商標拒絶査定不服審判
2023-014150
ダイレクトマーケティングエージェンシー、エージェンシー
- 審判番号
- 2023-014150
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-145607
- 請求日
- 2023年08月23日
- 審決日
- 2024年12月05日
- 公報発行日
- 2025年08月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社ダイレクトマーケティングエージェンシー
- 【請求人代理人】廣田 逸平
- 審判長/審判官
- 審判長 大島 勉
- 審判官 小林 裕子
- 審判官 浦崎 直之
- 分類
- T18 .13 -Z (W3542) / T18 .272-Z (W3542)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、商標法第10条第1項、特許法第150条第5項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022-145607拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和4年6月2日に登録出願された商願2022-63017に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として、令和4年12月21日に登録出願されたものであって、その手続の経緯の概略は以下のとおりである。
令和5年 2月 9日付け:拒絶理由通知書
令和5年 7月11日付け:拒絶査定
令和5年 8月23日 :審判請求書の提出
令和6年 8月27日付け:証拠調べ通知書
令和6年10月 4日 :意見書の提出
第2 本願商標
本願商標は、「ダイレクトマーケティングエージェンシー」の文字を標準文字で表してなり、第35類及び第42類に属する別掲1に記載のとおりの役務を指定役務として登録出願されたものである。
第3 原査定の拒絶の理由の要旨
本願商標の構成中「ダイレクトマーケティング」の文字は、本願指定役務との関係においては、「広告やメディアを介し、ユーザーとの直接的なやりとりによって行動を促し、その反応をデータとして計測するマーケティング手法。」を意味する語として広く知られており、また、「エージェンシー」の文字は「代理業。代理店。」を意味する語として一般に広く親しまれた語であるから、本願商標は全体として「ダイレクトマーケティングの代理店(代理業)」ほどの意味合いを容易に認識させるものである。
そして、ダイレクトマーケティングに特化した代理店が多数存在する実情が把握できる。
そうすると、本願商標をその指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「ダイレクトマーケティングに特化した代理店(代理業)に関する役務」「ダイレクトマーケティングに特化した代理店(代理業)により提供される役務」であることを認識するにとどまるといえ、本願商標は、単に役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものと判断するのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。
第4 当審における証拠調べ
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、別掲3、別掲4及び別掲5のとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対し、上記第1の証拠調べ通知書によって通知し、相当の期間を指定して、これに対する意見を求めた。
第5 証拠調べに対する請求人の意見の要旨
請求人は、上記第4の証拠調べに対し、意見書を提出し、要旨、以下のとおりの意見を述べた。
本願商標は、特定の観念を生じない造語として認識されるか、又は、様々な漠然とした意味合いを想起させるものであるため、何らかの役務の内容・品質等を直接的、一義的に表示するものではない。
本願商標からは「広告やメディアを介し、ユーザーとの直接的なやりとりによって行動を促し、その反応をデータとして計測するマーケティング手法の代理店(代理業)に関する商品・役務」程度の意味合いが想起されると否とにかかわらず、本願指定商品及び指定役務を含む業界において指定役務に使用されたときに、「ダイレクトマーケティングエージェンシー」の文字が取引者又は需要者が、本願指定役務との関係で役務の具体的な内容(品質・質)まで看取することはできず、直接的、一義的に、商品又は役務の特徴等を表示するものと一般に認識することはできない。
そのため、本願商標を役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものとするのは妥当ではない。
第6 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号の該当性について
本願商標は、「ダイレクトマーケティングエージェンシー」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「ダイレクトマーケティング」の文字は、別掲2のとおり、マーケティングの一種を表す語であり、「エージェンシー」の文字は、「代理店。代理業。」(「大辞泉第二版」株式会社小学館)の意味を有する語であるから、本願商標は、全体として「ダイレクトマーケティングの代理店(代理業)」ほどの意味合いを容易に認識させるものである。
そして、別掲3のとおり、本願の指定役務を取り扱う業界において、ダイレクトマーケティングに特化した代理店、代理業が存在する事実が認められる。
また、別掲4のとおり、何らかの事業に係る代理店、代理業であることを表すために「○○エージェンシー」のような用例が用いられている事実が認められる。
さらに、別掲5のとおり、本願の指定役務を取り扱う業界において、「ダイレクトマーケティングエージェンシー」等の文字が使用されている事実も認められる。
そうすると、本願商標の構成文字の語義や、上記取引の実情から、本願商標を、その指定役務に使用したときには、これに接する取引者、需要者は、「ダイレクトマーケティングに特化した代理店(代理業)に関する役務」、「ダイレクトマーケティングに特化した代理店(代理業)により提供される役務」であると認識するにとどまり、本願商標は、役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるというのが相当である。
また、本願商標を、前記に相応する役務以外の役務に使用するときは、役務の質について誤認を生じさせるおそれがあるというのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は、本願商標は、特定の観念を生じない造語として認識されるか、又は、様々な漠然とした意味合いを想起させるものであるため、何らかの役務の内容・品質等を直接的、一義的に表示するものではなく、本願商標が、本願の指定役務に使用されたときに、取引者又は需要者が、本願指定役務との関係で役務の具体的な内容(品質・質)まで看取することはできず、直接的、一義的に、商品又は役務の特徴等を表示するものと一般に認識することはできない旨を主張する。
しかしながら、本願商標が、その指定役務について役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるというためには、審決の時点において、本願商標がその指定役務との関係で役務の質を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、本願商標の取引者、需要者によって本願商標がその指定役務に使用された場合に、将来を含め、役務の質を表示したものと一般に認識されるものであれば足りると解されるところ、本願商標を構成する「ダイレクトマーケティング」及び「エージェンシー」の文字の意味や、本願の指定役務に関連する業界において、ダイレクトマーケティングに特化した代理店、代理業が存在する事実、何らかの事業に係る代理店、代理業であることを表すために「○○エージェンシー」のような用例が用いられている事実、さらに、現に「ダイレクトマーケティングエージェンシー」等の文字が使用されている事実を併せみれば、本願商標をその指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者に、「ダイレクトマーケティングに特化した代理店(代理業)に関する役務」、「ダイレクトマーケティングに特化した代理店(代理業)により提供される役務」であること、すなわち役務の質を表示したものと一般に認識されるというべきである。
(2)請求人は、上記第5の意見書において、「なお、不都合な点がございましたら、ご面倒でもご連絡いただければと思います。」と述べている。
しかしながら、本願商標についての判断は、上記1のとおりであり、審決をすることに不都合な点はないから、本件審判の審理を終結することとした。
(3)したがって、請求人による上記主張は、いずれも採用することができない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、これを登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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