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商標拒絶査定不服審判

2023-009651

マチノリビング

審判番号
2023-009651
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2022-038448
請求日
2023年06月12日
審決日
2024年04月30日
公報発行日
2024年07月26日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】野村不動産株式会社
  • 【請求人代理人】弁理士法人一色国際特許事務所
審判長/審判官
  • 審判長 高野 和行
  • 審判官 小俣 克巳
  • 審判官 石塚 利恵
分類
T18 .16 -Z (W43)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法3条1項6号
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第3条第1項第6号
データ出所
審決公報(XML)

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商願2022-38448拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 1 手続の経緯 本願は、令和4年4月4日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和4年 9月12日付け:拒絶理由通知書 令和4年10月24日 :意見書、手続補足書の提出 令和5年 3月14日付け:拒絶査定 令和5年 6月12日 :審判請求書、手続補足書の提出 2 本願商標 本願商標は、「まちのリビング」の文字を標準文字で表してなり、第43類「宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,飲食物の提供,動物の宿泊施設の提供,保育所における乳幼児の保育,高齢者用入所施設の提供(介護を伴うものを除く。),会議室の貸与,展示施設の貸与,イベント会場の貸与,多目的ホールの貸与,集会場の貸与,テントの貸与,布団の貸与,まくらの貸与,毛布の貸与,家庭用電気式ホットプレートの貸与,家庭用電気トースターの貸与,家庭用電子レンジの貸与,業務用加熱調理機械器具の貸与,業務用調理台の貸与,業務用流し台の貸与,家庭用加熱器(電気式のものを除く。)の貸与,家庭用調理台の貸与,家庭用流し台の貸与,食器の貸与,カーテンの貸与,家具の貸与,壁掛けの貸与,敷物の貸与,オフィス家具の貸与,おしぼりの貸与,タオルの貸与,椅子・テーブル・テーブル用リネン・ガラス食器の貸与」を指定役務として登録出願されたものである。 3 原査定の拒絶の理由(要点) 本願商標は、「まちのリビング」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「まち」の文字は、「市や区を構成する小区画。」の意味を有する「町」を認識させる語、「リビング」の文字は、「住居の中で、家族が一家団欒を楽しみ、寛ぐことを目的として設置されている部屋。」の意味を有する語であるから、本願商標は、「まち」の語と「リビング」の語を格助詞の「の」で結合させたものと認識される。 そして、本願の指定役務と関係の深い分野において、「まちのリビング」の文字は、請求人以外の多数の者によって、「町にある、団らんを楽しんだり、くつろいだりすることを目的とした場所」ほどの意味合いで、飲食物の提供や集会場の貸与といった、各種の役務の提供の場所についての説明を簡潔に表す語として、一般的に使用されている実情がある。 そうすると、本願商標をその指定役務中、「宿泊施設の提供,飲食物の提供,会議室の貸与,展示施設の貸与,イベント会場の貸与,多目的ホールの貸与,集会場の貸与」に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、「まちのリビング」と称される場所、すなわち、「町にある、(リビングルームのように)団らんを楽しんだり、くつろいだりすることを目的とした場所」で提供される役務であるという役務の特徴を表したものと認識するにすぎないから、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標である。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。 4 当審の判断 (1)商標法第3条第1項第6号該当性について 本願商標は、「まちのリビング」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「まち」の文字は、「住宅や商店が多く人口が密集している所。」の意味を有する「町、街」に通じるものであり、「リビング」の文字は、「「リビングルーム」の略。」