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商標拒絶査定不服審判

2023-010977

アキタショテン

審判番号
2023-010977
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2022-056960
請求日
2023年06月30日
審決日
2025年06月04日
公報発行日
2025年06月27日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
  • 【請求人】株式会社 秋田書店
  • 【請求人代理人】北村 行夫
  • 【請求人代理人】樋口 盛之助
審判長/審判官
  • 審判長 山田 啓之
  • 審判官 渡邉 あおい
  • 審判官 深田 彩紀子
分類
T18 .14 -WY (W0941) / T18 .17 -WY (W0941)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法3条1項4号商標法3条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第3条第1項第4号、商標法第3条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

商願2022- 56960拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。

理由

理 由 1 手続の経緯 本願は、令和4年5月19日の登録出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和4年 9月30日付け:拒絶理由通知書 令和4年12月12日 :意見書の提出 令和5年 3月31日付け:拒絶査定 令和5年 6月30日 :審判請求書、手続補正書の提出 2 本願商標 本願商標は、「秋田書店」の文字を標準文字で表してなり、第9類及び第41類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として登録出願されたものであり、その後、指定商品及び指定役務については、上記1の手続補正により、第9類「電子出版物」及び第41類「電子出版物の提供」と補正されたものである。 3 原査定の拒絶の理由(要旨) 原査定は、「本願商標は、ありふれた氏と認められる「秋田」の文字に、業種名と認められる「書店」の文字を結合したにすぎない「秋田書店」の文字を標準文字で表してなるものであり、ありふれた名称を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものと判断するのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第4号に該当する。また、提出された証拠は、本願商標が使用をされた結果、需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができるものに至っていると認めるには不十分であるから、商標法第3条第2項の要件を具備するということはできない。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 4 当審の判断 (1)商標法第3条第1項第4号該当性について 本願商標は、「秋田書店」の文字を標準文字で表してなるところ、構成中の「秋田」の文字は、別掲のとおり、日本人の姓氏を表示するものであることが認められ、その「秋田」姓の者が相当数、存在することも認められる。 また、同構成中の「書店」の文字は、本願の指定商品「電子出版物」及び指定役務「電子出版物の提供」との関係において、業種名を表しているといえるものである。 以上からすると、本願商標は、ありふれた氏である「秋田」の文字と業種名を表す「書店」の文字とを結合した「秋田書店」の文字を標準文字で表したものであり、「「秋田」氏又は「秋田」の名を有する法人等が運営する書店」ほどの意味合いを認識させる「秋田書店」というありふれた名称を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というのが相当である。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第4号に該当する。 (2)商標法第3条第2項に規定する要件を具備するか否かについて 請求人は、上記2のとおり、当審において指定商品及び指定役務を補正し、第9類「電子出版物」及び第41類「電子出版物の提供」とした上で、本願商標は使用をされた結果需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができるものに至っている旨主張し、証拠方法として、原審において参考資料1ないし参考資料71を提出し、当審において甲第1号証ないし甲第15号証を提出しているところ、以下、本願商標が、同法第3条第2項の要件を具備するものであるかについて検討する。 ア 請求人の提出に係る証拠及び同人の主張、並びに職権による調査によれば、次の事実が認められる。 (ア)請求人について 請求人は、1948年の創業以来、出版事業を約77年継続して実施している(参考資料1)。 (イ)営業地域について 請求人の出版物は全国の書店で販売されており、また、請求人は、「Amazon」、「LINEマンガ」、「Renta!」、「コミックシーモア」、「イーブックジャパン」及び「まんが王国」等のウェブサイトを通じて電子出版物の販売及び提供を行っている(参考資料18~参考資料33、参考資料43~参考資料50、参考資料53、参考資料54、甲第8号証~甲第13号証)。 そして、請求人の電子出版物は、海外へも配信されている(職権調査)。 (ウ)売上高等について 請求人の電子出版物の販売額は、2020年が約129億円、2021年が約135億円、2022年が約146億円であり(甲第7号証)、また、請求人は、2020年-2021年の出版業界の売上高ランキングにおいて、17位である(参考資料59)。 請求人は「Amazon Kindleストア」出版社別年間売上ランキングにおいて、2014年が5位、2015年が8位であり、また、「紀伊國屋書店」2023年出版社別売上ランキング300社において52位、「丸善ジュンク堂書店」出版社売上ベスト300において、2022年が41位、2023年が38位、「くまざわ書店」出版社別総合売上ランキング100において、2023年が11位である(職権調査)。 また、請求人の電子出版物には、電子書籍販売サイト「イーブックジャパン」において2011年の売上1位の作品や、「電子コミック大賞2020」を受賞した作品がある(職権調査)。 (エ)新聞への掲載及びラジオ放送等について 請求人及び請求人の出版物又は電子出版物に関する記事が、各種新聞において紹介され、ラジオ番組においても請求人の出版物が紹介されている(職権調査)。 (オ)広告宣伝等について 請求人は、自社のウェブサイトにおいて、本願商標と実質的に同一と認められる標章の下、電子出版物の広告宣伝を行っている(参考資料2、参考資料4、参考資料5等)。 電子出版物の販売又は提供を行う各種ウェブサイトにおいて、請求人の電子出版物が販売又は提供されるとともに、「秋田書店フェア」、「秋田書店人気タイトルセット&割引キャンペーン」及び「出版社限定お得キャンペーン(秋田書店)」等と称するキャンペーンが実施されている(職権調査)。 また、請求人が発行する出版物は、多数舞台化、映画化及びアニメ化されており、ポップアップストアや展覧会等のイベントも、全国で継続して開催されている(職権調査)。 (カ)請求人の使用に係る商標及び役務並びに使用期間について 請求人は、1948年の株式会社秋田書店設立から、漫画雑誌、漫画本等を出版する出版社の略称及び請求人のハウスマークとして、本願商標「秋田書店」と実質的に同一と認められる標章を継続して使用しており、紙媒体の漫画雑誌(参考資料7~参考資料17)及び漫画本(参考資料35~参考資料42)での使用は、1948年から現在に至るまでの約77年である。また、電子版の漫画雑誌での使用は、2011年から現在に至るまでの約14年、電子版の漫画本での使用は、2006年から現在に至るまでの約19年である(意見書及び審判請求書)。 また、請求人の本社ビル外観やウェブサイトにおいて、本願商標と実質的に同一と認められる標章を使用しており、紙媒体の出版物及び電子出版物の販売又は提供を行う各種ウェブサイトにおいても、本願商標と実質的に同一と認められる標章を使用している(職権調査)。さらに、各種新聞記事やウェブサイトにおける広告宣伝等においては、「秋田書店」の文字が、明朝体やゴシック体で表されている(職権調査)。 イ 判断 上記アで認定した事実によれば、請求人は、1948年の創業以来、出版事業を実施しており、相当程度の売上高があること、請求人の出版物及び電子出版物は、各種新聞やラジオ番組等で紹介されるとともに、多数舞台化、映画化及びアニメ化されていること、1948年の株式会社秋田書店設立以来、社名の略称及びハウスマークとして本願商標と実質的に同一と認められる標章を、請求人の本社ビルの外観、各種出版物及びウェブサイト等において、継続して広く使用していることが認められる。 そうすると、本願商標は、請求人の業務に係る「電子出版物」及び「電子出版物の提供」を表示するものとして、需要者の間で、広く認識されているとみるのが相当である。 また、職権による調査によれば、本願商標と同一の構成からなる商標を、本願の指定商品及び指定役務を取り扱う業界において、請求人以外の者が使用している事実は発見できなかった。 そうすると、本願商標は、その指定商品及び指定役務について、請求人により長年にわたり継続的に使用された結果、需要者が、請求人の業務に係る商品及び役務を表示する商標として認識するに至ったものとみるのが相当である。 したがって、本願商標は、商標法第3条第2項の要件を具備するものというべきである。 (3)まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第4号に該当するものの、同条第2項の要件を具備するものであるから、同項の要件を具備するものではないとした原査定は取消しを免れない。 その他、本願について拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。

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