商標拒絶査定不服審判
2023-008699
グローバルデジタルトランスフォーメーション、グローバルデジタル、デジタルトランスフォーメーション
- 審判番号
- 2023-008699
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-019480
- 請求日
- 2023年05月29日
- 審決日
- 2024年11月26日
- 公報発行日
- 2025年02月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】プルーヴ株式会社
- 【請求人代理人】宮川 壮輔
- 【請求人代理人】深川 英里
- 審判長/審判官
- 審判長 大島 康浩
- 審判官 小林 裕子
- 審判官 大塚 正俊
- 分類
- T18 .16 -Z (W354142)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項6号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第6号、特許法第150条第5項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022-19480拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和4年2月21日の登録出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年7月26日付け:拒絶理由通知書
令和4年9月8日:意見書の提出
令和5年2月20日付け:拒絶査定
令和5年5月29日:審判請求書の提出
令和6年7月18日付け:証拠調べ通知書
令和6年8月28日:意見書の提出
2 本願商標
本願商標は、「グローバル・デジタル・トランスフォーメーション」の文字を標準文字で表してなり、第35類、第41類及び第42類に属する別掲1のとおりの役務を指定役務として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、「本願商標は、「グローバル・デジタル・トランスフォーメーション」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「グローバル」の文字は「世界的な規模であるさま。包括的。」、「デジタル・トランスフォーメーション」の文字は「IT(情報技術)が社会のあらゆる領域に浸透することによってもたらされる変革。」の意味を有する語であり、全体として「世界的な規模のITが社会のあらゆる領域に浸透することによってもたらされる変革。」ほどの意味合いが容易に理解される。そして、近年、IoT(Internet of Things)、人工知能(AI)、ビッグデータといったデジタル技術の開発が世界中で進められているところ、インターネットのウェブサイト情報によれば、世界的な規模で行われるデジタルトランスフォーメーションや、世界的な規模でデジタルトランスフォーメーション関連企業に関わること等を、「グローバル(・)デジタル(・)トランスフォーメーション」と称している実情が認められる。そうとすると、本願商標をその指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「世界的な規模のデジタルトランスフォーメーションに関する役務」であるといった役務の特性を表した宣伝文句の一種であると理解し、認識するにすぎないので、本願商標は、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ず、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標というべきである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
4 当審における証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを実施した結果、別掲2(1)、(2)及び(3)アないしカに示したとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対して、証拠調べの結果を通知した。
5 証拠調べに対する請求人の意見の要点
本願商標の構成中の「グローバル」の語は多様な意味を有しており、「グローバル・デジタル・トランスフォーメーション」の文字全体からは、多様な意味合いが想起され得るから、「世界的な規模で行われるデジタル・トランスフォーメーション」という意味合いが直ちに生じるものではない。よって、本願商標は、特定の観念を生じるものではなく、本願商標の構成文字全体から、一種の造語として認識される。
原審及び当審において挙げられた使用例をみても、「グローバル・デジタル・トランスフォーメーション(グローバルDX)」の語が、上記の意味合いで、企業の経営理念や経営方針のための取組み等に一般に使用されているとはいえないから、本願商標が、その役務の宣伝広告又は企業理念・経営方針等を普通に用いられる方法で表示したものとしてのみ認識させる場合に該当しないことは明らかである。
したがって、本願商標は自他役務の識別標識としての機能を果たすものであり、商標法第3条第1項第6号に該当しない。
6 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第6号について
