特許拒絶査定不服審判
2023-013890
ワイヤレス方式の非侵襲的表皮電子機器
- 審判番号
- 2023-013890
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2020-552806
- 請求日
- 2023年08月17日
- 審決日
- 2025年04月09日
- 公報発行日
- 2025年09月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ノースウェスタン ユニヴァーシティ
- 【請求人代理人】村山 靖彦
- 【請求人代理人】実広 信哉
- 【請求人代理人】阿部 達彦
- 審判長/審判官
- 審判長 南 宏輔
- 審判官 萩田 裕介
- 審判官 ▲高▼見 重雄
- 分類
- P18 .121-WZ (A61B)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2020-552806「ワイヤレス方式の非侵襲的表皮電子機器」拒絶査定不服審判事件〔令和元年10月3日国際公開、WO2019/191693、令和3年8月12日特許出願公表、特表2021-519641〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本件出願(以下「本願」という。)は、2019年(平成31年)3月29日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2018年3月30日米国(US)、2019年1月11日米国(US))を国際出願日とする出願であって、令和3年11月5日に手続補正書が提出され、令和4年9月7日付けで拒絶理由が通知され、令和5年3月14日に意見書及び手続補正書が提出され、同年4月5日付けで拒絶査定がなされたところ、同年8月17日に拒絶査定不服審判が請求され、その審判の請求と同時に手続補正がなされた。その後、当審において、令和6年6月18日付けで拒絶理由が通知され、同年12月19日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。
第2 本願の請求項に係る発明
本願の請求項に係る発明は、令和6年12月19日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~3に記載された事項により特定されるものと認められるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、以下のとおりのものである。
「 【請求項1】
皮下流体流を測定するための形状適合性デバイスであって、
軟質で伸縮自在であり、可撓性を有する基板と、
前記基板によって支持される熱アクチュエータと、
前記基板によって支持される上流温度センサと、
前記基板によって支持される下流温度センサであって、前記上流温度センサおよび下流温度センサは、前記熱アクチュエータに関して対向可能に位置決めされ、前記上流温度センサで前記熱アクチュエータよりも上流の上流温度を測定し、前記下流温度センサで前記熱アクチュエータよりも下流の下流温度を測定する、下流温度センサと、
前記基板によって支持されるアクチュエータ基準センサであって、前記アクチュエータ基準センサは、前記上流温度センサと前記下流温度センサとを接続する概念的な線から基準センサ分離距離だけ隔てられ、使用中に前記形状適合性デバイスの下にある導管内の流れに関係なく前記熱アクチュエータの効果を測定する、アクチュエータ基準センサと、
前記基板によって支持される周囲基準センサであって、前記周囲基準センサは、周囲基準センサの読み取り値が熱作動状態から実質的に独立するように十分に大きい周囲基準センサ分離距離だけ、前記上流および下流温度センサを接続する概念的な線から隔てられている、周囲基準センサと、
前記測定された上流温度および下流温度から前記導管内の皮下流体流を計算するように構成されている、アクチュエータ基準センサ、周囲基準センサ、下流温度センサおよび上流温度センサと電子的に通信するマイクロプロセッサとを備え、
前記アクチュエータ基準センサは温度センサであり、
前記周囲基準センサは温度センサであり、
前記上流温度センサ、前記下流温度センサ、前記周囲基準センサ、及びアクチュエータ基準センサが、前記基板の同じ側に位置しており、
前記マイクロプロセッサは、アクチュエータ基準センサ及び周囲基準センサからの信号を、前記導管内の皮下流体流を計算するために使用し、
前記周囲基準センサ分離距離は、10mm~20mmであり、
前記形状適合性デバイスは、温度アクチュエータと、前記上流温度センサと、前記下流温度センサとを覆う発泡体層を含む、形状適合性デバイス。」
第3 拒絶の理由
当審において、令和6年6月18日付けで通知された進歩性に係る拒絶理由の概要は、次のとおりである。
(進歩性)本願の請求項1~3に係る発明は、本願の優先権主張日(以下「本願優先日」という。)の前に日本国内又は外国において、下記の頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、本願優先日の前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
記
引用文献1:特表2017-532079号公報
第4 引用文献等
1 引用文献1
(1)引用文献1の記載
引用文献1には、図面とともに次の記載がある(下線は当審において付与した。以下同様)。
ア「【請求項1】
生物学的環境における組織との境界面のためのデバイスであって、
柔軟又は伸長可能な基材と、
前記柔軟又は伸長可能な基材によって支持された、前記組織の熱輸送特性を特徴付けるための1つ又は複数の熱アクチュエータ及び複数の熱センサと
を備え、
前記柔軟又は伸長可能な基材、前記1つ又は複数の熱アクチュエータ、及び前記複数の熱センサは、前記デバイスが前記組織の表面との共形の接触を確立することができるように、正味曲げ剛性を提供する、デバイス。
・・・
【請求項34】
1つ又は複数の増幅器、歪みゲージ、温度センサ、無線電力コイル、太陽電池、誘導コイル、高周波数誘導子、高周波数コンデンサ、高周波数発振器、高周波アンテナ、多重化回路、心電図検査センサ、筋電図検査センサ、脳波検査センサ、電気生理学的センサ、サーミスタ、トランジスタ、ダイオード、抵抗、容量センサ、発光ダイオード、又はこれらの任意の組合せをさらに備える、請求項1~33のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項35】
前記柔軟又は伸長可能な基材によって支持された1つ又は複数の無線通信アンテナ構造又は近距離無線通信コイルをさらに備える、請求項1~34のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項36】
前記1つ若しくは複数のアクチュエータ及び/又は前記複数のセンサが電子回路によって連結される、請求項1~35のいずれか一項に記載のデバイス。」
イ「【0021】
