商標拒絶査定不服審判
2023-014228
フロスシューカン、シューカン
- 審判番号
- 2023-014228
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-120615
- 請求日
- 2023年08月24日
- 審決日
- 2024年06月25日
- 公報発行日
- 2024年09月27日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】小林製薬株式会社
- 【請求人代理人】山田 威一郎
- 審判長/審判官
- 審判長 鈴木 雅也
- 審判官 小田 昌子
- 審判官 滝口 裕子
- 分類
- T18 .16 -Z (W21)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項6号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第6号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022-120615拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和4年10月20日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年3月17日付け:拒絶理由通知書
令和5年4月17日 :意見書、手続補正書の提出
令和5年6月22日付け:拒絶査定
令和5年8月24日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、「フロス習慣」の文字を標準文字で表してなり、第21類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として登録出願されたものであり、その後、本願の指定商品については、上記1の手続補正により、別掲1のとおりの商品(以下「補正後指定商品」という。)に補正されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、「フロス習慣」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「フロス」の文字は「デンタルフロス」を意味する語であり、「習慣」の文字は「日常の決まりきった行い。しきたり。」を意味する語として、それぞれ一般に広く知られている。そして、本願商標に係る指定商品中「デンタルフロス」の取引においては、「フロス習慣」の語が、デンタルフロスを毎日使う習慣を表すものとして用いられている実情があるため、本願商標を上記指定商品中「デンタルフロス」に使用しても、これに接する需要者は、「デンタルフロスを毎日使う習慣」といった商品の利用を促す宣伝文句の一種であると理解、認識するにとどまり、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標というべきである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
4 当審の判断
(1)本願商標の商標法第3条第1項第6号該当性について
本願商標は、「フロス習慣」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「フロス」の文字は、「デンタルフロス」(「コンサイスカタカナ語辞典 第5版」株式会社三省堂)を意味する語として、「習慣」の文字は、「日常の決まりきった行い。しきたり。」(「広辞苑第七版」株式会社岩波書店)などを意味する語として、いずれも広く一般に親しまれた語であるから、本願商標は、「フロス」の文字と、「習慣」の文字とを結合した構成よりなるものと容易に認識されるものである。
また、別掲2によれば、本願の補正後指定商品中「デンタルフロス」との関係において、商品の宣伝広告に係るウェブサイト等において、「子どものムシ歯予防にフロス習慣も」(別掲2(1))、「完璧な口腔ケアに導くフロス習慣」(同(4))、「フロス習慣をアップデート」(同(6))など、「フロス習慣」の語が「デンタルフロスを使う習慣」ほどの意味合いで多数使用されている実情がある。
そうすると、本願商標の各構成文字の意味と、上記の実情に照らせば、本願商標は、これに接する需要者に全体として「デンタルフロスを使う習慣」ほどの意味合いを容易に認識させるといえるものであり、上記の認定は、当審において発見した別掲3の証拠からも裏付けられるものである。
よって、本願商標を、補正後指定商品中の、第21類「デンタルフロス」に使用しても、これに接する需要者は、自他商品の出所を識別する標識ではなく、「デンタルフロスを使う習慣」といった商品の利用を促す文言、宣伝広告の一種であると理解、認識するにとどまるものというべきである。
加えて、前記のとおり、本願商標は、標準文字で表してなるものであるから、その態様上顕著な特徴は認められない。
したがって、本願商標は、補正後指定商品中「デンタルフロス」について、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標であるから、商標法第3条第1項第6号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、日本語の本来の用法においては、「デンタルフロスを毎日使う習慣」の意味合いを示すためには、言葉を補って表す必要があり、「フロス」、「習慣」との2語をそのままつなげた「フロス習慣」の語から、「デンタルフロスを毎日使う習慣」のような意味合いが生じるとはいえず、「フロス習慣」の語は日本語として不自然であって、本願商標は、取引の場で十分自他商品識別力を発揮し得る旨主張している。
しかしながら、本願商標中「フロス」の文字は「デンタルフロス」、「習慣」の文字は「日常の決まりきった行い。」の意味を有することに加え、別掲2及び別掲3の実情に照らせば、本願商標を構成する「フロス習慣」の文字は、これに接する需要者に、「デンタルフロスを使う習慣」ほどの意味合いを容易に認識させるものというべきであるから、上記(1)のとおり、本願商標が自他商品識別力を発揮し得るものということはできない。
イ 請求人は、原審の拒絶査定末尾に挙げられた歯科医院のウェブサイトは、「フロス習慣」の語が、「デンタルフロス」の宣伝広告の文言として使用されていることを示すものではない旨主張している。
しかしながら、「デンタルフロス」と「歯科医院」は、いずれも歯科衛生のためという目的において共通し、需要者の範囲が共通することも多いといえることからすれば、商品「デンタルフロス」との関係における本願商標の識別力の判断に際し、歯科医院のウェブサイトにおける「フロス習慣」の語の使用例を引用して、本願商標に係る需要者の認識を判断することもできるというのが相当である。
ウ 請求人は、「○○習慣」等の商標についての過去の登録例を挙げて、本願商標も登録されるべき旨主張している。
しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第6号に該当するものであるか否かの判断は、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品及び指定役務との関係や、その商品及び役務の分野における取引の実情をも踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げた登録例は、商標の構成文字が異なるものであり、指定商品及び指定役務も一致するものばかりではないなどの点において、本願商標とは、事案を異にするものというべきであるから、過去の登録例が存在することをもって、本願商標の登録の適否の判断基準とするのは必ずしも適切ではない。
エ したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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