商標拒絶査定不服審判
2023-012503
ナダイカメイドギョウザ、ナダイカメードギョーザ、カメイドギョウザ、カメードギョーザ
- 審判番号
- 2023-012503
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-114370
- 請求日
- 2023年07月25日
- 審決日
- 2024年01月30日
- 公報発行日
- 2024年04月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】亀戸ぎょうざ株式会社
- 【請求人代理人】岡村 太一
- 【請求人代理人】黒瀬 泰之
- 審判長/審判官
- 審判長 豊瀬 京太郎
- 審判官 板谷 玲子
- 審判官 白鳥 幹周
- 分類
- T18 .13 -Z (W3043) / T18 .272-Z (W3043) / T18 .17 -Z (W3043)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法3条2項商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第2項、商標法第3条第1項第3号、商標法第4条第1項第16号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022-114370拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和4年10月5日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年 1月11日付け:拒絶理由通知書
令和5年 3月24日 :意見書の提出
令和5年 4月19日付け:拒絶査定
令和5年 7月25日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第30類「ぎょうざ,冷凍ぎょうざ,使用する野菜の100%が日本国産であるぎょうざ,使用する野菜の100%が日本国産である冷凍ぎょうざ」及び第43類「ぎょうざを主とする飲食物の提供,ぎょうざの提供,使用する野菜の100%が日本国産であるぎょうざを主とする飲食物の提供,使用する野菜の100%が日本国産であるぎょうざの提供」を指定商品及び指定役務として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、ややデザイン化された「名代」の文字と「亀戸ぎょうざ」の文字を二段に書してなるものであるが、最近の商業広告等では、文字をデザイン化する手法が用いられていることを考慮すると、これは普通に用いられる方法の域を脱していないものである。
そして、その構成中、「名代」の文字は「名前を知られていること。評判の高いこと。また、そのさま。」を、「亀戸」の文字は「東京都江東区北東部の商工業地。」を意味する語であり、また、「ぎょうざ」の文字は、商品の普通名称として使用されているものである。
そうとすれば、本願商標をその指定商品及び指定役務に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、該商品が「評判の高い東京都江東区地域で製造又は販売されるぎょうざ」であること、又は、該役務の提供の用に供するものが、「評判の高い東京都江東区地域で製造又は販売されるぎょうざ」であることを認識、理解するにとどまるものであるから、本願商標は、単に商品の産地・販売地、品質、又は、役務の提供の用に供するものを普通に用いられる方法で表示するにすぎないものといわざるを得ない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、また、「評判の高い東京都江東区地域で製造又は販売されるぎょうざ」と何ら関係のない商品及び役務に使用するときは、商品の品質及び役務の質の誤認を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。
(2)商標法第3条第2項に規定する要件を具備するか否かについて
出願人の提出した証左においては、本願商標を使用した商品の販売数・売上高や、使用地域、宣伝広告の方法・回数及び内容、一般紙・業界紙等における記事掲載の回数及び内容などを示すものがないため、これによっては、本願商標が、その使用の結果、出願人の業務に係る商品及び役務を表示するものであると、需要者が認識することができるものになっているとはいえない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第2項の要件を具備するものとはいえない。
4 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、別掲1のとおり、「名代」の文字と「亀戸ぎょうざ」の文字を、毛筆体風の書体で上下二段に横書きしてなるものであるところ、一般に、商品又は役務に標章等を使用する際に、様々なデザイン化が行われている現状にあっては、本願商標の構成態様が特殊な態様であるとはいい得ないものであって、これが看者に「名代」及び「亀戸ぎょうざ」の文字を表したものであるという以上の格別の印象を与えるものともいうべき事情も見当たらないことからすると、本願商標は、それに接する取引者、需要者において、「名代」の文字と「亀戸ぎょうざ」の文字を普通に用いられる方法の範囲内で表示したものと理解、認識されるにすぎないというのが相当である。
そして、本願商標の構成中「名代」の文字は、「名高いこと」(出典:「広辞苑 第七版」株式会社岩波書店)などを意味する語であり、飲食物の提供を行う分野を中心に、その店が例えば「名高い店」であることを表現するための誇称的な表示として、広く一般的に使用されているものであって、かつ、別掲2の情報にあるように、「飲食物の名称・種類」や「地域名」などの、自他商品役務の識別機能を有しないと考えられる文字と結合して使用されることも少なくないものである。
また、同構成中、「亀戸」の文字は「東京都江東区北東部の地区」(出典:同上)を指称する語であり、「ぎょうざ」の文字は、本願の指定商品及び指定役務との関係において、商品の普通名称若しくは品質又は役務の質を表示したといえるものであるから、「亀戸ぎょうざ」の文字よりは、「東京都江東区の亀戸地域において製造、販売等されるぎょうざ」ほどの意味合いが容易に理解、認識できるものというのが相当である。
そうすれば、本願商標をその指定商品及び指定役務に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、その商品が、又は、その役務において主として提供される飲食物が「東京都江東区の亀戸地域において製造、販売等されるぎょうざ」であることを誇称的に表示したものであると理解、認識するにとどまり、自他商品役務の識別標識としては認識し得ないというべきであるから、本願商標は、その商品の品質又は役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というのが相当である。
