商標拒絶査定不服審判
2023-011325
メディカルフットセラピスト
- 審判番号
- 2023-011325
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-067235
- 請求日
- 2023年07月05日
- 審決日
- 2024年11月27日
- 公報発行日
- 2025年02月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】山村 江美子
- 【請求人代理人】本田 史樹
- 審判長/審判官
- 審判長 大島 康浩
- 審判官 小林 裕子
- 審判官 大塚 正俊
- 分類
- T18 .13 -Z (W41)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、特許法第150条第5項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022-67235拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和4年6月12日の登録出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年12月21日付け:拒絶理由通知書
令和5年2月3日:意見書の提出
令和5年3月29日付け:拒絶査定
令和5年7月5日:審判請求書の提出
令和6年9月3日付け:証拠調べ通知書
令和6年10月15日:意見書の提出
2 本願商標
本願商標は、「メディカルフットセラピスト」の文字を標準文字で表してなり、第41類「フットマッサージの知識の教授,技芸・スポーツ又は知識の教授,フットマッサージに関するセミナーの企画・運営又は開催,セミナーの企画・運営又は開催,書籍の制作,電子出版物の提供,興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏・スポーツ・競馬・競輪・競艇又は小型自動車競走の興行に関するものを除く。),教育・文化・娯楽又はスポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組又は広告用のものを除く。),写真の撮影」を指定役務として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、「本願商標は、「メディカルフットセラピスト」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「メディカル」の文字は「医療の。医学的。」の意味を、「フット」の文字は「足。歩み。」の意味を、「セラピスト」の文字は「治療士。療法士。」の意味を表す語である。そして、足のマッサージを行う者のことを「フットセラピスト」と称し、同セラピストがセミナー等において、足のマッサージ等についての指導を行う事例がある。また、一般に、セラピストに関する書籍が販売されている事例がある。こうした実情を踏まえると、本願商標は全体として、「医学的な足の治療士」程の意味合いを容易に理解させるというのが相当であり、本願商標をその指定役務に使用した場合、これに接する取引者・需要者は、「医学的な足の治療士」に関する役務(例えば、「医学的な足の治療士によるフットマッサージの知識の教授」「医学的な足の治療士に関する書籍の制作」等。)であることを認識するにとどまる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
4 当審における証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを実施した結果、別掲1、別掲2(1)ないし(9)及び別掲3に示したとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対して、証拠調べの結果を通知した。
5 証拠調べに対する請求人の意見の要点
証拠調べ通知書に示された新聞記事、書籍、インターネット情報については、ウェブサイトが既に削除されている、又は「メディカルフットセラピスト」の文字が商標として使用されていない等の理由から、「メディカルフットセラピスト」の文字が、役務の質を直接的に表示するものとして取引上一般に使用されている事実とはいえず、また、「メディカルフットセラピスト」の文字が「医学的な足の治療士」程の意味合いで使用されているという事実はない。
「メディカル〇〇セラピスト」の文字が「医学的な○○の治療士」ほどの意味合いで使用されているとはいえず、また、「メディカル○○セラピスト」の文字を含む登録商標が存在していることから、「メディカル〇〇セラピスト」は全体として識別力を有している。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号には該当しない。
6 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号の趣旨
商標法第3条第1項第3号に掲げる商標が、商標登録の要件を欠くとされているのは、このような商標は、指定商品又は指定役務との関係で、その商品の品質、その役務の質等その他の特性を表示記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのを公益上適当としないものであるとともに、一般的に使用される標章であって、多くの場合自他商品又は自他役務の識別力を欠き、商標としての機能を果たし得ないものであることによるものと解される。
そうすると、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するというためには、本件審決時において、本願商標がその指定商品又は指定役務との関係で、商品の品質、役務の質等その他の特性を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、本願商標がその指定商品又は指定役務に使用された場合に、将来を含め、指定商品又は指定役務の取引者、需要者によって商品又は役務の上記特性を表示したものと一般に認識されるものであれば足りると解される(最高裁昭和53年(行ツ)第129号判決、平成26年(行ケ)第10056号判決、平成27年(行ケ)第10107号判決、平成27年(行ケ)第10232号判決参照)。
(2)本願商標の商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、前記2のとおり、「メディカルフットセラピスト」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「メディカル」の文字は「医療の。医学的。」(出典:「広辞苑 第七版」岩波書店)のの意味を、「フット」の文字は「足。歩み。」(前掲書)の意味を表す語であり、「セラピスト」の文字は「治療士。療法士。」(前掲書)の意味をそれぞれ有する語であるから、構成全体として「医学的な足の治療士」程の意味合いを容易に理解させる。
そして、原審において示された事実及び当審における職権による調査によれば、本願の指定役務に関連する分野において、「メディカルフットセラピスト」の文字が、「医学的な足の治療士」程の意味合いで使用されている事実(別掲1)、また、「フットセラピスト」の文字が「足の治療士」ほどの意味合いで使用されている事実(別掲2)、及び、「メディカル○○セラピスト」の文字が「医学的な○○の治療士」(○○には治療の対象が入る。)程の意味合いで使用されている事実(別掲3)が見受けられる。
このような実情を踏まえると、本願商標は、これをその指定役務中、例えば、第41類「フットマッサージの知識の教授,技芸・スポーツ又は知識の教授,フットマッサージに関するセミナーの企画・運営又は開催,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供」等に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「医学的な足の治療士による役務(知識の教授やセミナーの企画等)」であると認識するというのが相当である。
そうとすると、本願商標は、その指定役務との関係において、役務の質を表示したものとして一般に認識されるものであって、特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適当ではなく、自他役務の識別力を欠くというべきである。
したがって、本願商標は、役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(3)請求人の主張について
ア 請求人は、証拠調べ通知書に示された新聞記事、書籍、インターネット情報については、ウェブサイトが既に削除されている、又は「メディカルフットセラピスト」の文字が商標として使用されていない等の理由から、「メディカルフットセラピスト」の文字が、役務の質を直接的に表示するものとして取引上一般に使用されている事実とはいえず、また、「メディカルフットセラピスト」の文字が「医学的な足の治療士」程の意味合いで使用されている事実もない旨主張する。
しかしながら、本願の指定役務に関連する分野において、「メディカルフットセラピスト」の文字が、「医学的な足の治療士」程の意味合いで使用されている事実、また、「フットセラピスト」の文字が「足の治療士」程の意味合いで使用されている事実、及び、「メディカル○○セラピスト」の文字が「医学的な○○の治療士」(○○には治療の対象が入る。)ほどの意味合いで使用されている実情があることは、上記(2)のとおりである。
イ 請求人は、過去における「メディカル○○セラピスト」又は「○○セラピスト」の構成からなる商標を含む文字商標の登録例、及び過去の審決例を挙げて、本願商標も登録されるべき旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標がその指定役務との関係において、自他役務の識別標識として機能し得るか否かは、当該商標の構成態様と指定役務との関係や取引の実情をも踏まえて個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の示す登録例と本願商標とは、構成態様や指定役務が異なり、事案を異にするものであり、本願商標が自他役務の識別力を欠くものであることは、上記(2)のとおりであるから、登録例や審決例があるからといって、その判断が左右されることはない。
ウ したがって、請求人による上記主張は、いずれも採用することができない。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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