商標拒絶査定不服審判
2023-011697
トーキョーエキリフレクションショット、トーキョーエキ、エキリフレクションショット、リフレクションショット
- 審判番号
- 2023-011697
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-048562
- 請求日
- 2023年07月12日
- 審決日
- 2024年05月09日
- 公報発行日
- 2024年07月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社QONQ
- 【請求人代理人】古岩 信嗣
- 審判長/審判官
- 審判長 豊瀬 京太郎
- 審判官 板谷 玲子
- 審判官 田中 瑠美
- 分類
- T18 .13 -Z (W41)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、商標法第3条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022- 48562拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和4年4月13日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年 9月22日付け:拒絶理由通知書
令和5年 3月10日 :意見書、手続補正書の提出
令和5年 5月 9日付け:拒絶査定
令和5年 7月12日 :審判請求書の提出
令和6年 2月 8日付け:審尋
令和6年 3月22日 :回答書の提出
2 本願商標
本願商標は、「東京駅リフレクションショット」の文字を普通に用いられる方法で横書きしてなり、第41類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として登録出願され、その後、指定役務については、原審における上記1の手続補正書により、第41類「写真の撮影,ビデオ・映像の撮影,写真用又は映像用のスタジオの提供,インターネットとSNSを利用した写真・ビデオ・映像の撮影に関する情報の提供,写真画像データと映像データの記録媒体への複製,写真画像データと映像データを記録した記録媒体の原盤の編集・制作」と補正されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
本願商標は、「東京駅リフレクションショット」の文字を普通に用いられる方法で横書きしてなるところ、その構成中の「東京駅」の文字は、「東京都千代田区にあるJRの旅客駅。」の意味を、「リフレクション」の文字は、「光・熱などの反射や、音の反響。」等の意味を、「ショット」の文字は、「写真で、シャッターを切ってカメラに収めること。」等の意味をそれぞれ有するものである。
そして、例えば、人物や景色を水面に反射させた写真が「リフレクションショット」と称されている実情にあり、また、東京駅での前撮り写真の撮影において、「リフレクションショット」が撮影されている事実も確認できる。
そうすると、本願商標は、全体として「東京駅で人物や景色を水面に反射させた写真」の意味合いを容易に認識させるものであるから、これをその指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は、当該役務が、「東京駅で人物や景色を水面に反射させた写真に関する役務」であることを認識するにとどまるから、本願商標は、単に役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であると判断するのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
4 当審における審尋
当審において、令和6年2月8日付け審尋により、別掲1及び別掲2に掲げる事実を提示した上で、本願商標が、その指定役務との関係において、商標法第3条第1項第3号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、請求人に対し、意見を求めた。
5 審尋に対する請求人の意見(要旨)
請求人は、上記4の審尋に対し、令和6年3月22日に回答書を提出し、要旨以下(1)ないし(4)のとおりの意見を述べた。
(1)別掲1のインターネット情報1ないし15には、「リフレクション」、「リフレクション写真」及び「リフレクション撮影」の文字が使用されているが、「リフレクションショット」の文字は使用されていない。また、別掲2のインターネット情報1ないし5では、様々な「○○ショット」の使用例が見られるが、これらの中に「リフレクションショット」の使用例はない。そして、審尋では、別掲1及び別掲2のインターネット情報が存在するから、「リフレクションショット」の文字が役務の質を表示するものにすぎないとしているが、これは、複数の先行技術文献を組み合わせて発明の進歩性を否定する特許審査類似のロジックであり、商標の審査において、そのようなロジックは該当しない。
(2)審尋では、原審提示のインターネット情報にも言及しているが、「リフレクションショット」の文字が使用されているのはわずか数件であり、他に「リフレクション」、「リフレクション写真」及び「リフレクション撮影」の文字が使用されている実情に鑑みれば、「リフレクションショット」の文字は、請求人の創作に係る造語として識別性が認められ、独占適応性を有するものである。
(3)仮に、「リフレクションショット」の文字についての識別性が否定されたとしても、本願商標は、単なる「リフレクションショット」ではなく「東京駅リフレクションショット」であり、「東京駅」等の駅名は、商標審査基準における単なる地理的名称に該当するものではないから、本願商標は、全体として一種の造語として認識され、十分に自他役務識別機能を発揮し得るものである。さらに、証拠17によれば、「東京駅リフレクションショット」を使用しているのは請求人のみであり、インターネットの検索結果は全て請求人の役務に係る情報であることから、本願商標は、請求人のみが使用する特徴的で特別顕著性のある文字である。
