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商標拒絶査定不服審判

2023-014949

サイレントマンガオーディション、サイレントマンガ、サイレント、マンガオーディション

審判番号
2023-014949
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2022-068697
請求日
2023年09月06日
審決日
2024年10月01日
公報発行日
2024年12月27日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】株式会社コアミックス
  • 【請求人代理人】児玉 道一
審判長/審判官
  • 審判長 豊瀬 京太郎
  • 審判官 板谷 玲子
  • 審判官 田中 瑠美
分類
T18 .13 -Z (W41) / T18 .272-Z (W41)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法3条1項3号商標法4条1項16号
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第3条第1項第3号、商標法第3条
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

商願2022- 68697拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 1 手続の経緯 本願は、令和4年6月15日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和4年10月21日付け:拒絶理由通知書 令和5年 2月 2日 :意見書の提出 令和5年 6月13日付け:拒絶査定 令和5年 9月 6日 :審判請求書の提出 令和6年 4月22日付け:審尋 令和6年 6月 3日 :回答書の提出 2 本願商標 本願商標は、「SILENT MANGA AUDITION」の文字を普通に用いられる方法で表してなり、第41類「漫画に関する賞の企画又は運営,漫画に関するコンテスト又はオーディションの企画・運営又は開催,漫画に関するイベントの企画・運営又は開催,漫画に関する知識の教授,書籍の制作,書籍の制作に関する指導・助言,通信を用いて行う映像又は画像の提供,映画の上映・制作又は配給,演芸の上演,演劇の演出又は上演」を指定役務として登録出願されたものである。 3 原査定の拒絶の理由(要旨) 本願商標は、「SILENT MANGA AUDITION」の文字を普通に用いられる方法で表してなるところ、その構成中の「SILENT」、「MANGA」及び「AUDITION」の文字は、それぞれ、日本語として親しまれている「サイレント」、「マンガ」及び「オーディション」の語を英文表記したものと容易に理解されるものである。 ところで、「SILENT MANGA」の文字は「台詞のない漫画」を意味する「サイレント漫画」を、「AUDITION」の文字は「歌手・俳優などを登用する際のテスト」をそれぞれ理解させることに加え、本願指定役務を取り扱う業界において、新人漫画家の発掘、登用などを目的とした賞を伴うオーディションが開催されている実情があるから、本願商標は全体として「新作サイレント漫画のオーディション」、「新作サイレント漫画の発掘・新人漫画家の登用のためのオーディション」程の意味合いを容易に理解、認識させるものといえる。 そうすると、本願商標をその指定役務に使用した場合には、これに接する取引者、需要者は、例えば「新作サイレント漫画に関する賞の企画又は運営」等、役務の質を表示したにすぎないものと理解するにとどまり、自他役務の識別標識としての機能を有するものとは認識し得ないとみるのが相当である。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、上記意味合いに照応する指定役務以外の指定役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。 4 当審における審尋 当審において、令和6年4月22日付け審尋により、別掲1及び別掲2に掲げる事実を提示した上で、本願商標が、その指定役務との関係において、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、請求人に対し、意見を求めた。 5 審尋に対する請求人の意見(要旨) 請求人は、上記4の審尋に対し、令和6年6月3日に回答書を提出し、要旨以下(1)ないし(4)のとおりの意見を述べた。 (1)「SILENT MANGA」に関連する実情については、以下のとおり主張する。 