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商標拒絶査定不服審判

2023-014770

コーベウシエモン、コーベギューエモン、ウシエモン、ギューエモン、エモン、コーベギュー、コーベウシ

審判番号
2023-014770
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2022-050728
請求日
2023年09月01日
審決日
2024年06月11日
公報発行日
2024年08月30日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】株式会社なちゅらフーズ
  • 【請求人代理人】弁理士法人ととせ・ももとせ
  • 【請求人代理人】齊藤 整
  • 【請求人代理人】清水 三沙
  • 【請求人代理人】服部 京子
  • 【請求人代理人】徳永 弥生
審判長/審判官
  • 審判長 大島 康浩
  • 審判官 小林 裕子
  • 審判官 大塚 正俊
分類
T18 .271-Z (W3543)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法4条1項15号
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第15号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

商願2022-50728拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 1 手続の経緯 本願は、令和4年4月18日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和4年11月10日付け:拒絶理由通知書 令和5年1月18日:意見書、手続補正書の提出 令和5年6月7日付け:拒絶査定 令和5年9月1日:審判請求書の提出 2 本願商標 本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第35類及び第43類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として登録出願され、その後、本願の指定役務については、前記1の手続補正書により、第35類「飲食料品(「食肉」を除く)の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,広告業,経営の診断又は経営に関する助言,事業の管理,市場調査又は分析,商品の販売に関する情報の提供,職業のあっせん」及び第43類「飲食物の提供」の役務に補正されたものである。 3 原査定の拒絶の理由の要点 原査定は、「本願商標はその構成中に、兵庫県所在の「兵庫県食肉事業協同組合連合会」又はそれらの構成員が、商品「兵庫県産の和牛の肉」について使用し、自己又はその構成員の業務に係る商品を表示するものとして、本願商標の出願前から需要者の間に広く認識されている「神戸牛」(地域団体商標:商標登録第5068216号)の文字を有するものであるから、本願商標をその指定役務について使用するときは、あたかも前記組合又は前記組合と経済的又は組織的に何らかの関係がある者の役務であると誤認し、その役務の需要者が役務の出所について混同するおそれがある。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 4 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第15号該当性について ア 商標法第4条第1項第15号にいう「他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標」には、当該商標をその指定商品又は指定役務に使用したときに、当該商品又は役務が他人の業務に係る商品又は役務であると誤信されるおそれがある商標のみならず、当該商品又は役務が上記他人との間にいわゆる親子会社や系列会社等の緊密な営業上の関係又は同一の表示による商品化事業を営むグループに属する関係にある営業主の業務に係る商品又は役務であると誤信されるおそれがある商標が含まれる。そして、上記の「混同を生じるおそれ」の有無は、当該商標と他人の表示との類似性の程度、他人の表示の周知著名性及び独創性の程度や、当該商標の指定商品又は指定役務と他人の業務に係る商品又は役務との間の性質、用途又は目的における関連性の程度並びに商品又は役務の取引者及び需要者の共通性その他取引の実情などに照らし、当該商標の指定商品又は指定役務の取引者及び需要者において普通に払われる注意力を基準として、総合的に判断されるべきものである(最高裁平成10年(行ヒ)第85号同12年7月11日第三小法廷判決・民集54巻6号1848頁)。 イ 「神戸牛」の文字の周知性について 別掲2で提示した事実によれば、「神戸牛」は、「兵庫県産の和牛の肉」を示すものとして、全国的に名前を知られた有名ブランドであり、一般の全国紙を含む新聞記事やインターネット記事において広く紹介されている事実があるといえる。 また、引用商標は、兵庫県食肉事業協同組合連合会が、その構成員に使用をさせる商標であって、その商標が使用された結果自己又はその構成員の業務に係る商品である第29類「兵庫県産の和牛の肉」を表示するものとして需要者の間に広く認識されていることを理由に、当該商品を指定商品として、平成19年8月3日に地域団体商標の商標登録(登録第5068216号)を受け、現に有効に存続しているものである。 