商標拒絶査定不服審判
2023-009652
アイオーティーオクスリバコ、アイオオテイオクスリバコ、アイオーティー、アイオオテイ、オクスリバコ、クスリバコ
- 審判番号
- 2023-009652
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-065502
- 請求日
- 2023年06月12日
- 審決日
- 2024年08月28日
- 公報発行日
- 2024年11月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社デンソーウェーブ
- 【請求人代理人】青木 篤
- 審判長/審判官
- 審判長 大橋 良成
- 審判官 渡邉 あおい
- 審判官 渡邉 潤
- 分類
- T18 .13 -Z (W0942) / T18 .272-Z (W0942)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022- 65502拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和4年6月8日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年11月16日付け:拒絶理由通知書
令和4年12月29日 :意見書の提出
令和5年 3月10日付け:拒絶査定
令和5年 6月12日 :審判請求書の提出
令和6年 5月17日付け:審尋
第2 本願商標
本願商標は、「IoTお薬箱」の文字を標準文字で表してなり、第9類及び第42類に属する別掲1に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として登録出願されたものである。
第3 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、「本願商標は、「IoTお薬箱」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「IoT」の文字は、「Internet of Things(モノのインターネット)」の略称であり、モノに通信機能を持たせてインターネットに接続する技術の総称として、昨今、広範な分野にわたり一般的に使用されており、「お」の文字は、「御」に通じ、「広く事物に冠して、聞き手に対する丁寧の気持を表す。」等の意味を有し、「薬箱」の文字は、「薬を入れておく箱」の一般的名称であることから、全体として「IoTを活用した薬箱」ほどの意味合いが看取・認識される。そして、本願の指定商品及び指定役務を取り扱う分野においては、通信機能を活用した薬の販売機や保管ラック、容器などの商品が開発・製造・販売され、在庫や服薬状況を管理するためのシステムが取り扱われていることがうかがえることから、本願商標をその指定商品・指定役務に使用しても、これに接する需要者・取引者は、「IoTを活用した薬箱の管理用コンピュータソフトウェア」や「IoTを活用した薬箱の管理用コンピュータソフトウェアの提供・クラウドコンピューティング」等の「IoTを活用した薬箱の管理のための商品や役務」であることを認識するにとどまるものであって、本願商標は、単にその商品の品質や役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるというのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、これを「IoTを活用した薬箱の管理のための商品や役務」以外の商品・役務に使用するときは、商品の品質・役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第4 当審における審尋
当審において、上記第1の審尋により、請求人に対し、別掲2及び別掲3のとおりの事実を提示した上で、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、これに対する回答を求めたが、請求人は、応答期間において、当該審尋に対する意見を提出していない。
第5 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、「IoT」の欧文字と、「お薬箱」の文字を結合した「IoTお薬箱」の文字を標準文字で表してなるところ、かかる構成においては、「IoT」の欧文字と「お薬箱」の文字とで構成されるものと容易に認識されるものである。
そして、本願商標の構成中の「IoT」の欧文字は、「(internet of things)自動車・電化製品など、IT機器以外の「もの」が、インターネットにより相互に接続されているシステム。物のインターネット。」を、「お」の文字は、「広く事物に冠して、聞き手に対する丁寧の気持を表す。」を、「薬箱」の漢字は、「薬を入れておく箱。」(いずれも「広辞苑 第七版」発行者:株式会社岩波書店)を意味する語であるところ、別掲2のとおり、「IoT」の欧文字は、「IoT」を活用した商品について、その対象となる商品等の文字の前に「IoT」の文字を冠して、当該IoT技術を活用した商品(例えば、インターネット通信機能を備えた商品等)であることを表す際に、一般に使用されている事実が認められる。
また、別掲3のとおり、昨今、薬の飲み忘れ、飲みすぎ、飲み残しの防止を目的として、患者や高齢者等の服薬状況を離れた場所から把握ができるよう、IoTを活用し、薬箱とインターネットの通信機能やスマートフォンのアプリと連携させることにより、服薬の管理及び支援をするための仕組みが提供されている実情が確認でき、さらに、IoTを活用した薬箱が、「IoT薬箱」と称されている事例も確認することができるから、本願商標は、構成全体として、「IoTを活用したお薬箱」ほどの意味合い認識させるものである。
