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商標拒絶査定不服審判

2023-013747

ケンコウトウシ、ケンコートウシ、ケンコートーシ、トーシ

審判番号
2023-013747
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2022-128814
請求日
2023年08月15日
審決日
2024年10月10日
公報発行日
2024年12月27日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】日清食品ホールディングス株式会社
  • 【請求人代理人】林 栄二
審判長/審判官
  • 審判長 高野 和行
  • 審判官 清川 恵子
  • 審判官 白鳥 幹周
分類
T18 .16 -Z (W05091016293031323335394041424344)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法3条1項6号
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第3条第1項第6号、商標法第2条第3項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

商願2022-128814拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 1 手続の経緯 本願は、令和4年11月10日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和5年 2月21日付け:拒絶理由通知書 令和5年 5月 8日 :意見書の提出 令和5年 5月18日付け:拒絶査定 令和5年 8月15日 :審判請求書の提出 2 本願商標 本願商標は、「けんこうとうし」の文字を標準文字で表してなり、第5類、第9類、第10類、第16類、第29類ないし第33類、第35類及び第39類ないし第44類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として登録出願されたものである。 3 原査定の拒絶の理由(要旨) 本願商標は、「けんこうとうし」の文字を標準文字で表してなるものである。 そして、近年、「企業が従業員の健康保持・増進に主体的に関与することにより、医療費の適正化や生産性の向上、企業イメージの向上等につなげる」程の意味を有する、企業の取組・施策である「健康経営」が注目されているところ、その「健康経営」のための具体的な企業の取組・施策として、「企業による従業員の健康増進に向けた投資」程の意味を有する語として、「健康投資」という言葉も広く一般的に使用されており、企業理念や経営方針としても用いられていることに加え、「健康投資」の読みとして「けんこうとうし」の文字が広く一般的に使用されている実情も見受けられる。 そうすると、本願商標は、全体として、「健康投資」の読みを平仮名で表したものであると容易に認識できるものであり、そのような本願商標を、その指定商品及び指定役務に使用しても、これに接する需要者は、自他商品役務の識別標識として認識するのではなく、健康の保持・増進に関する企業の取組や経営方針等を表した語、又は、宣伝・広告的な意図をも含んだ語であると理解するにとどまり、何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができないというのが相当である。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。 4 当審の判断 (1)商標法第3条第1項第6号該当性について 本願商標は、「けんこうとうし」の文字を標準文字で表してなるものである。 ところで、原審提示の情報にあるように、近年、企業等において「従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践すること」(参考:経済産業省のウェブサイト「健康経営」https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/kenko_keiei.html)を意味する「健康経営」が社会的に注目されている状況にあり、また、この「健康経営」の考え方に基づく具体的な取り組みを総称する語である「健康投資」の語も一般に広く使用、紹介等され、そのような「健康投資」を行うことが、企業理念や経営方針として、又は、それらに基づく具体的な経営内容等を表現する語として採択、使用される事例も少なからず見受けられるものである。 また、当審において職権により調査するも、「健康投資」の語以外に、「けんこうとうし」と読む一般的に知られた語又は語句があるという事実を発見することはできなかった。 そうすると、本願商標を、その指定商品及び指定役務に使用しても、これに接する需要者は、それが上述の「健康投資」の語の読みを平仮名で表したものであって、企業の理念や経営方針等を表示したものと理解するにすぎず、自他商品役務の識別標識としては認識しないものというのが相当である。 したがって、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができない商標というべきであるから、商標法第3条第1項第6号に該当する。 (2)請求人の主張について ア 請求人は、商標法第3条第1項第6号に該当するというためには、「普通に用いられる方法で表示する標章」であることが必要といえるところ、平仮名で「けんこうとうし」と表示することが「普通に用いられる方法で表示する標章」であるとは到底考えられない旨主張する。 