商標拒絶査定不服審判
2023-011738
プロフェッショナルスクラムマスター、スクラムマスター、プロフェッショナルスクラム
- 審判番号
- 2023-011738
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-043040
- 請求日
- 2023年06月26日
- 審決日
- 2023年12月26日
- 公報発行日
- 2024年03月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社アーク
- 審判長/審判官
- 審判長 豊瀬 京太郎
- 審判官 板谷 玲子
- 審判官 白鳥 幹周
- 分類
- T18 .13 -Z (W163541) / T18 .272-Z (W163541)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、商標法第4条第1項第16号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022- 43040拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和4年3月30日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年 8月18日付け:拒絶理由通知書
令和4年11月 4日 :意見書の提出
令和5年 3月23日付け:拒絶査定
令和5年 6月26日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、「Professional Scrum Master」の文字を標準文字で表してなり、第16類、第35類及び第41類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
本願商標は、「Professional Scrum Master」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「Professional」の文字は、「専門的。職業的。専門家。職業としてそれを行う人。」を意味する語である。
また、IT関連の分野において、「スクラムマスター」の文字は、「スクラム開発(アジャイル開発)において責任者としてチームのマネジメントを担う職種」ほどの意味合いを有し、前記「スクラムマスター」のための研修や資格試験が提供されている実情が認められる。
そうすると、本願商標は、全体として、「プロのスクラムマスター」ほどの意味合いを容易に認識させるものであり、これをその指定商品・指定役務中、例えば、「プロのスクラムマスター(の資格試験)のための教材」、「プロのスクラムマスターになるための(が提供する)知識の教授」等、「プロのスクラムマスターに関する(が提供する)商品・役務」に使用しても、これに接する需要者、取引者は、商品の品質又は役務の質を表したものと理解するにとどまるといえるから、本願商標は、単にその商品の品質又は役務の質を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものといえる。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記文字に照応する商品及び役務以外の商品及び役務に使用するときは、商品の品質又は役務の質の誤認を生ずるおそれがありますから、商標法第4条第1項第16号に該当する。
4 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、「Professional Scrum Master」の文字を標準文字で表してなるものである。
そして、その構成中の「Professional」の文字は、「専門的。職業的。専門家。職業としてそれを行う人。」(出典:「広辞苑 第七版」株式会社岩波書店)などを意味する語であるところ、別掲1の情報にあるように、「Professional」の文字や、これに通じる「プロフェッショナル」の文字は、資格の認定や講座などに関連する分野において、その資格や講座などが「専門的なもの」であることを表現するための語として、広く使用されている実情が認められる。
また、原審提示の情報にあるように、コンピュータやIT関連の分野において、本願商標の構成中の「Scrum」の文字は、「ソフトウェア開発手法の一つで、チームが一丸となって仕事に取り組むための方法論を中心にまとめられた方式。少人数で迅速に開発を進める、いわゆるアジャイルソフトウェア開発手法の一つ。」を指称する語として、また、「Master」の文字は、「人物や技能などの文脈では、ある分野や対象についての知識や技能を体系的に習得することや、一定の学習や経験を積んで熟達した人」を指称する語として、それぞれ使用され、理解されているものであって、さらに、これらを組み合わせた「Scrum Master」の文字や、これに通じる「スクラムマスター」の文字は、同分野において、アジャイルソフトウェア開発の手法の一つである「Scrum」における役割の一つを表すものとして使用され、理解されているものであり、かつ、その役割ための研修や資格試験が提供されている実情も認められる。
以上のことを総合的に勘案すれば、本願商標は、「専門的な、アジャイルソフトウェア開発の手法の一つである「Scrum」を修得した者ないし「Scrum」に熟達した者」や「専門的なスクラムマスター(アジャイルソフトウェア開発の手法の一つである「Scrum」における役割の一つ)」ほどの意味合いを認識させるものというのが相当であり、これをその指定商品及び指定役務中、別掲2の商品及び役務に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、それが「アジャイルソフトウェア開発の手法の一つである「Scrum」を修得することや、「Scrum」における特定の役割に関する商品又は役務であって、専門的なもの」であること、すなわち、商品の品質又は役務の質を表示したものと認識するにとどまり、自他商品役務の識別標識としては認識し得ないというべきであるから、本願商標は、その商品の品質又は役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というのが相当である。
また、本願商標を、その指定商品及び指定役務中、上記商品及び役務以外の別掲2の商品及び役務に使用するときは、商品の品質又は役務の質の誤認を生ずるおそれがあるというべきである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標に接した需要者等が認識できるのは、「プロ」という極めて抽象的な観念であり、これが直ちに具体的な役務の内容を認識させるとはいえず、また、識別力が弱いか、あるいは無い文字をまとまりよく一体に表してなる造語といえる本願商標は、全体が常に不可分一体のものとして取引者、需要者に認識されるというべきである旨主張する。
しかしながら、本願商標は、その構成上、「Professional」「Scrum」及び「Master」の3語からなるものであると容易に看取されるものであって、また、上記(1)のとおり、これら各語の意味若しくは使用実情、並びに、「Scrum Master」の文字に係る実情を踏まえれば、本願商標をその指定商品及び指定役務中、別掲2の商品及び役務に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、それが「アジャイルソフトウェア開発の手法の一つである「Scrum」を修得することや、「Scrum」における特定の役割に関する商品又は役務であって、専門的なもの」であるという、商品の品質又は役務の質を表示したものと認識するにとどまり、自他商品役務の識別標識としては認識し得ないというのが相当である。
イ 請求人は、その構成中に「Scrum Master」又は「SCRUMMASTER」の文字を有する過去の登録例を挙げ、本願商標についてもそれらと同様に登録を認められるべきである旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるか否かの判断は、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品・指定役務との関係や、その商品又は役務の分野における取引の実情をも踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げた登録例は、商標の構成態様が本願商標とは異なるものである点において、本願とは、事案を異にするものというべきであり、また、過去の登録例が存在することをもって、上記判断が左右されるものではない。
ウ したがって、請求人の上記ア及びイの主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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