商標拒絶査定不服審判
2023-010124
アンタゴニストショーシュー、アンタゴニスト
- 審判番号
- 2023-010124
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-111594
- 請求日
- 2023年06月19日
- 審決日
- 2024年01月11日
- 公報発行日
- 2024年04月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】小林製薬株式会社
- 【請求人代理人】高梨 範夫
- 審判長/審判官
- 審判長 豊瀬 京太郎
- 審判官 板谷 玲子
- 審判官 白鳥 幹周
- 分類
- T18 .13 -Z (W0305)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022-111594拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和4年9月28日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年 1月11日付け:拒絶理由通知書
令和5年 2月24日 :意見書の提出
令和5年 3月29日付け:拒絶査定
令和5年 6月19日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、「アンタゴニスト消臭」の文字を標準文字で表してなるものであり、第3類及び第5類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
本願商標は、「拮抗剤」等の意味を有する「アンタゴニスト」の文字と「不快な臭いを消すこと。」等の意味を有する「消臭」の文字を結合した「アンタゴニスト消臭」の文字を、標準文字で表してなるものである。
そして、ある物質の嗅覚受容体のアンタゴニストとしての作用を利用した消臭や悪臭抑制等について研究がなされ、実際に、アンタゴニストによる消臭剤が開発されている状況がうかがえることからすると、本願商標をその指定商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、アンタゴニストによる消臭剤等、アンタゴニストによる消臭効果のある商品であると理解するにとどまるといえる。
したがって、本願商標は、単に商品の品質、効能等を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というべきであるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。
4 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、「アンタゴニスト消臭」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「アンタゴニスト」の文字は、請求人提示の情報(甲第2号証の1)にあるように、「生体内の細胞の受容体に結合し、神経伝達物質やホルモンなどの作用を阻害する物質の総称。」である。
そして、原審提示の情報にあるように、消臭や防臭に関する分野においては、「アンタゴニストの作用を利活用した消臭剤や悪臭抑制剤」が、以前より研究開発されている実情が認められる。
そうすると、本願商標をその指定商品中、消臭や防臭を効果、効能等とする商品を含むもの、すなわち、別掲の商品に使用したときは、それに接する取引者、需要者は、それより「アンタゴニスト(生体内の細胞の受容体に結合し、神経伝達物質やホルモンなどの作用を阻害する物質)による消臭」ほどの意味合いを容易に理解、認識し、それが「アンタゴニストの作用を利活用した消臭用の商品」であるという、商品の品質を表示したものと理解、認識するにとどまるというのが相当であるから、本願商標は、その商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標といえる。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、「アンタゴニスト」の語は、学術的・専門的な分野において認識されることがあるとしても、医療行為を受ける患者や消臭剤を日常使用する一般の需要者等といった学術的・専門的な知識を有しない者は、その意味合いを全く認識しておらず、「アンタゴニスト」の技術を利用して開発された消臭剤といった概念が普遍的かつ広範な知見となっていない実情においては、「アンタゴニスト消臭」の文字が商品の品質を意味するものであると直ちに認識されることはなく、一種の造語であると認識される旨主張する。
しかしながら、商標が自他商品識別力を有するというためには、需要者だけではなく、取引者間においても自他商品識別力を有するということが必要であると解すべきであるし、また、競業者を含む取引業者に、当該商品の品質等を表示しているものと一般に認識される商標を、特定の取引業者に独占させることは、公益上相当であるとはいえない。
そして、消臭剤や防臭剤を取り扱う業界において、アンタゴニストの作用を利用した商品が研究開発されていることについては、上記(1)のとおりであるから、現に上述のごとき商品が一般に製造、販売され、広く流通している事実が認められないとしても、本願商標は、特に競業者を含む取引業者において、その指定商品の品質を表示したものと理解、認識され得るというのが相当である。
イ 請求人は、商標の構成中に「消臭」の文字を有する過去の登録例を挙げ、本願商標もそれらと同様に登録を認められるべきである旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるか否かの判断は、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品・指定役務との関係や、その商品又は役務の分野における取引の実情をも踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げた登録例は、商標の構成態様が本願商標とは異なるものである点において、本願とは、事案を異にするものというべきであり、また、過去の登録例が存在することをもって、上記判断が左右されるものではない。
ウ したがって、請求人の上記ア及びイの主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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