商標拒絶査定不服審判
2023-012460
ジアドミッションズオフィス、アドミッションズオフィス
- 審判番号
- 2023-012460
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-106245
- 請求日
- 2023年07月25日
- 審決日
- 2024年10月09日
- 公報発行日
- 2024年12月27日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社TAO
- 【請求人代理人】村上 博
- 審判長/審判官
- 審判長 板谷 玲子
- 審判官 馬場 秀敏
- 審判官 岩谷 禎枝
- 分類
- T18 .13 -Z (W35)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022-106245拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、「The Admissions Office」の文字を標準文字で表してなり、第35類に属する願書記載のとおりの役務(以下「原審役務」という。)を指定役務として、令和4年9月14日に登録出願されたものである。
本願は、令和5年3月3日付けで拒絶理由が通知され、同月22日付け意見書並びに同月24日付け意見書及び手続補正書が提出され、原審役務は、当該手続補正書にて、第35類「教育機関が行う入学者の募集及び選抜に関わる複数の業務を一括して管理するインターネットシステムによる入学者の募集に関する事務処理の代行,教育機関が行う入学者の募集及び選抜に関わる複数の業務を一括して管理するインターネットシステムによる入学者の募集に関する情報の提供に関する事務処理の代行,教育機関が行う入学者の募集及び選抜に関わる複数の業務を一括して管理するインターネットシステムを用いた事務処理の代行」(以下「原審補正役務」という。)に補正されたが、同年7月14日付けで拒絶査定され、これに対し、同月25日に拒絶査定不服審判が請求されたものである。
なお、原審において、令和5年3月22日付けで提出された手続補正書については、同月23日に、本願について、その要旨を変更するものであるとして、補正の却下の決定がなされている。
第2 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、以下の旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
本願商標は、「The Admissions Office」の文字を標準文字で表してなるところ、「the」の文字は、英語の定冠詞として一般に親しまれた語であり、また、「admissions office」の文字やその表音である「アドミッションズオフィス」の文字は、「大学で、学生の募集から選抜までの実質的な業務を遂行する入学事務局。」ほどの意味合いで広く使用されていることが認められる。
原審補正役務は、(コンピュータを用いた)事務処理の代行の範ちゅうの役務であって、一般的な事務の代行の役務であると解されるところ、入学事務局において、一般的な事務の代行の役務が行われているであろうことは、容易に想定し得るものである。
一般に、定冠詞「the」の文字は、同部分を省略してこれに続く文字部分が注目されることや、その有無により、意味が相違するものとして明確に区別されているとはいい難いこと、「大学で、学生の募集から選抜までの実質的な業務を遂行する入学事務局」ほどの意味合いで「admissions office」及び「アドミッションズオフィス」の各文字が広く使用されている取引の実情があること、入学事務局で一般的な事務の代行の役務が行われていることを併せ考慮すると、本願商標に接する取引者、需要者は、原審補正役務が入学事務局で提供される役務であることを表示するものと理解するにとどまり、役務の質、提供場所を表示する語と認識するため、自他役務識別標識として認識し得ない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
第3 当審の判断
1 本願商標の商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、「The Admissions Office」の文字を標準文字により普通に用いられる方法で表してなるところ、本願商標を構成する「The」、「Admissions」及び「Office」の各単語の間には、それぞれ1文字分のスペースが設けられているとしても、外観において、「The」の文字のみが注目されるような構成ではない。
また、本願商標の構成中の「The」の文字は、「(英語の定冠詞。母音の前での発音はジ)普通名称の前に付いて、同類のものの中で特に代表的・典型的なものとして強調する語。」(株式会社岩波書店発行「広辞苑第七版」)や「≪日本語には訳さないことも多い≫[前に述べた名詞をさして]その,この,あの,例の」(株式会社大修館書店発行「ベーシックジーニアス英和辞典 第2版」)などの意味を有する平易な英語であり、構成中の「Admissions Office」の文字は、別掲1のとおり、「大学で、学生の募集から選抜までの実質的な業務を遂行する入学事務局」ほどの意味合いを有する語であって、その片仮名表記である「アドミッション(ズ)オフィス」の文字を含め、多数の大学において使用されていることが認められる。
