商標拒絶査定不服審判
2023-009950
クルミノアロマ、クルミノ、クルミ、アロマ
- 審判番号
- 2023-009950
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-056333
- 請求日
- 2023年06月15日
- 審決日
- 2024年03月01日
- 公報発行日
- 2024年05月31日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ベガファーマ株式会社
- 【請求人代理人】弁理士法人あーく事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 冨澤 武志
- 審判官 小田 昌子
- 審判官 中島 光
- 分類
- T18 .13 -Z (W033541) / T18 .16 -Z (W033541)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、商標法第3条第1項第6号、特許法第150条第5項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022-56333拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和4年5月18日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年11月14日付け:拒絶理由通知書
令和4年12月23日:意見書の提出
令和5年3月15日付け:拒絶査定
令和5年6月15日:審判請求書の提出
令和5年12月12日付け:証拠調べ通知書
令和6年1月22日:意見書の提出
2 本願商標
本願商標は、「くるみのアロマ」の文字を標準文字で表してなり、第3類、第35類及び第41類に属する、別掲1のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要点
本願商標は、「くるみのアロマ」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「アロマ」の文字は、「香り」を意味する語として一般に広く知られた語であるから、本願商標は全体として「くるみの香り」ほどの意味合いを容易に理解させるものである。そして、特定の事項の香りを表すものとして「レモンのアロマ」「ベルガモットのアロマ」のような、特定の事項を冠した「○○のアロマ」の文字が広く一般に使用されている実情があることからすれば、本願商標をその指定商品及び指定役務に使用しても、これに接する需要者は、「くるみの香りを有する商品」であることを認識するにとどまり、本願商標は、単に商品の品質又は役務の取扱商品の品質を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものというのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同項第6号に該当する。
4 当審における証拠調べ
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同項第6号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、別掲3ないし別掲6に示すとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、その結果を請求人に対し、前記1の証拠調べ通知書をもって通知し、期間を指定してこれに対する意見を求めた。
5 証拠調べに対する請求人の意見(要旨)
(1)上記証拠調べ通知書に掲載された実情があったとしても、本願商標は、全体としてまとまりよく不可分一体の構成からなるものと認識されるものであって、原審で説示した「くるみの香り」並びに「くるみの香りを有する商品」ほどの意味合いを容易かつ直ちに看取させるものではなく、本願指定商品及び指定役務の品質、質等を具体的に示すものとして一般に認識されているものでもないから、需要者に対し商品及び役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものであり、これは、過去の登録例の存在からも認められる。
(2)上記証拠調べ通知書に掲載された、「○○のアロマ」の文字が使用されている実情(別掲5)については、いずれも「くるみ」とは共通点のない、別異のものである。
(3)上記証拠調べ通知書に掲載された実情(別掲6)をもって、本願指定商品を取扱商品とする小売等の役務が一般に行われているとは認められない。
6 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、「くるみのアロマ」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「くるみ」の文字は、「オニグルミの果実」(別掲3(1))の意味を有する語として、「アロマ」の文字は「芳香」、「香り」(別掲3(2))の意味を有する語として、いずれも広く一般に親しまれているものであるから、本願商標は「くるみ」と「アロマ」の各文字を、助詞「の」を用いて結合してなるものと容易に看取されるものである。
そして、別掲4によれば、「精油」を含む、くるみの香りを特徴とする様々な商品が販売されている実情がある。
さらに、別掲5によれば、本願指定商品の分野において、様々な原材料からなる香りを示す語として「○○のアロマ」(合議体注:「○○」には、香りの原材料の名称が入る。)の文字が使用されている実情がある。
そうすると、「くるみのアロマ」の文字からなる本願商標は、その構成文字の語義並びに別掲4及び別掲5の事実から、「くるみの香り」ほどの意味合いを容易に認識させるものといえる。
してみれば、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する需要者に、「くるみの香りを有する商品」であること、すなわち、商品の品質を表示したものとして認識させるにすぎないものというのが相当である。
加えて、前記のとおり、本願商標は、標準文字で表してなるものであるから、その態様上顕著な特徴は認められない。
したがって、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)商標法第3条第1項第6号該当性について
前記(1)のとおり、本願商標は、「くるみの香り」ほどの意味合いを容易に認識させるものである。
