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商標拒絶査定不服審判

2023-014865

オーゴンレシピ、コガネレシピ

審判番号
2023-014865
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2022-132404
請求日
2023年09月05日
審決日
2025年05月09日
公報発行日
2025年07月25日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】エバラ食品工業株式会社
  • 【請求人代理人】中山 俊彦
審判長/審判官
  • 審判長 山田 啓之
  • 審判官 渡邉 あおい
  • 審判官 深田 彩紀子
分類
T18 .16 -Z (W3043)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法3条1項6号
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第3条第1項第6号
データ出所
審決公報(XML)

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商願2022-132404拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、令和4年11月18日の登録出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和5年 3月13日付け:拒絶理由通知書 令和5年 4月28日 :意見書、手続補正書の提出 令和5年 6月 1日付け:拒絶査定 令和5年 9月 5日 :審判請求書の提出 令和7年 2月18日付け:審尋 令和7年 4月 7日 :回答書の提出 第2 本願商標 本願商標は、「黄金レシピ」の文字を標準文字で表してなり、第30類及び第43類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として登録出願されたものであり、その後、指定商品及び指定役務については、上記第1の手続補正により、第30類「焼肉のたれ」及び第43類「焼肉のたれを用いた飲食物のレシピに関する情報の提供」に補正されたものである。 第3 原査定の拒絶の理由の要旨 原査定は、「本願商標は「黄金レシピ」の文字を標準文字で表してなるところ、たれ等の調味料を使用するレシピについて、「黄金レシピ」又は「黄金のレシピ」の語が、「ご飯によ~く合うレシピです」、「ご飯がどんどん進む」、「「プロっぽい」一品に仕上がります」等の語とともに使用されており、価値ある、おいしく調理できるレシピほどを表す誇称表現として広く使用されている実情が見受けられる。そうすると、本願商標をその指定役務に使用しても、これに接する需要者は、結局、当該役務が「焼肉のたれを用いた飲食物の価値ある、おいしく調理できるレシピに関する情報の提供」であること、その指定商品に使用しても、「価値ある、おいしく調理できるレシピ用の焼肉のたれ」であることを誇称した語又は宣伝文句の一種であると認識するにとどまり、これを超えて、何人かの業務に係る商品(役務)であるか認識できないとみるのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 第4 当審における審尋 当審において、令和7年2月18日付けで通知した審尋により、別掲1ないし別掲3のとおりの証拠を提示した上で、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、これに対する回答を求めた。 第5 審尋に対する請求人の回答 請求人は、上記第4の審尋に対し、令和7年4月7日付けの回答書を提出し、要旨、以下のとおりの意見を述べた。 (1)当該語が識別力を発揮するか否か、また独占使用を認めることが公益上適当か否かは、個別具体的な指定商品ないし指定役務ごとに判断されるべきものであり、その判断には当該指定商品ないし指定役務の具体的な取引の実情や実際に取引者・需要者が受ける印象が考慮されるべきものである。「カクテル」について「黄金レシピ」なる表現が用いられている事実があること単体と、本願の指定商品「焼き肉のたれ」において「黄金レシピ」が識別力を発揮するか、また独占使用が公益上不適当かは、無関係である。 (2)アンケート結果に対する認定判断も疑問があり、請求人ないしその商品をイメージする、という回答を十分に考慮すべきである。 (3)請求人は、甲第31号証ないし甲第33号証のとおり、請求人会社のウェブサイトにおいて、本願商標「黄金レシピ」を使用しており、閲覧数も多い。 第6 当審の判断 1 本願商標の商標法第3条第1項第6号該当性について (1)商標法第3条第1項第6号の趣旨 商標法は、「商標を保護することにより、商標の使用をする者の業務上の信用の維持を図り、もつて産業の発達に寄与し、あわせて需要者の利益を保護することを目的とする」ものであるところ(同法第1条)、商標の本質は、自己の業務に係る商品又は役務と識別するための標識として機能することにあり、この自他商品の識別標識としての機能から、出所表示機能、品質保証機能及び広告宣伝機能等が生じるものである。 