そして、原審補正役務の記載からすると、これに接する需要者は、主に教育機関の関係者であると想定し得ることからすると、本願商標は、その構成全体より、「(その、この、あの、例の)大学で、学生の募集から選抜までの実質的な業務を遂行する入学事務局」ほどの意味合いを容易に認識させるものと認められる。
加えて、別掲2のとおり、大学における入試や入学関連の事務を含む大学事務の代行の役務が提供されていることが認められる。
そうすると、本願商標を原審補正役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は、アドミッションズオフィス(Admissions Office)、すなわち、入学事務局の事務処理を代行して行う役務であることを強調表示したものと認識、理解するにすぎず、単に役務の質、提供場所を表示したものと理解するにとどまるから、本願商標は、自他役務の識別標識とは認められないと判断するのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は、原審補正役務は、従来社会一般に提供ないし実施されていたものではないし、第三者が実施することもできないのであって、これを単に「(コンピュータを用いた)事務処理の代行の範ちゅうの役務であって、一般的な事務の代行の役務」であると認定するのは、現実とは異なっており、妥当ではない旨主張する。
また、請求人は、本願商標は、その構成中に「The」を有する点及び原審補正役務は一般的な事務の代行ではない点などに鑑みれば、本願商標から看取される内容は抽象的なものであり、一般的な事務の代行のためにのみ用いられるということは想定できず、本願商標が原審補正役務の提供場所、質を記述的・具体的に表示しているとはいえないから自他識別力を有し、また、そもそも第三者が原審補正役務を行い得ない点などを考慮すれば独占適応性を有する旨主張する。
しかしながら、原審補正役務と同様の役務を請求人以外の者が将来にわたって、提供できないという合理的な理由はなく、インターネットシステムを利用した原審補正役務に係る事務処理の代行もまた、一般的な事務処理(大学の入学事務局で一般的に行われている事務処理)の代行の範ちゅうの役務と判断するのが相当である。
また、上記1のとおり、本願商標は、原審補正役務との関係では、アドミッションズオフィス(Admissions Office)、すなわち、入学事務局の事務処理を代行して行う役務であることを強調表示したものであると当該需要者に認識、理解されるにすぎないから、当該役務の質、提供場所を表示するものであるといえる。
そして、原審補正役務も一般的な事務処理(大学の入学事務局で一般的に行われている事務処理)の代行の範ちゅうの役務であり、将来においても、原審補正役務と同様の役務を第三者が実施できないというわけではないところ、商標法第3条第1項第3号は、取引者、需要者に指定役務の質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、該表示態様が、役務の質を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものである。
(2)請求人は、原審補正役務はいずれも「複数の業務を一括して管理するインターネットシステムを用いた事務処理の代行」なのであるから、わざわざ組織的にも物理的にも「入学事務局」を設ける必要すらないのであって、「入学事務局において」のみ行われるものではないから、これを単に「入学事務局において、一般的な事務の代行の役務(原審補正役務)が行われているであろうことは、容易に想定し得る」と認定するのは、現実とは異なっており、妥当ではない旨主張する。
しかしながら、上記第2のとおり、原査定は、「原審補正役務は、(コンピュータを用いた)事務処理の代行の範ちゅうの役務であって、一般的な事務の代行の役務であると解されるところ、入学事務局において、一般的な事務の代行の役務が行われているであろうことは、容易に想定し得るものである。」と認定したものであって、後半の「入学事務局において、一般的な事務の代行の役務が行われているであろうことは、容易に想定し得るものである。」は、別掲2のとおり、あくまでも入学事務局でも一般的な事務の代行の役務が行われているとの一般論を述べたにすぎない。
(3)請求人は、原審補正役務の需要者はいわゆる「一般需要者」ではなく「教育機関」であるから、当該需要者は、本願商標に接すれば「The」を明確に認識し、少なくとも何か特定の役務に使用するであろうことは容易に認識できる旨主張する。
しかしながら、上記1のとおり、本願商標の「The Admissions Office」は、標準文字で表されており、特段、「The」の文字が注目されるような外観構成ではないから、当該需要者となり得る教育機関の関係者においても、「The」の文字部分については、アドミッションズオフィス(Admissions Office)、すなわち、入学事務局の事務処理を代行して行う役務であることを強調表示したものと認識、理解するにすぎないというべきであって、殊更に「The」の文字部分のみを捉えて、本願商標が自他役務の識別標識としての機能を有すると判断するとは考え難いというべきである。
(4)請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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