商標拒絶査定不服審判
2023-009228
エイワンマイ、エイイチマイ、エイワンコメ、エイイチコメ
- 審判番号
- 2023-009228
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-092208
- 請求日
- 2023年06月06日
- 審決日
- 2025年07月22日
- 公報発行日
- 2025年10月31日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社A-1設計
- 【請求人代理人】杉浦 健文
- 審判長/審判官
- 審判長 豊瀬 京太郎
- 審判官 清川 恵子
- 審判官 目黒 潤
- 分類
- T18 .16 -Z (W30)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項6号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第6号、商標法第3条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022-92208拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和4年8月9日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年11月30日付け:拒絶理由通知書
令和5年 2月 1日 :意見書の提出
令和5年 2月28日付け:拒絶査定
令和5年 6月 6日 :審判請求書の提出
令和6年 7月10日付け:審尋
令和6年 9月20日 :回答書、手続補正書の提出
2 本願商標
本願商標は、「A1米」の文字を標準文字で表してなり、第30類に属する願書に記載のとおり商品を指定商品として登録出願され、その後、本願の指定商品は、当審における上記1の手続補正書により、第30類「米」に補正されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
原審において、「本願商標は、「A1米」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「米」の文字は、本願商標に係る指定商品との関係においては、商品の普通名称又は品質を表示する語であって、独立して自他商品の識別標識としての機能を有しないものである。そして、「A1」の文字は、商品の品番、型番、種別、形式、規格、等級等を表した記号又は符号として、一般的に使用される「ローマ字の1字の次に数字を組み合わせたもの」と認められるほか、「第一級のもの。最上品。」の意味を有する語であるところ、米の評価方法の表記として「特A1等」「A1等」が使用されている実情がある。そうすると、本願商標をその指定商品中「米,強化米,人造米,食用米粉,即席米飯」に使用しても、これに接する需要者は結局、「A1の品番、等級の米(を使用した商品)」であることを表す語であると把握、認識するにとどまり、これを超えて、何人かの業務に係る商品であることを認識することができないというのが相当である。また、「米(を使用した商品)」以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるというべきである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、拒絶したものである。
4 当審における審尋(要旨)
当審において、令和6年7月10日付け審尋により、別掲1及び別掲2に掲げる事実を提示した上で、本願商標が商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当するとの暫定的見解を示し、期間を指定した上で請求人に対し意見を求めた。
5 審尋に対する請求人の回答(要旨)
請求人は、上記4の審尋に対する回答書を令和6年9月20日に提出し、要旨以下(1)及び(2)のとおりの意見を述べた。
(1)食品関連を取り扱う業界は、非常に広範囲な業界を意味し、抽象的かつ多義的であり、あいまいであるから、本願の指定商品「米」の審査・審判において、広範囲の業界の実情を考慮することは、あまりに不自然であり、個別具体的な業界で判断すべきである。
(2)別掲に掲げた事実に関して、本願の指定商品「米」を取り扱う分野において、商品の状態を等級や階級等により評価、分類することはあっても、「A1」と評価・分類されることはなく、「等級」や「品」等の文字の一部を省略したものともいえず、2種類の等級表示が併記された状態で、両方または一方の等級表示の一部を省略することも一般的に行われていない。
6 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第6号該当性について
本願商標は、「A1米」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「A1」の文字は、商品の品番、型番、種別、形式、規格、等級等を表示する記号、符号として一般に使用されている欧文字1文字と数字を組み合わせた一類型として理解されるものであり、「米」の文字は、本願の指定商品との関係において、商品の普通名称又は品質を表示するものである。
ところで、知的財産高等裁判所平成19年(行ケ)10050号判決(判決日 同年10月31日)において「一般に、欧文字や数字は、製品や役務の管理のための符号として用いられることがあること、欧文字と数字の組合せも上記の符号として用いられることがあることは公知の事実である。」旨判示され、また、知的財産高等裁判所平成25年(行ケ)第10142号判決(判決日 同年11月14日)において、「商標法3条1項6号は、需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができない商標につき、それ故に登録をうけることができないものとしたものであって、当該商標が取引上現実に使用されている事実は、同号適用において必ずしも要求されないものと解すべきである」旨判示されている。
そして、本願の指定商品を含む食品関連を取り扱う業界では、商品の状態(食味、品位、大きさ等)を等級や階級等により評価、分類することが広く行われている事実があり(別掲1)、また、当該等級や階級等の表示には、欧文字や数字若しくはこれらを組み合わせたものも用いられており、さらに、取引に際して、「等級」等の文字の一部を省略して表示することも、しばしば行われているところである(別掲2)。
このような状況に鑑みれば、「A1米」の文字よりなる本願商標を、その指定商品に使用する場合は、これに接する取引者、需要者に、請求人の取り扱いに係る商品であることを認識させるというよりも、「A1の品番、等級の米」であることを認識、理解させるにとどまるというべきであるから、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標というのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、食品関連を取り扱う業界は、非常に広範囲な業界を意味するのであり、抽象的かつ多義的であって、本願の指定商品「米」の審査・審判において、広範囲の業界の実情を考慮することは、あまりに不自然であるから、基礎食品群も考慮し、個別具体的な業界で判断すべきである旨主張している。
しかしながら、本願の指定商品である「米」とそれ以外の多くの「食品」とは、両者の主たる需要者は一般消費者で共通するものであり、また、販売場所についても、スーパーマーケットやコンビニエンスストアにおける食料品売場等である点において共通にすることも少なくないものである。さらに、食品の中には米を原材料とする商品も一般的に製造・販売されていることなどからすれば、両者は関連性を有する商品といい得るものであり、商品の等級や階級等の表示方法を判断するにあたっては、食品関連の業界における取引の実情も十分に考慮されるべきものといえる。
イ 請求人は、本願の補正後の指定商品「米」を取り扱う分野において、「欧文字1文字と数字を組み合わせた」二文字が、商品の等級等を表示する記号、符号として一般的に使用されている事実はなく、「A1」の文字が、「等」を省略して一般的に使用されている事実もない。そして、別掲で提示された事実については、「等級」や「品」等の文字の一部を省略したものとはいえず、2種類の等級表示が併記された状態で、両方または一方の等級表示の一部を省略することも一般的に行われていることを示すものでもない旨主張している。
しかしながら、上記(1)の判示のとおり、欧文字と数字の組合せが、製品の管理のための符号として用いられていることは公知の事実であり、また、商標法第3条第1項第6号該当性の判断に際しては、商標が取引上現実に使用されている事実は必ずしも要求されないというべきである。
そして、食品関連を取り扱う業界において、「欧文字と数字の組合せからなる表示」が商品の等級や階級等を表す記号として広く使用されている実情に照らせば、本願商標に接する取引者、需要者をして、「A1の品番、等級の米」であることを容易に認識、理解させるものであるといわざるを得ない。
ウ 請求人は、過去の登録例を挙げて、本願商標もそれらと同様に登録が認められるべきである旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第6号に該当するものであるか否かの判断は、当該登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品との関係や、その商品の分野における取引の実情をも踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げた登録例や審決例は、商標の構成態様が本願商標とは異なるものである点において、本願とは、事案を異にするものというべきであり、また、過去の登録例が存在することをもって、上記判断が左右されるものではない。
エ したがって、請求人の上記アないしウの主張は、いずれも採用することができない。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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