商標拒絶査定不服審判
2023-012436
デジタルチケン
- 審判番号
- 2023-012436
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-074982
- 請求日
- 2023年07月25日
- 審決日
- 2024年09月24日
- 公報発行日
- 2024年12月27日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】アイリス株式会社
- 【請求人代理人】小笠原 匡隆
- 審判長/審判官
- 審判長 豊瀬 京太郎
- 審判官 清川 恵子
- 審判官 飯田 亜紀
- 分類
- T18 .13 -Z (W09384244) / T18 .272-Z (W09384244)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022-74982拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和4年6月29日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年 1月 5日付け:拒絶理由通知書
令和5年 2月17日 :意見書及び手続補正書の提出
令和5年 4月21日付け:拒絶査定
令和5年 7月25日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、「デジタル治験」の文字を標準文字で表してなり、第9類、第42類及び第44類に属する願書記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として登録出願されたものであるが、指定商品及び指定役務については、前記1の原審における手続補正書により、第9類、第38類、第42類及び第44類に属する別掲1の商品及び役務に補正されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要点
原審において、「本願商標は、「デジタル治験」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「デジタル」の文字は「世の中に存在するものや出来事などを、コンピュータで扱えるデータの形にした状態」、「治験」の文字は「製薬会社で開発中の医薬品や医療機器を患者や健康な人に使用してもらい、データを収集して有効性や安全性を確認する試験。」の意味を有する語である。ところで、近年デジタル‐トランスフォーメーションの推進によって、これまで以上にデジタル技術を利用する様々なサービスが提供されるようになり、今後もあらゆる分野における活用が期待されているところ、本願指定商品・指定役務を取り扱う業界においても、デジタル技術を用いた治験の試みが行われている実情があり、また、それらを「デジタル治験」と称している事実も見受けられる。そうすると、本願商標は、「デジタル技術を用いた治験」ほどの意味合いを、これを見る者に容易に理解されるものというのが相当であるから、本願商標を、その指定商品・指定役務中、「デジタル技術を用いた治験に関する商品・役務」に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、単に商品の品質・役務の質を普通に用いられる方法で表示したものとして認識するというべきである。また、本願商標を「デジタル技術を用いた治験に関する商品・役務」以外の商品・役務に使用するときは、商品の品質・役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるというべきである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品・役務以外の商品・役務に使用するときは、商品の品質・役務の質の誤認を生じるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、拒絶したものである。
4 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、前記2のとおり、「デジタル治験」の文字を標準文字により表してなるところ、その構成中、「デジタル」の文字は「情報や命令を、0と1〔=スイッチオフとスイッチオン〕の信号の集まりで表現する<こと/もの>」、「コンピュータを(めいっぱい)使うようす」(「三省堂国語辞典第8版」株式会社三省堂)等を意味する語であって、本願の指定商品及び指定役務との関係では、例えば、「デジタル医療」「デジタル治療」のように、他の語(○○)と結合した「デジタル○○」の態様で、「デジタル技術を用いた○○」ほどの意味を表現するものとして使用されているものである(別掲2)。
また、「治験」の文字は「治療のききめ(をしらべること)。」(前掲書)、「1治療のききめ。治療の効験。2 《「治療試験」の略》製薬会社で開発中の医薬品や医療機器を患者や健康な人に使用してもらい、データを収集して有効性や安全性を確認する試験。試験は国の基準を満たした医療機関で行われる。臨床治験。」(「デジタル大辞泉」株式会社小学館)の意味を有する広く知られた語である。
そして、原審説示のように、近年デジタル‐トランスフォーメーションの推進によって、これまで以上にデジタル技術を利用する様々なサービスが提供されるようになり、今後もあらゆる分野における活用が期待されているところ、本願の指定商品及び指定役務を取り扱う業界において、「デジタル技術を用いた治験」の試みが急速に広まりつつあることは請求人も認めるものであり、実際に、請求人以外の者により、「デジタル技術を用いた治験」を指称する語として「デジタル治験」の文字が多数の事業者により使用され、また、政府の重要施策の一つとしても位置づけられている(別掲3(3)等)ことは、原審における用例及び別掲3より認められるものである。
そうすると、このような状況の下、本願商標をその指定商品及び指定役務に使用する場合は、これに接する取引者、需要者に、「デジタル技術を用いた治験に関する商品・役務」という商品の品質及び役務の質を表示したものと、認識、理解させるにとどまり、本願商標は、自他商品及び自他役務の識別標識としての機能を有さないものというのが相当である。
したがって、本願商標は、商品の品質及び役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当し、本願商標を「デジタル技術を用いた治験に関する商品・役務」以外の商品及び役務に使用するときは、商品の品質及び役務の質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、本願商標の「デジタル」の文字部分は、「デジタル技術を用いた」の意味合いを認識させることはあり得ず、あくまで「電子的な」程度の意味合いを想起させるにとどまる旨主張する。
しかしながら、本願の指定商品及び指定役務との関係では、例えば、「デジタル医療」「デジタル治療」のように、「デジタル」の文字を他の語(○○)と結合した「デジタル○○」の態様で、「デジタル技術を用いた○○」ほどの意味を表現するものとして使用されていること、また、「デジタル技術を用いた治験」を指称する語として「デジタル治験」の文字が使用されていることは、上記(1)のとおりである。
したがって、請求人の上記主張は採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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