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商標拒絶査定不服審判

2023-008656

ドゥーブルフロマージュ

審判番号
2023-008656
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2021-064377
請求日
2023年05月26日
審決日
2024年07月16日
公報発行日
2024年10月25日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】株式会社ケイシイシイ
  • 【請求人代理人】弁理士法人深見特許事務所
審判長/審判官
  • 審判長 大森 友子
  • 審判官 小俣 克巳
  • 審判官 鯉沼 里果
分類
T18 .13 -Z (W30) / T18 .17 -Z (W30) / T18 .272-Z (W30)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法3条1項3号商標法3条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第3条第1項第3号、商標法第3条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

商願2021- 64377拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 1 手続の経緯 本願は、令和3年5月26日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和 3年10月11日 :刊行物等提出書 令和 3年11月25日付け:拒絶理由通知書 令和 4年 4月 7日 :意見書の提出 令和 5年 2月20日付け:拒絶査定 令和 5年 5月26日 :審判請求書の提出 令和 5年 7月 6日 :手続補正書の提出 2 本願商標 本願商標は、「ドゥーブルフロマージュ」の文字を標準文字で表してなり、第30類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として登録出願されたものである。 その後、本願の指定商品は、上記1の当審における手続補正書により、第30類「チーズケーキ」と補正されたものである。 3 原査定の拒絶の理由(要旨) 本願商標は、「ドゥーブルフロマージュ」の文字を標準文字で表してなるものであるところ、この文字は、2層になったチーズケーキを表示するものとして、一般に広く使用されているものであるから、これをその指定商品「菓子(果物・野菜・豆類又はナッツを主原料とするものを除く。),パン」について使用しても、取引者、需要者をして、単にその商品がチーズケーキであるという、商品の品質を普通に用いられる方法で表示したものと認識するにとどまるというのが相当である。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、本願の指定商品中、「ドゥーブルフロマージュ」の文字に照応する商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。 また、本願商標が出願人の業務に係る商品について使用された結果、識別力を有するに至ったとはいえないから、本願商標は商標法第3条第2項の要件を具備するものとは認められない。 4 当審の判断 (1)商標法第3条第1項第3号該当性について 本願商標は、「ドゥーブルフロマージュ」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「ドゥーブル」の文字は「2倍の。二重の。」などを意味するフランス語「double」の、「フロマージュ」の文字は「チーズ」を意味するフランス語「fromage」(出典:「プログレッシブ 仏和辞典 第2版」株式会社小学館)の表音を片仮名で表記したものと認められる。 ところで、本願の指定商品を取り扱う分野において、「ドゥーブルフロマージュ」の語が、2層からなるチーズケーキなど、チーズケーキの一種を表示する語として一般に使用されている実情が、原審提示の事例や、別掲1提示の事例のとおり確認できる。このことを踏まえれば、本願商標をその指定商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者において、その商品が「(2層からなるチーズケーキという)チーズケーキの一種」であるという、商品の品質を表示したものと理解、認識されるものというのが相当であるから、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というのが相当である。