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商標拒絶査定不服審判

2023-009198

ホッカイドークマモナカ、ホッカイドークマ、クマモナカ、クマ、ホッカイドーモナカ

審判番号
2023-009198
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2022-074608
請求日
2023年06月05日
審決日
2024年02月14日
公報発行日
2024年05月31日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】有限会社アリカデザイン
  • 【請求人代理人】中山 俊彦
審判長/審判官
  • 審判長 豊瀬 京太郎
  • 審判官 板谷 玲子
  • 審判官 田中 瑠美
分類
T18 .13 -Z (W30) / T18 .272-Z (W30)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法3条1項3号商標法4条1項16号
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第3条第1項第3号、商標法第4条第1項第16号、商標法第3条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

商願2022- 74608拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 1 手続の経緯 本願は、令和4年6月28日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和4年 9月29日付け:拒絶理由通知書 令和4年11月 8日 :意見書の提出 令和5年 2月28日付け:拒絶査定 令和5年 6月 5日 :審判請求書の提出 2 本願商標 本願商標は、「北海道熊もなか」の文字を標準文字で表してなり、第30類「もなか,アイスクリーム入りもなか」を指定商品として登録出願されたものである。 3 原査定の拒絶の理由(要旨) 本願商標は、「北海道熊もなか」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「北海道」の文字は、「日本の最北端、宗谷海峡を隔ててサハリン(樺太)に対する大島、北海道本島とその属島の総称。」の意味を、「熊」の文字は、「ネコ目クマ科の哺乳類の総称。」の意味を、「もなか」の文字は、「和菓子の一つ。」の意味を有する語である。 また、「もなか」の文字は、本願商標に係る指定商品を表したものである。 そして、菓子に係る業界においては、もなかをはじめ、熊等の動物の形を模した商品が取り扱われている実情があり、また、特定の地域で生産又は販売される商品について、当該地域名と商品名とを組み合わせて表示することは、商取引において一般的に行われているものである。 そうすると、本願商標をその指定商品に使用したときは、これに接する取引者、需要者は、その商品が「北海道で生産又は販売された熊の形を模したもなか」であること、すなわち、商品の品質、形状を表示したものとして認識するにとどまるというのが相当である。 したがって、本願商標は、商品の品質等を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というべきであり、商標法第3条第1項第3号に該当する。 また、本願商標を、上記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。 4 当審の判断 (1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について 本願商標は、「北海道熊もなか」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「北海道」の文字は、「日本の最北端、宗谷海峡を隔ててサハリン(樺太)に対する大島、北海道本島とその属島の総称。」を、「熊」の文字は、「ネコ目クマ科の哺乳類の総称。」を、「もなか」の文字は、「和菓子の一つ。」を、それぞれ意味する語として広く一般に知られるものである(いずれも、出典は、株式会社岩波書店「広辞苑第七版」)。 また、「もなか」の文字部分は、本願の指定商品を表すものであり、原審提示の情報に加え、別掲のインターネット情報が示すとおり、本願の指定商品「もなか」を取り扱う業界においては、熊などの動物をはじめとする種々の形を模した商品が広く製造・販売されている実情が認められるほか、「○○もなか(最中)」(○○には形状を模した動物などの名称が入る。以下同じ。)と称して取り扱われているものも多数見受けられる。 加えて、特定の地域で生産・製造・販売等される商品について、当該地域名と商品名とを組み合わせて表示することは、商取引において一般的に行われているものであることよりすれば、動物の「熊」と「もなか」の文字を組み合わせた「熊もなか」の文字に、商品の産地や販売地を表す「北海道」の文字を冠した本願商標は、これに接する取引者、需要者をして、「北海道で製造又は販売される熊の形を模したもなか」程の意味合いを理解させるものであるというのが相当である。 そうすると、本願商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、「北海道で製造又は販売される熊の形を模したもなか」であること、すなわち、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であると認識するにとどまり、本願商標は、自他商品の識別標識としては認識し得ないものというべきである。 さらに、本願商標をその指定商品中、上記商品以外の商品に使用するときには、商品の品質の誤認を生ずるおそれがある商標というのが相当である。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。 (2)請求人の主張について ア 請求人は、本願商標は、全体として一つの造語であり、その指定商品との関係において、何ら特定の品質を想起させるものではない旨主張する。 しかしながら、上記(1)で述べたとおり、原審及び別掲で提示したインターネット情報を見るに、本願の指定商品「もなか」を取り扱う業界においては、熊などの動物をはじめとする種々の形を模した商品が広く製造・販売されている実情が認められることに加え、「○○もなか(最中)」と称して取り扱われているものも多数見受けられること、また、特定の地域で生産・製造・販売等される商品について、当該地域名と商品名とを組み合わせて表示することは、商取引において一般的に行われているものであることよりすれば、動物の「熊」と「もなか」の文字を組み合わせた「熊もなか」の文字に、商品の産地や販売地を表す「北海道」の文字を冠した本願商標は、これをその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者をして、「北海道で製造又は販売される熊の形を模したもなか」であることを認識させ、商品の品質を普通に用いられる方法で表示するものと理解させるにとどまるといわざるを得ない。 