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商標拒絶査定不服審判

2023-015867

審判番号
2023-015867
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2022-054311
請求日
2023年09月20日
審決日
2025年03月13日
公報発行日
2025年05月30日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
  • 【請求人】日本ハム株式会社
  • 【請求人代理人】稲葉 良幸
  • 【請求人代理人】田中 克郎
  • 【請求人代理人】石田 昌彦
  • 【請求人代理人】栗下 清治
  • 【請求人代理人】平井 沙恵子
審判長/審判官
  • 審判長 高野 和行
  • 審判官 小俣 克巳
  • 審判官 田中 瑠美
分類
T18 .16 -WY (W29)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法3条1項6号
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第3条第1項第6号、商標法第5条第4項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

商願2022- 54311拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。

理由

理 由 1 手続の経緯 本願は、令和4年5月13日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和4年 9月29日付け:拒絶理由通知書 令和4年12月 8日 :意見書の提出 令和5年 3月28日付け:物件提出指示書 令和5年 5月 2日 :上申書の提出 令和5年 6月20日付け:拒絶査定 令和5年 9月20日 :審判請求書の提出 令和5年12月26日 :上申書の提出 令和6年 4月 9日 :上申書の提出 令和6年 7月19日 :上申書の提出 2 本願商標 本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、商標法第5条第4項に基づく「商標の詳細な説明」について、別掲2のとおりに記載し、第29類「あらびきウインナーソーセージ」を指定商品として、令和4年5月13日に位置商標として登録出願されたものである。 3 原査定の拒絶の理由(要旨) 本願商標は、願書の商標記載欄及び商標の詳細な説明の記載から特定されるものであるところ、商品の包装等においては、美感を発揮させるため、または需要者の注意を惹く目的等で、出所を表示するための識別標識以外の、装飾的な種々の文字、図形、色彩を用いた図柄が使用されている実情があり、包装用袋の上部等に縞状図形を配する商品も多々販売されている事実がある。 そうすると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する需要者は、単に美感を発揮する等のために包装に使用され得る図柄の一種として理解するにとどまり、本願商標は、何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標というべきである。 また、アンケート調査結果等の提出書類からは、本願商標のみから商品の出所を直ちに理解するものとは認められない。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。 4 当審の判断 (1)本願商標について ア 本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、あらびきウインナーソーセージの包装用袋前面の上部に付された薄茶色と濃茶色の縦縞状図形と、下部に付された薄茶色と濃茶色の縦縞状図形とを組み合わせた図形からなる位置商標である。 ところで、商品の包装等においては、美感を発揮させるため、または需要者の注意を惹く目的等で、出所を表示するための識別標識以外の、装飾的な図形、色彩等を用いた図柄や模様が使用されている実情がある。 イ そうすると、本願商標は、その構成及び位置に鑑みれば、商品の包装の一面に施され得る装飾的な図柄や模様の一類型と看取されるものであるが、請求人提出の甲第1号証ないし甲第67号証(枝番号を含む。)を踏まえて、当該構成及び位置が、その指定商品に係る需要者をして、何人か(請求人)の業務に係る商品であることを認識することができるに至っているか否かを、以下のとおり検討する。 (2)請求人による本願商標の使用実績について ア 請求人の主張及び提出証拠によれば、以下の事実が認められる。 (ア)請求人について 請求人は、2022年に創業80周年を迎えた食肉事業を中核とする食品加工メーカーであり、その規模は、食肉業界の分野でシェア1位であるのみならず、日本国内の食料品業界の売上高ランキング(企業一覧)において第5位に入る企業である(甲6、甲7の1及び2、甲8)。 (イ)本願商標の使用開始時期、使用期間について 請求人は、1985年から現在に至るまでの40年間にわたって「あらびきウインナーソーセージ」(以下「請求人商品」という。)