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。 (2)商標法第3条第2項に規定する要件を具備するか否かについて 請求人は、本願商標は、請求人によって大々的に使用された結果、請求人の業務にかかる識別標識としての機能を果たしている旨主張し、証拠方法として、原審において第19号証ないし第84号証、当審において第21号証ないし第86号証を提出しているところ、当該証拠は重複しているから、当審において提出された証拠を採用する。また、当審において提出された第21号証ないし第86号証は甲第21号証ないし甲第86号証と読み替えるものとする。 上記証拠及び請求人の主張によれば、以下のとおりである。 ア 請求人は、1999年、北海道小樽市に「小樽洋菓子舗ルタオ本店」をオープンし、「ドゥーブルフロマージュ」の文字からなる商標(以下「本件使用商標」という。)を付したケーキの販売を開始した(請求人の主張、甲21)。 なお、甲21には「1998年6月、ルタオは小樽の街に開業しました。」の記載がある。 イ 2010年から2023年の期間における本件使用商標を付したケーキ(以下「本件商品」という。)の年間販売個数は約130万個ないし160万個、年間売上金額は10億円ないし23億円であって、また、全国各地域への通信販売が10年以上継続して行われている(請求人の主張)。 ウ 請求人は、2009年から、テレビCM・新聞広告(全国紙、全国各地の地方紙)・折り込みチラシ等で本件商品の宣伝広告を行い、その通算広告費用は10億円以上である(請求人の主張、甲25,甲27~甲36)。 なお、いずれの新聞広告にも本件使用商標のほか、請求人を表示する「小樽洋菓子舗ルタオ」、「ルタオ」又は「LeTAO」の文字が使用されている。 エ 請求人は、2010年から2013年頃にかけて、本件商品を掲載した新聞折り込みチラシを全国で配布した。1回あたりの配布数は100万部ないし1000万部であり、累計で全国5200万世帯に配布した(請求人の主張、甲25、甲38~甲43)。 なお、いずれの新聞折り込みチラシにも本件使用商標のほか、請求人を表示する「小樽洋菓子舗ルタオ」、「ルタオ」又は「LeTAO」の文字が使用されている。 オ 本件商品は、2008年から2021年までの期間に、「おとりよせネット ベストお取り寄せ大賞」、「yahoo!検索大賞」、「楽天グルメ大賞」において、賞を受賞している(甲44~甲48、甲50、甲51)。 なお、賞の受賞に関する証左には、いずれも本件使用商標のほか、請求人を表示する「小樽洋菓子舗ルタオ」、「ルタオ」又は「LeTAO」の文字が記載されている。 カ 本件商品は、2009年から2021年までの期間に、フジテレビ、日本テレビ、テレビ朝日、テレビ東京、TBS等の我が国における主要放送局において放送された、有名タレントが出演する番組内において紹介されている(甲52~甲69)。 なお、請求人が作成した、テレビ・雑誌での紹介実績(甲52)に記載された番組での紹介内容からは、ほとんどの番組において、本件商品が「小樽洋菓子舗ルタオ」、「ルタオ」又は「LeTAO」の商品であるとして、紹介されている。 キ 本件商品は、鉄道会社、クレジットカードの会員誌、フリーペーパー、一般の雑誌、雑誌のインターネット版において紹介されている(甲52、甲70~甲86)。 なお、いずれの紹介記事にも本件使用商標のほか、請求人を表示する「小樽洋菓子舗ルタオ」、「ルタオ」又は「LeTAO」の文字が記載されている。 ク 上記アないしキによれば、請求人は、1999年頃より、本件使用商標を用いて本件商品を販売しており、その販売エリアは、通信販売を活用することにより全国に及んでいると推認される。 また、請求人はテレビCM・新聞広告・折り込みチラシ等の各種広告を行っている上、本件商品が複数のテレビ番組、雑誌等で紹介された事実及び複数の賞を受賞した事実が認められることから、本件商品は少なくとも一部の洋菓子愛好家の間では、請求人の商品として一定程度知られたものとなっていたことが推認される。 しかしながら、本件商品の販売規模(販売額、販売数量等)が請求人の主張のとおりであるとしても、本件商品の市場占有率を示す証拠は提出されていないから、本件商品の販売規模の多寡を判断することができない。 また、本件商品が複数の賞を受賞した事実があるとしても、賞を受賞したことが、本願商標の周知にどのように影響を及ぼしているのか判断することはできない。 