そうすると、本願商標を、その指定役務中、第35類に属する別掲2のとおりの指定役務に使用した場合には、需要者に、その取扱商品が「くるみの香りを有する商品」であることを認識させるというのが相当である。
してみれば、本願商標は、前記指定役務との関係において、その取扱商品の品質を表示するものと認められる。
したがって、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標であるから、商標法第3条第1項第6号に該当する。
(3)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標は、全体としてまとまりよく不可分一体の構成からなるものと認識されるものであって、原審で説示した「くるみの香り」並びに「くるみの香りを有する商品」ほどの意味合いを容易かつ直ちに看取させるものではなく、本願指定商品及び指定役務の品質、質等を具体的に示すものとして一般に認識されているものでもないから、需要者に対し商品及び役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものである旨主張する。
しかしながら、前記(1)及び(2)のとおり、本願商標は、その構成文字の語義並びに別掲3及び別掲4の事実から、「くるみの香り」ほどの意味合いを容易に認識させるものであることからすれば、本願指定商品及び別掲2のとおりの指定役務との関係において、本願商標に接する需要者は、これを、商品の品質又は役務の取扱商品の品質であると理解するにとどまるといえる。
イ 請求人は、構成中に「アロマ」の文字を有する過去の登録例を挙げ、本願商標は一種の造語的商標である旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が、商標法第3条第1項第3号及び同項第6号に該当するものであるか否かの判断は、当該登録出願の査定時において、当該商標の構成態様と指定商品及び指定役務の取引の実情等に基づいて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、本願については前記(1)及び(2)のとおり判断するものであるから、請求人の挙げた登録例があることをもって、本願の判断を左右するものではない。
ウ 請求人は、請求人に係るウェブサイトを除き、「くるみのアロマ」の文字が、商品の品質、役務の質を表すものとして一般に採択、使用されている実情がない旨主張する。
しかしながら、出願に係る商標が、その指定商品及び指定役務について商品の品質及び役務の取扱商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるというためには、本件審決の時点において、当該商標が当該商品及び役務の取扱商品との関係で、商品及び役務の取扱商品を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、当該商標の需要者によって当該商品及び役務に使用された場合に、将来を含め、商品の品質及び役務の取扱商品の品質等を表示したものと一般に認識されるものであれば足りるものであって、必ずしも当該商標が現実に当該商品及び役務に使用されていることを要しないと解される。(知財高判令和4年5月19日(令和3年(行ケ)第10100号)、知財高判平成25年11月14日(平成25年(行ケ)第10142号)参照)。
そうすると、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同項第6号に該当するというためには、本件審決の時点において、本願商標が、その指定商品及び指定役務との関係で、その商品の品質及び役務の取扱商品の品質を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、本願商標の指定商品及び指定役務の需要者によって本願商標がその指定商品及び指定役務に使用された場合に、将来を含め、商品の品質及び役務の取扱商品の品質を表示したものと一般に認識されるものであることは、前記(1)及び(2)で述べたとおりである。
エ 請求人は、上記証拠調べ通知書に掲載された、「○○のアロマ」の文字が使用されている実情(別掲5)については、いずれも「くるみ」とは共通点のない、別異のものである旨を主張する。
しかしながら、これらの事実は、本願指定商品について、香りの原材料を表す文字と、「アロマ」の文字とを結合した、「○○のアロマ」の文字が使用されている実情があることを示すものであって、これらの事実に係る香りの原材料の名称が、くるみと別異のものであるか否かは、前記(1)及び(2)の判断に影響を与えるものではない。
オ 請求人は、本願商標が、本願指定役務中の、別掲2のとおりの指定役務との関係において、商標法第3条第1項第6号に該当するものではない旨を主張する。
しかしながら、前記(2)のとおり、本願商標に接する需要者は、本願商標を、役務の取扱商品の品質であると理解するにとどまるといえる。加えて、別掲6のとおり、精油、アロマディフューザー、化粧品、日用品、食品等を取扱商品とする小売等役務が、我が国一般において広く提供されている実情があることからすれば、本願商標は商標法第3条第1項第6号に該当するというのが相当である。
カ 請求人は、請求人が運営する「くるみ薬局」なる調剤薬局が、関西地方において相当程度の周知性を獲得しており、当該調剤薬局の店舗内及び請求人が運営するウェブサイトにおいて、アロマオイルの活用方法等の情報の発信や、アロマオイルの販売等を行っていることから、本願指定商品及び指定役務の需要者は、本願商標から、「くるみ薬局の提供するアロマ関連事業」を理解、認識する旨主張する。
しかしながら、本願指定商品及び指定役務は、特定の地域のみで販売及び提供されるものではなく、その需要者の所在地は全国にわたると容易に理解されるところ、当該請求人の主張及び提出された甲第1号証ないし甲第3-2号証をもっては、全国にわたる本願指定商品及び指定役務の需要者が、本願商標を、前記「くるみ薬局の提供するアロマ関連事業」を表すものとして認識するものということはできない。
キ したがって、請求人の前記主張は、いずれも採用することができない。
7 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同項第6号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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