を製造、販売しているところ、その包装用袋前面には、1985年の発売当初から、上部に薄茶色と濃茶色の縦縞状図形と、下部に薄茶色と濃茶色の縦縞状図形(上部の図形よりも縦縞の長さが短い)とを組み合わせた図形が施されている(以下、当該図柄を包装用袋前面に施した商品を「本件使用商品」という。)(甲2)。 請求人商品は、1985年から2022年1月末まで、包装用袋について、袋の上部をしばる巾着型の包装形態(以下、「巾着型」という。)を採択していたが、2022年2月1日からは、巾着型の上部を切り落とし、プラスチック使用量が少なく環境に配慮した新しい包装用袋に切り替えており、この包装用袋前面には、本願商標に係る特徴(図形、位置)を備える図柄が採択されていることが視認できる(甲13の48、甲17の1~15、甲19の1~5、甲21の36~47)。 (ウ)使用数量及び販売シェアについて 請求人商品の累計販売本数は、2014年の時点で約280億本にのぼり、累計売上高も1兆円以上(小売ベース)となっており(甲8)、単年の売上高でも、2015年以降は、毎年、600億円以上(小売ベース)であることが見てとれる(甲9)。また、市場調査結果によれば、2018年から2021年の間、ウインナーソーセージ市場において、請求人商品の市場占有率は、約20%を推移しているが、これは、第2位の商品の約8%と比べて2倍以上の数値であり、さらに、配荷率を示す「アイテム数/カバー率」の数値は、常に95%以上であることに加え(甲10、請求人の主張)、25年以上連続でトップシェアを維持し続けていることが確認できる(甲11)。 (エ)広告宣伝について 請求人は、1985年の発売当初から、請求人商品の広告宣伝活動を行っており、本件使用商品のうち、巾着型の包装用袋を使用した請求人商品に係るテレビCMは、1985年から2021年に至るまで継続的に全国各地で放送されている(甲13の1~46、甲14、甲15)。また、2022年2月から包装用袋として本願商標に係る特徴(図形、位置)を備える図柄を使用した請求人商品に係るテレビCMも全国各地で放送されている上(甲13の47~49、甲16)、請求人商品を巾着型から新しい包装用袋に変更したことについて、テレビCM、全国紙の新聞広告等で大きく取り上げられたことが確認できる(甲17の1~15、甲18の1~6、甲19の1~5、甲21の36~47)。 (オ)アンケート調査について 「NERAエコノミックコンサルティング」が2023年10月27日から同28日にインターネットを用いて実施したアンケート調査において、一般消費者全般を想定した「日本全国に在住の20才以上の男女」で「自炊する者」を対象者として、無作為に抽出した834人が回答したところ、本願商標の認識度は、62.47%であった(甲45)。 ウ 判断 以上のとおり、請求人は、請求人商品を1985年から現在に至るまでの40年間にわたり、継続して製造、販売している。 また、請求人商品は、ウインナーソーセージ市場において、2018年から2021年の間、約20%という高い市場占有率を誇り、25年以上連続でトップシェアを維持し続けている。 さらに、請求人は、請求人商品の発売を開始した1985年から現在に至るまで、上部に薄茶色と濃茶色の縦縞状図形と下部に薄茶色と濃茶色の縦縞状図形とを組み合わせた図形を請求人商品の包装用袋前面のデザインとして採択し続けている。 そして、請求人商品は、2022年2月1日以降、従前の巾着型の包装用袋から、その巾着部分の上部を切り落とした新しい包装用袋(本願商標に係る特徴(図形、位置)を備える図柄を使用した包装用袋)に変更したが、変更前後の包装用袋は、上部に配置された薄茶色と濃茶色の縦縞状図形の縦縞部分の長さに差異を有するのみであり、ともに本願商標に係る特徴(図形、位置)を備えるものである点において、商標としての同一性を損なわない範囲内での使用といえるものである。 加えて、これらの包装用袋前面に施される基本的なデザインは、1985年の発売当初から一貫して踏襲されているものである。 その上、同デザインの本件使用商品を40年間の長期間にわたり継続して製造、販売しているもので、そのテレビCMや新聞広告等も、全国的な規模で放送、掲載されている。 また、上記ア(オ)のとおり、アンケート調査の結果からしても、本願商標は需要者において、相当程度知られていると認められる。 そうすると、本願商標は、請求人商品(本件使用商品を含む。)の長期間、広範囲かつ大規模な販売実績や広告宣伝実績に鑑みるに、その指定商品に係る我が国の需要者の間において、請求人又はその業務に係る商品との関連性を伴って記憶され、広く認識されるに至っているというべきである。 したがって、本願商標は、その指定商品に係る需要者をして、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものであるから、何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標とはいえず、商標法第3条第1項第6号に該当しない。 (3)まとめ 以上を踏まえると、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当しないから、これを理由として本願を拒絶した原査定は、取消を免れない。 その他、本願について拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。

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