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商標拒絶査定不服審判

2023-014857

ブラックシャインマスカット

審判番号
2023-014857
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2022-119691
請求日
2023年09月05日
審決日
2024年02月28日
公報発行日
2024年05月31日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】志村 晃生
  • 【請求人代理人】弁理士法人クロスボーダー特許事務所
  • 【請求人】株式会社ダイフブリッジ
  • 【請求人代理人】弁理士法人クロスボーダー特許事務所
審判長/審判官
  • 審判長 豊瀬 京太郎
  • 審判官 板谷 玲子
  • 審判官 白鳥 幹周
分類
T18 .13 -Z (W31) / T18 .17 -Z (W31)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法3条1項3号商標法3条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第3条第1項第3号、商標法第3条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

商願2022-119691拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 1 手続の経緯 本願は、令和4年10月18日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和4年12月27日付け:拒絶理由通知書 令和5年 2月 7日 :意見書、手続補正書の提出 令和5年 2月14日付け:通知書 令和5年 3月28日 :意見書の提出 令和5年 6月 5日付け:拒絶査定 令和5年 9月 5日 :審判請求書の提出 2 本願商標 本願商標は、「ブラックシャインマスカット」の文字を標準文字で表してなり、第31類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として登録出願されたものである。 本願の指定商品は、原審における上記1の手続補正書により、第31類「シャインマスカット交配品種のぶどう」と補正されたものである。 3 原査定の拒絶の理由(要旨) (1)商標法第3条第1項第3号該当性について 本願商標は、「ブラックシャインマスカット」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「シャインマスカット」の文字は、ぶどうの品種を表したものであり、また、ぶどうについては、黒みがかったぶどうを「ブラック○○」又は「○○ブラック」と称し取引されている実情がある。 そうすると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「黒みがかったシャインマスカット交配品種のぶどう」ほどの意味合いを認識するにとどまるというのが相当であるから、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものといえる。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。 (2)商標法第3条第2項に規定する要件を具備するか否かについて 出願人の提出した証左によっては、需要者において、「富士の輝」の文字から独立して、本願商標を構成する「ブラックシャインマスカット」の文字が、自他商品の識別標識として認識されていると認めることができないから、本願商標が、その使用の結果、出願人の業務に係る商品を表示するものであると、需要者が認識することができるものになっているとはいえない。 したがって、本願商標は、商標法第3条第2項の要件を具備するものとはいえない。 4 当審の判断 (1)商標法第3条第1項第3号該当性について 本願商標は、「ブラックシャインマスカット」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「ブラック」の文字は、「黒色。」(出典:「広辞苑 第七版」株式会社岩波書店)などを意味する語であり、また、「シャインマスカット」の文字は、原審提示の情報にあるように、「ぶどうの品種名」として使用され、広く知られているものであるから、本願商標全体としては「黒色のシャインマスカット品種(のぶどう)」ほどの意味合いが容易に理解、認識されるものである。 また、ぶどうの品種は、果皮の色で大きく「黄緑」「赤」「黒」に分けられるものであり(「農林水産省」のウェブサイトにおいて、「ぶどうの品種」の見出しの下、「果皮の色で黄緑、赤、黒に分けられる」の記載がある。https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/1905_06/spe1_02.html)、原審提示の情報にある「オーロラブラック」のように、果皮が黒色系統のぶどうの品種の名称に「ブラック」の文字がしばしば用いられている実情がある上、実際、「果皮が黒色の、シャインマスカット交配品種のぶどう」が存在する(請求人提出の甲第26号証)ことも認められる。 以上のことを総合的に勘案すれば、本願商標をその指定商品に使用したときは、それに接する取引者、需要者において、それが「(果皮が)黒色の、シャインマスカット(交配)品種のぶどう」であるという、商品の品質(品種名)を表示しているものと理解、認識するにとどまるというべきであるから、本願商標は、その商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というのが相当である。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。 (2)商標法第3条第2項に規定する要件を具備するか否かについて 請求人は、本願商標は、その使用の結果、本願の指定商品の需要者の間において、相当程度認知されたものとなっている旨主張し、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第30号証(以下、表記に当たっては「甲○」(「○」部分は数字)のように省略して記載する。)