商標拒絶査定不服審判
2023-012709
バレルエイジドティー、バレルエージドティー、バレルエージド
- 審判番号
- 2023-012709
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-053830
- 請求日
- 2023年07月28日
- 審決日
- 2024年07月09日
- 公報発行日
- 2024年09月27日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社佐藤園
- 【請求人代理人】入江 一郎
- 審判長/審判官
- 審判長 大森 友子
- 審判官 小俣 克巳
- 審判官 飯田 亜紀
- 分類
- T18 .13 -Z (W30)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、商標法第3条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022-53830拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和4年5月12日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年10月21日付け:拒絶理由通知書
令和4年12月13日 :意見書の提出
令和5年 1月 5日 :手続補正書及び上申書の提出
令和5年 2月22日 :上申書の提出
令和5年 3月 1日 :上申書の提出
令和5年 4月18日 :上申書の提出
令和5年 7月11日付け:拒絶査定
令和5年 7月28日 :審判請求書の提出
令和6年 2月20日付け:審尋
令和6年 4月 8日 :回答書の提出
令和6年 4月 9日 :上申書の提出
2 本願商標
本願商標は、「バレルエイジドティー」の文字を標準文字で表してなり、第30類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として登録出願されたものであり、指定商品については、前記1の原審における手続補正書において、第30類「茶を加味したアイスクリーム用凝固剤,茶を加味したホイップクリーム用安定剤,茶を加味した食品香料(精油のものを除く。),バーボン樽で熟成した茶,シェリー樽で熟成した茶,ビール樽で熟成した茶,ワイン樽で熟成した茶,日本酒樽で熟成した茶,ウイスキー樽で熟成した茶,その他の茶,茶飲料,茶を加味した菓子(果物・野菜・豆類又はナッツを主原料とするものを除く。),茶を加味したパン,茶を加味したサンドイッチ,茶を加味した中華まんじゅう,茶を加味したアイスクリームのもと,茶を加味したシャーベットのもと,茶を加味した穀物の加工品,茶を加味した即席菓子のもと」と補正されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要点
原審において、「本願商標は、「バレルエイジドティー」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「バレル」の文字は、「(胴の膨れた)樽」の意味を有する「barrel」の文字を、「エイジド」の文字は、「熟成した」の意味を有する「aged」の文字を、それぞれ片仮名で表示したものであるから、本願商標は全体として「樽で熟成した茶」程の意味合いを理解させる。そして、茶を取り扱う業界においては、ウイスキー樽等の樽で熟成した茶が取引されている実情が認められ、それらの中には当該商品について紹介する際に、「BARREL AGED」の文字が使用されている例も認められる。そうすると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、当該商品が、樽で熟成した茶(を使用した商品)であること、すなわち、商品の品質を表示したものと認識するにとどまるものであって、自他商品の識別標識としては認識し得ないものというべきである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、拒絶したものである。
4 当審における審尋
当審において、前記1の審尋により、別掲1及び別掲2に掲げる事実を記載した上で、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとの暫定的見解を示し、期間を指定した上で請求人に対し意見を求めた。
5 審尋に対する請求人の回答(要旨)
(1)英辞郎ontheWEB(https: //eow.alc.co.jp/search?q=barrel-aged)に「barrel-aged」の意が記載されており、「バレルエイジドテイー」のカタカナの「バレルエイジド」を「barrel」と「aged」の間をハイフンーで結んだ「barrel-aged」を想起し、「たる熟成の、たる(の中)で熟成させた」の意と認識する者がいるとしても、それは本願指定商品に係る平均的な取引者、需要者ではなく高度な英語の知識を有する例外に属する者であり、我が国において、当該「barrel-aged」の文字が「たる熟成の、たる(の中)で熟成させた」の意を表す形容詞として一般的に認識されているとはいえないから、これより、特定の観念は生じない。
(2)別掲1の用例は、ワイン、ウイスキー、コーヒー等のお酒、コーヒーを含む広範囲な飲食料品の分野において判断しているが、本願の指定商品である第30類「茶、茶飲料等」とシロップ、サワー、コーヒー、ビール、ジンは、その商品の品質・用途及び取引者、需要者層を著しく異にするから、用例は、本願指定商品の分野に限るべきである。
(3)審尋では、「本願商標の指定商品に使用する場合、「樽で熟成させた茶若しくは紅茶」「樽で熟成させた茶葉を使用した茶若しくは紅茶」「樽で熟成させた茶若しくは紅茶を使用した商品」「樽で熟成させた茶葉を使用した茶若しくは紅茶を使用した商品」という商品の品質を表示したものと認識、理解させる。」と判断しているが、「茶若しくは紅茶」では商品が特定されていないから(緑茶なのか紅茶なのかウーロン茶なのか不明)、商品の品質等を具体的かつ直接的に表したものではないし、そもそも8つの意味合いを想起させるといっているものであり、商品の内容を特定できるものとはいえない。
