商標拒絶査定不服審判
2023-010813
ニシノミヤコーヒー
- 審判番号
- 2023-010813
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-011058
- 請求日
- 2023年06月29日
- 審決日
- 2024年07月18日
- 公報発行日
- 2024年10月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】中山 由美
- 【請求人代理人】西 博幸
- 審判長/審判官
- 審判長 大島 康浩
- 審判官 小林 裕子
- 審判官 大塚 正俊
- 分類
- T18 .13 -Z (W43) / T18 .272-Z (W43)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、商標法第4条第1項第16号、特許法第150条第5項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022-11058拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和4年2月1日の登録出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年7月11日付け:拒絶理由通知書
令和4年9月22日:意見書、手続補正書の提出
令和5年3月17日付け:拒絶査定
令和5年6月29日:審判請求書の提出
令和6年3月25日付け:証拠調べ通知書
令和6年5月7日:意見書の提出
2 本願商標
本願商標は、「NISHINOMIYA COFFEE」の文字を標準文字で表してなり、第43類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として登録出願され、その後、本願の指定役務については、上記1の手続補正書により、第43類「コーヒーを主とする飲食物の提供」に補正されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、「本願商標は、「NISHINOMIYA COFFEE」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「NISHINOMIYA」の文字は、兵庫県南東部の市である西宮市を認識させる文字であり、「COFFEE」の文字は、「焙煎したコーヒー豆や、それを挽き粉としたもの。また、後者を湯で浸出した褐色の飲料」を表す文字である。そうすると、本願商標を、この商標登録出願に係る指定役務に使用した場合、これに接する需要者・取引者は、「兵庫県西宮市で提供されるコーヒーを主とする飲食物の提供」を理解させるにとどまり、単に役務の提供の場所・質を普通に用いられる方法で表示するものと判断するのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
4 当審における証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを実施した結果、別掲1及び別掲2に示したとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対して、証拠調べの結果を通知した。
5 証拠調べに対する請求人の意見の要点
(1)証拠調べ通知書の事実1について
証拠調べ通知書の事実1(1)ないし(6)については、いずれも「NISHINOMIYA」の欧文字が役務の提供場所等として普通に用いられる方法で表示されている標章にすぎないとの結論を導くことはできない。
(2)証拠調べ通知書の事実2について
証拠調べ通知書の事実2(1)ないし(5)については、地名の英文字表示と役務名との組合せの点で共通しているものの、個別に検討すると、いずれも「普通に用いる方法で表示する商標」とはいい難いから、これらの証拠から本願商標が記述的商標にすぎないと類推することはできない。
6 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号について
商標法第3条第1項第3号にいう「役務の提供の場所を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標」というには、需要者又は取引者によって、当該指定役務が当該商標の表示する場所において提供されているであろうと一般に認識されることをもって足り、また、本件審決時において、本願商標が指定役務の提供の場所を表すものと取引者、需要者に広く認識されている場合はもとより、将来を含め、取引者、需要者にその役務の提供の場所を表すものと認識される可能性があり、これを特定人に独占使用させることが公益上適当でないと判断されるときには、その商標は商標法第3条第1項第3号に該当する(昭和61年1月23日 昭和60年(行ツ)第68号 最高裁判所第1小法廷判決,平成24年10月3日 平成24年(行ケ)第10197号 知的財産高等裁判所判決)。
(2)本願商標の商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
ア 本願商標は、上記2のとおり、「NISHINOMIYA COFFEE」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「NISHINOMIYA」の文字は、兵庫県南東部の市である西宮市を認識させる文字であり、「COFFEE」の文字は、「焙煎したコーヒー豆や、それを挽き粉としたもの。また、後者を湯で浸出した褐色の飲料」(出典:株式会社岩波書店「広辞苑第七版」)として、それぞれ我が国において広く親しまれているものである。
イ 当審における職権による調査によれば、別掲1のとおり、役務の提供の際に、「NISHINOMIYA(Nishinomiya)」の欧文字が、兵庫県南東部の市である西宮市を表すものとして使用されている事実に加え、別掲2のとおり、本願の指定役務(コーヒーを主とする飲食物の提供)を取り扱う業界において、地名の欧文字表記と「COFFEE」の文字を組み合わせたものが、役務を表示するものとして使用されている実情が認められる。
ウ 以上によれば、「NISHINOMIYA COFFEE」の文字からなる本願商標を、その指定役務に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、その役務が「兵庫県西宮市で提供されるコーヒーを主とする飲食物の提供」であること、すなわち、役務の質を表示したものと認識するにとどまり、これを役務の出所を表示する標識又は自他役務の識別標識として認識することはないというべきである。
そうとすると、本願商標は、その役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というのが相当である。
また、本願商標を、上記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生ずるおそれがあるものというべきである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
(3)請求人の主張について
請求人は、西宮市がコーヒーの焙煎地等として知られているとか、西宮市内にコーヒーの提供を連想させる著名な施設があるとかいう事実は存在せず、需要者が「NISHINOMIYA」からコーヒー等の提供場所を想起することはない旨主張する。
しかしながら、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するというためには、本件審決時において、本願商標が本件指定役務との関係で、将来を含め、その取引者、需要者によって役務の提供の場所を表示するものと一般に認識されるものであれば足りることは、上記(1)のとおりである。
したがって、請求人の上記主張は、採用することができない。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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