を提出しているところ、上記証拠及び請求人の主張、並びに、令和4年10月27日付けの早期審査に関する事情説明書において提出された書面(以下、「早期審査書面」という。)によれば、以下のとおりである。なお、以下においては、請求人のうち「志村 晃生」又は「株式会社ダイフブリッジ」のいずれか一方を指す場合にも、便宜的に「請求人」と記す。 ア 請求人は、遅くとも2021年(令和3年)9月頃から現在に至るまで、「ブラックシャインマスカット」の文字からなる商標(以下、「本件商標」という。)を使用し、商品「ぶどう」の販売を行っている(甲1、早期審査書面)。 イ 請求人の販売する上記アの「ぶどう」(以下、「本件商品」という。)の販売数は、2021年(令和3年)7月31日から同年10月1日までの間で約250件、2022年(令和4年)5月17日から同年10月26日までの間で約850件である(請求人の主張、甲1)。 ウ 請求人は、少なくとも2022年(令和4年)5月1日から同年10月31日までの間に、「Google」及び「Facebook」の広告サービスを利用し、本件商品の広告を行った(甲5ないし甲7)。 エ 本件商標は、2022年(令和4年)7月5日以降、SNS「Twitter」において、4回「トレンド(リアルタイムで話題となっているトピックが分かる機能)入り」している(甲8)。 オ 2017年(平成29年)から2023年(令和5年)にかけて、全国的なものを含むテレビ番組において、本件商標が使用された商品「ぶどう」が、14回以上紹介された(請求人の主張、甲9ないし甲14、甲16、甲17)。 カ 請求人は、遅くとも2021年(令和3年)3月頃から現在に至るまで、自身が代表者である「志村葡萄研究所」(現在は株式会社志村葡萄研究所)を通じて、本件商標を使用し、商品「ぶどうの苗木」の販売を行っており(請求人の主張、甲2)、それを購入した農家によって生産された商品「ぶどう」が、本件商標を使用して販売されている(請求人の主張)。また、本件商品を原材料とした商品「菓子」が生産、販売されている(請求人の主張、甲17、甲18)。 キ 上記アないしカによれば、請求人は、遅くとも2021年(令和3年)9月頃から、本願商標又はそれと同一性を損なわない程度の「ブラックシャインマスカット」の文字からなる商標を用いて、商品「ぶどう」の販売を行っており、また、インターネット上で本件商品についての宣伝広告活動を行っていることが認められる。 しかしながら、提出された証拠において確認することのできる範囲において、本件商品の販売期間は2年半ほどと極めて短い上、その販売数が多いものということもできず、また、本件商品の宣伝広告活動は、短期間のインターネット上におけるものに限られており、規模が大きいものということもできない。 また、テレビ番組における、本件商標が使用された商品「ぶどう」の紹介事例が複数あるものの、仮に、そこで紹介された商品がすべて本件商品であるとしても、その放送の回数や内容などからすれば、本願商標が我が国の全国の需要者に広く認識されていることが推認できるほどに、頻繁に又は大規模に紹介されていたとはいえないものである。 加えて、本件商品の販売状況(早期審査書面)や、宣伝広告の事例(甲5)、テレビ番組における紹介に係る事例(甲9ないし甲14、甲16、甲17)、そのほか請求人以外の者による本件商標の使用事例(甲19、ほか)を見るに、本件商標の使用に当たっては、その近傍に、「富士の輝」の文字や「志村葡萄研究所」の文字からなる、自他商品の識別標識として十分に機能し得る商標が表示されていることが多くあり、また、そうでない場合も含め、本件商標があたかもぶどうの品種名であるかのごとく表示されていることが少なくないことからすると、上記(1)の実情も相まって、本件商標が、これに接する需要者において、自他商品の識別標識として認識されることが難しい態様において使用されているといわざるを得ない。 そして、需要者の認識度を客観的に示す証拠(アンケート結果など)は提出されていない。 以上のことからすると、提出された証拠をもってしては、本願商標が、その指定商品との関係において、使用をされた結果需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるに至っているとは認められないから、本願商標は、商標法第3条第2項に規定する要件を具備しない。 (3)請求人の主張について 請求人は、本願商標は、構成上一体不可分のものであって、商品の品質等を表示するものとして一般的に使用されているものでもなく、また、通常のシャインマスカット品種のぶどうは黄緑又は黄白であることからすると、需要者において通常のシャインマスカット品種では起こりえない心理的な刺激を惹起させるものといえることから、自他商品識別力があるというべきである旨を主張する。 しかしながら、本願商標は、「ブラックシャインマスカット」の文字を標準文字で表してなるものであるところ、上記(1)のとおり、その構成中「ブラック」の文字は、「黒色。」などを意味する語であり、また、「シャインマスカット」の文字は、「ぶどうの品種名」として使用され、広く知られているものであるから、本願商標に接する取引者、需要者は、これが「ブラック」の語と「シャインマスカット」の語とを結合したものと、容易に看取し得るものであって、これより「黒色のシャインマスカット品種(のぶどう)」ほどの意味合いを容易に理解、認識し、商品「ぶどう」に係る取引の実情を勘案すれば、それが「(果皮が)黒色の、シャインマスカット(交配)品種のぶどう」であるという、商品の品質(品種名)を表示しているものと理解、認識するにとどまり、自他商品の識別標識としては認識し得ないというのが相当である。 したがって、請求人の主張は、採用することができない。 (4)まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであって、また、商標法第3条第2項に規定する要件を具備するものともいえないから、登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。

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