商標拒絶査定不服審判
2023-009794
カラギョフン、シンギョフン
- 審判番号
- 2023-009794
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-106980
- 請求日
- 2023年06月13日
- 審決日
- 2023年12月26日
- 公報発行日
- 2024年03月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】寿がきや食品株式会社
- 【請求人代理人】飯田 昭夫
- 【請求人代理人】飯田 明弘
- 【請求人代理人】江間 路子
- 【請求人代理人】安藤 敏之
- 審判長/審判官
- 審判長 豊瀬 京太郎
- 審判官 板谷 玲子
- 審判官 田中 瑠美
- 分類
- T18 .13 -Z (W30) / T18 .272-Z (W30)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022-106980拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和4年9月15日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年12月 9日付け:拒絶理由通知書
令和5年 1月20日 :意見書の提出
令和5年 3月 6日付け:拒絶査定
令和5年 6月13日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、「辛魚粉」の文字を標準文字で表してなり、第30類「茶,コーヒー,ココア,氷,菓子(果物・野菜・豆類又はナッツを主原料とするものを除く。),パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ,調味料,そばつゆ,香辛料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,コーヒー豆,穀物の加工品,チョコレートスプレッド,ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,弁当,ラビオリ,お好み焼,調理済み麺類,調理済みラーメン,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,即席菓子のもと,パスタソース,食用酒かす,米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用グルテン,食用粉類」を指定商品として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
本願商標は、「辛魚粉」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「辛」の文字は、「味が辛い。」の意味を、「魚粉」の文字は、「食用魚粉」の意味をそれぞれ有する語であることから、本願商標は、全体として、「味が辛い食用魚粉」程の意味合いを生ずるものであり、食品業界において、「辛魚粉」と称した食材を使用した商品が取引されている実情もみられる。
そのため、本願商標を、その指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、当該商品が「味が辛い食用魚粉」又は「味が辛い食用魚粉を使用した商品」であること、すなわち、商品の品質(原材料)を表示したものとして認識するものとみるのが相当である。
また、本願商標を上記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがある。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
4 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、「辛魚粉」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「辛」の文字は、「味が辛い。」の意味を、「魚粉」の文字は、「魚を乾燥して粉にしたもの。」の意味をそれぞれ有する語であることから(出典:株式会社小学館「デジタル大辞泉」)、本願商標は、全体として、「味が辛い魚粉」程の意味合いを生ずるものである。
また、別掲1のインターネット情報によれば、本願の指定商品に関連する業界においては、通常より辛みを強くした調味料について、「辛い商品であること」を表示したり強調したりするために、「辛」の文字を冠して表現することが一般に行われていることがうかがえる上、別掲2の新聞記事やインターネット情報を見ると、唐辛子などを混ぜて辛みをきかせた味の辛い魚粉を取り扱っている事例(別掲2の4ないし6)、辛みをきかせた味の辛い魚粉について実際に「辛魚粉」の文字を使用している事例(別掲2の1ないし3)のほか、味が辛い食品に魚粉を混ぜることで辛さと魚粉の旨みのきいた味付けにすることが行われている事例(別掲2の7ないし11)も見受けられる。
そうすると、本願商標は、これをその指定商品に使用するときには、これに接する取引者、需要者をして、それが「味が辛い魚粉を使用した商品」という、商品の品質、原材料を表示したものと認識させるにとどまり、自他商品の識別標識としては認識し得ないものというべきであるから、本願商標は、その商品の品質、原材料を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というのが相当である。
また、本願商標をその指定商品中、上記商品以外の商品に使用するときには、商品の品質の誤認を生ずるおそれがある商標というべきである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、「辛いふりかけ」は存在しても「辛い魚粉」は存在せず、造語である「辛魚粉」と称する食材は、「魚粉の持つ旨味を生かした、辛さを増すための食材」、すなわち「魚粉を使用した香辛料」「魚粉を使用した辛い調味料」として使用されており、現に識別力の有るものとして取引されていると主張する。
しかしながら、上記(1)で述べたとおり、本願商標は、その構成より、「味が辛い魚粉」程の意味合いを生ずるものであり、本願の指定商品に関連する業界においては、請求人が主張するように、「魚粉の持つ旨味を生かした、辛さを増すための食材」として、味が辛い魚粉が一般に取り扱われていることがうかがえるものであるから、本願商標をその指定商品に使用しても、商品の品質、原材料を表示したものと認識させるにとどまり、自他商品の識別標識としては認識し得ないものというべきである。
イ 請求人は、「魚粉を使用した香辛料、辛い調味料」の意として「辛魚粉」が普通名称化しているという事実はなく、当該商品についての「辛魚粉」の名称は、食品業界においては請求人の未登録商標として尊重すべきものと認識されていると主張する。
しかしながら、上記(1)で述べたとおり、本願の指定商品に関連する業界においては、請求人以外にも、辛みをきかせた味の辛い魚粉について「辛魚粉」の文字を使用している例が見受けられるなど、本願商標の構成文字及び別掲の事実から確認できる取引の実情に照らせば、本願商標は、これをその指定商品に使用する場合、これに接する取引者、需要者によって、「味が辛い魚粉を使用した商品」であることを表示するものとして一般に認識されるといえ、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものというべきものである。また、職権をもって調査するも、本願商標が食品業界において請求人の未登録商標として尊重すべきものと認識されていることを示す証左を発見することはできず、請求人提出の資料によっても当該事実を確認することはできないから、本願商標は、特定人によるその独占使用を認めるのは適当でないとともに、自他商品識別力を欠くものというのが相当である。
ウ 請求人は、過去の登録例を挙げ、全体として「造語」と認識されるのであれば、構成される文字の一部分を分離観察した時に生じる観念以外の商品に使用しても、品質の誤認を生じないと述べ、本願商標は、商標中に「辛」「魚粉」の文字を有していても、「味の辛い魚粉」として認識されることはなく、よっていずれの商品に使用しても品質の誤認を生じないものと主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるか否かの判断は、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品・指定役務との関係や、その商品又は役務の分野における取引の実情をも踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げた過去の登録例は、商標の構成態様や指定商品・指定役務が本願商標とは異なるものである点において、本願とは、事案を異にするものというべきであり、また、過去の登録例や審決例が存在することをもって、上記判断が左右されるものではない。そして、本願商標については、上記(1)で述べたとおり、これをその指定商品に使用するときには、これに接する取引者、需要者をして、それが「味が辛い魚粉を使用した商品」という、商品の品質、原材料を表示したものと認識させるにとどまるものであるから、自他商品の識別標識としては認識し得ないものというべきであり、本願商標をその指定商品中、上記商品以外の商品に使用するときには、商品の品質の誤認を生ずるおそれがある商標といわざるを得ない。
エ したがって、請求人の上記アないしウの主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2023-009794