商標拒絶査定不服審判
2023-014377
ナチュラルレモンリーフ、ナチュラルレモン、レモンリーフ、レモン、ナチュラル、リーフ
- 審判番号
- 2023-014377
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-129941
- 請求日
- 2023年08月25日
- 審決日
- 2025年02月03日
- 公報発行日
- 2025年04月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】小林製薬株式会社
- 【請求人代理人】山田 威一郎
- 審判長/審判官
- 審判長 豊瀬 京太郎
- 審判官 目黒 潤
- 審判官 清川 恵子
- 分類
- T18 .13 -Z (W0305)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、商標法第4条第1項第16号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021-129941拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和3年10月19日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年 5月26日付け:拒絶理由通知書
令和4年 7月 5日 :意見書の提出
令和5年 8月10日付け:拒絶査定
令和5年 8月25日 :審判請求書、手続補正書の提出
令和6年 9月26日付け:審尋
2 本願商標
本願商標は、「ナチュラルレモンリーフ」の文字を標準文字で表してなり、第3類及び第5類に属する願書に記載のとおり商品を指定商品として登録出願され、その後、本願の指定商品は、当審における上記1の手続補正書により、別掲1のとおり、補正されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要点
本願商標は、「ナチュラルレモンリーフ」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「ナチュラル」の文字は、「自然であること。天然であること。」等の意味を有する語として一般的に認識されており、また、「レモン」の文字は、「ミカン科の常緑低木。また、その実。」等の意味を、「リーフ」の文字は、「木や草の、葉。」等の意味を有する語であるから、本願商標は、全体として、「天然のレモンの葉(レモンリーフ)」程の意味合いを認識させるものである。
そして、本願の指定商品を取り扱う業界において、「レモンリーフ」の文字が香りや原材料を表す文字として使用されている実情にあることよりすれば、本願商標を、その指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、「天然のレモンリーフを原材料とする商品」であること、すなわち、単に商品の品質(原材料等)を普通に用いられる方法で表示したものとして認識するというべきである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記意味合いに照応する商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。
4 当審における審尋
当審において、上記1の審尋により、別掲2ないし別掲4に掲げる事実を提示した上で、本願商標が、その指定商品との関係において、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、請求人に対し、意見を求めた。
請求人は、当該審尋に対し、指定した期間を経過するも、何ら回答していない。
5 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、「ナチュラルレモンリーフ」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「ナチュラル」の文字は「自然であること。天然であること。」の意味を、「レモン」の文字は「ミカン科の常緑低木。また、その実。」の意味を、「リーフ」の文字は「木や草の、葉。」等の意味(いずれも「デジタル大辞泉」株式会社小学館)を有する語としてそれぞれ広く親しまれているものであるから、その構成全体より「天然のレモンの葉」の意味合いを容易に看取し得るものである。
そして、原審において提示した情報及び別掲2の情報にあるように、その構成中の「レモンリーフ」の文字について、「レモンリーフ(レモンの葉)」は、精油の原材料として用いられており、香りの種類の一を表す語としても広く用いられている実情がある。
また、構成中の「ナチュラル」の文字は、本願の指定商品との関係において、原材料が天然由来のものを使用している場合に「ナチュラル○○」(○○は商品の名称)のように指称している事実が見受けられ(別掲3)、さらに、天然由来の原材料を使用している商品について、「天然の香り、自然な香り」程の意味合いで「ナチュラルな香り」のように指称している事実も見受けられる(別掲4)。
そうとすると、本願商標を、その指定商品中、香りを特徴とする商品(例えば、第3類「口臭用消臭剤,動物用防臭剤,せっけん類,歯磨き,芳香剤(身体用のものを除く。),消臭芳香剤(身体用のものを除く。),その他の薫料」及び第5類「芳香消臭剤(身体用・動物用及び工業用の芳香消臭剤並びに口臭用消臭剤を除く。),その他の消臭剤(身体用・動物用及び工業用の消臭剤並びに口臭用消臭剤を除く。),防臭剤(身体用・動物用及び工業用のものを除く。),脱臭剤(工業用のものを除く。)」)に使用する場合は、これに接する取引者、需要者に、請求人の取り扱いに係る商品であることを認識させるというよりも、「天然のレモンリーフを原材料とする商品」「天然のレモンリーフの香りがする商品」「自然なレモンリーフの香りがする商品」程の商品の品質、原材料を表したものと認識、理解させるにとどまり、本願商標は、自他商品識別標識として機能しないものというのが相当である。
したがって、本願商標は、商品の品質、原材料を普通に用いられる方法で表してなる標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当し、「天然のレモンリーフを原材料とする商品」「天然のレモンリーフの香りがする商品」「自然なレモンリーフの香りがする商品」以外の香りを特徴とする商品に使用する場合は、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、「本願商標から「天然のレモンの葉(レモンリーフ)」との意味合いが生じるとの認定をしているが、人工的に製造した「レモンの葉(レモンリーフ)」などというものは存在せず、全ての「レモンの葉(レモンリーフ)」は「天然」の葉であるといえることから、「レモンの葉(レモンリーフ)」を修飾する語として、「天然の」との修飾語をあえて使用することはない。」旨主張する。
しかしながら、本願の指定商品との関係において、商品に香り付けをする際に使用される香料については、自然に自生している植物から採取された香料である天然香料と人工的に化学的手法で作られた香料である合成香料とが存在することは周知の事実であるところ、「レモンリーフ」についても、合成香料として存在することは否定できず、また、上記(1)のとおり、「天然の香り、自然な香り」であることを表現するために「ナチュラル」の語が用いられている事実もあることからすれば、本願商標に接する取引者、需要者は、商品の品質、原材料を表したものと認識、理解するとみるのが相当であるから、請求人の上記主張は採用することができない。
イ 請求人は、「化粧品」以外の分野で、原材料を表示する際に「ナチュラル○○」との表現を使用することが一般的であるとはいえず、また、「ナチュラルレモンリーフ」の語が指定商品の品質表示として、一般的に使用されておらず、将来的にも使用される可能性が乏しい表示である旨主張する。 しかしながら、本願商標を構成する「ナチュラルレモンリーフ」の文字自体は、一般的に使用されていないとしても、上記(1)のとおり、「レモンリーフ(レモンの葉)」が精油の原材料や香りの種類の一を表す語として用いられていること、また、原材料が天然由来のものである場合に「ナチュラル○○」(○○は商品の名称)のように指称されていること、さらに、天然由来の原材料を使用している商品については「天然の香り、自然な香り」程の意味合いで「ナチュラルな香り」のように指称されていること等の取引の実情に照らせば、本願商標をその指定商品に使用する場合、これに接する取引者、需要者によって、「天然のレモンリーフを原材料とする商品」「天然のレモンリーフの香りがする商品」「自然なレモンリーフの香りがする商品」であることを表示するものとして一般に認識されるといえ、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものというべきものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのは適当でないとともに、自他商品識別力を欠くものというのが相当である。
ウ 請求人は、商標構成中に「ナチュラル」や「リーフ」の文字を含む過去の商標登録例や審決例を挙げ、本願商標も自他商品の識別力が認められるべきである旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるか否かの判断は、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品・指定役務との関係や、その商品又は役務の分野における取引の実情をも踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げた登録例や審決例は、商標の構成態様が本願商標とは異なるものである点において、本願とは、事案を異にするものというべきであり、また、過去の登録例や審決例が存在することをもって、上記判断が左右されるものではない。
エ したがって、請求人の上記アないしウの主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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