商標拒絶査定不服審判
2023-012379
スイミンカイゼンプログラム、スイミンカイゼン、カイゼンプログラム、カイゼン
- 審判番号
- 2023-012379
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-011484
- 請求日
- 2023年07月24日
- 審決日
- 2024年11月11日
- 公報発行日
- 2025年02月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】パラマウントベッド株式会社
- 【請求人代理人】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 大島 康浩
- 審判官 小林 裕子
- 審判官 大塚 正俊
- 分類
- T18 .13 -Z (W094244)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、特許法第150条第5項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022-11484拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和4年2月2日の登録出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年7月11日付け:拒絶理由通知書
令和4年8月24日:意見書の提出
令和5年4月19日付け:拒絶査定
令和5年7月24日:審判請求書の提出
令和6年3月5日付け:証拠調べ通知書
令和6年4月18日:意見書の提出
2 本願商標
本願商標は、「睡眠改善プログラム」の文字を標準文字で表してなり、第9類「電子計算機用プログラム」、第42類「電子計算機用プログラムの提供」及び第44類「睡眠に関する臨床検査データの分析及び分析結果に関する健康管理についての情報の提供,健康管理のための睡眠計測装置による計測データの解析及び解析データに基づく睡眠改善のための健康管理に関する助言及びコンサルティング,睡眠に関する健康管理についての相談,健康管理のための睡眠状態の測定,睡眠に関する健康管理のためのコンサルティング,インターネットを用いて行う睡眠に関する健康管理のための相談,睡眠を改善するための健康管理のための指導・助言」を指定商品及び指定役務として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、「本願商標は、「睡眠改善プログラム」と標準文字で表してなるところ、「睡眠」の文字は「ねむること。ねむり」の意味、「改善」の文字は「悪いところを改めてよくすること」の意味、「プログラム」の文字は「計画」の意味をそれぞれ有し、また、「睡眠改善プログラム」の文字を使用して、睡眠状況の改善による健康管理に関する助言やアプリケーション等が提供されている実情がうかがえることから、本願商標をその指定商品及び指定役務に使用しても、これに接する需要者及び取引者は、例えば、「睡眠状況をよくする計画のための電子計算機用プログラム」等、「睡眠状況をよくするための計画に関する商品又は役務」と認識するにすぎず、単に商品の品質又は役務の質を普通に用いられる方法で表示するものと判断するのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
4 当審における証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを実施した結果、別掲1及び別掲2(1)ないし(10)に示したとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対して、証拠調べの結果を通知した。
5 証拠調べに対する請求人の意見の要点
証拠調べ通知書に示された新聞記事、書籍、インターネット情報については、睡眠を改善するための商品(コンピュータプログラム等)や役務を表すものとして、「睡眠改善プログラム」が用いられているとまではいえないものであって、本願商標「睡眠改善プログラム」が、特定の品質を持った商品、特定の質を備えた役務のことを表すために、本願商標の指定商品又は指定役務を扱う業界において、一般的に用いられていることの証拠とはなり得ない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号の規定には該当しない。
6 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号の趣旨
商標法第3条第1項第3号に掲げる商標が、商標登録の要件を欠くとされているのは、このような商標は、指定商品又は指定役務との関係で、その商品の品質、その役務の質等その他の特性を表示記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのを公益上適当としないものであるとともに、一般的に使用される標章であって、多くの場合自他商品又は自他役務の識別力を欠き、商標としての機能を果たし得ないものであることによるものと解される。
そうすると、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するというためには、本件審決時において、本願商標がその指定商品又は指定役務との関係で、商品の品質、役務の質等その他の特性を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、本願商標がその指定商品又は指定役務に使用された場合に、将来を含め、指定商品又は指定役務の取引者、需要者によって商品又は役務の上記特性を表示したものと一般に認識されるものであれば足りると解される(最高裁昭和53年(行ツ)第129号判決、平成26年(行ケ)第10056号判決、平成27年(行ケ)第10107号判決、平成27年(行ケ)第10232号判決参照)。
(2)本願商標の商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、前記2のとおり、「睡眠改善プログラム」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「睡眠」の文字は「ねむること。ねむり」(出典:「広辞苑 第七版」岩波書店)の意味を、「改善」の文字は「悪いところを改めてよくすること。」(前掲書)等の意味を有し、「プログラム」の文字は「計画」(前掲書)の意味をそれぞれ有する語であるから、構成全体として「睡眠を改善するための計画」ほどの意味合いを容易に理解させる。
そして、原審において示された事実及び当審における職権による調査によれば、本願の指定商品及び指定役務を取り扱う業界において、睡眠改善を図るための計画(健康管理)を実施するための指導・助言や相談等がなされ、また、睡眠改善を図るための計画(健康管理)を実施するための商品(コンピュータプログラム等)が開発されている事実(別掲1)、及び、そのような商品や役務を表すものとして、「睡眠改善プログラム」や、「睡眠改善」及び「プログラム」の文字が使用されている事実(別掲2)が見受けられる。
このような実情を踏まえると、本願商標は、これをその指定商品及び指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「睡眠改善を図るための計画(健康管理)を実施するための商品(コンピュータプログラム等)」又は「睡眠改善を図るための計画(健康管理)を実施するための役務(相談や助言等)」であると認識するというのが相当である。
そうとすると、本願商標は、その指定商品及び指定役務との関係において、商品の品質又は役務の質を表示したものとして一般に認識されるものであって、特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適当ではなく、自他商品又は自他役務の識別力を欠くというべきである。
したがって、本願商標は、商品の品質又は役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(3)請求人の主張について
ア 請求人は、証拠調べ通知書に示された新聞記事、書籍、インターネット情報については、睡眠を改善するための商品(コンピュータプログラム等)や役務を表すものとして、「睡眠改善プログラム」が用いられていることまでは認められないものであって、本願商標「睡眠改善プログラム」が、特定の品質を持った商品、特定の質を備えた役務のことを表すために、本願商標の指定商品又は指定役務を扱う業界において、一般的に用いられていることの証拠とはなり得ない旨主張する。
しかしながら、本願の指定商品及び指定役務を取り扱う業界において、睡眠改善を図るための計画(健康管理)を実施するための指導・助言や相談等がなされ、また、睡眠改善を図るための計画(健康管理)を実施するための商品(コンピュータプログラム等)が開発されている事実、及び、そのような商品や役務を表すものとして、「睡眠改善プログラム」や、「睡眠改善」及び「プログラム」の文字が使用されている実情があることは、上記(2)のとおりである。
また、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するというためには、本件審決時において、本願商標が指定商品及び指定役務との関係で、将来を含め、その取引者、需要者によって商品の品質又は役務の質を表示するものと一般に認識されるものであれば足りることは、上記(1)のとおりである。
イ 請求人は、過去における登録例を挙げて、本願商標も登録されるべき旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標がその指定商品及び指定役務との関係において、自他商品又は役務の識別標識として機能し得るか否かは、当該商標の構成態様と指定商品及び指定役務との関係や取引の実情をも踏まえて個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の示す登録例と本願商標とは、構成態様や指定商品及び指定役務が異なり、事案を異にするものであり、本願商標が自他商品及び役務の識別力を欠くものであることは、上記(2)のとおりであるから、登録例があるからといってその判断が左右されることはない。
ウ したがって、請求人による上記主張は、いずれも採用することができない。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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