商標拒絶査定不服審判
2023-008795
モクセーウキキソ、モクセーウキ
- 審判番号
- 2023-008795
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-060429
- 請求日
- 2023年05月30日
- 審決日
- 2024年10月07日
- 公報発行日
- 2024年12月27日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】越井木材工業株式会社
- 【請求人代理人】小谷 昌崇
- 【請求人代理人】川瀬 幹夫
- 【請求人代理人】並川 鉄也
- 【請求人代理人】貴答 信介
- 審判長/審判官
- 審判長 大島 勉
- 審判官 小林 裕子
- 審判官 浦崎 直之
- 分類
- T18 .13 -Z (W37)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、特許法第150条第5項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022-60429拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和4年5月27日の登録出願であって、その手続の経緯の概略は以下のとおりである。
令和4年11月17日付け:拒絶理由通知書
令和5年 5月16日付け:拒絶査定
令和5年 5月30日 :審判請求書の提出
令和6年 8月20日付け:証拠調べ通知書
令和6年 9月 6日 :意見書の提出
第2 本願商標
本願商標は、「木製浮き基礎」の文字を標準文字で表してなり、第37類「建築物の基礎工事,建築物の基礎工事に関する助言,建設工事,建設工事に関する助言,建築設備の運転・点検・整備」を指定役務として登録出願されたものである。
第3 原査定の拒絶の理由の要旨
本願商標は、「木製浮き基礎」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「木製」の文字は、「木を材料としてつくること」の意味を有し、「浮き基礎」の文字は、「建物の重量と同量の地盤を取り除いて、建物の沈下を防止する基礎工法」の意味を認識させるものであるから、本願商標は、全体として、「木を材料とした、建物の重量と同量の地盤を取り除いて、建物の沈下を防止する基礎工法」ほどの意味合いを認識させるものである。
そして、本願の指定役務を取り扱う分野においては、木材を基礎として利用した基礎工事について、検討がされている実情がある。
そうすると、本願商標を、その指定役務に使用したときは、これに接する取引者、需要者に、「木を材料とした、建物の重量と同量の地盤を取り除いて、建物の沈下を防止する基礎工法に関する役務」であることを理解させるにすぎず、本願商標は、役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
第4 当審における証拠調べ
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、別掲2(1)ないし(10)及び別掲3のとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対し、上記第1の証拠調べ通知書によって通知し、相当の期間を指定して、これに対する意見を求めた。
第5 証拠調べに対する請求人の意見の要旨
請求人は、上記第4の証拠調べに対し、意見書を提出し、要旨、以下のとおりの意見を述べた。
証拠調べ通知書において示された証拠は、一つとして「木製材料」あるいは、「木製」のものを用いた「浮き基礎」が一般的に存在し、あるいは、本願商標が指定役務との関係で、「木製材料(あるいは木製の何か)を用いた浮き基礎」であることを理解させることを示唆する資料はなく、本願商標が指定役務の内容等を具体的又は直接的に表したものであると理解されるものではないことが明らかである。
第6 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号の該当性について
本願商標は、「木製浮き基礎」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「木製」の文字は、「木で製作すること。また、そのもの。」(「広辞苑第七版」株式会社岩波書店)の意味を有する語であり、「浮き基礎」の文字は、別掲1のとおり、建設工事の基礎形式又は基礎工法の一種を表す語であるから、本願商標は、全体として「木製の浮き基礎」ほどの意味合いが容易に理解されるものである。
また、別掲2のとおり、本願の指定役務を取り扱う業界において、木材を用いた基礎が使用され、又は使用が検討されている事実がある。
さらに、別掲3のとおり、同業界において、基礎に用いられることの多い鉄筋コンクリート以外のものを用いた浮き基礎が使用されている事実がある。
そうすると、「木製浮き基礎」の文字からなる本願商標を、その指定役務に使用したときには、これに接する取引者、需要者は、「木製の浮き基礎を用いた役務、木製の浮き基礎に関する役務」であると認識するにとどまり、本願商標は、役務の質を普通に用いられる方法で表示したものと認識するというのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
2 請求人の主張について
請求人は、「木製浮き基礎」の語は、本願の指定役務に係る役務の質等を需要者に認識させるものではなく、また、「木製浮き基礎」の語に係る自他役務等識別力の欠如の根拠となるような取引業界における使用例も存在しないことから、本願商標は十分に自他役務等識別力を具備する旨主張する。
しかしながら、本願商標が、その指定役務について役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるというためには、審決の時点において、本願商標がその指定役務との関係で役務の質を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、本願商標の取引者、需要者によって本願商標がその指定役務に使用された場合に、将来を含め、役務の質を表示したものと一般に認識されるものであれば足りると解されるところ、「木製」及び「浮き基礎」の文字の意味や、本願の指定役務を取り扱う業界において、木材を用いた基礎が使用され、又は使用が検討されている事実、鉄筋コンクリート以外のものを用いた浮き基礎が使用されている事実を併せみれば、本願商標をその指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者に、「木製の浮き基礎を用いた役務、木製の浮き基礎に関する役務」であること、すなわち役務の質を表示したものと一般に認識されるというべきである。
したがって、請求人による上記主張は、採用することができない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、これを登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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