そして、本件使用商標が請求人により使用される際には、その近傍に、請求人を表示する「小樽洋菓子舗ルタオ」、「ルタオ」又は「LeTAO」の文字が使用されているうえ、本件商品が請求人以外の者により紹介される際にも、「ルタオのドゥーブルフロマージュ」、「ドゥーブルフロマージュ LeTAO」、「小樽洋菓子舗ルタオ ドゥーブルフロマージュ」等のように、請求人を表示する文字と共に紹介されているものがほとんどであり、取引者、需要者の認識度を客観的に示す証拠(アンケート結果など)は提出されておらず、その他、提出された証拠からは、本件使用商標のみをもって、請求人の業務に係る商品を表すものとして取引者、需要者の間で広く知られているものであると判断することはできない。 そのうえ、別掲2によれば、「ドゥーブルフロマージュ」と称される2層からなるチーズケーキはそもそも「菓子工房フラノデリス」により考案されたものであるところ、原審提示の事例や、別掲1提示の事例のとおり、本願の指定商品を取り扱う様々な者によって、「ドゥーブルフロマージュ」の語が、2層からなるチーズケーキほどの、チーズケーキの一種を表示する語として使用され、当該文字によるチーズケーキが販売されている実情が確認できることからすると、本件使用商標は、商品が「(2層からなるチーズケーキほどの)チーズケーキの一種」であるという、商品の品質を端的に表示記述する語として、又は、そのような語であると取引者、需要者に容易に理解、認識され得る状況又は態様において、使用されてきたといえるものである。 以上のことからすると、本件使用商標が、その文字のみで独立して自他商品の識別標識として広く使用され、本件商品を表示するものとして、取引者、需要者に認識されているとはいい難いものである。 したがって、提出された証拠をもっては、本願商標が、その指定商品との関係において、使用をされた結果、取引者、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるに至っているとは認められないから、本願商標は、商標法第3条第2項に規定する要件を具備しない。 (3)請求人の主張について ア 請求人は、「ドゥーブルフロマージュ」の語は高度な造語性を有するものであって、全国各地の事業者が独自に造語である「ドゥーブルフロマージュ」の文字を同一の商品について採択するなどということは不自然であり、しかもこれらの使用開始が請求人の商品について全国的な露出が増えた後であることに鑑みれば、現在行われている第三者の「ドゥーブルフロマージュ」の語の使用の多くは請求人の商品の人気に何らかの形であやかろうとしていると考えるのは至極当然のことと主張する。 しかしながら、登録出願に係る商標が、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるか否かの判断は、査定時又は審決時を基準として判断されるべきものであるところ、たとえ請求人が「ドゥーブルフロマージュ」と指称するチーズケーキを販売した結果、当該商品が人気を集めたとしても、当初は特定の商品の名称として使用されていた語が、一定期間使用され、当該商品と同種の商品等を指す一般名称となり、自他商品を識別する標章としての機能を喪失することはあり得るのであって、現在(審決時)において、原審提示の事例や別掲1の事例のように、2層からなるチーズケーキを「ドゥーブルフロマージュ」と指称している者は多数存在しているし、上記(2)クのとおり、本願商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者が、請求人の取り扱いに係る商品であることを認識するに至っていると認め得る事情も限定的であることからすれば、本願商標をその指定商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者において、その商品が「(2層からなるチーズケーキという)チーズケーキの一種」であるという、商品の品質を表示したものと理解され、自他商品の識別標識としては認識されないものというのが相当である。 イ 請求人は「ドゥーブル」の文字商標及び「ドゥーブル」の文字を含む商標が「菓子,パン」の分野において登録されていること並びに過去の登録例を挙げ、本願商標も登録されるべきである旨主張する。 しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるか否かの判断は、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品又は指定役務との関係や、その商品又は役務の分野における取引の実情をも踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げた登録例は、商標の構成態様が本願商標とは異なるものである点において、本願とは、事案を異にするものというべきであり、また、過去の登録例が存在することをもって、上記(1)及び(2)クの判断が左右されるものではない。 