商標拒絶査定不服審判
2023-012783
ダシシオムスビ、シオムスビ、ダシシオ
- 審判番号
- 2023-012783
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-138153
- 請求日
- 2023年07月31日
- 審決日
- 2024年10月21日
- 公報発行日
- 2025年01月31日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】有限会社三角屋水産
- 【請求人代理人】入江 一郎
- 審判長/審判官
- 審判長 豊瀬 京太郎
- 審判官 清川 恵子
- 審判官 飯田 亜紀
- 分類
- T18 .13 -Z (W30) / T18 .272-Z (W30)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、商標法第3条第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022-138153拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和4年11月18日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年 3月10日付け:拒絶理由通知書
令和5年 4月20日 :意見書及び手続補正書の提出
令和5年 6月20日付け:拒絶査定
令和5年 7月31日 :審判請求書の提出
令和6年 7月18日付け:審尋
令和6年 8月29日 :回答書の提出
2 本願商標
本願商標は、「だし塩むすび」の文字を普通に用いられる方法で横書きしてなり、第30類「調味料,香辛料,べんとう」を指定商品として登録出願されたものであり、その後、指定商品については、前記1の原審における手続補正書により、第30類「調味料,香辛料」と補正されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要点
原審において、「本願商標は、「だし塩むすび」の文字を表してなるところ、その構成中、「塩むすび」の文字は、本願の指定商品を含む食品業界において、塩で味付けしたおにぎりを表す語として使用されており、また、同業界において、塩に出汁を加えたものが「だし塩」と称して取引きされている実情があり、だし塩をおにぎりへ使用する例も示されている。そうすると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、その商品が「だし塩で味付けしたおにぎり(に関する商品)」であること、すなわち、商品の品質を表示したものと認識するにすぎないというのが相当である。したがって、本願商標は、商品の品質等を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当し、上記に照応する商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、拒絶したものである。
4 当審における審尋
当審において、前記1の審尋により、別掲1ないし別掲3に掲げる事実を記載した上で、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとの暫定的見解を示し、期間を指定した上で請求人に対し意見を求めた。
5 審尋に対する請求人の回答(要旨)
本願商標中の「むすび」の語の意味は、広辞苑第7版によれば、複数の意味合いがあり、「にぎりめし」は、第三番目の意であるから、「○○むすび」は「○○おにぎり」ではないし、本願商標が指定商品「調味料(香辛料)」に使用された場合は、複数の意味合いが生じることから、本願商標は特定の観念が生じない一種の造語である。
6 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号の該当性について
本願商標は、「だし塩むすび」の文字を普通に用いられる方法で横書きしてなるところ、その構成中「だし塩」の文字及び当該文字に通ずる「だししお」の文字は、本願の指定商品を取り扱う業界において、「出汁(だし)を加えた塩」を指称する語として使用されていることがうかがえ(別掲1)、また、構成中の「むすび」の文字は「にぎりめし」等の意味(「広辞苑第7版」株式会社岩波書店)を有する語として一般に親しまれている。
そして、本願の指定商品を含む食品業界において、「塩むすび」の文字が「塩で味付けしたおにぎり」を指称する商品等の名称として広く一般に使用されている事実が見受けられ(別掲2)、さらに、本願の指定商品を取り扱う業界において、「おにぎり(おむすび)用」とうたう塩や調味料が製造、販売されている事実も見受けられるものである(別掲3)。
このような状況を踏まえると、「だし塩むすび」の文字からなる本願商標をその指定商品に使用する場合は、これに接する取引者、需要者に、「だし塩(出汁(だし)を加えた塩)で味付けするおにぎり用の商品」という商品の品質を表示したものと認識、理解させるにとどまり、本願商標は、自他商品を識別する標識としての機能を有さないものというのが相当である。
したがって、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示してなる標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当し、「だし塩(出汁(だし)を加えた塩)で味付けするおにぎり用の商品」以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 本願商標中の「むすび」の語の意味は、広辞苑第7版によれば、複数の意味合いがあり、「にぎりめし」は、第三番目の意であるから、「○○むすび」は「○○おにぎり」ではないし、本願商標が指定商品「調味料(香辛料)」に使用された場合は、複数の意味合いが生じることから、本願商標は特定の観念が生じない一種の造語である旨主張する。
しかしながら、本願商標を構成する「むすび」の文字が、たとえ、複数の意味合いを有し、「にぎりめし」の意味が「広辞苑第7版」において第三番目に掲載されているとしても、本願の指定商品を含む食品業界において、「塩むすび」の文字が「塩で味付けしたおにぎり」を指称する商品等の名称として広く一般に使用されていること、また、「おにぎり(おむすび)用」とうたう塩や調味料が製造、販売されていることからすると、「○○むすび」の文字に接する取引者、需要者は、これより容易に「にぎりめし(おにぎり、おむすび)」を認識するといい得るものである。
イ 請求人は、過去の登録例を挙げ、本願も同様に登録されるべきである旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項各号の規定に該当するか否かは、当該商標の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様や取引の実情を踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げた登録例と本願商標とは、判断時期や指定商品が異なるものであることに加えて、請求人の主張するウェブサイト情報数件をもって、これら登録例の判断時期における自他商品識別力の有無を判断し得るものとはいえないことから、本願とは、事案を異にするものというべきであり、これら登録例が存在することをもって、本願商標の上記判断が左右されるものではない。
ウ したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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