ア 別掲1(4)、(5)及び(6)は、「サイレント漫画」が「せりふが一切ない」と形容されている(説明が加えられている)ことを踏まえると、この記載は、かえって、「サイレント漫画」の語が、「それ自体で特定の意味合いを表す用語としては未だ社会一般に浸透していない」ということを裏付けるものに他ならないから、「サイレント漫画」が「台詞のない漫画」を意味するものと一般に理解されることを示すものにあたらない。 イ 別掲1(5)及び(6)は、請求人が運営開催する「サイレントマンガオーディション」に関係する情報であり、請求人における本願商標の使用実績を裏付けるものといえることから、これらの事例が本願商標の出所識別標識としての機能を否定する根拠にならない。加えて、商標を使用する者のこのような継続的な使用は、その商標に化体する業務上の信用の獲得に向けた、商標の出所識別標識としての機能を高める行為に他ならないから、当該使用の事実を本願商標の出所識別標識としての機能を否定する実情として考慮することは許されない。 ウ 別掲1(2)及び(3)は、ウェブサイトでの使用に関する事例であるところ、ウェブサイトの情報は、信用性の乏しい情報が多く、また、そこで使用される言葉の意味の正確性は十分に担保されていないことが大半であることから、ウェブサイトに関するこれらの事例が、それのみをもって、本願商標の出所識別標識としての機能を否定することはできない上、別掲1(1)は、誰でも自由に記事の作成ができるとともに、その編集も自由に行うことができる仕様になっていることから、このようなウェブサイトの特性に鑑みれば、これに記載されている言葉の意味の正確性は、一般的な辞書や事典類、さらには新聞等とは異なり、十分に担保されているものではない。 (2)「MANGA AUDITION」に関連する実情については、別掲2(1)ないし(17)を挙げているが、これらの事例は、いずれもウェブサイトでの使用例を示すものであるところ、ウェブサイトの情報は、信用性の乏しい情報が多く、また、そこで使用される言葉の意味の正確性は十分に担保されていないことが大半であることから、ウェブサイトに関するこれらの事例をもって、本願商標の出所識別標識としての機能を否定する実情として考慮することはできない。 (3)請求人の予備的主張として、仮に、別掲1及び2の事実を考慮したとしても、本願商標は、そもそも役務の質等を直接的に表示する語から構成されるものではなく、本来的に自他役務の識別標識としての機能を十分に発揮し得るものであるところ、請求人は、本願商標を10年以上にもわたり使用し続けた結果、請求人が運営開催する「サイレントマンガオーディション(SILENT MANGA AUDITION)」との名称(商標)からなる漫画に関するコンテストは、ワールドワイドに展開された注目度の高いコンテストへと成長を遂げていることから、本願商標が本来的に備えていた商標の出所識別標識としての機能は、請求人の営業努力により、ますます高められているとみるのが自然である。 (4)別掲1及び2においては、「SILENT MANGA AUDITION」の一連の語が、直接的にどのような形で需要者等に理解、認識されるのかという点を明確に示す実情は何一つ存在せず、存在するのは「サイレント漫画」に関する実情と「漫画オーディション」に関する実情のみであって、本願商標の意味合いは、これら2つの実情を単に組み合わせた結果から、「サイレント漫画(マンガ)作品のオーディション」との意味合いが生じるであろうという推測の域を超えるものではないとみるべきであることから、本願商標がその指定役務の特徴等を「直接的」に表示するものにあたることを明確に裏付けるものでない。 6 当審の判断 (1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について 本願商標は、「SILENT MANGA AUDITION」の文字を普通に用いられる方法で横書きしてなるところ、その構成中の「SILENT」、「MANGA」及び「AUDITION」の文字は、日本語として親しまれている「サイレント」、「漫画(マンガ)」及び「オーディション」の語を英文表記したものと容易に理解されるものであり、それぞれ、「無言の。無音の。サイレントピクチャーの略。無声映画。」、「単純・軽妙な手法で描かれた、滑稽と誇張を主とする絵。特に、社会批評・諷刺を主眼とした戯画。ポンチ絵。絵を連ね、多くはせりふをそえて表現した物語。コミック。」及び「歌手・俳優などを登用する際のテスト。」の意味を有するものである(いずれも出典は、「広辞苑第七版」株式会社岩波書店)。 そして、原審提示のインターネット情報のほか、別掲1にもあるように、「SILENT MANGA」に通じる「サイレント漫画」、「サイレントマンガ」及び「サイレントコミック」の文字が、「台詞のない漫画」程の意を表すものとして使用されていることから、本願商標中の「SILENT MANGA」の文字は、「台詞のない漫画」、すなわち「サイレント漫画(マンガ)」を表すものとして理解、認識されるものである。 