商標拒絶査定不服審判
2023-008665
ランカツサプリ、ランカツ
- 審判番号
- 2023-008665
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-102262
- 請求日
- 2023年05月26日
- 審決日
- 2024年04月03日
- 公報発行日
- 2024年06月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ロート製薬株式会社
- 【請求人代理人】弁理士法人ライトハウス国際特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 高野 和行
- 審判官 小俣 克巳
- 審判官 石塚 利恵
- 分類
- T18 .13 -Z (W05) / T18 .272-Z (W05)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022-102262拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和4年9月5日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年12月14日付け:拒絶理由通知書
令和5年 1月31日 :意見書、手続補足書の提出
令和5年 2月21日付け:拒絶査定
令和5年 5月26日 :審判請求書の提出
令和5年 5月27日 :手続補足書の提出
2 本願商標
本願商標は、「卵活サプリ」の文字を標準文字で表してなり、第5類「薬剤,医療用試験紙,医療用油紙,医療用接着テープ,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,綿棒,歯科用材料,乳幼児用粉乳,サプリメント,食餌療法用飲料,食餌療法用食品,乳幼児用飲料,乳幼児用食品,栄養補助用飼料添加物(薬剤に属するものを除く。),人工受精用精液」を指定商品として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要点)
本願商標は、「卵活サプリ」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「卵活」の文字は、若いうちに健康で元気な卵子を凍結保存することや卵子の質を高めながら妊娠の確率アップをめざす活動を指す言葉として使用されている。また、構成中の「サプリ」の文字は「サプリメント」の略として親しまれている。
そうすると、本願商標をその指定商品に使用するときは、全体として、「卵子の質を高める活動のためのサプリメント」というほどの意味合いを理解させる。
加えて、実際に、卵子の質を高めるためのサプリとして紹介される商品が製造、販売されているから、本願商標をその指定商品に使用しても、上記ほどの意味合いを理解させるにすぎず、本願商標は、単に、商品の品質、用途等を表示するにすぎない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、その指定商品中、上記意味合いに照応する商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。
4 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
ア 本願商標は、前記2のとおり、「卵活サプリ」の文字を標準文字で表してなるところ、その文字種の違いから、「卵活」の漢字及び「サプリ」の片仮名を結合してなるものと容易に看取、把握されるものである。
イ 原審において示した事実(別掲1(1))に加え、当審における職権による調査(別掲2、別掲3(1))からすると、「卵活」の文字は、我が国において、遅くとも2013年にはメディアで取り上げられており、それ以降、将来の出産に備えて若いうちに卵子を凍結することなどを含めた、「卵子の質を高めるための活動」を総称するものとして使用されている実情が認められる。
ウ また、本願商標の構成中、「サプリ」の文字は、「サプリメントの略」の意味を有する語(「広辞苑 第七版」岩波書店)として広く親しまれた平易な語である。
エ そして、本願の指定商品中、「サプリメント」を取り扱う業界においては、「卵子の質を上げるサプリ」として、種々のサプリメントが製造、販売されている(別掲1(2)、別掲3)ところ、その中には、「卵活サプリ」の文字を表示した商品が製造、販売されている実情も伺える(別掲4)。
オ 上記イないしエを踏まえると、「卵子の質を高めるための活動」を総称するものとして使用されている「卵活」の文字と、「サプリメント」の略である「サプリ」の文字とを組み合わせた本願商標は、その構成全体として、「卵活(卵子の質を高めるための活動)のためのサプリメント」ほどの意味合いを容易に認識させるものである。
そうすると、本願商標は、その指定商品中「サプリメント」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、当該商品が「卵活(卵子の質を高めるための活動)のためのサプリメント」であること、すなわち商品の品質を表示したものと看取、理解するにとどまり、商品の出所を表示する標識又は自他商品の識別標識として認識することはないというべきであるから、その商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であり、上記商品以外の「サプリメント」に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるものというのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、「卵活」の文字は、「女性の年齢が若いうちに元気な卵子を採取・凍結。その後、妊娠したいときに卵子を解凍し、体外受精させた受精卵を子宮に戻すというもの」、「卵子や卵巣の一部を凍結保存する行動」、「卵巣の活性化」、「卵の質を高めるための活動」等、さまざまな意味合いで使用されている語である旨述べ、「卵活」の語は、辞書に掲載されている語でもなく、現実の取引実情からみても、その定義は曖昧で、特定の意味合いを有する語として確立しているとまでは言い得ないから、外観上まとまりよく一連一体に書してなる本願商標が、「卵活」と「サプリ」とに分断され、それぞれの語の意味合いをもって認識されることがあったとしても、「卵活」の語から、直ちに、特定の意味合いを認識することはできず、本願商標全体として、様々な意味合いをもって認識されること、また、極めて漠然とした広範な意味合いを想起させることはあっても、商品の特定の品質、用途等を直接的に表示するものとして直ちに認識されるものではなく、むしろ、特定の意味合いを看取させない一連の造語として把握される旨主張する。
しかしながら、「卵活」の文字が、我が国のメディアに取り上げられてから、少なくとも10年以上経過した現在においては、「卵子の質を高めるための活動」を総称するものとして使用されていることは上記(1)のとおりであり、請求人が挙げる「卵子凍結」や「卵巣の活性化」は、「卵活」と総称される取り組みの一要素であるといえる。また、「卵子の質を上げるサプリ」として、種々のサプリメントが取引されている実情も踏まえると、本願商標全体として一種の造語というよりは、上記(1)のとおり、本願商標は、「卵活(卵子の質を高めるための活動)のためのサプリメント」ほどの意味合いを容易に認識させるものと言わざるを得ない。
イ 請求人は、本願の指定商品を取り扱う業界において、「卵活サプリ」の文字が、特定の商品の品質を表示するものとして一般的に使用されている事実は発見できず、「一般的に使用される標章」であるとは到底いえない旨主張する。
しかしながら、「商標法第3条第1項第3号は、取引者、需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、該表示態様が、商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべき」(東京高裁平成12年(行ケ)第76号、同年9月4日判決参照)であるから、同号の適用に当たっては、必ずしも、「卵活サプリ」の文字が、商品の品質を表すものとして実際に使用されている例が要求されるわけではないと解される。そして、サプリメントを取り扱う業界においては、「卵子の質を上げるサプリ」として、種々のサプリメントが取引されている実情があり、その中には、「卵活サプリ」の文字を表示した商品が製造、販売されている実情も伺えることは、上記(1)のとおりである。
ウ 請求人は、「○活サプリ」(○には漢字が入る)等の構成からなる過去の商標登録例を掲げて、本願商標も登録すべきである旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が自他商品の識別標識として機能し得るか否かは、当該商標の構成態様と、査定時又は審決時における取引の実情を勘案して、その指定商品の取引者、需要者の認識を基準に判断すべきものであるから、他の登録例に本件の判断が拘束されるものではない。
エ したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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