[0021]本発明のデバイスは、正確な組織特徴を提供するために、様々な様式で使用されてもよい。実施形態では、例えば、熱センサのうちの少なくとも1つは、ドリフトを補償するために背景温度を測定するための温度センサである。実施形態では、例えば、熱アクチュエータは、0.1mWmm-2~50mWmm-2の範囲にわたって選択された電力入力を組織へと提供する。実施形態では、例えば、熱アクチュエータは組織の一定の加熱を提供する。実施形態では、例えば、熱アクチュエータは組織のパルス状加熱を提供する。実施形態では、例えば、熱センサは1つ又は複数の熱アクチュエータに対して対称に配置される。実施形態では、例えば、熱センサのうちの2つは、異方性熱輸送特性の指標として比較データを得るために、熱アクチュエータの両側において適合された対を形成する。実施形態では、異方性熱輸送特性は血流の方向を示す。」
ウ「【0031】
[0031]実施形態では、デバイスは、熱アクチュエータ及び熱センサの少なくとも一部を少なくとも部分的に封入する障壁層をさらに備える。実施形態では、例えば、障壁層は、重合体、無機重合体、有機重合体、エラストマ、生重合体、セラミック、及びこれらの組合せから成る群から選択されている材料を含む。実施形態では、例えば、障壁層は、ポリビニルピロリドン、ピロキシリン、ニトロセルロース、ポリ(アクリル酸メチル-イソブテン-モノイソプロピルマレイン酸)、ピロキシリン、アクリレート重合体、シロキサン重合体、シアノアクリレート、オクチルシアノアクリレート、アクリレート共重合体、2-オクチルシアノアクリレート、エチルシアノアクリレート、n-ブチルシアノアクリレート、アクリレートターポリマ、ポリエチレン、ポリジメチルシロキサン、又はこれらの任意の組合せを含む。実施形態では、例えば、障壁層はエラストマを含む。実施形態では、例えば、障壁層は、PDMS、ポリイミド、SU-8、パリレン、パリレンC、炭化ケイ素(SiC)、又はSi3N4を含む。実施形態では、例えば、障壁層は生体適合性材料又は生体不活性材料である。」
エ「【0035】
[0035]実施形態では、組織の脈管構造を特徴付けるための方法が、デバイスを提供するステップであって、デバイスが、柔軟又は伸長可能な基材と、柔軟又は伸長可能な基材によって支持された、組織の熱輸送特性を特徴付けるための1つ又は複数の熱アクチュエータ及び複数の熱センサとを備え、柔軟又は伸長可能な基材、1つ又は複数の熱アクチュエータ、及び複数の熱センサは、デバイスが組織の表面との共形の接触を確立することができるように、正味曲げ剛性を提供する、ステップと、デバイスを組織の受入面に接触するステップであって、接触が組織の表面との共形の接触をもたらす、ステップと、各々の熱センサの場所において定常状態温度を連続して測定するステップと、熱アクチュエータ及び複数の熱センサの非平衡温度を記録しながら、組織を1つ又は複数の熱アクチュエータで熱的に作動するステップと、熱アクチュエータの相対する側において対称的に配置された熱センサの対を特定するステップとを含む。
・・・
【0037】
[0037]実施形態では、組織の脈管構造を特徴付けるための方法は、アクチュエータにおいて非平衡温度によって対称的に配置された熱センサの対の間の定常状態温度差を正規化して、血流速度を決定するステップをさらに含む。」
オ「【0041】
【図1A-C】デバイス設計及び流れへの熱応答である。a)皮膚表面の近くでの血管を含む、デバイス配置の概略図である。大きい(3mmの直径)の中心熱アクチュエータが、感覚のための閾値未満(基礎の皮膚温度を8℃未満で上回る)の温度において、血管への電力入力を提供する。14個の周囲のセンサが、結果生じる熱分布の測定を可能にする(差し込み図:1つのセンサの拡大図)。追加のセンサは、ドリフトを補償するために背景温度の変化を検出するように機能する。結合パッドの配列は、外部データ取得電子機器への薄い(100μm)柔軟なケーブル境界面の取り付けを可能にする。b)皮膚におけるデバイスの写真である。c)アクチュエータへの電力の印加の間の静脈にわたっての皮膚におけるデバイスの赤外線画像である。d)大きい血管の上方の領域に加えられるデバイスからの未加工データである。グラフの配置は、センサ(黒色)及びアクチュエータ(赤色)の空間的な分配におおよそ対応している。熱分布は、流れの方向においてバイアスを伴う強い異方性である。加熱は、t=60秒において開始し、t=360秒において終了する。e)t=300秒における温度の空間マップである。カラーマップは空間的に補間されたデータを用いる。黒色の矢印は、センサの内側環体によって測定される温度上昇の相対的な大きさを指し示している。f)加熱器の信号が、周囲センサによって測定されたデータのコントラストを上げるために取り外された状態での、e)に示したものと同じ空間マップである。g)アクチュエータの周りの温度分布から計算された、測定された熱流の結果である。ベクトル矢印マップは、計算された対流で駆動される熱流場を示している。カラーマップは流れ場の大きさを表している。h)カラーマップがx方向(X-comp)における流れの大きさを表しているg)に示したものと同様のマップであり、i)y方向(Y-comp)における流れの大きさを表しているg)に示したものと同様のマップである。
・・・
【図2】測定された熱信号から血流速度を定量化するための過程である。血流速度への熱信号の変換は、半径Rの線形の血管と、皮膚の表面の下での距離hと、中心熱アクチュエータが半径Bの皮膚表面にあることと、距離L(アクチュエータの縁からセンサ中心まで)において血管に沿って下流と上流とに1つずつある2つのセンサとを含むモデルに依存する。このモデルシステムのa)立面図、及び、b)断面図である。c)第1のステップは、センサの各々において、及び、アクチュエータにおいて位置付けられた組織の熱輸送特性を決定する。ここで、2mAの電流が各々のセンサに2秒間加えられる。局所的な熱伝導率及び熱拡散率が、加熱及び冷却と関連付けられる熱過渡現象の分析から得られる。d)第2のステップは血管の深さを概算する。熱アクチュエータにわたる差温の実験の初期の一時的な分析結果は、第1のステップにおいて決定される熱輸送値を用いて、血管のおおよその深さを決定するために皮膚の有限要素モデルと比較される。e)第3のステップは、第1及び第2のステップにおいて決定された値を用いて、熱情報を血流速度vへと変換する。差温は、低い流れ速度において最大に到達する。各々のセンサにおける温度上昇は、計算が小さい流れ状態(low flow regime)を用いるか、大きい流れ状態(high flow regime)を用いるかを決定する。最も生理学的に関係する流れの速さは、大きい流れ状態になると考えられる。f)下層の血管Rの半径は、大きい流れ状態における応答がR/Lに依存するため、その応答に小さな影響がある。式は、大きい流れ状態のR=0.95mm及び1.65mmにおける数値適合を表している。」
カ「【0071】
[00115]結果及び考察
[00116]デバイス設計及び運転原理
