商標拒絶査定不服審判
2023-015968
チューショーセンゾクシイエフオオ、チューショーセンゾク、シイエフオオ
- 審判番号
- 2023-015968
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-142502
- 請求日
- 2023年09月21日
- 審決日
- 2023年11月21日
- 公報発行日
- 2024年02月22日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】有限会社トークファイブ
- 【請求人代理人】峰 雅紀
- 審判長/審判官
- 審判長 豊瀬 京太郎
- 審判官 板谷 玲子
- 審判官 田中 瑠美
- 分類
- T18 .13 -Z (W3541)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022-142502拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和4年12月14日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年 5月18日付け:拒絶理由通知書
令和5年 6月15日 :意見書、手続補正書の提出
令和5年 8月 3日付け:拒絶査定
令和5年 9月21日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、「中小専属CFO」の文字を標準文字で表してなり、第35類及び第41類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として登録出願され、その後、原審における上記1の手続補正書により、第35類「広告業,経営の診断又は経営に関する助言,事業の管理,市場調査又は分析,商品の販売に関する情報の提供,財務書類の作成,マーケティング,広告用具の貸与,掲示板(広告板)の貸与,広告場所の貸与,新聞記事情報の提供,ニュースクリッピングサービス」、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,ビジネスの知識及びノウハウの伝授(訓練),セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,図書の貸与」に補正されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
本願商標は、「中小専属CFO」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「中小」の文字は、「規模が中くらい以下であること。」、「専属」の文字は、「一つの会社・団体などだけに属し、他に属さないこと。」、「CFO」の文字は、「企業組織で、最高財務責任者。」の意味を有するものである。
ところで、インターネット情報によると、本願指定役務の分野において、「中小」の文字は、「中小企業」の意味合いで、「CFO」の文字は、「最高財務責任者」を表す語として広く使用されており、「CFO」が中小企業に対して経営の助言等を行ったり、「CFO」に関する講座・セミナー等が開催されている実情がうかがえるから、本願商標は、全体として「中小企業専属の最高財務責任者」の意味合いを容易に認識させるものである。
そうすると、本願商標をその指定役務中、例えば、第35類「経営の診断又は経営に関する助言,事業の管理,市場調査又は分析,商品の販売に関する情報の提供,マーケティング」、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,ビジネスの知識及びノウハウの伝授(訓練),セミナーの企画・運営又は開催」に使用しても、これに接する需要者は、「中小企業専属のCFO(最高財務責任者)が行う役務」「中小企業専属のCFO(最高財務責任者)に関する役務」程の意味合いを認識するにすぎないから、本願商標は、単に役務の質を普通に用いられる方法で表示するものと判断するのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
4 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、「中小専属CFO」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「中小」の文字は、「規模が中くらい以下であること。」、「専属」の文字は、「一つの会社・団体などだけに属し、他に属さないこと。」、「CFO」の文字は、「企業組織で、最高財務責任者。」の意味をそれぞれ有するものである(いずれも、出典は、株式会社岩波書店「広辞苑 第七版」)。
そして、原審提示の情報に加え、別掲のインターネット情報が示すように、本願の指定役務に関連する分野においては、「中小」の文字が、「中小企業」を意味する言葉として普通に使用されているのみならず、「CFO」やこれに関連する役職である「CEO」(最高経営責任者)、「COO」(最高業務執行責任者)、「CTO」(最高技術責任者)等に関する情報を取り扱うウェブサイト内において、「中小」及び「中小企業」の語が多数使用されている実情が見受けられる。
そうすると、本願商標の構成中、「中小」の文字部分は、「CFO」の語とともに用いられることによって、これに接する取引者、需要者をして、より一層、「中小企業」の意味合いを強く認識させるものといえ、本願商標は、全体として、「中小企業専属のCFO(最高財務責任者)」程の意味合いを容易に認識させるものというのが相当である。
してみれば、本願商標をその指定役務中、例えば、第35類「経営の診断又は経営に関する助言,事業の管理,市場調査又は分析,商品の販売に関する情報の提供,マーケティング」、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,ビジネスの知識及びノウハウの伝授(訓練),セミナーの企画・運営又は開催」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「中小企業専属のCFO(最高財務責任者)が行う役務」「中小企業専属のCFO(最高財務責任者)に関する役務」であることを認識するにすぎないから、本願商標は、単に役務の質を普通に用いられる方法で表示するものといわざるを得ない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、原審の認定では、「一つの中小企業だけに属し、他に属さない最高財務責任者」という意味合いを容易に認識させることとなるが、このような意味合いでは「中小専属CFO」ではなく、単に自らが所属する企業名とともに「CFO」とのみ表示することが「普通」であると述べ、通常は「中小企業専門」等と表現するところ、本願商標は、あえて馴染まない言葉同士をシンプルに組み合わせた点に独創性がある旨主張する。
しかしながら、商標法第3条第1項第3号は、取引者、需要者に指定役務の質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、該表示態様が、役務の質を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきであり(平成12年(行ケ)第76号判決)、本願商標は、上記(1)で述べたとおり、その構成文字から生じる意味及び別掲の事実に照らせば、これに接する取引者、需要者をして、当該役務が「中小企業専属のCFO(最高財務責任者)が行う役務」「中小企業専属のCFO(最高財務責任者)に関する役務」であること、すなわち、役務の質を表示するものと容易に理解、認識させるものであるといわざるを得ない。
イ 請求人は、検索エンジンにおいて、語順も含め完全一致の条件で検索した場合の検索結果からすると、省略されていない「中小企業専属」の表現でさえ、普通に用いられているとはいえず、「中小専属」や「専属CFO」については、検索結果の大部分が、請求人の開催したセミナーを受講し、本願商標の使用を許諾された者によるものであるなど、請求人関連の使用例であることから、本願商標は、「普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標」(商標法第3条第1項第3号)に該当するとはいえない旨主張する。
しかしながら、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するというためには、審決時において、本願商標がその指定役務との関係で役務の質を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、本願商標の取引者、需要者によって本願商標がその指定役務に使用された場合に、将来を含め、役務の質を表示したものと一般に認識されるものであれば足りると解される(平成27年(行ケ)第10152号判決)ところ、上記(1)のとおり、本願商標は、その構成文字全体から、「中小企業専属のCFO(最高財務責任者)」程の意味合いを容易に認識させるものであり、これをその指定役務に使用しても、単に役務の質を普通に用いられる方法で表示するものであって、自他役務の識別標識としては認識し得ないものというのが相当であるから、仮に、請求人に関連する者以外の使用例がないとしても、そのことが、商標法第3条第1項第3号該当性の判断を左右するものではない。
ウ 請求人は、過去の登録例を挙げ、本願商標も同様に自他役務識別力を認められるべき旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるか否かの判断は、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品・指定役務との関係や、その商品又は役務の分野における取引の実情をも踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げた登録例は、商標の構成態様、指定商品・指定役務が本願商標とは異なるものである点において、本願とは、事案を異にするものというべきであり、また、過去の登録例が存在することをもって、上記判断が左右されるものではない。
エ したがって、請求人の上記アないしウの主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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