商標拒絶査定不服審判
2023-009603
エヌエフテイメーシ、エヌエフテイ
- 審判番号
- 2023-009603
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-054003
- 請求日
- 2023年06月09日
- 審決日
- 2024年10月24日
- 公報発行日
- 2025年02月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】SUSHI TOP MARKETING株式会社
- 【請求人代理人】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 豊瀬 京太郎
- 審判官 清川 恵子
- 審判官 飯田 亜紀
- 分類
- T18 .13 -Z (W0942)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022-54003拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和4年5月13日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年11月21日付け:拒絶理由通知書
令和5年 2月13日 :意見書及び手続補正書の提出
令和5年 3月31日付け:拒絶査定
令和5年 6月 9日 :審判請求書及び手続補正書の提出
令和6年 7月23日付け:審尋
令和6年 8月22日 :回答書の提出
2 本願商標
本願商標は、「NFT名刺」の文字を標準文字で表してなり、第9類、第16類、第28類、第35類、第36類、第38類、第40類、第41類及び第42類に属する願書記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として登録出願されたものであり、その後、指定商品及び指定役務については、前記1の原審及び当審における手続補正書により、最終的に、第9類「インターネットサーバー,コンピュータソフトウェア用アプリケーション(電気通信回線を通じてダウンロードにより販売されるもの),コンピュータソフトウェア(記憶されたもの),コンピュータハードウェア,コンピュータ周辺機器,インターネットを利用して受信し及び保存することができる画像ファイル,電子出版物,ダウンロード可能なキャラクター等の静止画像・動画像・音声付き静止画像・音声付き動画像・映像」及び第42類「コンピュータソフトウェアのバージョンアップ,ウェブサイトの保守,コンピュータソフトウェアの保守,コンピュータソフトウェアの研究及び開発,コンピュータソフトウェアの設計・作成・保守に関する助言,コンピュータの設計,アプリケーションソフトウェアの貸与,インターネット上のウェブサイトのホスティング,コンピュータの貸与,コンピュータソフトウェアプラットフォームの提供,電子計算機用プログラムの提供,アプリケーションソフトウェアの提供,仮想現実用ソフトウェアの提供,新製品の研究及び開発,コンピュータソフトウェアの試験」と補正されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要点
原審において、「本願商標は、「NFT名刺」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「NFT」「名刺」の文字は、それぞれ「複製・偽造の不可能な証明書を付与したデジタルデータ。また、その技術。アート作品など、複製でないことに価値があるものに、それが唯一のデータであることを証明する情報を埋め込んだもの。非代替性トークン。」「氏名・住所・勤務先・身分などを印刷した長方形の小形の紙札。」の意味を有する語として広く親しまれた語であるから、本願商標は、全体として、「非代替性トークンの技術を利用した名刺」程の意味合いを容易に理解させる。そして、「NFT」の語は、2021年の「ユーキャン 新語・流行語大賞」にノミネートされるなど、近時、注目を集めており、また、非代替性トークンの技術が、電子書籍・トレーディングカード以外にも、印鑑、ゲーム、アート、ファッション等にも適用され、非代替性トークンの技術を利用した商品(役務)であることを表すものとして「NFT印鑑」、「NFTゲーム」、「NFTアート」のように、NFTを冠した「NFT○○」の語が広く一般に使用されている実情がある。そうすると、本願商標をその指定商品(指定役務)に使用しても、これに接する需要者は、「非代替性トークンの技術を利用した名刺」に関する商品・役務であることを認識、理解するというのが相当であるから、本願商標は、単に商品の品質・役務の質等を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というべきである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、「非代替性トークンの技術を利用した名刺」に関する商品・役務以外の商品・役務に使用するときは、商品の品質又は役務の質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、拒絶したものである。
4 当審における審尋
当審において、前記1の審尋により、別掲1及び別掲2に掲げる事実を記載した上で、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとの暫定的見解を示し、期間を指定した上で請求人に対し意見を求めた。
5 審尋に対する請求人の回答(要旨)
(1)ウェブサイトでの記載の多くは、作成者の認識や意図を記載したり、商品やサービスの販売促進を意図して作成したりするものであって、その内容について辞典や辞書のような公平性及び正確性が担保されているものではない。
(2)別掲1は、本願商標「NFT名刺」に関するものではなく、「NFTチケット」などの「NFT○○」といった文字列に関する情報なので、これを根拠にして本願商標が商品の品質及び役務の質を表すものと導き出すことはできない。
(3)別掲2は、「NFT名刺」の文字が記載されているものの、いずれも具体的な内容を表しているとはいえない。
6 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号の該当性について
本願商標は、「NFT名刺」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「NFT」の文字は「《non-fungible token》複製・偽造の不可能な証明書を付与したデジタルデータ。また、その技術。アート作品など、複製でないことに価値があるものに、それが唯一のデータであることを証明する情報を埋め込んだもの。非代替性トークン。」の意味を、「名刺」の文字は「氏名・住所・勤務先・身分などを印刷した長方形の小形の紙札。」の意味(いずれも「デジタル大辞泉」株式会社小学館)をそれぞれ有する語であるから、その構成全体より「NFT(非代替性トークン)技術の名刺」ほどの意味合いを容易に看取し得る。
そして、NFT(非代替性トークン)技術が、電子書籍、トレーディングカード、印鑑、ゲーム、アート若しくはファッション等に適用され、NFT(非代替性トークン)の技術を利用した商品及び役務であることを表すものとして「NFT印鑑」、「NFTゲーム」、「NFTアート」、「NFTチケット」、「NFTトレーディングカード(トレカ)」、「NFTスニーカー」のように、NFTを冠した「NFT○○」の語が広く一般に使用されていることがうかがえる(原審における拒絶理由通知書及び拒絶査定並びに別掲1)。
また、別掲2に示すように、NFT(非代替性トークン)の技術を利用した名刺に関する商品及び役務を「NFT名刺」のように称し提供されている事実も少なからず見受けられる。
そうすると、「NFT名刺」の文字よりなる本願商標をその指定商品及び指定役務に使用する場合は、これに接する取引者、需要者に、特定の者の取り扱いに係る商品及び役務であることを認識させるというよりも「NFT(非代替性トークン)の技術を利用した名刺に関する商品及び役務」という商品の品質及び役務の質を表示したものと認識、理解させるにとどまるというのが相当である。
したがって、本願商標は、商品の品質及び役務の質を普通に用いられる方法で表示してなる標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、前記5のように主張する。
しかしながら、別掲1及び別掲2のインターネット記事は、NFT(非代替性トークン)の技術を利用した商品及び役務であることを表すものとして「NFT印鑑」、「NFTゲーム」、「NFTアート」、「NFTチケット」、「NFTトレーディングカード(トレカ)」、「NFTスニーカー」のように、NFTを冠した「NFT○○」の語が広く一般に使用されていること、及びNFT(非代替性トークン)の技術を利用した名刺に関する商品及び役務を「NFT名刺」のように称し提供されていることを示す例示として列挙しているものであり、当該インターネット記事は、そのような例示として十分な証拠であるといえる。
そして、本願商標を構成する各語の語義や指定商品及び指定役務の分野における使用状況、各文字の関連性等を総合して検討、判断すれば、本願商標が商品の品質及び役務の質を認識させることは、上記(1)のとおりである。
したがって、請求人の上記主張は採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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