[00117]デバイスは、薄い(100nm)の金属の熱アクチュエータと、皮膚の目標領域(ここで提示されている結果については約1cm2)の下の血流を監視するように設計されたセンサとの配列を組み込んでいる(図1a;製作詳細のための補足情報を参照)。配列は、2つのセンサの環体(10/100nmのクロム/金の10μm幅のフィラメントから成る0.5mm半径)によって包囲された単一の円形の熱アクチュエータ(10/100nmのクロム/金の15μm幅のフィラメントから成る1.5mm半径)を含んでいる。第1及び第2の環体は、それぞれ、中心アクチュエータから3mm及び5mmの中心間距離に位置している。各々の環体は、環体の周りに45°の角度増加で離間された7個のセンサを収容している(1つの45°の場所が、相互接続配線を可能にするために空所である)。構造は、測定にとって欠かせない密接な熱接触の種類のために皮膚の表面に自然に共形となるデバイスプラットフォームを生み出すために、超薄型で伸長可能な電子センサ設計[26~33]の概念を用いた、細いフィラメント状の蛇行配線と、小さい弾性率の薄いシリコン基材とを用いている。センサは、先に報告した結果に従うセンサの抵抗の温度依存の値に依存し、2Hzのサンプリングレートで約0.01℃の範囲にある測定精度を提供する。
【0072】
[00118]表面下の血流は、この種類のシステムを用いて正確に定量化され得る異方性熱輸送現象をもたらす。中心の熱アクチュエータは、目標とされた血管の近傍における皮膚の表面における温度の穏やかで良好に制御された増加を作り出すために、熱出力の一定の発生源を提供する(図1c)。センサの応答は、この加熱から生じる温度の時空分布を決定する。アクチュエータの寸法及び運転パラメータ(典型的には、約3.5mWmm-2)は、包囲するセンサにおける適切な熱信号を、感覚のための閾値未満に留まるピーク温度(約6℃)を伴って確保する。ここで報告されているすべての場合について、応答は、約10℃未満のピーク温度についての出力に線形に依存する。(より高い温度における影響について、図8a、図8bを参照)。代表データは、時間の関数としての温度における空間依存する変化の形態で、図1dに見られる。図1e、図1fは、アクチュエータ信号のあるときとないときとで、時間的なある瞬間において色マップ化されたデータ補間をまとめている。局所的な熱流(thermal flow)の方向性は、アクチュエータの相対する側に位置付けられたセンサにおける温度の相対的な増加における違いから推論され得る。このような流れ場マップは、局所的な流れにおける相対的な変化と共に、皮膚表面に対する流れの方向性構成要素を指し示している(図1g~図1i)。同様のデータであるが、デバイスが大きい血管のある領域に置かれているデータが、図9に見られる。」
キ「【図1A-C】
[図:0001426268000001.jpg]
」
ク「【図1D】
[図:0001426268000002.jpg]
」
ケ「【図1E-I】
[図:0001426268000003.jpg]
」
コ「【図2】
[図:0001426268000004.jpg]
」
(2)認定事項
上記(1)の記載及び図面から、引用文献1には以下の技術的事項が記載されていると認められる。
ア 認定事項1
「【0021】・・・熱センサのうちの・・・1つは、ドリフトを補償するために背景温度を測定するための温度センサである。」との記載に加えて、図1Aによれば、中心熱アクチュエータ(Central thermal actuator)、14個の熱マッピングセンサ(14 Thermal mapping sensors)、熱背景センサ(Thermal background sensor)及び結合パッド(AFC bonding pads)は、基材の同じ側に位置していることが看て取れることから、引用文献1には、複数の熱センサのうちの1つは、ドリフトを補償するために背景温度を測定するための熱背景センサであり、熱背景センサは温度センサであり、1つの熱アクチュエータ、熱背景センサを含む複数の熱センサ及び結合パッドは、基材の同じ側に位置している、という技術的事項が記載されていると認められる。
イ 認定事項2
「【0021】・・・熱センサは1つ・・・の熱アクチュエータに対して対称に配置される。」、「【0071】・・・第1及び第2の環体は、それぞれ、中心アクチュエータから3mm及び5mmの中心間距離に位置している。各々の環体は、環体の周りに45°の角度増加で離間された7個のセンサを収容している(1つの45°の場所が、相互接続配線を可能にするために空所である)。」との記載に加えて、及び図1Aによれば、熱背景センサは、相互接続配線を可能にするための空所と結合パッド(AFC bonding pads)との間で、第2の環体よりも外側に配置されていることが看て取れることから、引用文献1には、14個の周囲の熱センサは、1つの熱アクチュエータに対して対称に配置され、熱背景センサは、相互接続配線を可能にするための空所と結合パッドとの間で、中心の熱アクチュエータから5mmの中心間距離に位置する第2の環体よりも外側に配置されている、という技術的事項が記載されていると認められる。
ウ 認定事項3
「【0021】・・・熱センサのうちの2つは、異方性熱輸送特性の指標として比較データを得るために、熱アクチュエータの両側において適合された対を形成する。・・・異方性熱輸送特性は血流の方向を示す。」、及び「【0035】・・・デバイスを組織の受入面に接触する・・・ステップと、各々の熱センサの場所において定常状態温度を連続して測定するステップと、熱アクチュエータ及び複数の熱センサの非平衡温度を記録しながら、組織を1つ・・・の熱アクチュエータで熱的に作動するステップと、熱アクチュエータの相対する側において対称的に配置された熱センサの対を特定するステップとを含む。・・・【0037】・・・アクチュエータにおいて非平衡温度によって対称的に配置された熱センサの対の間の定常状態温度差を正規化して、血流速度を決定するステップをさらに含む。」との記載から、デバイスを皮膚の受入面に接触させ、各々の熱センサの場所において定常状態温度を連続して測定し、熱アクチュエータ及び複数の熱センサの非平衡温度を記録しながら、皮膚を1つの熱アクチュエータで熱的に作動させ、熱アクチュエータの相対する側において対称的に配置された熱センサの対を血流の方向として特定し、熱アクチュエータにおいて非平衡温度によって血流の方向として対称的に配置された熱センサの対の間の定常状態温度差を正規化して、血流速度を決定している、という技術的事項が記載されていると認められる。
エ 認定事項4
「【図2】測定された熱信号から血流速度を定量化するための過程である。血流速度への熱信号の変換は、・・・距離L(アクチュエータの縁からセンサ中心まで)において血管に沿って下流と上流とに1つずつある2つのセンサとを含むモデルに依存する。」との記載に加えて、図2Aによれば、距離L(アクチュエータの縁からセンサ中心まで)において血管に沿って下流位置P2と上流位置P1が看て取れることから、引用文献1には、測定された熱信号から血流速度を定量化するための過程では、血流速度への熱信号の変換は、距離L(アクチュエータの縁からセンサ中心まで)において血管に沿って下流位置P2と上流位置P1とに1つずつある2つのセンサとを含むモデルに依存する、という技術的事項が記載されていると認められる。
(3)引用文献1に記載された発明
上記(2)の認定事項を含む上記(1)の記載及び図面を総合すると、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。ここで、各構成単位末尾の括弧内には、主たる認定根拠となる引用文献1の記載箇所等を示す。なお、同じ意味合いの用語については記載を統一した。