また、「AUDITION」の文字は、上記したとおり、「歌手・俳優などを登用する際のテスト」の意味を有するところ、別掲2によれば、本願の指定役務に関連する業界において行われる、漫画(マンガ)、コミック等の応募作品の受賞作を決定するための審査やこれらの作品の漫画家・作家の発掘、登用を目的とした審査について、「○○オーディション(○○には漫画(マンガ)、コミック、小説等、審査の対象物が入る。)」の文字が使用されている実情にあることがうかがえる。 そうすると、本願商標は、全体として、「サイレント漫画(マンガ)作品のオーディション」、「サイレント漫画(マンガ)作品の漫画家の発掘・登用のためのオーディション」程の意味合いを容易に理解、認識させるものといえる。 以上を踏まえると、本願商標をその指定役務中、例えば、「漫画に関する賞の企画又は運営,漫画に関するコンテスト又はオーディションの企画・運営又は開催,漫画に関するイベントの企画・運営又は開催」に使用した場合には、これに接する需要者、取引者をして、「サイレント漫画(マンガ)に関する賞の企画又は運営,サイレント漫画(マンガ)に関するコンテスト又はオーディションの企画・運営又は開催,サイレント漫画(マンガ)に関するイベントの企画・運営又は開催」であること、すなわち、役務の質を表示したものと認識させるにとどまり、自他役務の識別標識としては認識し得ないものというべきであるから、本願商標は、その役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というのが相当である。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、上記の役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。 (2)請求人の主張について ア 請求人は、「SILENT MANGA」に関連する実情について、別掲1(4)、(5)及び(6)は、「サイレント漫画」が「せりふが一切ない」と形容されている(説明が加えられている)ことを踏まえると、この記載は、かえって、「サイレント漫画」の語が、「それ自体で特定の意味合いを表す用語としては未だ社会一般に浸透していない」ということを裏付けるものに他ならないから、「サイレント漫画」が「台詞のない漫画」を意味するものと一般に理解されることを示すものにあたらないと主張する。加えて、別掲1(5)及び(6)は、請求人が運営開催する「サイレントマンガオーディション」に関係する情報であり、請求人における本願商標の使用実績を裏付けるものといえることから、これらの事例が本願商標の出所識別標識としての機能を否定する根拠にならないと述べ、商標を使用する者のこのような継続的な使用は、その商標に化体する業務上の信用の獲得に向けた、商標の出所識別標識としての機能を高める行為に他ならないから、当該使用の事実を本願商標の出所識別標識としての機能を否定する実情として考慮することは許されないと主張する。さらに、別掲1(2)及び(3)は、ウェブサイトでの使用に関する事例であるところ、ウェブサイトの情報は、信用性の乏しい情報が多く、また、そこで使用される言葉の意味の正確性は十分に担保されていないことが大半であることから、ウェブサイトに関するこれらの事例が、それのみをもって、本願商標の出所識別標識としての機能を否定することはできない上、別掲1(1)は、誰でも自由に記事の作成ができるとともに、その編集も自由に行うことができる仕様になっていることから、このようなウェブサイトの特性に鑑みれば、これに記載されている言葉の意味の正確性は、一般的な辞書や事典類、さらには新聞等とは異なり、十分に担保されているものではないと主張する。 しかしながら、上記(1)で述べたとおり、本願商標中の「SILENT」の文字は、「無言の。無音の。サイレントピクチャーの略。無声映画。」を、「MANGA」の文字は、「単純・軽妙な手法で描かれた、滑稽と誇張を主とする絵。特に、社会批評・諷刺を主眼とした戯画。ポンチ絵。絵を連ね、多くはせりふをそえて表現した物語。コミック。」を、それぞれ表す語として知られ、一般的な辞書類への載録が認められるものであり、これらを組み合わせた「SILENT MANGA」は、これを構成する各文字の意味から、「台詞のない漫画」である「サイレント漫画(マンガ)」を容易に想起させるものであることに加え、実際に、「SILENT MANGA」に通じる「サイレント漫画」、「サイレントマンガ」及び「サイレントコミック」の文字が、「台詞のない漫画」程の意を表すものとして使用されている実情にあることを踏まえれば、当該文字は、取引者、需要者をして、「台詞のない漫画」、すなわち「サイレント漫画(マンガ)」を表すものと理解、認識させるものであるといわざるを得ない。 そして、「SILENT MANGA」の使用実情を示す事例に請求人による使用が含まれているとしても、当該文字が、「台詞のない漫画」程の意を表すものとして使用されている事実には変わらず、上記認定、判断は妥当なものというべきである。 