ウ したがって、請求人の主張は、いずれも採用することができない。 (4)まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであって、また、商標法第3条第2項に規定する要件を具備するものともいえないから、登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。 別掲1 本願の指定商品を取り扱う分野において、「ドゥーブルフロマージュ」がチーズケーキの一種を表示する語として使用されていることを示す事例 (1)「Patisserie ANNEAU」のウェブサイトにおいて、「ドゥーブルフロマージュ」の見出しの下、「マスカルポーネの優しいなめらかなレアチーズと、濃厚なベイクドチーズケーキの2層のケーキ。(中略)2種類の異なったチーズの風味が口の中に広がる、贅沢なチーズケーキです。」の記載がある。 https://anneau.jp/lineup/3188/ (2)「アン.ガトー」のウェブサイトにおいて、「ドゥーブルフロマージュ 4個セット」の見出しの下、「ムースとスフレ2層のチーズケーキ」の記載がある。 https://ungateau.thebase.in/items/45555639 (3)「ISETAN DOOR」のウェブサイトにおいて、「[ホテルオークラ]監修 ドゥーブルフロマージュ」の見出しの下、「濃厚なベイクドチーズケーキと軽やかな味わいのレアチーズケーキにレモンの酸味を合わせ、爽やかに仕上げた二層仕立てのチーズケーキです。」の記載がある。 https://isetandoor.mistore.jp/ShouhinShousai.mi6-8518_2219.htm (4)「日本橋いなば園」のウェブサイトにおいて、「shirousagi ドゥーブルフロマージュ 2個セット あまおう苺・川根柚子・京抹茶から選べる」の見出しの下、「ドゥーブルフロマージュは2層のチーズケーキ。」の記載がある。 https://www.inabaen-shop.jp/view/item/000000000488 (5)「アンドロワ・パレ」のウェブサイトにおいて、「ドゥーブルフロマージュ」の見出しの下、「マスカルポーネのクリームとクリームチーズを使ったベイクドチーズケーキの二層のケーキ。」の記載がある。 https://endroitpalais.com/menu/20180508-7429/ (6)「ケーキハウス 幸せの丘」のウェブサイトにおいて、「ドゥーブルフロマージュ(5号)」の見出しの下、「レアチーズとスフレチーズの2層のチーズケーキ」の記載がある。 https://shiawasenooka.stores.jp/items/629ed5a70536241085c944fc (7)「le-foyer / KURASHIKI CLASS」のウェブサイトにおいて、「ドゥーブルフロマージュ」の見出しの下、「イタリア産マスカルポーネと北海道産クリームチーズの二層のチーズケーキ。」の記載がある。 https://le-foyer.shop-pro.jp/?pid=134134021 別掲2 2つの層からなるチーズケーキ「ドゥーブルフロマージュ」が「菓子工房フラノデリス」により考案されたものであることを示す記事 (1)書籍「チーズケーキ本」(2020年発行 旺文社)、106ページに「ドゥーブルフロマージュ誕生秘話」の見出しの下、「個性的なチーズケーキがある中で、上下で異なる2つの層からなる「ドゥーブルフロマージュ」と呼ばれるチーズケーキがあります。(中略)このケーキを発案した方にお話を伺いました。」、「「ドゥーブルフロマージュ」ですが、元々は北海道の富良野にあるケーキ屋さん「菓子工房 フラノデリス」が考案したものだということをご存じでしょうか。」及び「また、「ドゥーブルフロマージュ」といえば、小樽のルタオが有名ですが、ここの「ドゥーブルフロマージュ」もまた、藤田さんの技術指導により作られたものだとか。」の記載がある。 (2)「ふらののふるさと納税【北海道富良野市公式】」のウェブサイトにおいて、2022年10月28日付け「北海道の大人気土産“ドゥーブル・フロマージュ”の生みの親は、スイーツ×DXの最先端だった!?」の見出しの下、「富良野市の高台にある菓子工房 フラノデリスを営む藤田 美知男(ふじた みちお)さん。実はこの方、北海道土産として有名なチーズケーキ“ドゥーブル・フロマージュ”の生みの親なんです!」の記載がある。 https://furano-city.note.jp/n/n5a4e60b51140

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