09月25日
- 審決日
- 2025年03月19日
- 公報発行日
- 2025年06月27日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】売れるネット広告社グループ株式会社
- 【請求人代理人】南瀬 透
- 【請求人代理人】加藤 久
- 【請求人代理人】宇野 智也
- 審判長/審判官
- 審判長 山田 啓之
- 審判官 杉本 克治
- 審判官 石塚 文子
- 分類
- T18 .13 -Z (W354142)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022- 81707拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和4年7月13日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年11月25日付け:拒絶理由通知書
令和5年1月10日 :意見書の提出
令和5年6月20日付け :拒絶査定
令和5年9月25日 :審判請求書の提出
令和6年12月10日付け:審尋
2 本願商標
本願商標は、「クリエイティブ最適化」の文字を標準文字で表してなり、別掲1のとおりの役務を指定役務として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、「本願商標は、「クリエイティブ最適化」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「クリエイティブ」の文字は「特に広告業界においては、広告として掲載するために制作された広告素材」ほどの意味を有し、「最適化」の文字は「特定の目的に最適の計画・システムを設計すること。プログラムを特定の目的に最も効率的なように生成すること。」の意味を有するので、本願商標は、全体として、「クリエイティブの最適化」ほどの意味合いを容易に認識させる。また、本願の指定役務を取り扱う業界において、様々なメディアや広告媒体において、特定の目的において消費者・閲覧者に対して最適になるように、AIを利用したり等、デザインやレイアウト、インターフェイス等を調整してクリエイティブを最適化することが一般的に行われており、これに「クリエイティブ最適化」、「クリエイティブの最適化」の文字が使用されている実情が認められる。そうすると、本願商標を、その指定役務中「クリエイティブの最適化に関する役務」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、役務の質を表示したものとして認識するにとどまるので、本願商標は、単にその役務の質を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、拒絶したものである。
4 当審における審尋
当審において、令和6年12月10日付け審尋により、請求人に対し、別掲2及び別掲3のとおりの証拠を示した上で、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、これに対する意見を求めたが、これに対して、請求人は、何ら回答していない。
5 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、「クリエイティブ最適化」の文字を標準文字で表してなるところ、「クリエイティブ」の文字(語)は「クリエーティブ【creative】 1 創造的。独創的。2 広告制作。」の意味を、「最適化」の文字(語)は「(optimize)特定の目的に最適の計画・システムを設計すること。プログラムを特定の目的に最も効率的なように生成すること。」の意味をそれぞれ有するものである(いずれも出典:広辞苑第七版(株式会社岩波書店))。
そして、別掲2のウェブサイトの記載によれば、広告関連の分野において、「クリエイティブ」の文字(語)が「広告として掲載するために制作された画像、テキスト、動画、チラシ、ポスター、バナー等」(以下、「広告素材」という。)を表す文字(語)として使用されている実情が認められる。
また、別掲3のとおり、広告関連の分野において、「クリエイティブ(広告素材)が最適となる計画・システムの設計」といった意味を表す際に、「クリエイティブ最適化」の文字(別掲3(1)~(7))や、それに通ずる「クリエイティブの最適化」の文字(別掲3(8)~(11))が使用されている実情が認められる。
そうすると、本願商標を構成する各文字(語)の意味及び上記取引の実情からすると、「クリエイティブ最適化」の文字に接する取引者、需要者は、これが「クリエイティブ(広告素材)が最適となる計画・システムの設計」といった意味合いを認識させるにとどまるとみるのが相当である。
してみると、「クリエイティブ最適化」の文字からなる本願商標を、その指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は、当該役務が「クリエイティブ(広告素材)が最適となる計画・システムの設計に関する役務」であること、すなわち、役務の質を表したものとして理解、認識するにとどまるというべきである。
また、本願商標は、標準文字で表されているから、普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものである。
したがって、本願商標は、単に役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、「クリエイティブ」が一義的な意味合いを生ずる語ではなく、本願商標から看取され得る意味合いは看者によって異なるため、「クリエイティブ最適化」の文字に接した需要者等が、直ちに特定の具体的観念を想起するとは考え難い旨主張している。
しかしながら、上記(1)で認定した取引の実情を踏まえれば、たとえ「クリエイティブ」が多義的な語であるとしても、広告関連の分野において、「クリエイティブ最適化」の文字に接する取引者、需要者は、「クリエイティブ(広告として掲載するために制作された画像、テキスト、動画、チラシ、ポスター、バナー等)が最適となる計画・システムの設計」といった意味合いを容易に認識するというべきである。
イ 請求人は、助詞等を付けず名詞を直接結合した構成の商標が識別力を有するものとして登録されている例がある旨、また、請求人は2011年6月9日に登録出願した本願商標と同一の商標からなる商標権(登録第5456446号商標)を保有し、これが2021年12月9日まで存続していたことから、特定人の独占的使用を認めることで円滑な取引を阻害するなどの公益上の問題が生じることが無いことは明白である旨主張している。
しかしながら、具体的事案の判断においては、過去の登録例等に拘束されることなく、商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と取引の実情に応じて個別的に判断されるべきであるところ、請求人の挙げる過去の登録例は、本願商標とは、構成文字や構成態様が異なるものであり、本願とは事案を異にするものである。また、請求人の過去の登録例である登録第5456446号商標は、平成23年11月24日付けで登録査定されたものであって、判断時期が本願商標とは異なるものである点において、本願とは事案を異にするものというべきであるから、これらの事例の存在によって、上記(1)の認定判断が左右されるものではない。
ウ 以上により、請求人の主張はいずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、これを登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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