同法第3条第1項第6号が、「需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができない商標」を商標登録の要件を欠くと規定するのは、同項第1号ないし第5号に例示されるような、識別力のない商標は、特定人によるその独占使用を認めるのを公益上適当としないものであるとともに、一般的に使用される標章であって、自他商品の識別力を欠くために、商標としての機能を果たし得ないものであることによるものと解すべきである。(平成21年(行ケ)第10270号同22年1月27日判決、平成24年(行ケ)第10323号同25年1月10日判決) (2)本願商標について 本願商標は、「黄金レシピ」の文字を標準文字で表してなるものであり、「黄金」の漢字と「レシピ」の片仮名を結合させたものと容易に認識されるものである。 そして、本願商標の構成中「黄金」の文字(語)は、「価値あるもののたとえ」に使用される語であり、「レシピ」の文字(語)は、「料理の材料や調理法」(岩波書店発行 広辞苑 第七版)を意味する語である。 ところで、別掲1のとおり、「黄金レシピ」の文字(語)が、レシピ本の題号として使用されている実情が認められ、また、別掲2のとおり、新聞記事やインターネット上の各種ウェブサイトに記載された複数の事例から、プロのレシピを紹介する際に、「黄金レシピ」の文字(語)が一般に使用されている実情も認められる。 さらに、別掲3のとおり、新聞記事やレシピサイト、食品会社等のウェブサイトにおいて、「黄金レシピ」の文字(語)が、おすすめのレシピや優れたレシピを紹介する際に広く使用されている実情が認められる。 これらの実情からすると、「黄金レシピ」の文字(語)は、おすすめのレシピや優れたレシピを称するものとして、一般に広く使用されているものとみるのが相当であり、「黄金レシピ」の文字からなる本願商標を、その補正後の指定商品及び指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者に、例えば、「おすすめのレシピ」や「優れたレシピ」に関連した商品及び役務を表したものと認識させるにとどまるものというべきである。 そうすると、このように認識され、かつ、一般に広く使用されている「黄金レシピ」の文字は、本願の補正後の指定商品及び指定役務との関係では、特定人による独占使用を認めるのを公益上適当としないものであるとともに、一般的に使用されるものであって、自他商品及び役務の識別力を欠くため、商標としての機能を果たし得ない。 してみれば、本願商標は、これをその補正後の指定商品及び指定役務に使用しても、需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができないものといわざるを得ない。 したがって、本願商標は商標法第3条第1項第6号に該当する。 2 請求人の主張について (1)請求人は、「当該語が識別力を発揮するか否か、また独占使用を認めることが公益上適当か否かは、個別具体的な指定商品ないし指定役務ごとに判断されるべきものであり、その判断には当該指定商品ないし指定役務の具体的な取引の実情や実際に取引者・需要者が受ける印象が考慮されるべきものである」旨主張している。 そこでみるに、本願の補正後の指定商品及び指定役務である「焼肉のたれ」及び「焼肉のたれを用いた飲食物のレシピに関する情報の提供」の需要者、取引者は、一般の消費者が含まれ、また、焼肉店等の飲食店の事業者や、調味料・飲食物等の食品製造、販売業者等が想定されるところ、別掲1ないし別掲3のとおり、各種の料理教室、料理講演会、料理番組等において、料理研究家やシェフ等が、「黄金レシピ」と称する材料の配合や味付けに関するレシピを公開しており、また、レシピサイト等において、一般の消費者や食品会社等が、「黄金レシピ」と称する家庭料理のおすすめレシピを紹介している実情が認められる。 そうすると、「黄金レシピ」の文字(語)は、おすすめのレシピや優れたレシピを称するものとして、食品業界や家庭料理を作る一般の消費者層に広く使用されているものと認められ、たとえ、別掲1ないし別掲3の使用例が「焼き肉のたれ」についてのものではないとしても、本願商標に接する需要者、取引者は、その補正後の指定商品及び指定役務との関係においても、「おすすめのレシピ」や「優れたレシピ」に関連した商品及び役務であることを理解するにとどまるというべきであり、本願商標については、上記1(2)のとおり判断するのが相当である。 (2)請求人は、「「黄金」「黄金レシピ」「黄金の味」に関するアンケートを実施し、その結果から、とりわけ「焼肉のたれ関係」においては、「黄金レシピ」の語は単なる誇称表現として認識されるのではなく、請求人ないしその商品である「黄金の味」を認識させるものとなるに至っている」旨主張し、審尋におけるアンケート結果に対する認定判断も疑問を挟む余地が極めて大きい旨主張している。 請求人が提出した甲第1号証及び甲第2号証によれば、当該アンケートについて、Q5及びQ6では、「あなたが知っている「焼肉のたれ」を、全て選択してください」及び「あなたが使ったことのある「焼肉のたれ」を、全て選択してください」との設問に対して、請求人を含むメーカー6社の商品を選択肢として列挙し、請求人の「焼肉のたれ 黄金の味」を含む商品画像を掲載しているところ、Q5では67%の者が、また、Q6では55.5%の者が請求人の商品を選択したことが認められる。 