そうすると、本願商標を、その指定商品及び指定役務中、第9類「携帯電話機・スマートフォン及びその他の通信端末用のダウンロード可能なコンピュータアプリケーションソフトウェア,ダウンロード可能なコンピュータソフトウェア,コンピュータソフトウェア,電子計算機用プログラム,電子応用機械器具及びその部品,携帯情報端末,電気通信機械器具」及び第42類「携帯電話機・スマートフォン及びその他の通信端末用コンピュータアプリケーションソフトウェアの提供,コンピュータソフトウェアの提供,電子計算機用プログラムの提供,コンピュータソフトウェアの設計・作成又は保守,電子計算機用プログラムの設計・作成又は保守,コンピュータサイトのホスティング(ウェブサイト),インターネットにおけるサーバの記憶領域の貸与,インターネット用サーバの貸与,ウェブサイトにおけるサーバの記憶領域の貸与,ソーシャルネットワーキング用サーバの記憶領域の貸与,電子掲示板・電子会議室・チャットルーム用のサーバエリアの貸与,サーバのホスティング,サーバの記録領域の貸与,クラウドコンピューティング,電子計算機用プログラムの設計・作成又は保守に関する調査・分析又は助言,電子計算機用プログラムの設計・作成又は保守に関する情報の提供,電子計算機用プログラムの環境設定及びその機能の拡張・追加,通信ネットワークシステムの設計・企画又は保守,通信ネットワークシステムに関する調査・分析又は助言,ウェブサイトの作成又は保守,電子商取引における利用者の認証,電子計算機を用いて行う情報処理,インターネットにおけるホームページの作成,コンピュータデータベースへのアクセスタイムの賃貸,電子計算機の貸与,機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計,デザインの考案,機械器具に関する試験又は研究,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,電子データのバックアップ,電子計算機を用いたデータ処理」に使用しても、これに接する需要者・取引者は、当該商品及び役務が、「IoTを活用したお薬箱に利用する商品及び役務」であることを理解するにとどまるから、本願商標は、商品の品質及び用途並びに役務の質(内容)及び用途を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、本願商標を、その指定商品又は指定役務中、「IoTを活用したお薬箱に利用する商品や役務」と関連のない商品又は役務について使用をするときは、商品の品質又は役務の質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は、「本願商標を「IoT」と「お薬箱」の各語に分離分断し、それぞれの語の意味を理解した上で、本願商標全体から「IoTを活用した薬箱」といった意味合いを直接的・具体的に把握・認識すると考えるのは妥当ではない。むしろ、外観及び称呼において極めて一体性の高い構成からなる本願商標に接する取引者・需要者は、構成中の各語の具体的な意味についてはさほど重視せずに、本願商標を特定の具体的な意味を有する言葉としてではなく、文字又は音自体として構成要素全体で一つの造語を構成するものとして把握・認識する。また、取引の実際においても、本願商標は当該サービスに関する自他商品役務識別標識として請求人により使用され、取引者・需要者によっても当該サービスの自他商品役務識別標識として把握・認識されている。」旨主張する。
しかしながら、上記1のとおり、本願商標は、「IoT」の欧文字と、「お薬箱」の文字を結合した「IoTお薬箱」の文字を標準文字で表してなるところ、かかる構成においては、「IoT」の欧文字と「お薬箱」の文字とで構成されるものと容易に認識されるものである。
そして、別掲2のとおり、「IoT」の欧文字は、「IoT」を活用した商品について、その対象となる商品等の文字の前に「IoT」の文字を冠することにより、当該IoT技術を活用した商品であることを表す際に、一般に使用されている事実が認められ、また、別掲3のとおり、IoTを活用し、服薬の管理及び支援をするための仕組みが提供されている実情が確認でき、さらに、IoTを活用した薬箱が、「IoT薬箱」と称されている事例も確認することができることからすると、本願商標は、構成全体として、「IoTを活用したお薬箱」ほどの意味合い認識させるものであると判断するのが相当である。
加えて、本願商標は請求人により使用され、請求人のサービスに関する自他商品役務識別標識として、取引者・需要者によっても把握・認識されているとの主張については、当該主張を裏付ける証拠が提出されておらず、認めることはできない。
(2)請求人は、過去の登録例を挙げて、本願商標も同様に取り扱われるべきである旨主張している。
しかしながら、請求人の挙げる登録例は、本願商標とは、構成文字や構成態様が異なるものであって、かつ、具体的事案の判断においては、過去の登録例等に拘束されることなく、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と取引の実情に応じて個別的に判断されるべきであるから、これらの事例の存在によって、上記1の認定、判断が左右されるものではない。
(3)請求人の上記主張は、いずれも採用することができず、その他、請求人の主張は、採用するべき事情はない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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