(4)原審では、本願商標について「東京駅で人物や景色を水面に反射させた写真に関する役務」、審尋では、本願商標について「東京駅における反射(リフレクション)を利用した撮影手法や構図による映像、画像、写真に関する役務」であることをそれぞれ認識させるにすぎないと認定しているが、ここで「東京駅で」や「東京駅における」が直接的かつ具体的に、どのような意味で用いられているのか不明である。例えば、「東京駅の構内で人物や景色をリフレクションを利用して撮影」するのか、「東京駅の外ならば、どこで人物や景色をリフレクションを利用して撮影」するのか、それとも「東京駅自体をリフレクションを利用して撮影」するのか、あるいは「リフレクションを利用して撮影する役務を提供する事業所が東京駅周辺に所在」するのか等、多数の役務の内容が連想されることから、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものではない。
6 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、「東京駅リフレクションショット」の文字を普通に用いられる方法で横書きしてなるところ、原審説示のとおり、その構成中の「東京駅」の文字は、「東京都千代田区にあるJRの旅客駅。」の意味を、「リフレクション」の文字は、「光・熱などの反射や、音の反響。」(以上、出典は、株式会社小学館「デジタル大辞泉」)等の意味を、「ショット」の文字は、「写真で、シャッターを切ってカメラに収めること。また映画で、一台のカメラで連続的に撮影すること。そのようにして撮影された、中断されない一続きの映像もいう。カット。」(出典:株式会社小学館「精選版 日本国語大辞典」)等の意味を、それぞれ有するものである。
そして、別掲1のインターネット情報によれば、本願の指定役務に関連する分野において、水面やガラスなどの反射(リフレクション)を利用し、物を映し出す表面に被写体を反射させて撮影する手法のことを「リフレクション」と称している実情がうかがえるほか、別掲2のインターネット情報にあるとおり、「ショット」の文字の前に、撮影手法や構図の名称等を組み合わせ、当該撮影手法や構図により撮影された映像、画像、写真、又は当該撮影手法自体について、「○○ショット」(○○には撮影手法や構図の名称等が入る。以下同じ。)と称している実情もうかがえる。
加えて、原審で提示したインターネット情報が示すように、実際に、反射(リフレクション)を利用した撮影手法や構図による写真について、「リフレクションショット」の文字が使用されている事実が確認できることよりすれば、本願商標をその指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者をして、当該役務が「東京駅における反射(リフレクション)を利用した撮影手法や構図による映像、画像、写真に関する役務」であること、すなわち、単に役務の質を表示したものと認識させるにすぎないものと判断するのが相当である。
したがって、本願商標は、役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であって、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものというべきである。
よって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標の構成中の「リフレクションショット」の文字は、一連での使用例がわずか数件であり、請求人の創作に係る造語として識別性が認められ、独占適応性を有するものである旨主張する。
しかしながら、「商標法3条1項3号該当性については、一連一体の語句を構成する各語の意味に加え、取引の実情に照らし、取引者又は需要者によって、当該一連一体の語句が、商品の品質、効能、用途等の特徴を示すものと一般に認識されるものであるかどうかを検討する必要がある」(知財高裁令和5年(行ケ)第10030号、同年9月7日判決)とされるところ、別掲1によれば、本願の指定役務に関連する分野において、水面やガラスなどの反射(リフレクション)を利用し、物を映し出す表面に被写体を反射させて撮影する手法のことを「リフレクション」と称している実情がうかがえるほか、別掲2にあるとおり、「ショット」の文字の前に、撮影手法や構図の名称等を組み合わせ、当該撮影手法や構図により撮影された映像、画像、写真、又は当該撮影手法自体について、「○○ショット」と称している実情もうかがえること、加えて、原審提示のとおり、実際に、反射(リフレクション)を利用した撮影手法や構図による写真について、「リフレクションショット」の文字が使用されている事実が確認できることよりすれば、「東京駅」、「リフレクション」及び「ショット」の各語を結合したものと容易に看取し得る本願商標を、その指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は、当該役務が「東京駅における反射(リフレクション)を利用した撮影手法や構図による映像、画像、写真に関する役務」であること、すなわち、単に役務の質を表示したものと認識するにとどまり、自他役務の識別標識としては認識し得ないものであるというのが相当である。
イ 請求人は、本願商標についての原審及び審尋での認定に関し、「東京駅」等の駅名は、単なる地理的名称に該当するものではない上、「東京駅で」や「東京駅における」が直接的かつ具体的にどのような意味で用いられているのか不明であり、例えば、東京駅の構内で撮影するのか、東京駅の外ならばどこで撮影するのか、東京駅自体を撮影するのか、あるいは役務を提供する事業所が東京駅周辺に所在するのか等、多数の役務の内容が連想されることから、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものではない旨主張する。
しかしながら、本願における商標法第3条第1項第3号該当性の判断において、役務の質を表示すると認識されるというためには、本願商標に接する取引者、需要者をもって、「東京駅における反射(リフレクション)を利用した撮影手法や構図による映像、画像、写真に関する役務」であると認識されることで足り、それ以上に具体的な役務の内容が特定されることまでは要しないというのが相当である。
そして、上記(1)のとおり、本願商標は、その構成態様や本願の指定役務を取り扱う業界における実情に照らせば、これに接する取引者、需要者をして、「東京駅における反射(リフレクション)を利用した撮影手法や構図による映像、画像、写真に関する役務」であること、すなわち、役務の質を表示するものと容易に理解、認識させるものであるといわざるを得ない。
ウ したがって、請求人の上記ア及びイの主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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