商標拒絶査定不服審判
2023-013056
オールインワンプラスミド、オールインワン
- 審判番号
- 2023-013056
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-115727
- 請求日
- 2023年08月04日
- 審決日
- 2024年10月21日
- 公報発行日
- 2025年02月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社シンプロジェン
- 【請求人代理人】石川 太郎
- 審判長/審判官
- 審判長 豊瀬 京太郎
- 審判官 清川 恵子
- 審判官 飯田 亜紀
- 分類
- T18 .13 -Z (W4042)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022-115727拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和4年10月7日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年 2月20日付け:拒絶理由通知書
令和5年 4月 7日 :意見書及び手続補正書の提出
令和5年 5月 9日付け:拒絶査定
令和5年 8月 4日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、「オールインワンプラスミド」の文字を標準文字で表してなり、第1類、第5第、第40類及び第42類に属する願書記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として登録出願されたものであるが、指定商品及び指定役務については、前記1の原審における手続補正書により、第40類及び第42類に属する別掲1の役務に補正されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要点
原審において、「本願商標は、「オールインワンプラスミド」の文字を普通に用いられる方法(標準文字)で表示してなるところ、その構成中、「オールインワン」の文字は「複数の機能や要素が一つにまとまったもの。」の意味を、「プラスミド」の文字は「細菌の核外遺伝子の一種。」の意味をそれぞれ有する語であるから、全体として、「複数の機能が一体化されたプラスミド(細菌の核外遺伝子の一種)」程の意味合いを容易に理解させる。そして、「オールインワンプラスミド」やこれに類する文字が、「複数の機能が一体化されたプラスミド」を表す語として使用されており、「複数の機能が一体化されたプラスミド」を使用した各種の研究・開発が行われている実情がある。そのため、本願商標を、いずれも「プラスミド」に関係するその指定役務に使用した場合、これに接する需要者は、その「プラスミド」が具体的にどのような用途等の「プラスミド」なのかまでは把握できないまでも、「複数の機能が一体化されたプラスミド」に係る役務(例えば、「受託による複数の機能が一体化されたプラスミドDNAの合成」、「複数の機能が一体化されたプラスミドDNA合成技術に関する研究・開発」等)であること、すなわち、役務の質・用途を表示したものとして認識するものというのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、拒絶したものである。
4 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、「オールインワンプラスミド」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「オールインワン」の文字は「【all in one】複数の機能や要素が一つにまとまったもの。」(「広辞苑第7版」株式会社岩波書店)、「複数の機器を一体化させた装置。必要とされる機能を一つにまとめたもの。」(「デジタル大辞泉」株式会社小学館)等の意味を、「プラスミド」の文字は「【plasmid】細菌の核外遺伝子の一種。」(「広辞苑第7版」株式会社岩波書店)、「細胞内にあり、核や染色体とは独立して存在する遺伝子。環状DNA(デオキシリボ核酸)であることが多く、遺伝子工学では大腸菌などのものをベクターとして用いる。」(「デジタル大辞泉」株式会社小学館)の意味をそれぞれ有する語であるから、その構成全体として、「複数の機能や要素が一体化されたプラスミド」「必要とされる機能を一つにまとめたプラスミド」程の意味合いを容易に認識し得るものである。
そして、本願の指定役務との関係において、遺伝子編集研究に関する分野では、「オールインワンプラスミド」の文字や当該文字に通ずる「all-in-oneプラスミド」、「All-in-One プラスミド」及び「All-in-one Plasmid」等の文字が、複数の(必要とする)機能が一体化されたプラスミドを表す語として使用されており、当該プラスミドを使用した各種の研究・開発が行われている実情があることは原審における用例及び別掲2より認められる。
このような状況に照らすと、本願商標を、その指定役務に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、「複数の(必要とする)機能が一体化されたプラスミド」に係る役務(例えば、「受託による複数の(必要とする)機能が一体化されたプラスミドDNAの合成」、「複数の(必要とする)機能が一体化されたプラスミドDNA合成技術に関する研究・開発」等)であること、すなわち、役務の質・用途を表示したものとして認識するものというのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、拒絶理由通知において挙げられた例は、いずれも、「オールインワン」の用語によって、役務の質・用途を表現しているのではなく、その前後の補足説明(例えば、「ゲノム編集とプラスミド除去を兼ね備えた」、「CRISPR Cas9ヌクレアーゼ、1種類のsgRNA、G418選択用neo遺伝子、および蛍光レポータとしてmCherryをコードした」、「製品形態pU6-gRNA/CMV-Cas9-GFP」等)が、役務の質・用途を表現していることが明らかである旨主張する。
しかしながら、上記のような補足説明は、結局、全て「オールインワンプラスミド」の文字や当該文字に通ずる「all-in-oneプラスミド」、「All-in-One プラスミド」及び「All-in-one Plasmid」等の文字が、複数の(必要とする)機能が一体化されたプラスミドというプラスミドの一形態(種類)を表すものであることを説明するものとして使用されており、また、そのように認識されているといえるものであることは、上記(1)のとおりであるから、本願商標は、自他役務識別標識として機能するものとはいえない。
したがって、請求人の上記主張は採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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