の意味を有する語(いずれも「大辞泉 第二版」(小学館)から引用。)として、それぞれ我が国において広く親しまれていることから、これらを格助詞「の」で連結した本願商標は、全体として「町(街)のリビング(ルーム)」程の意味合いを容易に理解させるものである。 ところで、近年、我が国では、核家族化や未婚率、高齢者の独居率の上昇で、孤立する人が増えていることへの対応として、多世代間の交流を促し、つながりを保てるような環境の整備が求められているところ、原審において示した事実(別掲1)に加え、当審における職権による調査(別掲2)によれば、行政等によるまちづくりや、コミュニティスペース創出において、あるいは、ホテルやカフェ等において、「誰もが気軽に利用でき、自由にゆったりと過ごせる場所」をコンセプトとした場所が多数計画又は整備されており、そのような場所を、一般に広く「まちのリビング」と称している実情が認められる。 そうすると、「まちのリビング」の文字からなる本願商標は、その指定役務中、例えば、第43類「宿泊施設の提供,飲食物の提供,動物の宿泊施設の提供,保育所における乳幼児の保育,高齢者用入所施設の提供(介護を伴うものを除く。),会議室の貸与,展示施設の貸与,イベント会場の貸与,多目的ホールの貸与,集会場の貸与」との関係において、「誰もが気軽に利用でき、自由にゆったりと過ごせる場所」ほどの意味合いを理解、認識させるものであって、上記役務が提供される場所又は上記役務により提供される場所のコンセプトを表したものと理解、認識させるにすぎず、これに接する取引者、需要者は、当該文字を、役務の出所を表示する標識又は自他役務の識別標識として認識することはないというべきである。 してみれば、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標であり、商標法第3条第1項第6号に該当する。 (2)請求人の主張について ア 請求人は、(a)「まち」には「町」のほかにも、「区」、「待ち」、「襠」、「麻知」といった様々な意味があり、「まち」が平仮名表記されている以上、いずれの意味かを特定するのは困難であること、(b)格助詞「の」についても、所有の意味と捉えることも何ら不自然ではなく、「当該町の保有する~」といった意味合いも看取できること、(c)「リビング」は、辞書の第一義的には「生きていること。生活。暮らし。住まい」といった意味であり、次いで「リビングルームの略」との意味が掲載されているため、「リビング」から看取される意味も多義的なものであることを述べ、本願商標は、原審が指摘する意味合いの他にも、例えば、「町の暮らし」、「町の住まい(住居)」、「待ちのリビングルーム(空き待ち状態のリビングルーム)」、「町が所有するリビングルーム(自治体が所有・運営するリビングルーム)」等の意味を認識することも可能であり、さらには、「まちの」を日本の氏の一つである「町野」と把握し、一連の名称として「町野リビング」といった特定の施設名称のごとき意味合いを認識するのも可能である旨主張する。 しかしながら、別掲1及び別掲2のとおり、現在我が国において、「まちのリビング」の文字が、「誰もが気軽に利用でき、自由にゆったりと過ごせる場所」といった意味合いで、行政等によるまちづくりや、コミュニティスペース創出において、あるいは、ホテルやカフェ等において、一般に広く用いられている実情を鑑みれば、本願商標をその指定役務中、例えば、第43類「宿泊施設の提供,飲食物の提供,動物の宿泊施設の提供,保育所における乳幼児の保育,高齢者用入所施設の提供(介護を伴うものを除く。),会議室の貸与,展示施設の貸与,イベント会場の貸与,多目的ホールの貸与,集会場の貸与」に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、請求人主張の「町の住まい(住居)」、「待ちのリビングルーム(空き待ち状態のリビングルーム)」等の意味合いを認識するというよりは、自分の家の「リビング」のように、誰もが気軽に利用でき、自由にゆったりと過ごせる「まちのリビング」(町(街)のリビング(ルーム))といった意味合いを認識、理解するというのが自然である。 イ 請求人は、「まちの○○」、「町の○○」又は「街の○○」の構成からなる過去の商標登録例を掲げて、本願商標も登録すべきである旨主張する。 しかしながら、登録出願に係る商標が自他役務の識別標識として機能し得るか否かは、当該商標の構成態様と、査定時又は審決時における取引の実情を勘案して、その指定役務の取引者、需要者の認識を基準に判断すべきものであるから、他の登録例に本件の判断が拘束されるものではない。 ウ したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。 (3)まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。

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