そうすると、引用商標は、「兵庫県産の和牛の肉」を示すものとして、本願商標の登録出願日の時点において、本願商標の指定役務の取引者、需要者の間に広く認識されて、一定の周知性を有していたものであって、その周知性は、現在においても継続しているものと認められる。 ウ 本願商標と引用商標について (ア)本願商標 本願商標は、別掲1のとおり、中央に白抜きで牛の頭部とおぼしき図形を有する赤色の下部に飛び出し線を有する略円形状の図形を左側に配し、当該図形の下部に、「USHI‐EMON」の文字を赤色で横書きし、その右側に「神戸牛衛門」の文字を筆文字風の書体にて、黒色で大きく目立つように横書きしてなるものである。 そして、本願商標の構成中、大きく目立つように表された「神戸牛衛門」の文字部分の中でも、とりわけ看者の目をひきやすい語頭に位置する「神戸牛」の文字は、上記イのとおり、兵庫県食肉事業協同組合連合会及びその構成員の業務に係る周知な商標と認識されるものであるから、当該文字部分の自他役務識別標識としての機能は高いといえる。 そうすると、本願商標は、構成中の「神戸牛」の文字部分に相応して「コウベギュー」の称呼及び「兵庫県食肉事業協同組合連合会及びその構成員の業務に係る周知な「神戸牛」」の観念を生じ得る。 (イ)引用商標 引用商標は、「神戸牛」の文字を標準文字で表してなるところ、「コウベギュー」の称呼及び「兵庫県食肉事業協同組合連合会及びその構成員の業務に係る周知な「神戸牛」」の観念が生ずる。 (ウ)本願商標と引用商標の類似性の程度 本願商標と引用商標は、それぞれ上記(ア)及び(イ)のとおりの構成からなるところ、本願商標はその構成中、大きく目立つように表された「神戸牛衛門」の文字部分において、周知性があり、看者の注意を引きやすい語頭の「神戸牛」の文字が引用商標と同一であって、全体の5文字のうち3文字までを引用商標と共通にするから、両者は外観上相紛らわしいといえる。 そして、両者は「コウベギュー」の称呼及び「兵庫県食肉事業協同組合連合会及びその構成員の業務に係る「神戸牛」」の観念を共通にするから、称呼及び観念においても相紛らわしいものである。 そうすると、本願商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても相紛らわしいものであるから、両商標は相当程度高い類似性を有するものというべきである。 エ 引用商標の独創性について 引用商標の「神戸牛」は、地域の名称である「神戸」の文字と引用商標の指定商品の普通名称である「牛」の文字からなる地域団体商標であるから、その構成自体は独創的なものではない。 オ 本願の指定役務と引用商標の商標権者の業務に係る商品の関連性及び需要者の共通性について 本願商標の指定役務と引用商標の指定商品は、役務の提供と商品の製造・販売が同一事業者によって行われ得るものであり、役務と商品の用途、役務の提供場所と商品の販売場所及びこれらの需要者の範囲が一致する場合があるといえる。 カ 出所の混同を生ずるおそれについて 以上のとおり、本願商標と引用商標とは、相当程度高い類似性を有するものであること、引用商標は「兵庫県産の和牛の肉」を示すものとして、一般需要者の間に広く認識され、周知性を獲得しているものであること、引用商標の指定商品は本願の指定役務と類似する商品及び関連性が高い商品であって、取引者、需要者層を共通にすることから、本願商標の指定役務の取引者及び需要者において普通に払われる注意力を基準として総合的に判断すれば、本願商標は、その構成中、語頭の「神戸牛」の文字に着目し、引用商標を連想又は想起させることが少なくないと判断するのが相当である。 そうすると、本願商標をその指定役務に使用するときは、取引者、需要者をして周知となっている引用商標を連想又は想起し、その役務が他人(引用商標の商標権者又はその構成員)あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかのように誤認し、その役務の出所について混同を生ずるおそれがあるものというべきである。 したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。 (2)請求人の主張について ア 請求人は、本願商標は殊更に「神戸牛」のみに着目されるべきものでなく、「神戸牛衛門」という造語からなる商標、又は、「神戸・牛衛門」なる地名を含む造語からなる商標と認識・把握されるものである旨を主張している。 しかしながら、上記(1)のとおり、本願商標の構成中、「神戸牛衛門」の文字部分においては、「神戸牛」の文字が兵庫県食肉事業協同組合連合会及びその構成員の業務に係る周知な商標であって、かつ、看者の注意を引きやすい語頭に位置することから、これに接する取引者、需要者は、「神戸牛」の文字に着目するとみるのが相当である。 イ 請求人は、過去の登録例を挙げて、本願商標も同様に判断されるべきである旨主張する。 しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第4条第1項第15号に該当するか否かは、本願商標の出願時及び審決時において、当該商標の構成態様や取引の実情を踏まえて、個別具体的に判断をなすべきものであって、過去の登録例の存在により、その判断が左右されるものではない。 ウ したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。 (3)まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当し、登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。

審決本文(J-PlatPat)

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