商標拒絶査定不服審判
2023-011326
イエケーマゼソバ、カケーマゼソバ、イエケーマゼ、カケーマゼ
- 審判番号
- 2023-011326
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-073589
- 請求日
- 2023年07月05日
- 審決日
- 2024年07月18日
- 公報発行日
- 2024年10月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】キラメキノ未来株式会社
- 【請求人代理人】本田 史樹
- 審判長/審判官
- 審判長 大島 康浩
- 審判官 小林 裕子
- 審判官 大塚 正俊
- 分類
- T18 .16 -Z (W43)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項6号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第6号、特許法第150条第5項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022-73589拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和4年6月25日の登録出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年11月9日付け:拒絶理由通知書
令和5年1月23日:意見書の提出
令和5年3月30日付け:拒絶査定
令和5年7月5日:審判請求書の提出
令和6年4月15日付け:証拠調べ通知書
令和6年5月17日:意見書の提出
2 本願商標
本願商標は、「家系まぜそば」の文字を標準文字で表してなり、第43類「拉麺を主とする飲食物の提供,中華料理その他の東洋料理を主とする飲食物の提供,アルコール飲料を主とする飲食物の提供,茶・コーヒー・ココア・清涼飲料又は果実飲料を主とする飲食物の提供,その他の飲食物の提供」を指定役務として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、「本願商標は、「家系まぜそば」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「家系」の文字は、「その家の系統。」を意味する語であるが、近年、飲食物を取り扱う分野においては、「横浜市周辺に多くみられるラーメン店の味付け。また、そのラーメン。」の意味を有するものとして使用されている語であり、「まぜそば」の文字は、「器に麺と具材が乗せられ客が自分で混ぜてから食べる麺料理」の意味を有する語であるから、本願商標は全体として「横浜市周辺に多くみられるラーメン店の味付けのまぜそば」程の意味合いを表すものである。そして、本願指定役務を取り扱う業界においては、「家系」のラーメン店においても「まぜそば」が提供されている実情があることに加えて、「家系まぜそば」の語が用いられている実情もある。そうとすると、本願商標をその指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「横浜市周辺に多くみられるラーメン店の味付けのまぜそば」であるといった、役務の質や特徴を簡潔に表した宣伝文句の一種であると理解し、認識するにすぎないので、本願商標は、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものというべきであり、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標というのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
4 当審における証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを実施した結果、別掲2に示したとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対して、証拠調べの結果を通知した。
5 証拠調べに対する請求人の意見の要点
(1)証拠調べ通知書の事実1について
全国のラーメン店舗数は24,257軒であり(2021年タウンページでラーメン店として登録されている店舗数を都道府県別に集計 「都道府県別統計とランキングで見る県民性」https://todo-ran.com/t/kiji/11806)、そのうちの5件程度(全体の0.02%程度)が本願商標である「家系まぜそば」を使用しているからといって、「家系まぜそば」の文字が、多数の事業者によって広く使用されている等、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないといえるほどに、取引上一般に使用されているとはいえない。
(2)証拠調べ通知書の事実2について
「家系ラーメン」を提供している店において「まぜそば」が提供されている場合であっても、その「まぜそば」は単に「まぜそば」と呼ばれているだけであり「家系まぜそば」とは呼ばれておらず、また、「家系まぜそば」の商標も使用されていない。
(3)証拠調べ通知書の事実3について