また、本願商標を、その指定商品及び指定役務中、「東京都江東区の亀戸地域において製造、販売等されるぎょうざ」以外の商品又はそれを提供する役務以外の役務に使用するときは、その商品が、又は、その役務において主として提供される飲食物が、あたかも「東京都江東区の亀戸地域において製造、販売等されるぎょうざ」であるかのごとく、商品の品質又は役務の質の誤認を生ずるおそれがある商標というべきである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)商標法第3条第2項に規定する要件を具備するか否かについて
請求人は、本願商標は、その指定商品及び指定役務の分野において、請求人の商品及び役務の出所表示として全国的に認識されている旨主張し、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第61号証(以下、表記に当たっては「甲○」(「○」部分は数字)のように省略して記載する。)を提出しているところ、上記証拠及び請求人の主張によれば、以下のとおりである。
ア 請求人は、1955年(昭和30年)から現在に至るまで、「亀戸ぎょうざ」若しくは「亀戸餃子」の文字からなる商標又はそれらの文字を含む商標を使用し、東京都江東区及び同墨田区において、役務「ぎょうざの提供」ないし「ぎょうざを主とする飲食物の提供」を継続的に行っている(請求人の主張、甲26、甲27、甲30 ほか)。また、遅くとも1990年(平成2年)から、同地域において商品「ぎょうざ」の製造、販売を行っている(甲45 ほか)。
イ 請求人は、遅くとも1999年(平成11年)から現在に至るまで、毛筆体風の「名代」の文字と「亀戸ぎょうざ」の文字とを組み合わせてなる商標を使用し、東京都江東区及び同墨田区において、役務「ぎょうざの提供」「ぎょうざを主とする飲食物の提供」を行い、また、商品「ぎょうざ」の製造、販売を行っている(甲3ないし甲14、甲43)。
ウ 請求人は、2022年(令和4年)から、「亀戸ぎょうざ」若しくは「亀戸餃子」の文字からなる商標、及び、毛筆体風の「名代」の文字と「亀戸ぎょうざ」の文字とを組み合わせてなる商標を使用し、11都道府県において、商品「冷凍ぎょうざ」の販売を行っている(甲15ないし甲21)。
エ 請求人の提供する上記アないしウに係る商品及び役務(以下「本件商品役務」という。)の過去5年間の売上高は、毎年約4億4千万円ないし5億4千万円である(甲44)。
オ 1990年(平成2年)から2023年(令和5年)にかけて、全国的なものを含むテレビ番組や雑誌等において、本件商品役務が合計30回程度紹介された(請求人による主張、甲23ないし甲41、甲45ないし甲50、甲61)。
カ 上記アないしオによれば、請求人は、60年以上前から「亀戸ぎょうざ」又は「亀戸餃子」の文字からなる商標又はそれらの文字を含む商標を用いて、役務「ぎょうざの提供」ないし「ぎょうざを主とする飲食物の提供」を行っており、また、短く見積もっても約24年間、本願商標又はそれと同一性を損なわない程度の「名代」及び「亀戸ぎょうざ」の文字からなる商標を用いて、同役務を行うとともに、商品「ぎょうざ」の製造、販売を行っており、2年前よりは商品「冷凍ぎょうざ」の製造、販売も開始しているものであって、さらに、本件商品役務について、33年間で合計30回程度、テレビ番組や雑誌等において紹介されたことが認められる。
しかしながら、本件商品役務の販売・提供地域は、比較的最近に取扱いを開始した商品「冷凍ぎょうざ」を除き、東京都のごく一部の地域に限られており、また、本件商品役務の売上高が、同業他社のそれと比べて著しく高いものと判断することもできない上、請求人自身による本件商品役務の宣伝広告活動の状況は不明であって、テレビ番組や雑誌等における紹介についても、その回数などからすれば、我が国の全国の需要者に広く認識されていることが推認できるほどに、頻繁に又は大規模に行われていたとはいえないものである。
そして、需要者の認識度を客観的に示す証拠(アンケート結果など)は提出されていない。
以上のことからすると、提出された証拠をもってしては、本願商標が、その指定商品及び指定役務との関係において、使用をされた結果需要者が何人かの業務に係る商品及び役務であることを認識することができるに至っているとは認められないから、本願商標は、商標法第3条第2項に規定する要件を具備しない。
(3)請求人の主張について
ア 請求人は、過去の商標登録例を挙げつつ、本願商標は「普通に用いられる方法」の域を超えて表示されているものと判断されるべきである旨主張する。
しかしながら、本願商標の構成態様からすれば、それに接する取引者、需要者において、「名代」の文字と「亀戸ぎょうざ」の文字を普通に用いられる方法の範囲内で表示したものと理解、認識されるにすぎないというのが相当であることは、上記(1)のとおりであって、また、請求人の挙げた登録例は、商標の構成態様が本願商標とは異なるものである点において、本願とは、事案を異にするものというべきであり、過去の登録例が存在することをもって、上記判断が左右されるものでもない。
イ 請求人は、過去の審決例を挙げ、出願された商標が商標法第3条第2項に規定する要件を具備するものといえない場合であっても、ある程度知られていることや第三者の使用事実がないことなどを考慮し、自他商品役務の識別力の有無を判断するべきである旨主張する。
しかしながら、請求人の挙げた審決例は、商標の構成態様が本願商標とは異なるものである点において、本願とは、事案を異にするものというべきであり、また、過去の審決例が存在することをもって、上記判断が左右されるものではない。そして、本願商標が、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであって、また、商標法第3条第2項に規定する要件を具備するものともいえないことは、上記(1)及び(2)のとおりである。
ウ したがって、請求人の上記ア及びイの主張は、いずれも採用することができない。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであって、また、商標法第3条第2項に規定する要件を具備するものともいえないから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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