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商標拒絶査定不服審判

2023-013184

ライン

審判番号
2023-013184
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2022-048579
請求日
2023年07月19日
審決日
2024年12月06日
公報発行日
2025年02月28日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】カワイ電線株式会社
審判長/審判官
  • 審判長 大橋 良成
  • 審判官 渡邉 あおい
  • 審判官 渡邉 潤
分類
T18 .13 -Z (W09)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法3条1項3号
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第3条第1項第3号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

商願2022- 48579拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、令和4年4月13日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和4年 9月12日付け:拒絶理由通知書 令和4年10月28日 :意見書、手続補正書の提出 令和5年 4月10日付け:拒絶査定 令和5年 7月19日 :審判請求書の提出 令和6年 7月18日付け:審尋 令和6年 8月27日 :回答書、手続補正書の提出 第2 本願商標 本願商標は、「ライン」の片仮名を標準文字で表してなり、第9類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として登録出願されたものであり、その後、指定商品については、上記第1の手続補正により、最終的に、第9類「電線及び屋内配線用ケーブル」(以下「当審補正商品」という。)に補正されたものである。 第3 原査定の拒絶の理由の要旨 原査定は、「本願商標は、「ライン」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は「【電気】電線,電話[電信]線;配線;(電)線路」の意味を有する英語「line」を片仮名表記したものである。そして、本願の指定商品に関する分野において、「line」及びその片仮名表記である「ライン」の各文字が「電線」を表す語として使用されている実情が認められる。そうすると、本願商標は、その指定商品である「電線及びケーブル」に使用するときは、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるというのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 第4 当審における審尋 当審において、上記第1の審尋により、請求人に対し、別掲1ないし別掲3のとおりの事実を提示した上で(別掲1では、上記第1の審尋で提示した後掲1の2(2)ないし(4)を除いた事実を提示している。)、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、これに対する回答を求めた。 第5 審尋に対する請求人の回答(要旨) 請求人は、上記第4の審尋に対し、令和6年8月27日付けの回答書を提出し、要旨、以下のとおりの意見を述べた。 1 本願商標は、あくまでも、片仮名の標準文字で書した「ライン」であり、英語で書した「line」ではない。日本語で「ライン」と言えば、まずは「線」という意味で捉えられており、「ライン」が「電線」を表す品質用途表示であるという理解で広く一般に親しまれているとは言い難く、一般的に「ライン」という語に接したときには、「電線」や「ケーブル」を容易に想起できるとは限らない。「電線」や「ケーブル」の商品は、ほとんどが、誰もが直接的にその商品が「電線」または「ケーブル」であると理解できるように「○○ケーブル」や「○○電線」と称されているのが実情であり、片仮名の「ライン」という語を付した「電線」や「ケーブル」は、請求人以外では、請求人商品名を他社に模倣された場合を除き、販売されたことはなく、本願商標が取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものとは言えず、自他商品の識別力を保有するものである。 2 2017年まで商標「ライン」が「電線及びケーブル」において登録されていた経緯からすれば、当審補正商品において、商標「ライン」は十分に自他識別性を発揮し得るものである。 第6 当審の判断 1 商標法第3条第1項第3号について 商標法第3条第1項第3号に掲げる商標が、商標登録の要件を欠くとされているのは、このような商標は、指定商品との関係で、その商品の品質、用途等その他の特性を表示記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのを公益上適当としないものであるとともに、一般的に使用される標章であって、多くの場合自他商品の識別力を欠き、商標としての機能を果たし得ないものであることによるものと解される。 そうすると、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するというためには、本件審決時において、本願商標がその指定商品との関係で、商品の品質、用途等その他の特性を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、本願商標がその指定商品に使用された場合に、将来を含め、指定商品の取引者、需要者によって商品の上記特性を表示したものと一般に認識されるものであれば足りると解される(最高裁昭和53年(行ツ)第129号判決、平成27年(行ケ)第10107号判決参照)。 