商標拒絶査定不服審判
2023-012732
コキャクカクトクガタセミナー、コキャクカクトクガタ
- 審判番号
- 2023-012732
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-086485
- 請求日
- 2023年07月28日
- 審決日
- 2025年03月19日
- 公報発行日
- 2025年06月27日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】遠藤晃顧客教育研究所株式会社
- 【請求人代理人】米田 恵太
- 審判長/審判官
- 審判長 鈴木 雅也
- 審判官 馬場 秀敏
- 審判官 吉田 聡一
- 分類
- T18 .13 -Z (W35) / T18 .272-Z (W35)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022-86485拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和4年7月26日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年12月13日付け:拒絶理由通知書
令和5年 1月17日 :意見書、手続補正書の提出
令和5年 6月16日付け:拒絶査定
令和5年 7月28日 :審判請求書の提出
令和6年11月26日付け:審尋
令和7年 1月 7日 :回答書の提出
2 本願商標
本願商標は、「顧客獲得型セミナー」の文字を標準文字で表してなり、第35類及び第41類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として登録出願されたものであって、その後、指定役務については、上記1の手続補正書により、第35類「経営の診断又は経営に関する助言」と補正されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定は、「本願商標は「顧客獲得型セミナー」の文字を標準文字で表してなるところ、別掲1の事例を参照すれば、当該文字は「受講者の顧客化を目的とするセミナー」ほどの意味合いで使用されている実情がうかがえ、また、当該セミナーの運営方法などについて学ぶための教材の提供や、講座・セミナー等が開催されている実情があり、本願商標をその指定役務に使用した場合、これに接する需要者は、「顧客獲得型セミナー(受講者の顧客化を目的とするセミナー)に関する役務」であること、すなわち、単に役務の質を普通に用いられる方法で表示したものとして認識するというべきであるから、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記意味合いに照応する役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
4 当審における審尋
当審において、令和6年11月26日付け審尋により、別掲2及び3に掲げる事実を提示した上で、本願商標が、その指定役務との関係において、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、請求人に対し、意見を求めた。
5 審尋に対する請求人の意見(要旨)
本願商標「顧客獲得型セミナー」は、これに接した本願指定役務の取引者、需要者は、受講者の顧客化を目的とするセミナーを表すなどの言葉と受け取るとしても、「顧客獲得型セミナー」は「コンサルティングの具体的な範囲や目的」などを表すものとして一般に用いられている言葉ではないため、新たに造られた言葉として理解されるものである。加えて、合議体が示す審尋のインターネット情報からでは、「顧客獲得型セミナー」と「経営の診断又は経営に関する助言」との役務とが密接に関連すると判断できないことからも、「顧客獲得型セミナー」との文字は、経営コンサルティングなど(経営の診断又は経営に関する助言など)の役務には密接に関連せず、本願商標「顧客獲得型セミナー」は自他役務を識別する機能がないということはできない。
6 当審の判断
(1)本願商標の商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、「顧客獲得型セミナー」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「顧客」の文字は「おとくいの客。」を、「獲得」の文字は「手に入れること。得ること。」を、「型」の文字は「名詞と形容詞の語幹の下に付いて、ある性質・特徴・形式をもっていることを表す。」を、「セミナー」の文字は「一般に、講習会。」をそれぞれ意味する語として知られているものである(「広辞苑 第七版」(岩波書店)、「デジタル大辞泉」(小学館))。
そして、原審で示した事例(別掲1)のとおり、「顧客獲得型セミナー」の文字は、ビジネスに関する分野において、「受講者の顧客化を目的とするセミナー」ほどを意味する語として広く用いられている実情が認められる。
ところで、補正後の本願指定役務である「経営の診断又は経営に関する助言」は、いわゆる経営コンサルティング事業者が提供する役務と解されるところ、別掲2のインターネット情報によれば、「顧客獲得」は、「経営の診断又は経営に関する助言」の役務の対象とする経営に関する主要な課題の一つである実情がうかがえる。
また、別掲3によれば、いわゆる経営コンサルティング事業者が、顧客の行う経営に関するセミナーの企画・開催等支援を内容とする経営に関する助言をも行っており、またこれに照らせば、本願指定役務との関係で「セミナー」の語も広く用いられている実情があることが認められる。
以上のことを踏まえると、「顧客獲得型セミナー」の文字からなる本願商標を、補正後の指定役務「経営の診断又は経営に関する助言」に使用した場合、「顧客獲得型セミナー」が、顧客獲得という経営の目的のための手段の一つであり、当該役務の提供者がセミナーの企画・開催等支援を内容とする経営に関する助言をも行っており、また当該役務との関係で「セミナー」の語も広く用いられていることとの関係から、当該役務と密接に関連するものというのが相当であるから、これに接する取引者、需要者は、「経営の診断又は経営に関する助言」の対象・内容が、「顧客獲得型セミナー(受講者の顧客化を目的とするセミナー)に関するものであること」ほどの意味合い、すなわち役務の質(内容)を表していることを理解するにとどまり、自他役務識別標識としては認識しないものというのが相当である。
したがって、本願商標は、前記指定役務との関係において、役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものというべきであり、商標法第3条第1項第3号に該当し、また、前記意味合いに照応する役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、「「顧客獲得型セミナー」は、これに接した本願指定役務の取引者、需要者は、受講者の顧客化を目的とするセミナーを表すなどの言葉と受け取るとしても、「コンサルティングの具体的な範囲や目的」などを表すものとして一般に用いられている言葉ではないため、新たに造られた言葉として理解されるものである。加えて、合議体が示す審尋のインターネット情報からでは、「顧客獲得型セミナー」との文字は、経営コンサルティングなど(経営の診断又は経営に関する助言など)の役務には密接に関連せず、本願商標「顧客獲得型セミナー」は自他役務を識別する機能がないということはできない。」旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が識別力を有するか否かの判断は、当該商標の構成やその指定役務に関する取引の事情を考慮して、当該商標の取引者、需要者によってどのように認識されるかを基準に判断すべきであるところ、前記(1)のとおり、各語の意味合い、及び「顧客獲得型セミナー」が顧客獲得という経営の目的のための手段の一つであり、「経営の診断又は経営に関する助言」の提供者がセミナーの企画・開催等支援を内容とする経営に関する助言をも行っており、かつ、「経営の診断又は経営に関する助言」の分野では「セミナー」の語が広く用いられていることとの関係からすれば、本願商標「顧客獲得型セミナー」を「経営の診断又は経営に関する助言」に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、これを自他役務の識別標識と認識するというよりは、「経営の診断又は経営に関する助言」の対象・内容が、「顧客獲得型セミナー(受講者の顧客化を目的とするセミナー)に関するものであること」ほどの意味合い、すなわち役務の質(内容)を表していることを理解するにとどまるというのが相当である。
したがって、請求人の上記主張は、採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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