「柔軟又は伸長可能な基材と、柔軟又は伸長可能な基材によって支持された1つの熱アクチュエータ及び複数の熱センサとを備え、柔軟又は伸長可能な基材、1つの熱アクチュエータ、及び複数の熱センサは、皮膚の表面との共形の接触を確立することができるように、正味曲げ剛性を提供する、デバイスであって、(【0035】)
複数の熱センサのうちの1つは、ドリフトを補償するために背景温度を測定するための熱背景センサであり、熱背景センサは温度センサであり、1つの熱アクチュエータ、熱背景センサを含む複数の熱センサ及び結合パッドは、基材の同じ側に位置し、(認定事項1)
1つの熱アクチュエータ及び複数の熱センサは、電子回路に連結され、(【請求項36】)
デバイスは、柔軟又は伸長可能な基材によって支持された無線通信アンテナ構造又は近距離無線通信コイルをさらに備え、(【請求項35】)
デバイスは、熱アクチュエータ及び熱センサを封入する障壁層をさらに備え、例えば、障壁層は、重合体、エラストマから選択され、(【0031】)
デバイスは、熱アクチュエータと、皮膚の下の血流を監視するように設計された熱センサとの配列を組み込み、配列は、2つの熱センサの環体によって包囲された単一の円形の熱アクチュエータを含み、第1及び第2の環体は、それぞれ、中心の熱アクチュエータから3mm及び5mmの中心間距離に位置し、各々の環体は、環体の周りに45°の角度増加で離間された7個の熱センサを収容しており(1つの45°の場所が、相互接続配線を可能にするために空所である)、(【0071】)
14個の周囲の熱センサは、1つの熱アクチュエータに対して対称に配置され、熱背景センサは、相互接続配線を可能にするための空所と結合パッドとの間で、中心の熱アクチュエータから5mmの中心間距離に位置する第2の環体よりも外側に配置され、(認定事項2)
中心の熱アクチュエータが、感覚のための閾値未満の温度において、血管への電力入力を提供し、14個の周囲の熱センサが、結果生じる熱分布の測定を可能にし、(【0041】の【図1A-C】)
熱センサの応答は、加熱から生じる温度の時空分布を決定し、局所的な熱流の方向性は、熱アクチュエータの相対する側に位置付けられた熱センサにおける温度の相対的な増加における違いから推論でき、(【0072】)
デバイスを皮膚の受入面に接触させ、各々の熱センサの場所において定常状態温度を連続して測定し、熱アクチュエータ及び複数の熱センサの非平衡温度を記録しながら、皮膚を1つの熱アクチュエータで熱的に作動させ、熱アクチュエータの相対する側において対称的に配置された熱センサの対を血流の方向として特定し、熱アクチュエータにおいて非平衡温度によって血流の方向として対称的に配置された熱センサの対の間の定常状態温度差を正規化して、血流速度を決定しており、(認定事項3)
測定された熱信号から血流速度を定量化するための過程では、血流速度への熱信号の変換は、距離L(熱アクチュエータの縁から熱センサ中心まで)において血管に沿って下流位置P2と上流位置P1とに1つずつある2つの熱センサを含むモデルに依存する、(認定事項4)
デバイス。」
2 周知技術を示す文献
以下の文献2~5は、本願の請求項1に係る発明において、令和6年12月19日提出の手続補正書により追加された「前記形状適合性デバイスは、温度アクチュエータと、前記上流温度センサと、前記下流温度センサとを覆う発泡体層を含む」という構成についての容易性判断(後記「第7の4」)で用いた周知技術を裏付けるための文献である。
文献2:国際公開第2017/047402号
文献3:特開昭55-88750号公報
文献4:特開平8-122285号公報
文献5:特開2005-188301号公報
(1)文献2
文献2には、図面とともに次の記載がある。
ア「[0025] (第1実施形態)
まず、図1~図3を併せて用いて、第1実施形態に係る加温型パルスオキシメータ(以下、単に「加温型オキシメータ」という)1の構成について説明する。図1は、加温型オキシメータ1の(a)平面図、及び(b)縦断面図である。図2は、加温型オキシメータ1の要部を拡大して示した図である。また、図3は、加温型オキシメータ1を構成する酸素飽和度取得部11の構成を示すブロック図である。
[0026] 加温型オキシメータ1は、測定部位を加熱する加温機能を有し、該測定部位の血流量を増大させて動脈化するとともに、血中ヘモグロビン(酸化ヘモグロビン及び還元ヘモグロビン)の吸光特性を利用して、酸素飽和度(酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンとの存在比)を光学的に計測するものである(詳細は後述する)。特に、加温型オキシメータ1は、装着性、携帯性に優れ、活動中でも連続して酸素飽和度を測定することができ、かつコスト的にも優れた加温型オキシメータである。
[0027] そのため、加温型オキシメータ1は、主として、断熱部40、発熱部30、第1温度検出部21、及び酸素飽和度取得部11を備えて構成されている。加温型オキシメータ1では、これらの各構成要素が、酸素飽和度取得部11、第1温度検出部(第1温度検出層)21、発熱部(発熱層)30、断熱部(断熱層)40の順に、積み重ねられて(積層されて)構成されている。
[0028] 断熱部40は、例えば、矩形の薄いシート状に形成されている。なお、断熱部40の形状は、矩形に限られることなく、例えば、円形などであってもよい。断熱部40は、断熱性を有する素材、例えば、ポリエチレン発泡体やウレタン発泡体などによって形成される。また、断熱部40は、体表面の形状や動きに沿うように、柔軟性を有している。ここで、断熱性及び柔軟性を考慮し、断熱部40の厚みは、例えば、0.1mm~数mm程度であることが好ましい。断熱部40は、その面積が、発熱部30、第1温度検出部21、酸素飽和度取得部11の面積と同じか又は大きく、これらを全体的に覆うように設けられる。」
イ「[図1]
[図:0001426268000005.jpg]
」
(2)文献3
文献3には、図面とともに次の記載がある。
ア 第2頁右上欄~第3頁左上欄
「第2図に本発明の血液酸素血流循環同時測定センサーの詳細な構造を示す。このセンサーは金または白金よりなる円柱または円筒状の陰極1と該陰極より絶縁物(ガラスなど)2を介して離隔された円筒状の銀陽極3と両電極1,3を組立状態にて保持する電極ホルダー4と、電極1,3の先端部を被覆するごとく配置された酸素透過性の電極膜5と、該電極膜5の外周部を固着支持させ円筒状の電極膜ホルダー6と電極膜ホルダー6と電極ホルダー4との間に設けられたパッキング7と、該電極膜5と電極先端部との間に薄層状に介在せしめられた電解液8と、ヒーター9および加熱素子10を含む伝熱性のよい金属からなる皮膚加熱体11と保温カバー12とからなる。
保温体12はポリウレタン、ポリスチロール、ポリエチレン、ゴム等の高分子材料よりなる発泡体またはメタル磁器等の発泡体よりなり、センサーの側面および上端面を被覆するように構成され、その表面は塩化ビニール、ABS、ポリウレタン、セラミック等の薄層13で保護されている。このように構成することにより、センサーの側面および上端面への伝熱が遮断されて、加熱体11の空気中への放熱が減少し、その熱損失の大部分が皮膚方向に指向されるようになる。
・・・
