商標拒絶査定不服審判
2023-009363
ディスクダンパー、ディスク
- 審判番号
- 2023-009363
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-074521
- 請求日
- 2023年06月07日
- 審決日
- 2024年09月30日
- 公報発行日
- 2024年12月27日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社大林組
- 【請求人代理人】弁理士法人一色国際特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 大橋 良成
- 審判官 渡邉 あおい
- 審判官 渡邉 潤
- 分類
- T18 .13 -Z (W19) / T18 .272-Z (W19)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、商標法第10条第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022- 74521拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和3年6月4日に登録出願された商願2021-69411に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として、令和4年6月28日に登録出願されたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年 9月15日付け:拒絶理由通知書
令和5年 1月27日 :意見書の提出
令和5年 3月 2日付け:拒絶査定
令和5年 6月 7日 :審判請求書の提出
令和6年 6月20日付け:審尋
第2 本願商標
本願商標は、「ディスクダンパー」の文字を標準文字で表してなり、第19類「建築用非金属製免震用部材」を指定商品として登録出願されたものである。
第3 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、「本願商標は、「ディスクダンパー」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「ディスク」の文字は、「円盤。円板。」の意味を、「ダンパー」の文字は、「振動を吸収する装置。」の意味を有するところ、「ダンパー」について、様々な形状や構造、原材料のものがあり、「ダンパー」の文字の前に形状や構造等を意味する語を冠した名称の商品が多数流通している実情が見受けられ、また、円盤型のダンパーが取引されており、これを「ディスクダンパー」と称している例も確認できるから、本願商標は全体として、「円盤型のダンパー」ほどの意味合いを容易に認識させる。そうすると、本願商標をその指定商品に使用した場合には、これに接する取引者、需要者は、当該商品が「円盤型のダンパーに関するもの」であることを認識するにとどまるから、本願商標は、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示したにすぎないものというべきである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、また、前記の商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第4 当審における審尋
当審において、上記第1の審尋により、請求人に対し、別掲1ないし別掲4のとおりの事実を提示した上で、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、これに対する回答を求めたが、請求人は、応答期間において、当該審尋に対する意見を提出していない。
第5 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、「ディスクダンパー」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「ディスク」の文字は、「円盤。円板。」を意味し、「ダンパー」の文字は、本願の指定商品である「建築用非金属製免震用部材」との関係においては、「振動を吸収する装置。」(いずれも、「広辞苑 第七版」発行者:株式会社岩波書店)を意味する語であるところ、別掲1のとおり、「ディスク」の文字は、各種機器やその構成要素の形状が、「円盤(円板)」の形状であることを表す語として使用されていることからすると、一般に、「円盤(円板)状」であることを認識、理解させる語として使用されているものと認められる。
そして、別掲2のとおり、ダンパーには、様々な形状、構造のものがあるところ、ダンパーの名称の中には、ダンパーの形状、構造を表す文字を「ダンパー」の文字の前に冠した事例が見られ、また、本願の指定商品に関係する分野において、円盤(円板)状の免震(耐震)装置が製造、販売されている事例が確認できる。
さらに、別掲3のとおり、形状が円形の免震装置が取引されていることに加え、別掲4のとおり、振動を緩める機能を有する商品の中には、「ディスクダンパー」と称されているものがあり、当該商品の中には、円盤(円板)状の商品が存在していることが確認できる。
そうすると、本願商標は、構成全体として、「円盤(円板)状のダンパー」ほどの意味合いを認識させるものであり、これを、その指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者は、当該商品が、「円盤(円板)状のダンパー」であることを理解するにとどまるから、本願商標は、商品の品質、形状を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、本願商標を、その指定商品中、「円盤(円板)状のダンパー」と関連のない商品について使用をするときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は、「「ディスクダンパー」の語は、辞典類や各種用語事典に至るまで、いずれの文献にもその意味を説明する記載は一切存在しない。「ダンパー」の語には、多数の意味があることを考慮すれば、「ディスクダンパー」の語は多義的であり、意味合いを特定することは困難な造語とみるべきであり、また、拒絶査定で引用されたインターネット情報には、円盤状の建築用でありかつ免震用といえる商品は記載されておらず、免震用建築用の本願指定商品に係る業界において円盤状の建築用である免震用商品は一般的には流通しておらず、請求人以外の者による「ディスクダンパー」の使用例は見当たらないことから、「ディスクダンパー」は十分に自他識別機能を発揮する商標である。」旨主張する。
しかしながら、本願商標の構成中の「ダンパー」の文字は、本願の指定商品「建築用非金属製免震用部材」との関係においては、「振動を吸収する装置。」を意味する語として認識、理解されるものである。
そして、別掲1のとおり、「ディスク」の文字は、各種機器やその構成要素の形状が、「円盤(円板)」の形状であることを表す語として使用されていることからすると、一般に、「円盤(円板)状」であることを認識、理解させる語として使用されているものと認められること、別掲2のとおり、ダンパーには、様々な形状、構造のものがあり、ダンパーの名称の中には、ダンパーの形状、構造を表す文字を「ダンパー」の文字の前に冠した事例が見られ、本願の指定商品に関係する分野において、円盤(円板)状の免震(耐震)装置が製造、販売されている事例が確認できること、別掲3のとおり、形状が円形の免震装置が取引されていること、別掲4のとおり、振動を緩める機能を有する商品の中には、「ディスクダンパー」と称されているものがあり、当該商品の中には、円盤(円板)状の商品が存在していることが確認できる。
また、商標法第3条第1項第3号は、取引者、需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、該表示態様が、商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきである(東京高裁平成12年(行ケ)第76号,同年9月4日判決参照)。
そうすると、仮に、辞典類や各種用語事典に「ディスクダンパー」の文字の記載がなく、請求人以外の者による「ディスクダンパー」の使用例は見当たらないとしても、本願商標の構成中の「ディスク」の文字と「ダンパー」の文字の語義及び別掲1ないし別掲4に見られるような取引の実情を踏まえると、上記1のとおり、本願商標は、構成全体として、「円盤(円板)状のダンパー」ほどの意味合い認識させるものであり、これを、その指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者は、当該商品が、「円盤(円板)状のダンパー」であることを理解するにとどまり、本願商標は、商品の品質、形状を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものであるから、自他識別機能を発揮する商標であるとはいえないものである。
(2)請求人は、過去の登録例及び審決例を挙げて、本願商標も同様に取り扱われるべきである旨主張している。
しかしながら、請求人の挙げる登録例及び審決例は、本願商標とは、構成文字や構成態様が異なるものであって、かつ、具体的事案の判断においては、過去の登録例等に拘束されることなく、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と取引の実情に応じて個別的に判断されるべきであるから、これらの事例の存在によって、上記1の認定、判断が左右されるものではない。
(3)請求人の上記主張は、いずれも採用することができず、その他、請求人の主張は、採用するべき事情はない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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