イ 請求人は、「MANGA AUDITION」に関連する実情(別掲2(1)ないし(17))については、いずれもウェブサイトでの使用例を示すものであるところ、ウェブサイトの情報は、信用性の乏しい情報が多く、また、そこで使用される言葉の意味の正確性は十分に担保されていないことが大半であることから、ウェブサイトに関するこれらの事例をもって、本願商標の出所識別標識としての機能を否定する実情として考慮することはできないと主張する。 しかしながら、ウェブサイトにおける使用例は、提示したように相当数に及ぶものといえ、それらの記載内容についても、互いに他の事例における語(「マンガオーディション」等)の使用方法と整合すること、また、「「○○オーディション(○○には漫画(マンガ)、コミック、小説等、審査の対象物が入る。)」の語が、漫画(マンガ)、コミック等の応募作品の受賞作を決定するための審査やこれらの作品の漫画家・作家の発掘、登用を目的とした審査について、漫画(マンガ)、コミック等作品の応募者等を対象としたコンテストやイベントの名称として広く一般に使用されている語であることを示す例示として挙示されているものであることから、別掲で提示した各ウェブサイトにおける使用例は、そのような例示として十分な証拠であるといい得るものである。 他方で、提示した各ウェブサイトにおける情報の信用性を否定すべき事情は見いだせないことから、本願商標の出所識別標識としての機能について検討する実情として考慮するに足るものというべきである。 ウ 請求人は、予備的主張として、仮に、別掲1及び2の事実を考慮したとしても、本願商標は、そもそも役務の質等を直接的に表示する語から構成されるものではなく、本来的に自他役務の識別標識としての機能を十分に発揮し得るものであるところ、請求人は、本願商標を10年以上にもわたり使用し続けた結果、請求人が運営開催する「サイレントマンガオーディション(SILENT MANGA AUDITION)」との名称(商標)からなる漫画に関するコンテストは、ワールドワイドに展開された注目度の高いコンテストへと成長を遂げていることから、本願商標が本来的に備えていた商標の出所識別標識としての機能は、請求人の営業努力により、ますます高められているとみるのが自然であると主張する。 しかしながら、仮に、請求人が、本願商標を10年以上にもわたり使用し続けているとしても、本願商標は、これを構成する各文字の意味及びその指定役務における取引の実情を踏まえれば、全体として、「サイレント漫画(マンガ)作品のオーディション」、「サイレント漫画(マンガ)作品の漫画家の発掘・登用のためのオーディション」程の意味合いを容易に理解、認識させるものであり、請求人の使用に係る主張をもってしても、上記判断を覆すことはできない。 エ 請求人は、別掲1及び2においては、「SILENT MANGA AUDITION」の一連の語が、直接的にどのような形で需要者等に理解、認識されるのかという点を明確に示す実情は何一つ存在せず、存在するのは「サイレント漫画」に関する実情と「漫画オーディション」に関する実情のみであって、本願商標の意味合いは、これら2つの実情を単に組み合わせた結果から、「サイレント漫画(マンガ)作品のオーディション」との意味合いが生じるであろうという推測の域を超えるものではないとみるべきであることから、本願商標がその指定役務の特徴等を「直接的」に表示するものにあたることを明確に裏付けるものでないと主張する。 しかしながら、「商標法3条1項3号該当性については、一連一体の語句を構成する各語の意味に加え、取引の実情に照らし、取引者又は需要者によって、当該一連一体の語句が、商品の品質、効能、用途等の特徴を示すものと一般に認識されるものであるかどうかを検討する必要がある」(知財高裁令和5年(行ケ)第10030号、同年9月7日判決)とされるところ、別掲1及び別掲2に挙げたとおり、「SILENT MANGA」及び「MANGA AUDITION」に関する取引の実情を踏まえれば、これらを組み合わせた本願商標を、その指定役務中、例えば、「漫画に関する賞の企画又は運営,漫画に関するコンテスト又はオーディションの企画・運営又は開催,漫画に関するイベントの企画・運営又は開催」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、当該役務が「サイレント漫画(マンガ)に関する賞の企画又は運営,サイレント漫画(マンガ)に関するコンテスト又はオーディションの企画・運営又は開催,サイレント漫画(マンガ)に関するイベントの企画・運営又は開催」であること、すなわち、単に役務の質を普通に用いられる方法で表示したものと認識するにとどまり、本願商標は、自他役務の識別標識としては認識し得ないものであるというのが相当である。 オ したがって、請求人の上記アないしエの主張は、いずれも採用することができない。 (3)まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。

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