商標法は、「商標を保護することにより、商標の使用をする者の業務上の信用の維持を図り、もつて産業の発達に寄与し、あわせて需要者の利益を保護することを目的とする」ものであるところ(同法第1条)、商標の本質は、自己の業務に係る商品又は役務と識別するための標識として機能することにあり、この自他商品又は役務の識別標識としての機能から、出所表示機能、品質保証機能及び広告宣伝機能等が生じるものである。同法3条1項6号が、「需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができない商標」を商標登録の要件を欠くと規定するのは、同項1号ないし5号に例示されるような、識別力のない商標は、特定人によるその独占使用を認めるのを公益上適当としないものであるとともに、一般的に使用される標章であって、自他商品・役務の識別力を欠くために、商標としての機能を果たし得ないものであることによるものと解される(平成21年(行ケ)第10270号、平成22年1月27日知財高裁判決)。
(2)本願商標の商標法第3条第1項第6号該当性について
本願商標は、前記2のとおり、「グローバル・デジタル・トランスフォーメーション」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「グローバル」の文字は、「世界全体にわたるさま。世界的な。地球規模の。」(出典:「広辞苑第7版」岩波書店)の意味、「デジタル・トランスフォーメーション」の文字は、「IT(情報技術)が社会のあらゆる領域に浸透することによってもたらされる変革。DX。」(出典:株式会社小学館「デジタル大辞泉」)の意味を有する語であるから、本願商標は全体として、「世界的な規模のITが社会のあらゆる領域に浸透することによってもたらされる変革。」ほどの意味合いを、これを見る者に容易に理解されるものというのが相当である。
そして、原審において示された事実及び当審における職権による調査によれば、近年、IoT(Internet of Things)、人工知能(AI)、ビッグデータといったデジタル技術の開発が世界中で進められているところ、別掲2のとおり、世界的な規模で行われるデジタルトランスフォーメーションや、世界的な規模でデジタルトランスフォーメーション関連企業に関わること等を、「グローバル・デジタル・トランスフォーメーション(グローバルDX)」と称している実情が認められる。
また、本願の指定役務は、例えば、企業等におけるデジタルトランスフォーメーションの推進や、その基盤となるデジタル技術の研究・開発などといった、デジタルトランスフォーメーションと密接に関係する役務である。
そうとすると、本願商標をその指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「世界的な規模のデジタルトランスフォーメーションに関する役務」であるといった役務の特性を表した宣伝文句の一種であると理解し、認識するにすぎないから、本願商標は、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ず、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標というべきである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
(3)請求人の主張について
請求人は、本願商標の構成中の「グローバル」の語は多様な意味を有しており、「グローバル・デジタル・トランスフォーメーション」の文字全体からは、多様な意味合いが想起され得るものであり、「世界的な規模で行われるデジタル・トランスフォーメーション」という意味合いが直ちに生じるものではなく、構成文字全体として一種の造語として認識されるものである旨、また、原審及び当審において挙げられた使用例をみても、「グローバル・デジタル・トランスフォーメーション(グローバルDX)」の語が、上記の意味合いで、企業の経営理念や経営方針のための取組み等に一般に使用されているとはいえないから、本願商標が、その役務の宣伝広告又は企業理念・経営方針等を普通に用いられる方法で表示したものとしてのみ認識させる場合に該当しない旨主張する。
しかしながら、前記(2)のとおり、近年、IoT(Internet of Things)、人工知能(AI)、ビッグデータといったデジタル技術の開発が世界中で進められているところ、インターネットのウェブサイト情報によれば、世界的な規模で行われるデジタルトランスフォーメーションや、世界的な規模でデジタルトランスフォーメーション関連企業に関わること等を、「グローバル・デジタル・トランスフォーメーション(グローバルDX)」と称している実情を考慮すれば、「グローバル・デジタル・トランスフォーメーション」の文字からなる本願商標をその指定役務に使用しても、これに接する需要者等は、「世界的な規模のITが社会のあらゆる領域に浸透することによってもたらされる変革。」という、企業や組織の理念や経営方針等として理解するにとどまるものであるから、本願商標は、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないというべきである。
また、請求人は、本願商標の登録適格性を主張するために、他の登録例を挙げているが、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第6号に該当するものであるか否かの判断は、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、その指定役務との関係において、個別具体的に判断されるものであって、他の登録例の存在によって、上記判断が左右されるものではない。
したがって、請求人の主張は、いずれも採用することができない。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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