2 本願商標の商標法第3条第1項第3号の該当性について 本願商標は、「ライン」の片仮名を標準文字で表してなるものである。 そして、「ライン」の文字は、「線」(「広辞苑 第七版」発行者:株式会社岩波書店)の意味を有する語であり、「ライン」と読むことで知られている英語の「line」の文字は、「電線」(「ジーニアス英和辞典 第6版」発行者:株式会社大修館書店)の意味を有する語であるところ、別掲1のとおり、本願の指定商品の分野において、「ライン」及び「LINE」(Line)の文字は、「電線」や「ケーブル」を表す語として使用されている実情にあることが確認できる。 また、別掲2のとおり、「ライン」の文字は、「信号の入出力を行うための配線」を意味する語でもあるところ、別掲3のとおり、オーディオ機器等の信号入出力用の商品として、ライン用のケーブルが販売されている実情にあることが確認できる。 そうすると、本願商標は、上記辞書上の意味及び使用例並びに取引の実情に照らすと、これに接する取引者・需要者は、当該商品が「電線、ケーブルに関する商品」であることを、また、当該商品が「信号の入出力の配線(ライン)用の商品」であることを、それぞれ容易に理解、認識させるにとどまるとみるべきである。 してみると、本願商標は、これを当審補正商品に使用しても、商品の品質及び用途を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものであり、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものというべきものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのは適当でないとともに、自他商品の識別力を欠くものである。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。 3 請求人の主張について (1)請求人は、「本願商標は、あくまでも、片仮名の標準文字で書した「ライン」であり、英語で書した「line」ではない。日本語で「ライン」と言えば、まずは「線」という意味で捉えられており、「ライン」が「電線」を表す品質用途表示であるという理解で広く一般に親しまれているとは言い難く、一般的に「ライン」という語に接したときには、「電線」や「ケーブル」を容易に想起できるとは限らない。「電線」や「ケーブル」の商品は、ほとんどが、誰もが直接的にその商品が「電線」または「ケーブル」であると理解できるように「○○ケーブル」や「○○電線」と称されているのが実情であり、片仮名の「ライン」という語を付した「電線」や「ケーブル」は、請求人以外では、請求人商品名を他社に模倣された場合を除き、販売されたことはなく、本願商標が取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものとは言えず、自他商品の識別力を保有するものである。」旨主張する。 しかしながら、標章の構成文字を同一の称呼が生じる範囲内で片仮名表記をローマ字表記にしたり、あるいは、その逆にしたりという文字種の変換はごく普通に行われている実情があるところ、別掲1においてもそのような事例が見られ、また、当審補正商品との関係を考慮すると、本願商標「ライン」の文字に接する取引者、需要者は、当該文字から、「電線」、「ケーブル」や「信号の入出力を行うための配線」の意味を認識するものといえる。 さらに、商標法第3条第1項第3号は、取引者、需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、該表示態様が、商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきであるから(東京高裁平成12年(行ケ)第76号,同年9月4日判決参照)、仮に、「ライン」という語を付した「電線」や「ケーブル」は、請求人以外では販売されたことはないとしても、需要者の認識や取引の実情等を踏まえれば、上記2の判断を左右するものではない。 (2)請求人は、「2017年まで商標「ライン」が「電線及びケーブル」において登録されていた経緯からすれば、当審補正商品において、商標「ライン」は十分に自他識別性を発揮し得るものである。」旨主張する。 しかしながら、出願された商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かは、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、これに接する取引者、需要者の認識を基準として判断されるべきであり、当該商標の構成態様と指定商品との関係や商品の取引の実情をも踏まえて、個別具体的に判断されるものであって、他の登録例の存在によって、本願商標が同項第3号に該当するという判断が左右されるものではない。 (3)したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができず、その他、請求人の主張は、採用するべき事情はない。 3 まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。

審決本文(J-PlatPat)

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2023-013184

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