加熱体11を加熱するためのヒーター10における温度制御の方式として、設定温度と加熱部10との間に生ずる温度差(サーミスター等により検出される)に比例した電流をヒーター9に送り込むような電流制御機構が回路に組み込まれている。・・・
【図面の簡単な説明】
第1図は既在の血中酸素局部循環同時測定装置と本発明を比較するための概念図であり、第2図は本発明によりなるセンサーの詳細な構造図で図中の記号は下記に示す。
1陰極、2絶縁物、3陽極、4電極ホルダー、5電極膜、6電極膜ホルダー、7パッキング、8電解液、9ヒーター、10加熱部本体、11サーミスター、12断熱材、13表面材」
イ「第2図
[図:0001426268000006.jpg]
」
(3)文献4
文献4には、図面とともに次の記載がある。
ア「【0009】
【実施例】以下、本発明に係る水分センサの実施例について図面を参照して説明する。図1は、本発明の水分センサの一実施例を示す斜視図であり、図2(a)はその検知部を示す斜視図であり、図2(b)はその断面図である。図3は図1の分解斜視図である。図1のX-Y線に沿った断面図が図8(a)に示されている。図1に於いて、1は水分センサの検知部、7は断熱部材、8は収納容器である。収納容器8には断熱部材7が収納され、断熱部材7の凹部に検知部1が嵌合しており、収納容器8には取付孔8aが設けられたフランジが形成されている。検知部1について、図2(a),(b)に基づいて説明する。2はアルミニウム、銅等の熱伝導性を有する円板状の金属部材であり、金属部材2には穿設された空洞3,3′が設けられ、空洞3には感熱素子5が挿入され、空洞3′にはそれぞれヒータ4が挿入されている。ヒータ4及び感熱素子5は耐熱性を有する樹脂等の接着剤6で密封固着されている。ヒータ4としては抵抗器等による発熱体が用いられる。また、感熱素子5にはサーミスタ素子を用いる。ヒータ4及び感熱素子5には外部引出用のリード線4′,5′が設けられている。
【0010】続いて、図3の分解図を参照して図1の水分センサを説明すると、収納容器8は取付孔8aを有するフランジが設けられ、リード線4′,5′が引き出される部分のフランジに凹嵌部8bが設けられている。収納容器8の収納部にはシリコン樹脂、ウレタン樹脂等の発泡樹脂(スポンジ)である断熱部材7が収納される。この断熱部材7は検知部1からの放射熱や輻射熱を遮断するものであり、検知部1の被検知体との接触面以外の部分を被覆している。断熱部材7にはリード線4′,5′の引き出される部分に切欠部7aが設けられ、この断熱部材7の収納部に検知部1が嵌合して水分センサが形成されている。」
イ「【図2】
[図:0001426268000007.jpg]
」
ウ「【図3】
[図:0001426268000008.jpg]
」
(4)文献5
文献5には、図面とともに次の記載がある。
ア「【0019】
図1は本発明によるガソリン種類識別装置の一実施形態の使用状態を示す模式的構成図であり、図2~4はその部分断面図である。本実施形態ではガソリン供給経路がガソリンタンクからガソリン内燃エンジンへとガソリンを供給するものであるが、本発明のガソリン供給経路は、これに限定されることはなく、例えばガソリンタンクからタンクローリーへとガソリンを供給する経路、或いは大型ガソリンタンクから小型タンクへとガソリンを供給する経路などであってもよい。
【0020】
図1に示されているように、ガソリンタンクTからガソリン内燃エンジンEへとガソリンを供給する経路の途中にガソリンの種類を識別するガソリン種類識別装置1が配置されている。識別装置1は、測定部3と、ガソリン供給経路の上流側部分たるタンク側部分(配管)14Tに管継手8Tにより一端が接続される第1流通路4Tと、ガソリン供給経路の下流側部分たるガソリン内燃エンジン側部分(配管)14Eに管継手8Eにより一端が接続される第2流通路4Eとを備えている。測定部3は、ケース基板2a及びケースカバー2bにより形成されるガソリン流通経路20を有しており、該流通経路はその一端(図1~3では下端)が上記第1流通路4Tの他端と接続されており且つ他端(図1~3では上端)が上記第2流通路4Eの他端と接続されている。
【0021】
本実施形態の識別装置は、上記の測定部3、第1流通路4Tの一部(即ち、図1に示されているようにガソリン供給経路のタンク側部分14Tと接続される端部を除く部分)及び第2流通路4Eの一部(即ち、図1に示されているようにガソリン供給経路のエンジン側部分14Eと接続される端部を除く部分)を収容するハウジング6を備えている。更に、第1流通路4Tのハウジング6外の部分(即ち、ガソリン供給経路のタンク側部分14Tと接続される端部)は断熱被覆材4T1により覆われており、第2流通路4Eのハウジング6外の部分(即ち、ガソリン供給経路のエンジン側部分14Eと接続される端部)は断熱被覆材4E1により覆われている。
【0022】
ハウジング6内には、後述するガソリン種類検知回路を構成する回路基板12が配置されている。該回路基板12には、後述する識別演算部を構成するマイクロコンピュータ(マイコン)が搭載されている。また、回路基板12と外部との通信のための配線13が設けられている。
【0023】
ハウジング6の内部空間(測定部3、第1流通路4T、第2流通路4E及び回路基板12等を除く部分)には断熱材が充填されている。この断熱材及び上記断熱被覆材4T1,4E1としては、例えば、ゴムまたは発泡プラスチックなどからなるものを使用することができる。かくして、第1流通路4T及び第2流通路4Eが金属製であっても、断熱被覆材4T1,4T1、ハウジング6及びその内部の断熱材が存在することで、測定部3に対する外部温度の影響を低減することができ、識別精度を向上させることができる。ハウジング6を設けない場合には、第1流通路4T及び第2流通路4Eの全体に断熱被覆を施すことが好ましい。
【0024】
また、測定部3は、ガソリン流通経路20に臨んで配置された識別センサー部2を有する。識別センサー部2は、発熱体及び感温体を含んでなる傍熱型ガソリン種類検知部21とガソリン温度を測定する液温検知部22とを有する。傍熱型ガソリン種類検知部21と液温検知部22とは、上下方向に一定距離隔てて配置されている。図5に傍熱型ガソリン種類検知部21の断面図を示す。」
イ「【図1】
[図:0001426268000009.jpg]
」
ウ「【図2】
[図:0001426268000010.jpg]
」
エ「【図3】
[図:0001426268000011.jpg]
」
(5)文献2~5に裏付けられる周知技術
上記(1)~(4)の記載及び図面から、以下の技術的事項は、本願優先日における周知技術であると認められる。
「測定対象と接触させ、測定対象の物性を測定するために、加熱部及び熱検出部を備える測定装置において、熱損失や測定対象を介さない熱の移動を防ぐために、測定対象との接触面以外の加熱部及び熱検出部を覆う断熱部とを備え、前記断熱部を発泡体とすること。」
第5 対比
本願発明と引用発明とを対比する。
1 形状適合性デバイス
引用発明は、「血流速度を決定」するために「デバイスを皮膚の受入面に接触させ、各々の熱センサの場所において定常状態温度を連続して測定し」ていることから、引用発明の「デバイス」は、皮膚の下の血流を測定するためのものといえるので、引用発明の「血流速度を決定」するための「デバイス」は、本願発明の「皮下流体流を測定するための」「デバイス」に相当する。