しかしながら、Q5及びQ6から、本願の補正後の指定商品である「焼肉のたれ」との関係において、請求人の商品である「黄金の味」が知られていることはうかがえるとしても、「黄金レシピ」の文字(語)が、請求人の商品である「黄金の味」を認識させるに至っているとは認められないものである。 また、当該アンケートは、前の設問に戻って回答内容を変更することができないように設定されておらず、Q5及びQ6で、請求人の商品である「黄金の味」の名称及び画像を認識した上で、その他の設問に回答することも可能であったといえる。 そして、Q1は、「焼肉のたれ売場やチラシに「黄金レシピ」と書かれていたときに、どのメーカーをイメージしますか」との設問であるが、「黄金レシピ」の文字(語)から想起されるメーカーを漠然と聞くのではなく、選択肢として請求人を含むメーカー3社が列挙され、「当てはまるものを全て選択してください」と記載されており、誘導的な質問といえる。 また、Q2も、「「黄金レシピ」の言葉から、どのようなイメージを持ちますか」との設問であるが、「黄金レシピ」の文字(語)から想起されるイメージを漠然と聞くのではなく、選択肢の一つとして、「エバラ食品「焼肉のたれ 黄金の味」を用いた料理のレシピ」が記載されているところ、「当てはまるものを全てお選びください」との記載に対し、45.4%の者が当該選択肢を選んだことが認められるものの、誘導的な質問であっても、「おいしく調理できるレシピ」の選択肢を選んだ者が32.1%、「高価で価値の高い材料を用いたレシピ」の選択肢を選んだ者が13%いたことが認められる。 そして、Q3は、「調味料について「黄金」と聞いたときに、何をイメージしますか」との設問であり、Q4は、「焼肉のたれについて「黄金」と聞いたときに、何をイメージしますか」との設問であるが、いずれも選択肢の一番目に請求人の商品である「焼肉のたれ 黄金の味」が記載されているものであり、「黄金」の文字(語)から想起されるイメージを漠然と聞く質問とはなっていない。 また、Q3及びQ4の質問から、「当てはまるものを全て選択してください」との記載に対し、「黄金」と聞いたときに請求人の商品である「焼肉のたれ 黄金の味」をイメージする者が、「調味料」について56.8%、「焼肉のたれ」について61・8%存在することがうかがえるとしても、「黄金レシピ」の文字(語)については、別掲1ないし別掲3の取引の実情を踏まえれば、当該文字が請求人の商品及び役務を表すものとして認識されるとはいえず、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができないものといわざるを得ない。 (3) ア 請求人は、「黄金レシピ」の文字(語)の使用実績について主張し、甲第31号証ないし甲第33号証を提出している。 イ 請求人が新たに提出した証拠によれば、以下の事実が認められる。 (ア)請求人のウェブサイトにおける「黄金の味」のブランドページにおいて、「「黄金の味」を使ってできる簡単レシピをご紹介」の説明とともに、「黄金レシピ」の文字(語)が使用されており、「黄金あまったれレシピ」、「黄金のたまダレレシピ」及び「アレンジ黄金レシピ」等のレシピを紹介するコーナーがあること(甲第31号証) (イ)請求人のウェブサイトにおける「黄金の味」のブランドページにおいて、「使えるね!黄金の味」の見出しの下、「焼肉だけじゃもったいない!普段の料理つくりにも大活躍の「黄金の味」を使った黄金レシピをご紹介します♪」の説明とともに、「黄金レシピ」の文字(語)が使用されていること(甲第32号証) (ウ)請求人のウェブサイトにおける「おいしいレシピ」のコーナーにおいて、「黄金の味に相談 これ1本で味が決まる黄金レシピ特集」として、「黄金の味」を使った「黄金肉野菜炒め」、「黄金レタス炒飯」及び「黄金コク旨ボロネーゼ」等のレシピが紹介されていること(甲第33号証) ウ しかしながら、「黄金レシピ」の文字(語)について、請求人の使用例は、請求人のウェブサイトにおける僅か数件であり、また、請求人が「黄金レシピ」の文字(語)を使用する際には、いずれも「黄金の味」の文字が併記されているか、「黄金の味」と明記された請求人の商品画像が共に使用されているものである。 これに対し、別掲1ないし別掲3のとおり、「黄金レシピ」の文字(語)が、おすすめのレシピや優れたレシピを称するものとして広く一般に使用されている実情が認められることからすれば、本願の指定商品及び指定役務の需要者は、「黄金レシピ」の文字(語)が本願の指定商品及び指定役務に使用された場合においても、おすすめのレシピや優れたレシピを一般的に指す名称であると認識するものといえ、請求人の取扱いに係る商品を用いたレシピを認識するとは認められない。 (4)したがって、請求人の主張は、いずれも採用することができない。 3 まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものであるから、これを登録することはできない。 よって、結論のとおり審決する。

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