商標拒絶査定不服審判
2023-010228
スーパースモールエムエスシイ、スモールエムエスシイ、スモール、エムエスシイ
- 審判番号
- 2023-010228
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-015874
- 請求日
- 2023年06月20日
- 審決日
- 2025年02月10日
- 公報発行日
- 2025年04月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】貴宝院 永稔
- 【請求人代理人】佐藤 富徳
- 審判長/審判官
- 審判長 大島 康浩
- 審判官 大塚 正俊
- 審判官 小林 裕子
- 分類
- T18 .13 -Z (W44)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、特許法第150条第5項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022-15874拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和4年2月14日の登録出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年8月15日付け:拒絶理由通知書
令和4年10月3日:意見書、手続補正書の提出
令和5年3月20日付け:拒絶査定
令和5年6月20日:審判請求書、手続補正書の提出
令和6年10月10日付け:証拠調べ通知書
令和6年11月25日:意見書、手続補正書の提出
2 本願商標
本願商標は、「Super Small MSC」の文字を標準文字で表してなり、第1類、第5類、第39類、第41類、第42類及び第44類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として登録出願され、その後、本願の指定役務については、前記1の手続補正書により、最終的に、第44類「医業,健康診断,調剤,医業・歯科医業・調剤に関するコンサルティング,美容,理容,あん摩・マッサージ及び指圧,カイロプラクティック,きゅう,柔道整復,はり,栄養の指導,動物の飼育,動物の治療,動物の美容,介護,医療用機械器具の貸与」に補正されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、「本願商標は「Super Small MSC」を標準文字で書してなるところ、構成中の「Super」の文字は、「非常に。とても。」等の意味を、「Small」の文字は、「小さい。小型の。」の意味を有する語を有する語である。また、「MSC」の文字は、本願の指定商品及び指定役務にかかる業界において、「間葉系幹細胞」の意味を有する語として知られているから、全体として、「非常に小さな間葉系幹細胞」程の意味合いを容易に理解させるものである。そして、本願の指定商品及び指定役務にかかる取引業界において、幹細胞を用いた再生医療への期待は高く、幹細胞及びそれに関連する技術が商取引の対象とされている実情もある。そうとすると、本願商標をその指定商品及び指定役務に使用したとしても、需要者及び取引者は、当該商品及び役務が「非常に小さな間葉系幹細胞、非常に小さな間葉系幹細胞を用いた商品及び役務」等であること、すなわち、商品の品質又は役務の質を普通に用いられる方法で表示したものと理解するにとどまるので、自他商品又は自他役務の識別標識とは認識し得ないものと判断するのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
4 当審における証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを実施した結果、別掲(1)ないし(10)に示したとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対して、証拠調べの結果を通知した。
5 証拠調べに対する請求人の意見の要点
(1)本願の指定役務は、第44類に属する指定役務に減縮補正されているから、本願商標の拒絶理由は解消したと思料する。
(2)証拠調べ通知書に提示されている証拠には、「間葉系幹細胞(MSC)」の語が具体的にどういう意味合いで使用されていることを示す記載も示唆もない。
また、「間葉系幹細胞(MSC)」の語の記載はあるものの、その大きさに関する具体的意味合いの記載も示唆もない。
加えて、「Super」の語は、「Small MSC」の語を修飾する解釈、「Super」の語は、「Small」の語を修飾し、「非常に小さな」とみる解釈、また、「Super」、「Small」、「MSC」の各語が一体に結合して、「Super Small MSC」が全体として一種の造語とみる解釈も可能である。
6 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号の趣旨
商標法第3条第1項第3号に掲げる商標が、商標登録の要件を欠くとされているのは、このような商標は、指定商品又は指定役務との関係で、その商品の品質、その役務の質等その他の特性を表示記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのを公益上適当としないものであるとともに、一般的に使用される標章であって、多くの場合自他商品又は自他役務の識別力を欠き、商標としての機能を果たし得ないものであることによるものと解される。
そうすると、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するというためには、本件審決時において、本願商標がその指定商品又は指定役務との関係で、商品の品質、役務の質等その他の特性を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、本願商標がその指定商品又は指定役務に使用された場合に、将来を含め、指定商品又は指定役務の取引者、需要者によって商品又は役務の上記特性を表示したものと一般に認識されるものであれば足りると解される(最高裁昭和53年(行ツ)第129号判決、平成26年(行ケ)第10056号判決、平成27年(行ケ)第10107号判決、平成27年(行ケ)第10232号判決参照)。
(2)本願商標の商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、前記2のとおり、「Super Small MSC」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「Super」の文字は、「大変。とても。」(出典:株式会社大修館書店「ジーニアス英和辞典 第六版」)等の意味を、「Small」の文字は、「小さい。小型の。」(前掲書)等の意味を有する語を有する語である。また、「MSC」の文字は、本願の指定役務にかかる業界において、「間葉系幹細胞」の意味を有する語として知られているから、本願商標は、全体として、「超小型の間葉系幹細胞」程の意味合いを容易に理解させる。
そして、原審において示された事実及び当審における職権による調査によれば、本願の指定役務に関連する分野において、「MSC(間葉系幹細胞)」などの幹細胞を用いた医療等が行われている事実が見受けられる。
このような実情を踏まえると、本願商標は、これをその指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「超小型の間葉系幹細胞を用いた役務(幹細胞治療、幹細胞に関する医療情報の提供等)」であると認識するというのが相当である。
そうとすると、本願商標は、その指定役務との関係において、役務の質を表示したものとして一般に認識されるものであって、特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適当ではなく、自他役務の識別力を欠くというべきである。
したがって、本願商標は、役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(3)請求人の主張について
ア 請求人は、証拠調べ通知書に提示されている証拠には、「間葉系幹細胞(MSC)」の語の記載はあるものの、当該語やその大きさに関する具体的意味合いの記載も示唆もなく、また、「Super」、「Small」、「MSC」の各語が一体に結合して、「Super Small MSC」全体として一種の造語とみることも可能である旨主張する。
しかしながら、上記(2)のとおり、本願の指定役務に関連する分野において、「MSC(間葉系幹細胞)」などの幹細胞を用いた医療等が行われていることに加え、細胞には様々な種類があり、その大きさや形も多様であることは一般に知られているから、これらを踏まえると、本願商標をその指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「超小型の間葉系幹細胞を用いた役務(幹細胞治療、幹細胞に関する医療情報の提供等)」であると認識するというのが相当である。
イ 請求人は、過去の登録例、及び過去の審決例を挙げて、本願商標も登録されるべき旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標がその指定役務との関係において、自他役務の識別標識として機能し得るか否かは、当該商標の構成態様と指定役務との関係や取引の実情をも踏まえて個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の示す登録例と本願商標とは、構成態様や指定役務が異なり、事案を異にするものであり、本願商標が自他役務の識別力を欠くものであることは、上記(2)のとおりであるから、登録例や審決例があるからといって、その判断が左右されることはない。
ウ したがって、請求人による上記主張は、いずれも採用することができない。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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