しかしながら、本願商標は、「けんこうとうし」の文字を標準文字で表してなるものであって、特にデザイン化された書体で表されているといったものではなく、「健康投資」の語とは別の称呼観念が生じ得るほどに(すなわち、独占の弊害を生ずるおそれがないといい得るほどに)本願商標の表され方が特徴的であるということはできないのであって、また、漢字からなる語の読みを平仮名で併記したり、当該語の説明に用いることも少なくないことからすれば、本願商標は、いまだ普通に用いられる方法の域を脱しない方法で表示するものというのが相当である。 イ 請求人は、本願商標は、「けんこうとうし」の平仮名を同書、同大、同間隔で表示した一連一体のものであって、直ちに「健康投資」と認識されるものではなく、また、「けんこう」及び「とうし」に相当する漢字の意味合いを踏まえるならば、例えば、「健康闘士」や「健康闘志」、「健康透視」「兼好悼詩」「健康と憂し」といった組み合わせも容易に連想し得るのであるから、本願商標を「健康投資」を表したものと決めつける合理的な理由はなく、本願商標は一種の造語として認識されるとみるのが自然である旨主張する。 しかしながら、本願商標を構成する「けんこうとうし」の文字を、任意の文字数で区切り、一般的な語句の使用状況といった事情を捨象して、その意味内容を理解、把握しようとした場合には、請求人が列挙するごとく様々な語の組み合わせとして考え得るものであるとしても、請求人が述べるとおり、本願商標は、「けんこうとうし」の平仮名を一連一体に表したものであって、また、上記(1)のとおり、「健康投資」の語は、近時、広く一般的に使用、紹介等されているものであり、かつ、当該語以外に「けんこうとうし」と読む一般的に知られた語又は語句があるという事実は見当たらないことからすれば、本願商標は、これに接する需要者において、「健康投資」の語の読みを平仮名で表したものと容易に理解、認識されるものというのが相当である。 ウ 請求人は、原審提示の情報(ウェブサイトの記事)は、商標法第2条第3項の「使用」に該当する、商品自体や商品の包装、役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する物、商品又は役務の広告や取引書類ではなく、いずれも、商品又は役務の需要者がその商取引の場で目にする又は知覚するものではなく、商標法上の「使用」に該当するものではないから、本願商標の「けんこうとうし」どころか、漢字の「健康投資」についての商標法上の「使用」の局面における使用状況を裏付けるものにもなっていないのであって、また、当該情報には、「けんこうとうし」の文字が表示されたものは一つもないことからすれば、当該情報をもってしては、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するということはできない旨主張する。 しかしながら、指定商品又は指定役務との直接的な関連性が弱いものであるとしても、出願商標が、企業理念や経営方針等を表示したものとしてのみ認識させる場合には、商標法第3条第1項第6号に該当すると判断するべきものであるところ、原審提示の情報は、「健康投資(けんこうとうし)」の文字が、「健康経営」の考え方に基づく具体的な取り組みを総称する語として、一般に広く使用、紹介等され、そのような取り組みを行うことが、企業の理念や経営方針等として採択、使用されることもあるという事実を示すものであって、これらの証拠に基づいて、本願商標に接する需要者が、それがどのようなものであると認識するかを推し量ることは、妥当といえる。 そして、それらの事実における「健康投資(けんこうとうし)」の文字の使用態様が、商標法上の「使用」の定義に該当しないものであることが、同文字が、これに接する需要者において、企業理念や経営方針等を表示したものとして理解、認識されることの妨げになるというべき事情は見当たらないことからすれば、原審提示のごとき情報は、審理において勘案されて然るべきものである。 エ 請求人は、過去の商標登録例や審決例を挙げ、それらと同様に本願商標も登録を認められるべきである旨主張する。 しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第6号に該当するものであるか否かの判断は、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品・指定役務との関係や、その商品又は役務の分野における取引の実情をも踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げた登録例や審決例は、商標の構成態様が本願商標とは異なるものである点において、本願とは、事案を異にするものというべきであり、また、過去の登録例が存在することをもって、本件判断が左右されるものではない。 オ したがって、請求人の上記アないしエの主張は、いずれも採用することができない。 なお、請求人は、本願商標に拒絶の理由が存在すると判断される場合は、指定商品及び指定役務の補正を行う用意がある旨主張するが、本願商標が、その指定商品及び指定役務との関係において、商標法第3条第1項第6号に該当することは、上記(1)のとおりであって、指定商品及び指定役務の補正によって、その拒絶の理由が解消し得るものではないから、本件の審理において、改めて本願の指定商品及び指定役務の補正の機会を与える必要はないと合議体は判断した。 (3)まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものであるから、登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。

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