引用されている証拠の3件のうち2件はレシピであって、商標的使用ではなく、取引上一般に使用されているとはいえず、また、インスタントラーメンのうちカップラーメンの種類数は、2022年において、1545銘柄(甲第9号証 一般社団法人日本即席食品工業協会調べhttps://www.instantramen.or.jp/instantramen_data/picturebook/pdf/picturebook2024.pdf)であり、そのうち1銘柄のUFOに「家系まぜそば」の文字が使用されていたからといって(全体の0.06%程度の割合)、取引上一般的に使用されているとはいえない。
6 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第6号について
商標法は、「商標を保護することにより、商標の使用をする者の業務上の信用の維持を図り、もつて産業の発達に寄与し、あわせて需要者の利益を保護することを目的とする」ものであるところ(同法第1条)、商標の本質は、自己の業務に係る商品又は役務と識別するための標識として機能することにあり、この自他商品又は役務の識別標識としての機能から、出所表示機能、品質保証機能及び広告宣伝機能等が生じるものである。同法3条1項6号が、「需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができない商標」を商標登録の要件を欠くと規定するのは、同項1号ないし5号に例示されるような、識別力のない商標は、特定人によるその独占使用を認めるのを公益上適当としないものであるとともに、一般的に使用される標章であって、自他商品・役務の識別力を欠くために、商標としての機能を果たし得ないものであることによるものと解される(平成21年(行ケ)第10270号、平成22年1月27日知財高裁判決)。
(2)本願商標の商標法第3条第1項第6号該当性について
本願商標は、前記2のとおり、「家系まぜそば」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「家系」の文字は、「その家の系統。」(出典:「広辞苑 第七版」岩波書店)を意味する語であるが、別掲1(1)アのとおり、近年、飲食物を取り扱う分野においては、「横浜市周辺に多くみられるラーメン店の味付け。また、そのラーメン。」の意味を有するものとして使用されている語であり、「まぜそば」の文字は、別掲1(1)イのとおり、「器に麺と具材が乗せられ客が自分で混ぜてから食べる麺料理」の意味を有する語であるから、本願商標は全体として「家系(横浜市周辺に多くみられるラーメン店の味付け)のまぜそば」程の意味合いを表すものである。
原審において示された事実(別掲1)及び当審における職権による調査(別掲2)によれば、本願の指定役務に関連する業界において、「家系まぜそば」の語が、まぜそばの種類を表すものとして使用されている実情が認められる。
このような実情を踏まえると、本願商標は、これに接する取引者、需要者に、全体として、「家系(横浜市周辺に多くみられるラーメン店の味付け)のまぜそば」程度の意味合いを容易に認識、理解させるものというのが相当である。
してみれば、本願商標は、これをその指定役務に使用しても、これに接する需要者等に、「家系(横浜市周辺に多くみられるラーメン店の味付け)のまぜそばの提供」を行っていることを理解させるにとどまり、需要者等に、当該役務に関心を持たせるための宣伝広告を表示したものと認識されるというのが相当である。
そうすると、本願商標は、これをその指定役務について使用しても、これに接する需要者等は、単に、提供する役務の特徴等を表す宣伝広告であると理解するにとどまるものであって、特定人によるその独占使用を認めるのを公益上適当としないものであるとともに、一般的に使用されるものであって、自他役務の識別力を欠くため、商標としての機能を果たし得ないものである。
したがって、本願商標は、その指定役務との関係では、需要者が何人かの業務に係る役務であるかを認識することができない商標というのが相当であるから、商標法第3条第1項第6号に該当する。
(3)請求人の主張について
請求人は、全国のラーメン店舗数は24,257軒であり、そのうちの5件程度(全体の0.02%程度)が本願商標である「家系まぜそば」を使用しているからといって、「家系まぜそば」の文字が、多数の事業者によって広く使用されている等、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないといえるほどに、取引上一般に使用されているとはいえない旨主張する。
しかしながら、商標法第3条第1項第6号に該当する商標であるか否かは、本件審決時において、本願商標がその指定役務に使用された場合に、将来を含め、その需要者が、商品及び役務の宣伝活動を行う際に一般的に使用される標章と認識するものであって、特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適当でないと判断されるものであるから、本願商標が請求人を除く他の事業者によって、現在使用されていないとしても、そのことのみをもって本願商標の同項同号該当性の判断が左右されるものではない。
したがって、請求人の上記主張は、採用することができない。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2023-011326