6 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号について
商標法第3条第1項第3号が「その商品の産地、販売地、品質、原材料を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標」は商標登録を受けることができない旨規定する趣旨は、このような商標は、商品の産地、販売地その他の特性を表示記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示としてなんぴともその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのを公益上適当としないものであるとともに、一般的に使用される標章であって、多くの場合自他商品識別力を欠き、商標としての機能を果たし得ないものであることによると解され(最高裁昭和53年(行ツ)第129号 昭和54年4月10日第三小法廷判決)、本願商標が商標法3条1項3号に該当するというためには、本件審決日当時において、本願商標がその指定商品との関係で商品の内容(品質)を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、本願商標の取引者、需要者によって本願商標がその指定商品に使用された場合に、将来を含め、商品の内容(品質)を表示したものと一般に認識されるものであれば足り、それが一般に用いられていた実情があったことまでを必要とするものではないというべきである(知財高裁平成27年(行ケ)第10107号 同年9月28日判決言渡)。
(2)商標法第3条第1項第3号該当性について
ア 本願商標は、前記2のとおり、「バレルエイジドティー」の文字を標準文字により表してなるところ、その構成中、「バレルエイジド」の文字は「たる熟成の、たる(の中)で熟成させた」を意味する英語「barrel-aged」(英辞郎ontheWEB:https://eow.alc.co.jp/search?q=barrel-aged)の表音を片仮名表記したものと看取し得るものであり、「ティー」の文字は「(乾燥・加工した)茶の葉」(「ランダムハウス英和辞典第2版」株式会社小学館)、「紅茶。(一般に飲料用の)お茶。(紅)茶の葉。」(「プログレッシブ英和中辞典 第5版」株式会社小学館)を意味する英語「tea」の表音を片仮名表記したものと看取し得るものであるから、その構成全体からは「樽で熟成させた紅茶、お茶、茶の葉」の意味合いを看取し得るものといえる。
イ そして、本願の指定商品を含む飲食料品を取り扱う分野では、「バレルエイジド○○」(○○は、飲料名等。以下同じ。)、「バレルエイジド」の文字及びこれらに通ずる「Barrel Aged ○○」、「Barrel Aged」の文字が、当該文字の説明があるとしても「樽で熟成させた○○」「樽で熟成させた商品」の意味合いで使用されている事実が見受けられ(原審における用例及び別掲1)、その中には、樽で熟成させた茶葉を使用した茶や紅茶若しくは樽で熟成させた紅茶も存在している(原審における用例及び別掲2)。
ウ 上記の事実に照らすと、上記意味合いを有する本願商標をその指定商品中「バーボン樽で熟成した茶,シェリー樽で熟成した茶,ビール樽で熟成した茶,ワイン樽で熟成した茶,日本酒樽で熟成した茶,ウイスキー樽で熟成した茶,その他の茶,茶飲料」に使用された場合、「樽で熟成させた茶若しくは紅茶」、「樽で熟成させた茶葉を使用した茶飲料若しくは紅茶飲料」を一般的に表示するものとして、需要者又は取引者に認識されるというものであり、熟成させる樽の使用状況や茶葉の具体的種類等を詳細に論じるまでもなく、本願商標は、商品の品質を表示するものというのが相当である。
したがって、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(3)請求人の主張について
ア 英辞郎ontheWEB(https: //eow.alc.co.jp/search?q=barrel-aged)に「barrel-aged」の意が記載されているからといって、「バレルエイジドテイー」のカタカナの「バレルエイジド」を「barrel」と「aged」の間をハイフンーで結んだ「barrel-aged」を想起し、「たる熟成の、たる(の中)で熟成させた」の意と認識する者がいるとしても、それは本願指定商品に係る平均的な取引者、需要者ではなく高度な英語の知識を有する例外に属する者であり、我が国において、当該「barrel-aged」の文字が「たる熟成の、たる(の中)で熟成させた」の意を表す形容詞として一般的に認識されているとはいえないから、これより、特定の観念は生じない旨主張する。
しかしながら、「barrel-aged」の語が、「たる熟成の、たる(の中)で熟成させた」を意味する英語として辞書に掲載されており、本願の指定商品を含む飲食料品を取り扱う分野において、当該語に通ずる「Barrel Aged」、「バレルエイジド」の文字が、辞書に記載されている意味合いで使用されていることは別掲1のとおりであるから、本願の指定商品に接する需要者等が当該意味合いを認識することができないものとはいい難い。
イ 請求人は、別掲1の用例は、ワイン、ウイスキー、コーヒー等のお酒、コーヒーを含む広範囲な飲食料品の分野において判断しているが、本願の指定商品である第30類「茶、茶飲料等」とシロップ、サワー、コーヒー、ビール、ジンは、その商品の品質・用途及び取引者、需要者層を著しく異にするから、用例は、本願指定商品の分野に限るべきである旨主張する。
しかしながら、別掲3のように、ジンをはじめとするアルコール飲料と茶飲料等の双方を製造、販売している者、メープルシロップ、ワイン、ビール、コーヒー等と茶及び紅茶等を同一店舗で販売している者が少なくなく、その需要者も一般需要者で共通していることからすると、ジンをはじめとするアルコール飲料、メープルシロップ、コーヒー等と茶、紅茶等の飲料は、商品の製造や販売、そして需要者を同じくする場合もあるといえるものであるから、上記(2)イを認定するにあたり、別掲1を援用することは不適切とはいえない。
ウ したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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