商標拒絶査定不服審判
2023-013985
セラミドデフタ
- 審判番号
- 2023-013985
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-139128
- 請求日
- 2023年08月21日
- 審決日
- 2024年01月30日
- 公報発行日
- 2024年04月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】小林製薬株式会社
- 【請求人代理人】小川 雅也
- 審判長/審判官
- 審判長 豊瀬 京太郎
- 審判官 板谷 玲子
- 審判官 白鳥 幹周
- 分類
- T18 .16 -Z (W03)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項6号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第6号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022-139128拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和4年12月6日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年 5月 8日付け:拒絶理由通知書
令和5年 6月 8日 :意見書の提出
令和5年 6月23日付け:拒絶査定
令和5年 8月21日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、「セラミドで蓋」の文字を標準文字で表してなり、第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,かつら装着用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,つけまつ毛用接着剤,口中清涼剤,口臭用消臭剤,動物用防臭剤,塗料用剥離剤,靴クリーム,靴墨,つや出し剤,せっけん類,入れ歯洗浄剤,歯磨き,化粧品,薫料,香料,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つけづめ,つけまつ毛」を指定商品として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
本願商標は、「セラミドで蓋」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「セラミド」の文字は、「スフィンゴシンに脂肪酸が結合したもの。」を意味する語であって、これは化粧品の原材料として使用され、肌の水分が蒸発することを防ぐ保湿成分として知られているものである。
また、本願商品中「化粧品」を取り扱う業界においては、肌の水分が蒸発することを防ぐために、乳液等を塗布することを「蓋(フタ・ふた)をする」と一般に称されている実情が見受けられる。
そうすると、本願商標を、その指定商品中「化粧品」に使用しても、これに接する需要者は、「肌の水分の蒸発を防ぐために用いることのできる、セラミドを含有した化粧品」であるという、商品の特性や優位性を表示したものと認識するにすぎず、商品の説明又は宣伝広告に一般的に使用される語句を表したものと理解するにとどまり、何人かの業務に係る商品であることを認識することができないというのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
4 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第6号該当性について
本願商標は、「セラミドで蓋」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「セラミド」の文字は、「スフィンゴシンに脂肪酸が結合したもの」を意味する語であって、これは「皮膚の角質層の細胞間脂質の約半分を占め、水分の蒸発を防ぐ」機能を有するものであり(出典:「広辞苑 第七版」株式会社岩波書店)、原審提示の情報にあるように、実際、「セラミド」は、外部刺激から肌を守り、水分の蒸発を防ぐ(又は、そのための肌の機能を保持する)役割を果たす成分として、化粧品などに使用され、知られているものである。
そして、原審提示の情報にあるように、化粧品を取り扱う業界を中心に、美容に関する商品又は役務を販売、提供等する分野においては、肌の水分が蒸発することを防ぐために乳液等を塗布することについて「(肌に)蓋をする」といった表現が広く用いられている実情がある。
また、別掲の情報にあるように、上述のごとき「セラミド」の(又は、「セラミド」を含有する商品の)効果・効能等について説明する場合においても、しばしば「蓋」に係る表現が用いられている実情が認められ、その中には「セラミドで蓋」と述べている事例も見受けられる。
そうすると、本願商標を、その指定商品中「化粧品」に使用するときは、これに接する需要者は、それが「セラミドによって肌の水分が蒸発することを防ぐ効果・効能等を有する商品」であることを表現するための、商品の説明又は宣伝広告用の語句であると理解するにすぎず、自他商品の識別標識としては認識しないものというのが相当である。
したがって、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標というべきであるから、商標法第3条第1項第6号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標の構成文字よりは、曖昧模糊とした意味合いしか想起されないのであって、「セラミド」の効果・効能や、肌の水分が蒸発することを防ぐことに関する「細胞間脂質」や「バリア機能」による働き等についての正確な理解を前提とすれば、本願商標は、商品の特性、優位性を表示したものであると、直接かつ具体的に理解、認識されるものではなく、また、取引上普通に使用されているものでもない旨主張する。
しかしながら、上記(1)のとおり、「セラミド」は、外部刺激から肌を守り、水分の蒸発を防ぐ(又は、そのための肌の機能を保持する)役割を果たす成分として、化粧品などに使用され、知られているものであって、また、美容に関する商品又は役務を販売、提供等する分野において、肌の水分が蒸発することを防ぐために乳液等を塗布することについて「(肌に)蓋をする」といった表現が広く用いられている実情がある上、「セラミド」の(又は、「セラミド」を含有する商品の)効果・効能等について説明する場合においても同様の実情があり、その中には「セラミドで蓋」と述べている事例も見受けられることからすると、本願商標を、その指定商品中「化粧品」に使用する場合、これに接する需要者において、それが「セラミドによって肌の水分が蒸発することを防ぐ効果・効能等を有する商品」であることを表現するための、商品の説明又は宣伝広告用の語句として認識されるというのが相当である。
イ 請求人は、本願の指定商品分野における、構成中に「蓋」の語を含む商標の登録例を挙げ、本願商標も登録されるべきである旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第6号に該当するものであるか否かの判断は、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品・指定役務との関係や、その商品又は役務の分野における取引の実情をも踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げた登録例は、商標の構成態様が本願商標とは異なるものである点において、本願とは、事案を異にするものというべきであり、また、過去の登録例が存在することをもって、本件判断が左右されるものではない。
ウ したがって、請求人の上記ア及びイの主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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