商標拒絶査定不服審判
2023-012931
フクオカカカオ
- 審判番号
- 2023-012931
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-128841
- 請求日
- 2023年08月02日
- 審決日
- 2024年09月04日
- 公報発行日
- 2024年11月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】UMEYA BRAINERY株式会社
- 【請求人代理人】有吉 修一朗
- 【請求人代理人】森田 靖之
- 【請求人代理人】筒井 宣圭
- 【請求人代理人】遠藤 聡子
- 審判長/審判官
- 審判長 高野 和行
- 審判官 清川 恵子
- 審判官 白鳥 幹周
- 分類
- T18 .13 -Z (W30)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022-128841拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和4年11月10日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年 3月31日付け:拒絶理由通知書
令和5年 4月13日 :意見書、手続補正書の提出
令和5年 5月15日付け:拒絶査定
令和5年 8月 2日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、「福岡カカオ」の文字を標準文字で表してなり、第30類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として登録出願されたものである。そして、本願の指定商品は、原審における上記1の手続補正書により、第30類「福岡県産のチョコレート,福岡県で販売されるチョコレート,福岡県産のチョコレート入りクッキー,福岡県で販売されるチョコレート入りクッキー,福岡県産のチョコレート入りアイスクリーム,福岡県で販売されるチョコレート入りアイスクリーム,福岡県産のココア,福岡県で販売されるココア,福岡県産のチョコレートスプレッド,福岡県で販売されるチョコレートスプレッド」と補正されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
本願商標は、「福岡カカオ」の文字を標準文字で表してなるところ、この構成中「福岡」の文字は、「九州地方北部の県」を意味し、「カカオ」の文字は「アオイ科(旧アオギリ科)の常緑高木」を意味する語であるから、本願商標全体からは「福岡県産のカカオ」ほどの意味合いが容易に理解されるものである。
また、カカオは、我が国内においても栽培、生産されている実情があり、これらの中には「○○カカオ」(○○には地名が入る。)と称されているものも見受けられる。
そうすると、本願商標をその指定商品について使用しても、これに接する需要者は、当該商品が「福岡県産のカカオを使用した商品」であることを認識するにすぎないものといえることから、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示するものというのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
4 当審における審尋
当審において、令和6年6月19日付け審尋により、別掲に掲げる事実を提示した上で、本願商標が、その指定商品との関係において、商標法第3条第1項第3号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、請求人に対し、意見を求めた。
5 審尋に対する請求人の意見(要旨)
請求人は、上記4の審尋に対し、令和6年7月29日に意見書を提出し、要旨以下(1)及び(2)のとおりの意見を述べた。
(1)本願商標構成中の「福岡」の文字が、地名(九州地方北部の県)を理解、認識させることがあるとしても、本願の指定商品の原料である「カカオ」の産地、販売地を理解、認識させることはない。
(2)「福岡カカオ」の文字が一般的に使用されている事実は見当たらず、また、カカオの生産地を需要者にアピールする必要性がある場合でも、取引の実情においては、生産地名を括弧でくくったり「産」の語を付記したりして生産地を認識しやすいように記載するのが一般的であるから、本願商標のごとき態様では、意外性のある一種の造語よりなるものというのが相当である。
6 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、「福岡カカオ」の文字を標準文字で表してなるところ、これは、「九州地方北部の県」などを意味する「福岡」の語と、「アオイ科(旧アオギリ科)の常緑高木」を意味する「カカオ」の語とを結合したものと、容易に看取し得るものである(出典:「広辞苑 第七版」株式会社岩波書店)。
そして、上記2のとおり、本願の指定商品は、いずれも「福岡県産の商品」又は「福岡県で販売される商品」であることからすると、本願商標の構成中「福岡」の文字は、指定商品の産地又は販売地を表したものといえる。
また、上記2のとおり、本願の指定商品は「チョコレート」若しくは「チョコレートを使用してなる商品」又は「ココア」であって、かつ、「チョコレート」は「カカオの種子を煎って砕いてペースト状にしたものをベースに、カカオ脂・砂糖・香料などを加えて練り固めた菓子」であり、「ココア」は「カカオの種子を煎って脂肪を除去した粉末」であることからすると(出典:同上)、本願商標の構成中「カカオ」の文字は、商品の原材料を表したものといえる。
加えて、別掲の情報にあるように、本願の指定商品を取り扱う分野において、「商品の原材料にカカオを使用してなる商品」について「カカオ」の文字やその欧文字表記の「CACAO」の文字が広く一般的に使用されている実情が認められる。
そうすれば、本願商標をその指定商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、それが「福岡県産又は福岡県で販売される、カカオを原材料に使用してなる商品」であるという、商品の品質を表示したものと理解するにとどまり、自他商品の識別標識としては認識し得ないというべきであるから、本願商標は、その商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、福岡県の気候ではカカオを自然的条件の下で生産することが困難であり、実際に生産もされていないことからすると、本願商標に接する需要者又は取引者が、その構成中「福岡」の文字がカカオの生産地を表示したものであると認識することはない旨主張する。
また、請求人は、「福岡カカオ」の文字が一般的に使用されている事実は見当たらず、カカオの生産地を需要者にアピールする必要性がある場合でも、取引の実情においては、生産地名を括弧でくくったり「産」の語を付記したりして生産地を認識しやすいように記載するのが一般的である旨主張する。
しかしながら、上記(1)のとおり、本願の指定商品がいずれも「福岡県産の商品」又は「福岡県で販売される商品」であることからすると、本願商標をその指定商品に使用するときは、その構成中「福岡」の文字は、これに接する取引者、需要者において、「カカオの産地」を表したものではなく、当該商品の産地又は販売地を表したものと理解されるというのが自然である。
また、「福岡カカオ」の文字が、商品の品質を表示するものとして一般的に使用されている事実が見当たらないとしても、上記(1)のとおり、本願の指定商品がいずれも「福岡県産の商品」又は「福岡県で販売される商品」であって、かつ、一般的にカカオを原材料とする商品であり、また、本願の指定商品を取り扱う分野において、「商品の原材料にカカオを使用してなる商品」について「カカオ」の文字やその欧文字表記の「CACAO」の文字が広く一般的に使用されている実情が認められることからすると、本願商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、それが「福岡県産又は福岡県で販売される、カカオを原材料に使用してなる商品」であるという、商品の品質を表示記述したものと理解するにとどまり、自他商品の識別標識としては認識しないものというのが相当である。
イ 請求人は、「地名」と「商品名」とを結合してなる商標に係る、過去の登録例や審決例を挙げ、それらが登録を認められたことを踏まえれば、本願商標も登録を認められるべきである旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるか否かの判断は、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品・指定役務との関係や、その商品又は役務の分野における取引の実情をも踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げた登録例や審決例は、商標の構成態様が本願商標とは異なり、指定商品の分野が異なるものも少なくない点において、本願とは、事案を異にするものというべきであり、また、過去の登録例が存在することをもって、上記判断が左右されるものではない。
ウ したがって、請求人の上記ア及びイの主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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