また、引用発明の「皮膚の表面との共形の接触を確立」した「デバイス」は、本願発明の「形状適合性デバイス」に相当する。
すると、引用発明の「血流速度を決定」するための「皮膚の表面との共形の接触を確立する」「デバイス」は、本願発明の「皮下流体流を測定するための形状適合性デバイス」に相当する。
2 基板(1)
引用発明の「柔軟又は伸長可能な基材」は、「皮膚の表面との共形の接触を確立することができるように、正味曲げ剛性を提供する」ことから可撓性を有しており、本願発明の「軟質で伸縮自在であり、可撓性を有する基板」に相当する。
3 熱アクチュエータ
引用発明の「柔軟又は伸長可能な基材によって支持された1つの熱アクチュエータ」は、本願発明の「前記基板によって支持される熱アクチュエータ」、「温度アクチュエータ」に相当する。
4 上流温度センサ
引用発明は、「各々の熱センサの場所において定常状態温度を連続して測定」することから、引用発明の「柔軟又は伸長可能な基材によって支持された」「複数の熱センサ」のうち「血管に沿って」「上流位置P1」にある「熱センサ」(以下「熱センサP1」という。)は、本願発明の「前記基板によって支持される上流温度センサ」に相当する。
5 下流温度センサ(1)
引用発明は、「各々の熱センサの場所において定常状態温度を連続して測定」することから、引用発明の「柔軟又は伸長可能な基材によって支持された」「複数の熱センサ」のうち「血管に沿って下流位置P2」にある「熱センサ」(以下「熱センサP2」という。)は、本願発明の「前記基板によって支持される下流温度センサ」に相当する。
6 下流温度センサ(2)
引用発明において、「14個の周囲の熱センサは、1つの熱アクチュエータに対して対称に配置され」ているところ、引用発明の「熱センサP1」及び「熱センサP2」は、「距離L(熱アクチュエータの縁から熱センサ中心まで)において血管に沿って下流位置P2と上流位置P1とに1つずつある」ことは、本願発明の「前記上流温度センサおよび下流温度センサは、前記熱アクチュエータに関して対向可能に位置決めされ」ることに相当する。
7 下流温度センサ(3)
引用発明は、「各々の熱センサの場所において定常状態温度を連続して測定」することから、引用発明の「熱センサP1」で「熱アクチュエータ」よりも「上流位置P1」の「定常状態温度を測定」し、「熱センサP2」で「熱アクチュエータ」よりも「下流位置P2」の「定常状態温度を測定」することは、本願発明の「前記上流温度センサで前記熱アクチュエータよりも上流の上流温度を測定し、前記下流温度センサで前記熱アクチュエータよりも下流の下流温度を測定する」ことに相当する。
8 周囲基準センサ(1)
引用発明の「柔軟又は伸長可能な基材によって支持された」「複数の熱センサのうちの1つ」である「熱背景センサ」は、本願発明の「前記基板によって支持される周囲基準センサ」に相当する。
9 周囲基準センサ(2)
引用発明において、「ドリフトを補償するために背景温度を測定するための熱背景センサ」は、「相互接続配線を可能にするための空所と結合パッドとの間で、中心の熱アクチュエータから5mmの中心間距離に位置する第2の環体よりも外側に配置され」ていることから、引用発明の「熱背景センサ」は、「背景温度を測定するため」に、熱背景センサで測定された熱信号が、熱アクチュエータによる熱作動状態から実質的に独立するように十分に大きい距離だけ、熱センサP1及び熱センサP2を接続する概念的な線から隔てられた位置に配置されているといえる。
すると、引用発明の「熱背景センサ」は、「背景温度を測定するため」に、「相互接続配線を可能にするための空所と結合パッドとの間で、中心の熱アクチュエータから5mmの中心間距離に位置する第2の環体よりも外側に配置され」ていることは、本願発明の「前記周囲基準センサは、周囲基準センサの読み取り値が熱作動状態から実質的に独立するように十分に大きい周囲基準センサ分離距離だけ、前記上流および下流温度センサを接続する概念的な線から隔てられている」ことに相当するといえる。
10 マイクロプロセッサ
引用発明では、「デバイス」が「血流速度を決定」することから、引用発明の「デバイス」が「血流速度を決定」するためのコンピュータを備えていることは、本願優先日における技術常識に照らし自明である。
また、引用発明では、「1つの熱アクチュエータ及び複数の熱センサ(熱背景センサを含む)は、電子回路に連結され、デバイスは、柔軟又は伸長可能な基材によって支持された無線通信アンテナ構造又は近距離無線通信コイルをさらに備え」ているから、「1つの熱アクチュエータ及び複数の熱センサ(熱背景センサを含む)」は、「電子回路」、「無線通信アンテナ構造又は近距離無線通信コイル」を介してコンピュータと電子的に通信していると解し得る。
また、引用発明は、「各々の熱センサの場所において定常状態温度を連続して測定し、」「熱アクチュエータの相対する側において対称的に配置された熱センサの対を血流の方向として特定し、」「熱アクチュエータにおいて非平衡温度によって血流の方向として対称的に配置された熱センサの対の間の定常状態温度差を正規化して、血流速度を決定」することから、引用発明は、「熱センサP1」で「測定された」「定常状態温度」と、「熱センサP2」で「測定された」「定常状態温度」とから「血流速度を決定して」いるといえる。
また、引用発明の「複数の熱センサ」は、「熱センサP1」、「熱センサP2」を含む。
すると、引用発明の「熱センサP1」で「測定された」「定常状態温度」と、「熱センサP2」で「測定された」「定常状態温度」とから「血流速度を決定」する、「1つの熱アクチュエータ及び熱背景センサを含む複数の熱センサ」と電子的に通信するコンピュータと、
本願発明の「前記測定された上流温度および下流温度から前記導管内の皮下流体流を計算するように構成されている、アクチュエータ基準センサ、周囲基準センサ、下流温度センサおよび上流温度センサと電子的に通信するマイクロプロセッサ」とは、
「前記測定された上流温度および下流温度から導管内の皮下流体流を計算するように構成されている、」「周囲基準センサ、下流温度センサおよび上流温度センサと電子的に通信するマイクロプロセッサ」の点で共通する。
11 周囲基準センサ(3)
引用発明の「熱背景センサは温度センサであ」ることは、本願発明の「前記周囲基準センサは温度センサであ」ることに相当する。
12 基板(2)
引用発明の「複数の熱センサ」は、「熱センサP1」、「熱センサP2」を含む。
すると、引用発明の「1つの熱アクチュエータ、熱背景センサを含む複数の熱センサ」「は、基材の同じ側に位置し」ていることと、
本願発明の「前記上流温度センサ、前記下流温度センサ、前記周囲基準センサ、及びアクチュエータ基準センサが、前記基板の同じ側に位置して」いることとは、
「前記上流温度センサ、前記下流温度センサ、前記周囲基準センサ」「が、前記基板の同じ側に位置して」いることの点で共通する。
13 発泡体層
引用発明の「複数の熱センサ」は、「熱センサP1」、「熱センサP2」を含む。
すると、引用発明の「デバイスは、熱アクチュエータ及び熱センサを封入する障壁層をさらに備え」ることと、
本願発明の「前記形状適合性デバイスは、温度アクチュエータと、前記上流温度センサと、前記下流温度センサとを覆う発泡体層を含む」こととは、