イ 請求人は、動物の形、特に、熊の形を模したもなかであって、動物(熊)の普通名称ともなかの語との結合標章(「熊もなか」)が商品名として用いられていない例を挙げ、動物(熊)の形を模したもなかであれば、動物(熊)の普通名称ともなかの語とを結合した標章を使用するとは限らず、その標章の選択は多様であるから、本願商標の構成は多様な選択肢のうちの一態様にすぎず、商品の品質、形状を直接的かつ一義的に表すものではないため、本願商標をその指定商品に使用した場合には、十分に自他商品識別力を発揮するものである旨主張する。 しかしながら、動物(熊)の形を模したもなかが、必ずしも「○○もなか(最中)」の態様で使用されないとしても、実際に、動物(熊)の形を模したもなかが広く製造・販売されている実情にあり、さらに、これらの中には「○○もなか(最中)」と称して取り扱われているものも多数見受けられる事実があることに鑑みれば、本願商標の構成中「熊もなか」の文字部分は、「熊の形を模したもなか」であることを認識させるものといわざるを得ず、これに「北海道」の文字を冠した本願商標は、その指定商品との関係において、商品の品質を表示するものと理解されるにすぎないものであって、自他商品の識別標識としては認識し得ないものというのが相当である。 ウ 請求人は、過去の審決例や登録例を挙げ、本願もこれらと同様に判断されるべきである旨主張する。 しかしながら、登録出願に係る商標が、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるか否かの判断は、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品・指定役務との関係や、その商品又は役務の分野における取引の実情をも踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げた審決例や登録例は、商標の構成態様や指定商品・指定役務が本願商標とは異なるものである点において、本願とは、事案を異にするものというべきであり、また、過去の審決例や登録例が存在することをもって、上記判断が左右されるものではない。 エ 請求人は、札幌のパフェ専門店「パフェ、珈琲、酒、佐藤」に続き、2021年8月24日に菓子専門の新業態である「佐藤堂」を同地域にオープンし、本願商標に係る商品の製造販売を行っている上、この商品は意匠登録されている旨主張する。また、本願商標はその指定商品についての出所識別標識として機能している旨主張し、本願商標の使用状況として、甲第30号証ないし甲第68号証を提出しているところ、この主張は、本願商標が使用された結果、需要者が何人かの業務にかかる商品であることを認識することができるものに至っている(商標法第3条第2項)旨の主張として解釈されるものである。 しかしながら、提出された資料からは、「佐藤堂」の関連店舗において、本願商標を付した請求人取扱いに係るもなか(以下「請求人商品」という。)が実際に販売されていることはうかがえるものの(甲第31号証ほか)、製造販売が開始されたのは、2021年8月24日からであり、現在に至るまで継続して取り扱われているとしても、その販売期間は2年程度であって、長期にわたり使用しているものとはいい難い。 また、請求人商品の主な販売場所・地域は、北海道(札幌)の4店舗と土産物店(甲第34号証)のみであり、北海道以外の地域では、一時的な催事での販売が2件(高知蔦屋書店及び東武百貨店池袋店)うかがえるのみであって(甲第35号証、甲第64号証及び甲第65号証)、ごく限定的である上、広告宣伝の方法についても、2021年8月24日に「佐藤堂」が北海道にオープンする旨の記事のほか(甲第36号証ないし甲第44号証)、観光客向けに北海道の情報発信を行うウェブサイトや北海道地域のメディアによる「佐藤堂」の紹介が中心であり(甲第45号証ないし甲第59号証)、また、ウェブサイトの閲覧者数、掲載期間等が不明であることから、広告効果も限定的であるといわざるを得ない。 さらに、本願商標とアーティスト「きゃりーぱみゅぱみゅ」のコラボ商品の販売が行われたことは確認できても(甲第60号証及び甲第61号証)、これは、当該アーティストのメジャーデビュー10周年を記念した全国30公演ツアーと連動し、ツアー地ごとに地元企業と行うコラボ企画の一環であって、販売期間は2022年3月20日から2週間限定の一時的なものであることがうかがえるものである。 加えて、製造販売個数に関して提示された資料(甲第33号証)には、「年月」及び「製造販売個数」のみ記載されていることから、当該資料が請求人の製造、販売に係るいずれの商品に関するものであるか不明であり、また、請求人商品の使用状況、売上高、販売数、広告費、広告宣伝の方法・回数、市場シェア等についても確認することができない。さらに、当該資料には、作成者、引用元等の記載もないことから、具体的な使用事実に基づいて使用状況を把握し、その周知性の程度を客観的に推し量ることができない。 その他、請求人の提出に係る証拠を見ても、本願商標が、請求人商品を表すものとして、我が国の取引者、需要者に広く認識されていたと認めるに足りる事情を見いだすことはできず、当審において、職権で調査するも、本願商標が、その指定商品を取り扱う業界において、自他商品の出所識別標識としての機能を発揮し得るものであると認めるに足りる事情を見いだすこともできなかった。 そうすると、本願商標は、これを使用した請求人の業務にかかる商品を表すものとして、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたと認めることはできないし、また、請求人主張のように本願商標を使用した請求人の業務にかかる商品を表すものとして機能しているということもできない。 なお、請求人は、本願商標に係る商品が意匠登録されている旨主張するが(甲第32号証)、意匠制度と商標制度は制度の目的が異なり、また、提出された書類から確認できる意匠登録の対象物と本願商標とでは、保護の対象が異なることから、本願商標に係る商品が意匠登録されている事実は、上記の判断を左右するものではない。 オ したがって、請求人の上記アないしエの主張は、いずれも採用できない。 なお、請求人は、審判請求書において、必要に応じて追加証拠を提出する準備がある旨述べているところ、既に提出された証拠を確認するも、本願商標は、これがその指定商品に使用をされた結果、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるに至っていると認めることはできないことから、証拠が追加提出されたとしても、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当し、かつ、同条第2項の要件を具備するものではないとする認定、判断に影響を及ぼすとは考え難いため、更なる資料の提出を求めることなく審理を進めた。 (3)まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。

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