「前記形状適合性デバイスは、温度アクチュエータと、前記上流温度センサと、前記下流温度センサとを覆う」「層を含む」ことの点で共通する。
第6 一致点・相違点
上記第5の対比から、本願発明と引用発明との一致点・相違点は、以下のとおりである。
1 一致点
「皮下流体流を測定するための形状適合性デバイスであって、
軟質で伸縮自在であり、可撓性を有する基板と、
前記基板によって支持される熱アクチュエータと、
前記基板によって支持される上流温度センサと、
前記基板によって支持される下流温度センサであって、前記上流温度センサおよび下流温度センサは、前記熱アクチュエータに関して対向可能に位置決めされ、前記上流温度センサで前記熱アクチュエータよりも上流の上流温度を測定し、前記下流温度センサで前記熱アクチュエータよりも下流の下流温度を測定する、下流温度センサと、
前記基板によって支持される周囲基準センサであって、前記周囲基準センサは、周囲基準センサの読み取り値が熱作動状態から実質的に独立するように十分に大きい周囲基準センサ分離距離だけ、前記上流および下流温度センサを接続する概念的な線から隔てられている、周囲基準センサと、
前記測定された上流温度および下流温度から前記導管内の皮下流体流を計算するように構成されている、周囲基準センサ、下流温度センサおよび上流温度センサと電子的に通信するマイクロプロセッサとを備え、
前記周囲基準センサは温度センサであり、
前記上流温度センサ、前記下流温度センサ、前記周囲基準センサが、前記基板の同じ側に位置しており、
前記形状適合性デバイスは、温度アクチュエータと、前記上流温度センサと、前記下流温度センサとを覆う層を含む、形状適合性デバイス。」
2 相違点
(1)相違点1
本願発明は、(a)前記基板によって支持されるアクチュエータ基準センサであって、前記アクチュエータ基準センサは、前記上流温度センサと前記下流温度センサとを接続する概念的な線から基準センサ分離距離だけ隔てられ、使用中に前記形状適合性デバイスの下にある導管内の流れに関係なく前記熱アクチュエータの効果を測定する、アクチュエータ基準センサを備え、(b)前記アクチュエータ基準センサは温度センサであり、(c)マイクロプロセッサはアクチュエータ基準センサと電子的に通信し、(d)アクチュエータ基準センサが、前記上流温度センサ、前記下流温度センサ及び前記周囲基準センサと前記基板の同じ側に位置しているのに対し、引用発明は、熱アクチュエータの非平衡温度を記録しているものの、「熱アクチュエータの非平衡温度をどのように得ているのか」判然としないことから、引用発明が上記(a)~(d)の構成を備えているか不明である点。
(2)相違点2
本願発明は、(e)前記マイクロプロセッサは、アクチュエータ基準センサ及び周囲基準センサからの信号を、前記導管内の皮下流体流を計算するために使用しているのに対し、引用発明は、熱アクチュエータにおいて非平衡温度によって血流の方向として対称的に配置された熱センサの対の間の定常状態温度差を正規化して、血流速度を決定するものの、「血流速度の決定において、熱背景センサが測定した背景温度をどのように用いているのか」判然としないことから、引用発明が上記(e)の構成を備えているか不明である点。
(3)相違点3
本願発明は、前記周囲基準センサ分離距離(周囲基準センサの読み取り値が熱作動状態から実質的に独立するように十分に大きい周囲基準センサ分離距離)が10mm~20mmであるのに対し、引用発明では、熱背景センサは、相互接続配線を可能にするための空所と結合パッドとの間で、中心の熱アクチュエータから5mmの中心間距離に位置する第2の環体よりも外側に配置されている点。
(4)相違点4
温度アクチュエータと、前記上流温度センサと、前記下流温度センサとを覆う層が、本願発明は、発泡体であるのに対し、引用発明は、例えば、重合体、エラストマから選択される点。
第7 判断
上記第6の各相違点について検討する。
1 相違点1について
(1)まず、引用発明が「熱アクチュエータの非平衡温度をどのように得ているのか」について検討する。
引用発明は、「デバイスを皮膚の受入面に接触させ、各々の熱センサの場所において定常状態温度を連続して測定し、熱アクチュエータ及び複数の熱センサの非平衡温度を記録しながら、皮膚を1つの熱アクチュエータで熱的に作動させ、・・・熱アクチュエータにおいて非平衡温度によって血流の方向として対称的に配置された熱センサの対の間の定常状態温度差を正規化して、血流速度を決定して」いる。このように、血流の方向として対称的に配置された熱センサの対の間の定常状態温度差を正規化するためには、皮膚の受入面に与えられた熱アクチュエータの非平衡温度が必要で、その非平衡温度は記録されているのだから、引用発明のデバイスは、皮膚の受入面に与えられた熱アクチュエータの非平衡温度を測定する温度センサ(以下「熱アクチュエータセンサ」という。)を備えていることが容易に想定される。
そして、この熱アクチュエータセンサにおいて、皮膚の受入面における熱アクチュエータの正確な非平衡温度を記録するために、熱アクチュエータの近くで血流の影響を受けない(血管上にない)位置に配置することは、当然の設計であるところ、引用発明において、熱アクチュエータに近い第1の環体の7個の熱センサの中から、熱アクチュエータセンサとして適切な位置のものを選ぶこと(例えば、図1Dの熱アクチュエータの真上に位置する熱センサは、熱アクチュエータの相対する側が空所なので、熱アクチュエータに対し熱センサの対を形成できないことから選択肢になり得る。)、もしくは、引用文献1は、請求項34の記載を踏まえると、温度センサを更に備えることを想定していることから、引用発明において、温度センサを14個の周囲の熱センサとは別に、熱アクチュエータセンサとして適切な位置に配置することは、当業者が容易になし得たことである。
(2)本願発明の上記(a)~(d)の構成について
よって、上記(1)の検討に鑑みると、引用発明において、(a)柔軟又は伸長可能な基材によって支持された熱アクチュエータセンサであって、熱アクチュエータセンサは、熱センサP1及び熱センサP2を接続する概念的な線から隔てられた、熱アクチュエータの近くで血流の影響を受けない位置に配置され、監視中にデバイスの下にある血流に関係なく皮膚の受入面に与えられた熱アクチュエータの非平衡温度(熱アクチュエータの効果)を測定する、熱アクチュエータセンサを備え、(b)熱アクチュエータセンサは温度センサであり、(c)コンピュータは熱アクチュエータセンサと電子的に通信し、(d)熱アクチュエータセンサが、熱センサP1、熱センサP2及び熱背景センサと前記基材の同じ側に位置することにより、相違点1に係る本願発明の上記(a)~(d)の構成とすることは、当業者が容易に想到し得ることである。
2 相違点2について
(1)まず、引用発明が「血流速度の決定において、熱背景センサが測定した背景温度をどのように用いているのか」について検討する。
引用発明の「熱背景センサ」は、「ドリフトを補償するために背景温度を測定するための」「温度センサ」であるから、引用発明の熱背景センサは、14個の周囲の熱センサの各々が測定した温度に対してドリフト補償、すなわち、14個の周囲の熱センサの各々が測定した温度から背景温度を減算するために、使用することが容易に想定される。
すると、引用発明において、血流速度を決定するために用いた熱センサP1・熱センサP2が測定した各定常状態温度は、熱背景センサが測定した背景温度を減算した後の温度であると解し得る。このことは、図1Dの各熱センサのグラフにおいて、縦軸が「ΔT(℃)」となっており、温度変化であることとも符合する。
仮に、上記のとおりに、必ずしも解し得ないとしても、引用発明の「熱背景センサ」は、「ドリフトを補償するために背景温度を測定するための」「温度センサ」であるから、血流速度を決定するために用いた熱センサP1・熱センサP2が測定した各定常状態温度を、ドリフトを補償するために、背景温度で減算した後の温度とすることは、当業者が容易になし得たことである。
(2)本願発明の上記(e)の構成について
引用発明は、「熱アクチュエータにおいて非平衡温度によって血流の方向として対称的に配置された熱センサの対の間の定常状態温度差を正規化して、血流速度を決定して」いる。
よって、上記(1)の検討に鑑みると、引用発明の「熱背景センサ」は、熱センサの「ドリフト補償」した定常状態温度を得るためであるから、引用発明のコンピュータは、「熱背景センサ」からの信号を、熱センサの対の間の「『ドリフト補償』した定常状態温度」差から血流速度を決定するために使用しているといえる。また、上記1の検討に鑑みると、引用発明の「熱アクチュエータセンサ」は、熱センサの対の間の「正規化」した定常状態温度差を得るためであるから、引用発明のコンピュータは、熱アクチュエータセンサからの信号を、「熱センサの対の間の『正規化』した定常状態温度差」から血流速度を決定するために使用しているといえる。
すると、引用発明において、(e)コンピュータは、熱アクチュエータセンサ及び熱背景センサからの信号を、血流速度を決定するために使用することにより、相違点2に係る本願発明の上記(e)の構成とすることは、当業者が容易に想到し得ることである。
3 相違点3について
本願発明では、周囲基準センサは、周囲基準センサの読み取り値が熱作動状態から実質的に独立するように十分に大きい周囲基準センサ分離距離だけ、上流および下流温度センサを接続する概念的な線から隔てられ、前記周囲基準センサ分離距離が10mm~20mmである。
一方、引用発明では、ドリフトを補償するために背景温度を測定するための熱背景センサは、相互接続配線を可能にするための空所と結合パッドとの間で、中心の熱アクチュエータから5mmの中心間距離に位置する第2の環体よりも外側に配置される。
ここで、本願発明と引用発明では、デバイスにおけるセンサの位置の規定の仕方が異なるが、引用発明にように「中心の熱アクチュエータ」を起点とするか、本願発明のように「上流および下流温度センサを接続する概念的な線」を起点とするかは、当業者が適宜決めることである。
そして、引用発明において、「熱背景センサ」を、相互接続配線を可能にするための空所と結合パッドとの間で、「中心の熱アクチュエータ」から5mm以上の位置を適宜調整することで、「熱センサP1及び下流熱センサP2を接続する概念的な線」から「10mm~20mm」の位置とすることは、当業者が適宜設計し得る程度のことである。
また、引用発明の熱背景センサは、ドリフトを補償するために背景温度を測定するためのものであるから、熱背景センサを熱アクチュエータや血流等による熱の影響を受けないような位置に配置することは自明の課題なので、「熱背景センサ」の位置は、熱アクチュエータの伝熱範囲等を考慮して適宜決定すべき設計事項にすぎない。
加えて相違点3の数値限定について、本願明細書(【0038】)では「特定のデバイスおよび組織の特性に応じて、この距離は、約15mmなど、約10mmから約20mmの範囲内であってよい」と記載されるにとどまり、相違点3の数値限定が臨界的な意味を持たないことは明らかである。
したがって、引用発明において、相違点3に係る本願発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。
4 相違点4について
上記第4の2(5)において説示したとおり、測定対象と接触させ、測定対象の物性を測定するために、加熱部及び熱検出部を備える測定装置において、熱損失や測定対象を介さない熱の移動を防ぐために、測定対象との接触面以外の加熱部及び熱検出部を覆う断熱部とを備え、前記断熱部を発泡体とすることは、本願優先日における周知技術である。
一方、引用発明において、熱損失や皮膚を介さない熱の移動を防ぐことは、熱的に血流速度を決定するためのデバイスである以上、当然に内在する課題である。
そして、引用発明の「デバイスは、熱アクチュエータ及び熱センサを封入する障壁層をさらに備え、例えば、障壁層は、重合体、エラストマから選択され」る。この障壁層は、熱アクチュエータと熱センサとを、熱的にも障壁となる機能を有することも想定される。
してみると、引用発明において、上記課題を解決するために上記周知技術を適用し、上記障壁層として発泡体の断熱層とすること、又は上記障壁層に加えて発泡体の断熱層を形成し、相違点4に係る本願発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。
5 本願発明の奏する効果
上記相違点1~4を総合的に勘案しても、本願発明の奏する効果は、引用発明及び周知技術の奏する効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。
6 まとめ
したがって、本願発明は、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
第8 請求人の主張
請求人は、令和6年12月19日提出の意見書において、
「補正後の本願発明1は、「前記形状適合性デバイスは、温度アクチュエータと、前記上流温度センサと、前記下流温度センサとを覆う発泡体層を含む」という特徴を有します。
具体的に、段落[0041]には以下の通り記載されています。(下線は強調のために付与)
「望むとおりに、デバイスは、温度アクチュエータおよびセンサを垂直に覆うように位置決めされている封緘層(本明細書ではスーパーストレートとも称され、たとえば、図53Aを参照)の上の発泡体層または発泡体で形成された追加の部分層を含む、封緘層1700(図17)で覆われ得る。発泡体層がデバイス性能を改善することが実証されているので、本明細書で提供されるデバイスはどれも、封緘層の上に位置決めされた発泡体層を含むものとしてよく、発泡体層は、熱雑音を最小化し、デバイス性能および感度を改善するために温度センサおよびアクチュエータに、垂直な幾何学的構成で、対応する封緘層全体またはその一部を覆ってもよい。」
一方で、引用文献1には発泡体層が開示も示唆もされていません。」と主張している。
この主張について検討する。本願発明では、封緘層について何ら特定していないから、上記主張は請求項の記載に基づく主張でない。そして、仮に本願発明において、この封緘層が特定されていたとしても、その場合、引用発明の「障壁層」がこの封緘層に相当するとも考えられ、引用発明において、障壁層に加えて発泡体層をさらに備えることが容易想到であることは、上記第7の4における相違点4において検討したとおりである。
よって、上記主張は採用できない。
第9 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2023-013890